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『赤毛のアン』を翻訳した村岡花子ってどんな人?その生涯と作品紹介

2018年5月20日

日本ホテル協会『HOTEL REVIEW』4月号(1956年4月10日発行)より村岡花子 [Public domain]

日本で初めて『赤毛のアン』の翻訳をした村岡花子。その人生と作品を紹介するよ。

こんな方におすすめ

  • 村岡花子訳の『赤毛のアン』愛読者。どんな人か知りたい
  • 村岡花子のほかの翻訳作品、創作作品を知りたい

村岡花子をざっくり紹介。

出典:「赤毛のアン」翻訳者の村岡花子が住んだまち 大田区(2014年4月)YouTube 大田区チャンネル

日本の翻訳家・児童文学者。児童文学の翻訳で知られ、モンゴメリの著作の多くと、エレナ・ポーター、オルコットなどの翻訳を手がけた。

2014年の連続テレビ小説「花子とアン」の主人公のモデルとなった人物としても有名。

本名:安中はな(あんなか・はな)。8人きょうだいの長女として生まれる。

1893年山梨県甲府市出身。5歳の時、一家で上京。

1903年東洋英和女学院に編入学し、10年間を寄宿舎で暮らす。

1914年山梨英和女学院に教師として赴任。

1917年『爐邉』(ろへん)を日本基督教興文協会から出版。

1919年教文館に女性向け・子供向け雑誌編集者として勤務。福音印刷社長の村岡儆三と出逢い、結婚。大森に新居。

1920年に誕生した長男を、1926年に病で失う。このことを機に、英語児童文学の翻訳の道に入る。

1932年妹・梅子に長女みどり誕生、後に養女とする。

1932年から1941年まで、JOAKのラジオ番組『子供の時間』の一コーナー『コドモの新聞』に出演、「ラジオのおばさん」として人気を博した。

1960年、児童文学に対する貢献によって藍綬褒章を受ける。

1968年、脳血栓で死去。

参考:Wikipedia、『花子とアンへの道』村岡恵理編、新潮社、2014年

村岡花子の生涯

ここからは、村岡花子の生涯を、キーパーソンとともに紹介するよ。

東洋英和女学院時代

東洋英和女学院大学院入口。

村岡花子は甲府市生まれ。

幼少期を甲府ですごした後、5歳の時に一家で東京に引っ越しをする。

貧しい商人の家だったけれど、クリスチャンの父・安中逸平は長女の花子の利発性をみこんで、10歳の時に東洋英和女学院に給費学生として編入学させるんだ。

下の弟妹たちはこのような高い教育は受けていなかった。

花子が一家から高い期待をかけられていたこと、弟妹たちの犠牲の上にこの高い教育が受けられていたことがわかる。

しかし、周りの同級生たちは家柄の良いお嬢様たち。

給費生の花子は、高い成績を維持することや奉仕活動への参加が義務づけられていた。

周りとはなじめなかった部分もあったと思う。

腹心の友との出会い

村岡花子は東洋英和女学院で10歳~20歳の10年間を過ごす。

そこで村岡花子にとっての「腹心の友」との出会いがあった。

柳原白蓮

大正・昭和時代の歌人・柳原白蓮。 [Public domain]

柳原白蓮は、花子の8歳年上の伯爵令嬢。

出逢ったとき、花子は15歳歳、白蓮は23歳だった。

白蓮は15歳のとき政略結婚させられ一男をもうけ、その後離婚し、東洋英和女学院にたどりついた。

年齢も育った環境も違うはなと白蓮だったけれど、不思議と惹かれあうものがあった。

英語の詩や西洋の文学を翻訳して白蓮に語る花子。

一方白蓮は、若くから和歌に親しみ、歌人・佐佐木信綱の門下に入会、花子も続いて入会した。

西洋文学とともに和歌の世界にも親しんでいくなかで、後の翻訳作品における趣ある表現力が培われていったに違いない。

片山廣子(松村みね子)

片山廣子(松村みね子)『現代短歌全集 第十九巻』1931年、改造社 [Public domain]

花子にとってこの時期は、片山廣子との出会いも大きなものだった。

片山廣子は佐佐木信綱門下生で、花子より15歳年上。東洋英和女学院の卒業生でもある。

歌人でありながら、松村みね子のペン・ネームでアイルランド文学の翻訳者としても知られていた。

大森に住んでいた片山廣子は、多くの西洋の近代文学を花子に紹介した。

後に花子が翻訳出版するマーク・トウェインの”The Prince and the Pauper”(『王子と乞食』)を紹介したのも片山廣子だった。

花子が結婚後の新居を大森に構えたのは、この片山が大森に住んでいたためだとも言われている。

山梨英和学院へ教師として赴任

東洋英和女学院を卒業した花子は、21歳の時、東洋英和の姉妹校である山梨英和女学校(現・山梨英和学院)へ教師として赴任する。

若く背も小さかった花子は、生徒たちから姉のように慕われていたという。

山梨・甲府は花子の故郷でもあり、5歳まで住んでいた土地。

5年間の教師生活によって、花子の心に故郷としての山梨が根付いていった。

山梨県立文学館公式サイト

広岡浅子、市川房枝との出会い

広岡浅子『一週一信』(大正7年)より、本人肖像。1918年12月25日。国会図書館デジタルコレクション[Public domain]


市川房枝『現代名家大演説集』大日本雄弁会講談社 編、1933年[Public domain]

この時期、女性実業家・広岡浅子が主催したキリスト教の夏季講座で、同じく教師をつとめていた市川房枝と出会う。

市川房枝は、後に平塚らいてうとともに婦人参政権運動を主導する人物。

女学生時代すでに、良妻賢母教育に反対して同級生と授業ボイコットを実施するなど、婦人活動家としての片りんを見せていた。

市川との交流はこの後も続き、花子は市川の婦人参政権運動を支援していくんだ。

処女作『爐邉』出版

山梨英和学院で教師をつとめるかたわら、花子は執筆・翻訳への意欲も捨てていなかった。

教え子の少女たちが「物語」を求めていることを肌で感じた花子は、翻訳していた短編をまとめ、1917年に『爐邉』として出版する。

この『爐邉』を出版したところが、後に花子が編集者として勤めることになる教文館の前身、日本基督教興文協会だった。

銀座・教文館で編集者として活躍

出典:花子とアンへの道 村岡花子 出会いとはじまりの教文館(2014年6月)YouTube教文館公式チャンネル

1917年『爐邉』の出版を機に、再び文学を志した花子。

1919年、山梨での教師の職を辞め、東京のキリスト教系出版社・教文館につとめる。

翻訳や編集にたずさわる仕事は、花子にとって心躍るものだったにちがいない。

教文館は、現在も書店・出版社として、銀座にある。

夫との出会い・結婚

花子は教文館で、村岡儆三との運命的な出逢いを果たす。

村岡儆三は、聖書・讃美歌の印刷・製本をあつかう印刷会社・福音印刷の跡継ぎだった。

出逢った当時すでに妻と子どもがいた村岡だったが、二人は急速にひかれあう。

出逢いから半年後、村岡と花子は結婚。大森に居を構える。

大田区観光協会公式サイト「村岡花子が暮らしたまち大森」

相次ぐ苦難、転機

花子は結婚から1年後に長男・道雄を出産し、希望に満ちた幸せな家庭生活だったが、数年後、相次ぐ苦難が花子をおそう。

1923年の関東大震災により、夫が父親から受け継いだ印刷会社が倒産。

震災では、夫の弟や70人近くの従業員も犠牲になった。

また、震災から3年後の1926年、愛息道雄が5歳で急死する。

『王子と乞食』

悲しみに打ちのめされるなか、花子はかつて友人片山廣子より紹介されたマーク・トウェインの”The Prince and the Pauper”(『王子と乞食』)の翻訳に着手する。

道雄に読み聞かせるのを夢見ていたこの物語を時間をかけて翻訳し、1927年、『王子と乞食』は平凡社から出版された。

姪みどりを養女として迎える

1932年、花子の妹・梅子に長女みどりが誕生する。花子の姪にあたるみどりの誕生日は、偶然にも道雄と同じ誕生日だった。

二年後、梅子に次女・晴子が生まれたこともあり、花子はみどりを養女として迎えることとなった。

村岡花子と『赤毛のアン』

Anne of Green Gables 初版本の表紙[Public domain]

村岡花子がモンゴメリの”Anne of Green Gables”と出逢ったのは、1939年

1932年ごろに出逢ったカナダ人宣教師、ミス・ロレッタ・レオナルド・ショーが戦時中母国に帰るとき、ミス・ショーから譲り受けたものだった。

当時「鬼畜米英」が叫ばれ、花子自身も戦争に協力させられ、戦争賛美の随筆を書くこともあった。

その一方で、”Anne of Green Gables”をいつか平和のおとずれとともに、日本の女性や子どもたちに届けることを望んだ花子は、翻訳に没頭した。

戦時中で紙不足、照明やローソクの使用も制限されていた中での翻訳業だった。

戦火の中でも原書と原稿だけは手放さなかったといわれている。

初版は三笠書房

1945年、日本は終戦を迎える。

”Anne of Green Gables”は『赤毛のアン』として、1952年、村岡花子が59歳の時、三笠書房より世に送り出されることになった。

広くこの物語を広めたいと考えた村岡花子は、自身がつとめていた教文館からではなく、一般の出版社の三笠書房を選択した。

当時の三笠書房は、翻訳文学に力を入れていた。

その後村岡花子は、1959年までに、アン・シリーズ全10巻を翻訳する。

モンゴメリ作品はほかにも多く翻訳するが、その生涯でプリンスエドワード島を訪れることはなかった。

『赤毛のアン』という書名の由来

『赤毛のアン』を出版するときに問題となったのが、題名だった。

”Anne of Green Gables”は直訳すると「グリーン・ゲイブルズ(緑の切り妻屋根)のアン」となる。

当時三笠書房の編集者が、『赤毛のアン』という題名を村岡花子に提案したが、花子は拒絶した。

花子自身は題名として、『窓に倚る少女』『窓辺に倚る少女』などを考えていた。

しかし、養女のみどりが『赤毛のアン』の提案を絶賛したことから、『赤毛のアン』という題名に決まった。

道雄文庫ライブラリー

『赤毛のアン』が三笠書房より出版された1952年、村岡花子は大森の自宅に、子どもたちのための家庭文庫「道雄文庫ライブラリー」を開く。

日々の運営はみどりが担当。

後に『エルマーのぼうけん』の翻訳者として知られる渡辺茂男も、学生時代「道雄文庫ライブラリー」の運営にかかわっていた。

村岡花子は、翻訳家の石井桃子らとともに「家庭文庫研究会」をひらき、主婦や教師たちが、子どもの本の在り方について考えるきっかけをつくった。

村岡美枝と村岡恵理

村岡花子の養女みどりの二人の娘、美枝と恵理は、現在翻訳家、ライターとして活躍している。

姉の村岡美枝は、新潮文庫の「赤毛のアンシリーズ」第11作目として、『アンの思い出の日々 上・下』の翻訳を担当した。

妹の村岡恵理の著書『アンのゆりかご―村岡花子の生涯―』(新潮文庫、2011年)は、NHK連続テレビ小説『花子とアン』(2014年度前期)の原案となった。

村岡花子のことがわかるスポット

村岡花子に関する資料を保管・展示しているスポットを紹介するよ。

東洋英和女学院史料室・村岡花子文庫展示コーナー

東洋英和女学院大学院入口。

由緒正し気な表札がとりつけられている。

東京は六本木にある東洋英和女学院。村岡花子の母校でもある。

大学院の入り口を入ってすぐのところに、一般の人も見学できる「学院資料・村岡花子文庫展示コーナー」が設けられている。

実際に行ってみた感想

学院資料・村岡花子文庫展示コーナー

実際に行ってみたんだけど、大学院入口の重々しいドアは、なかなか入るのに勇気がいる。

思い切って中に入ると、警備員さんみたいな人が目の前にいて、親切に村岡花子コーナーに案内してくれた。

展示資料は、村岡花子関連のものと、東洋英和女学院関連のものが半々くらい。

村岡花子が実際に使用していた机や書棚が展示されていて、書斎が再現されていた。

村岡花子が翻訳した書籍や随筆集、孫の恵理が書いた村岡花子のことがわかる書籍なども一部展示され、手に取ってみることができるようになっていた。

花子の生涯を映像にまとめたものが見られたり、史料室が発行する「史料室だより」をもらうことができたので、行ってみたかいがあった。

今回ももちんは学院資料・村岡花子文庫展示コーナーだけに行ったんだけど、史料室には、もっと膨大な資料が保存されているんだと思う。

学院関係者や研究者が、要予約で入ることができるみたいなので、ももちんにはハードルが高いけど、いつか入ってみたいなぁ。

学院資料・村岡花子文庫展示コーナー

見学可能日時

月曜日~金曜日 9:00~20:00

土曜日 9:00~19:00

日曜日・祝日・長期休暇中はお休み

見学無料

東洋英和女学院公式サイト・村岡花子文庫展示コーナー

史料室利用案内

開室日時

月曜日~金曜日 9:00-16:00

休室日

土曜日・日曜日・祝日・学院の定めた休日

利用できる人

学院関係者・学生・生徒・卒業生・楓の会会員・母の会会員など

研究に必要と認められる個人・団体

※来室・閲覧希望の場合は、要事前連絡

TEL:03-3583-3325

E-mail:archive@toyoeiwa.ac.jp

東洋英和女学院公式サイト・資料室ページ

交通アクセス

〒106-8507

東京都港区六本木5-14-40 東洋英和女学院 本部・大学院棟

  • 東京メトロ日比谷線 六本木駅 3番出口から徒歩7分
  • 東京メトロ南北線 麻布十番駅 5a出口から徒歩7分
  • 都営大江戸線 麻布十番駅 7番出口から徒歩5分

教文館

銀座にある老舗書店・教文館。

村岡花子はかつて編集者としてこの教文館で働いていた。

後に夫となる村岡儆三との出会いの場でもある。

6階には、子どもの本の店「ナルニア国」がある。児童文学好きにはたまらない空間となっている。

ナルニア国では、村岡花子コーナーも設けられているよ。

4階にあるカフェ「きょうぶんかん」で、本を読みながら過ごす至福のひとときはいかが?

教文館公式サイトはこちら。

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山梨県立文学館

山梨県立文学館の外観。

山梨は村岡花子の出身地でもある。

山梨県立文学館では、常時山梨にゆかりのある文学者の展示をしていて、その中に村岡花子の紹介もある。

ももちんが行ったときは、「童話の花束」という特別展が開催されていて、村岡花子の書いた童話や翻訳書籍を見ることができた。

1階の閲覧室では、村岡花子関連の書籍を手に取って読むことができる。

「つなぐNPO」が発行している、村岡花子関連のガイドブックは、文学館のショップで購入することができる。

山梨県立文学館公式サイトはこちら。

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童話・エッセイ一覧

『たんぽぽの目』

童話作家としても活動していた村岡花子の作品集。

代表作「みみずの女王」「たんぽぽの目」をはじめ、多くの昭和の子どもたちに親しまれた童話の名作26編を収録。

河出書房新社、2014年

『腹心の友たちへ』

村岡花子の波乱万丈の日々の裏にあった心の軌跡をたどるエッセイ集。

河出書房新社、2014年

『曲り角のその先に』

村岡花子のエッセイ集第2弾。佐佐木信綱門下で学んだ美しい文章と東洋英和仕込みのエスプリに富む貴重な作品が収められている。

河出書房新社、2014年

『想像の翼にのって』

書籍未収録エッセイを中心に収録。女学校の思い出、白蓮への思い、長男を亡くした絶望から新しい境地へ。等身大の村岡花子を映し出すエッセイ集。

河出書房新社、2014年

翻訳作品一覧

モンゴメリ『赤毛のアン』シリーズ

上段左から『赤毛のアン』『アンの青春』『アンの愛情』『アンの友達』『アンの幸福』
下段左から『アンの夢の家』『炉辺荘のアン』『アンをめぐる人々』『虹の谷のアン』『アンの娘リラ』
いずれもモンゴメリ著、村岡花子訳、新潮社、2008年

主人公アンの成長を10作にわたり描いた、新潮文庫『赤毛のアン』シリーズは、村岡花子翻訳の完訳版。

新潮文庫シリーズ合本版

村岡花子訳『赤毛のアン』シリーズ出版社一覧

村岡花子翻訳の『赤毛のアン』シリーズは、新潮文庫以外にも、講談社青い鳥文庫、ポプラポケット文庫より出版されている。

講談社青い鳥文庫

モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、講談社、2008年

講談社青い鳥文庫は、小中学生の読書を応援することを目的として1980年に創刊された児童文庫。

村岡花子が1960年代に児童向けに手をいれたものを底本としており、児童向けではスタンダードの『赤毛のアン』。

「で、ある」調を「です、ます」調にし、HACCANによるイラストがかわいらしく、現代の小中学生向けにもっとも人気の「赤毛のアン」シリーズ。

2018年5月現在、シリーズ第6作『炉辺荘のアン』までが出版されている。

完訳ではないが、すべての章が入っている。360ページ。講談社、2008年。

ポプラ社ポプラポケット文庫

モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、ポプラポケット文庫、2015年

児童書専門の出版社として出発したポプラ社は、さまざまな年齢向けに『赤毛のアン』を数種類出版している。

もっともベーシックなものが、ポプラポケット文庫の、村岡花子の翻訳を採用したもの。

表紙のイラストは、透明感ある水彩画で多くのファンがいる内田新哉。大人になっても持っていたい素敵な装丁。

シリーズは全7巻で構成されているので、そろえていくのもおすすめ。

小学校高学年以上向け。343ページ。ポプラ社、2008年。

モンゴメリ『エミリー』シリーズ

エミリーシリーズは、モンゴメリのより自伝的な作品とされている。

『可愛いエミリー』

初版は『風の中のエミリー』と題され、1959年秋元書房より出版。

1964年、『可愛いエミリー』と改題され、新潮文庫より出版された。

『エミリーはのぼる』

初版は『雨に歌うエミリー』と題され、1959年秋元書房より出版。

1967年、『エミリーはのぼる』と改題され、新潮文庫より出版された。

『エミリーの求めるもの』

村岡花子の最後の翻訳作品。

彼女の没後、1969年に新潮文庫より出版された。

エレナ・ポーター作品

エレナ・ポーターは、20世紀初頭に活躍した、アメリカの女流作家。

『スウ姉さん』

エレナ・ポーター『スウ姉さん』村岡花子訳、河出書房新社、2014年

初版は『姉は闘ふ パレアナ姉妹篇』と題され、1932年教文館出版部より出版された。

1965年、『スウ姉さん』と改題され、角川文庫より出版。2014年河出文庫より出版された。

書評

小説『スウ姉さん』感想。「パレアナ」作者による大人の女性の奮闘記

村岡花子の翻訳作品が好きです。 『赤毛のアン』シリーズはとっても有名。 だけど、実は『赤毛のアン』以外にも、村岡花子翻訳の名作がたくさんあります。 今日はその中の1冊、『スウ姉さん』を紹介するよ。 小 ...

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『少女パレアナ』

初版は1939年、『喜びの本』と題され、中央公論社より出版された。

1956年、『栗毛のパレアナ』と改題され、娘・村岡みどりとの共訳により、秋元書房より出版された。

1962年『少女パレアナ』として、角川文庫より出版された。

『パレアナの青春』

『パレアナの青春』は、少女時代の『少女パレアナ』より前に翻訳・出版されている。

初版は1930年、『パレアナの成長』と題して平凡社より出版された。

1962年『パレアナの青春』と改題され、角川文庫より出版された。

ジーン・ポーター作品

ジーン・ポーターは、20世紀初頭に活躍したアメリカの女流作家。

『リンバロストの乙女』

初版は1957年秋元書房より、 2014年河出文庫より出版された。

『そばかすの少年』

初版は1957年『そばかす』と題され秋元書房より出版された。

1964年『そばかすの少年』と改題され、角川文庫より出版された。

2014年河出文庫より出版された。

名作

モンゴメリ作品、ポーター作品以外にも、村岡花子は多数の児童文学を翻訳している。

現在出版されているのは、次の5冊。

マーク・トウェイン『王子と乞食』

マーク・トウェイン『王子と乞食』は、村岡花子の初めての翻訳作品。

村岡翻訳による初版は1927年、平凡社より出版。

1934年岩波文庫より出版、1959年改版が出版された。

マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』

村岡花子の翻訳によるものは、1959年、新潮文庫より出版された。1989年、改版が出版された。

ウィーダ『フランダースの犬』

ウィーダ『フランダースの犬』村岡花子訳、新潮文庫、1954年

村岡花子翻訳のものは、1952年、日本書房 より出版された。1954年、新潮文庫より出版された。

書評

小説『フランダースの犬』あらすじと感想。短編ながら涙がとまらない

『フランダースの犬』は、19世紀末、フランダース地方のクリスマスを舞台にした短編小説。 アニメで有名な『フランダースの犬』だけど、原作の小説も涙が止まらない名作。   どの出版社の『フランダ ...

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オルツィ『べにはこべ』

『べにはこべ』バロネス・オルツィ著、村岡花子訳、河出書房新社、2014年

初版は1950年、英宝社より出版された。

2014年、河出文庫より出版された。

ディケンズ『クリスマス・キャロル』

ディケンズ『クリスマス・キャロル』村岡花子訳、新潮社、2011年

村岡花子翻訳のものは、1952年新潮文庫より出版された。のち改版が2011年に出版された。

書評

小説『クリスマス・キャロル』あらすじと感想。ディケンズ永遠の名作

『クリスマス・キャロル』はイギリスの文豪ディケンズの名作。 心温まる物語で、クリスマスの季節には読みたくなる。   どの出版社の『クリスマス・キャロル』を読めばいいか知りたいなら、次の記事か ...

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絵本

村岡花子は、絵本の翻訳も手がけた。

『ブレーメンのおんがくたい』

初版は1967年、偕成社より出版された。

『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』

バージニア・リー・バートンはアメリカの絵本作家。

日本語版は、福音館書店より、1961年に出版された。

まとめ

村岡花子についてまとめ。

  1. 村岡花子の略歴
  2. 東洋英和女学院時代・腹心の友との出会い
  3. 山梨英和学院時代
  4. 教文館時代・運命の出会いと結婚
  5. 関東大震災と愛息の死
  6. 『赤毛のアン』との出会い
  7. 童話・エッセイ翻訳作品紹介

『赤毛のアン』以外にもさまざまな翻訳作品があるので、ぜひ読んでみてね。

参考:『花子とアンへの道』村岡恵理編、新潮社、2014年

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

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