『アンの青春』はモンゴメリの小説で、『赤毛のアン』の続編にあたる物語。
教師になった16歳のアンの成長と、アボンリーの人びととの交流を描いている。
今回は、新潮文庫刊の村岡花子翻訳『アンの青春』をもとに、内容とみどころをお伝えするよ。
この記事で紹介する本
新潮文庫シリーズ合本版
この記事でわかること
- 小説『アンの青春』の内容とみどころ
- 各出版社の『アンの青春』
小説『アンの青春』とは?
『アンの青春』(原題”Anne of Avonlea”)は『赤毛のアン』の続編として、カナダの女流作家、ルーシー・モンゴメリにより1909年に発表された。日本では、初版は『続・赤毛のアン』と題して、村岡花子の翻訳により、1954年三笠書房より出版。
翌1955年、『アンの青春』と改題され、新潮文庫より出版された。
ルーシー・モンゴメリは、1908年に発表した処女作『赤毛のアン』によって一躍世界的な名声をえた。
当時モンゴメリは、一番近い町まで24マイルも離れている一村落の郵便局で、事務をしていた30代の未婚の女性であった。
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主な登場人物
グリーン・ゲイブルス
アン・シャーリー・・・シリーズの主人公。細身で色白、灰色の目をしている。今作では教師をしながらグリーンゲイブルスの切り盛りをする。
マリラ・カスバート・・・『赤毛のアン』でアンを引き取った老兄妹の妹。
アヴォンリーの大人たち
リンド夫人・・・マリラの友人。今作で夫が亡くなったこともあり、マリラと同居することになる。
ミセス・アラン・・・アヴォンリーの牧師の奥さん。
元クラスメイト
ギルバート・ブライス・・・『赤毛のアン』以降、アンの良き友人として振舞っているが、ひそかにアンに思いを寄せている。
ダイアナ・バーリー・・・アンの初めての「腹心の友」。黒髪でふくよかな体格で、裕福な家の娘。今作でフレッド・ライトと婚約する。
ジェーン・アンドリュース・・・アンの友人。アンやギルバートと同期で教師となる。常識的で、「生徒に鞭をあてるか否か」でアンと意見を対立させる。
ルビー・ギリス・・・アンの友人。美しく、常に男の子のことばかり考えており、アンやダイアナから距離を置かれる。
新登場
デイビー・キース ・・・マリラが引き取った双子の男の子の方。しつけがされておらず、いたずらばかりする。
ドーラ・キース ・・・双子の女の子。デイビーと正反対で、とても良い子。
ハリソンさん・・・アヴォンリーに一人で来た男性。ジンジャーという名のオウムを飼っている。
ポール・アーウィング・・・アンの教え子。空想が好きで、アンと心を通わせる美しい少年。
ミス・ラヴェンダー・・・石造りの家「山彦荘」に住んでいる、素敵な中年の独身女性。アンとは歳の離れた友人となる。
シャーロッタ4世・・・ミス・ラヴェンダーの所で働いている女の子。
あらすじ
舞台は1880年代のプリンスエドワード島、アヴォンリーという小さな村。
前作の終章でマシュウの死を受け、アンは、ひとりになったマリラを支える。
16歳になったアンは、小学校の新任教師となり、理想と希望でいっぱいだ。
新しくやってきたふたごの世話、村の改善委員会の運営などで忙しく日々は過ぎていく。
ミス・ラヴェンダーやポール・アーヴィングとの出会いがあり、楽しい出来事もつづく。
アヴォンリーの小さな地域社会での、16~18歳のアンの生活を叙述している。
少女から一人の女性へと成長する、多感な時期を描いている。
全章一覧
新潮文庫版『アンの青春』 | 内容 |
第1章 怒りっぽい隣人 | 新しい隣人ハリソン氏が、アンの牛が敷地に入ったとどなりこんでくる |
第2章 あとのまつり | アンはハリソン氏の牛を自分の牛と間違えて売ってしまう |
第3章 ハリソン氏の家 | アンがハリソン氏の家に謝罪に行き、打ち解ける |
第4章 さまざまの意見 | 教師デビューするアンとギルバートとジェーン。鞭を使うか使わないかで、意見をたたかわせる |
第5章 新米の先生 | アンの教師の第一日目が始まる |
第6章 人さまざま | 村の改善会の活動でアンたちは村人に寄付を募るが、村人たちの反応はそれぞれだった |
第7章 双生児(ふたご)の運命 | マリラとアンはマリラの親戚の双生児を引きとるか話し合う |
第8章 マリラ双生児をひきとる | 双生児のデイビーとドーラがグリーン・ゲイブルスにやってくる |
第9章 色の問題 | 改善会の活動で、村の公会堂を塗り替えることになったが、結果は予想だにしない色になった |
第10章 デイビーの退屈しのぎ | デイビーがうそをつくひどいいたずらをし、アンとマリラはデイビーを叱る |
第11章 子供たちの手紙 | アンの生徒たちの作文の紹介 |
第12章 ヨナの日 | アンは絶対にすまいと思っていた鞭を、とうとう生徒にあててしまう |
第13章 たのしいピクニック | アンと友人たちはピクニックに出かける |
第14章 神のたすけ | ある村人の塀が広告だらけになると聞き、改善会は街の景観がおびやかされることを心配する |
第15章 暑中休暇 | 夏休み中のアンとポール・アーヴィング、ミセス・アランとの交流 |
第16章 すばらしい便り | アンの敬愛する作家のモーガン夫人がアヴォンリーにやってくることになる |
第17章 待ちあぐねた日 | すっかり準備をして待っていたアンたちだったが、モーガン夫人はやってこなかった |
第18章 トーリー街道の冒険 | デイビーが割ってしまった高価なお皿と同じものを譲ってもらいに、アンとダイアナはでかける |
第19章 幸福な日々 | ポール・アーヴィングとアンの交流 |
第20章 思いがけない客 | アンとダイアナが大掃除をしている最中、モーガン夫人が訪ねてくる |
第21章 ミス・ラヴェンダー | アンとダイアナは道に迷い、ミス・ラヴェンダーの住む山彦荘へたどり着く |
第22章 お茶のひととき | デイビーとドーラは正式にグリーン・ゲイブルスに引きとられることになる |
第23章 ミス・ラヴェンダーのロマンス | ミス・ラヴェンダーはかつての婚約者の息子・ポール・アーヴィングに出会う |
第24章 予言者エイブおじさん | エイブおじさんの嵐の予言が的中する |
第25章 静かな村の醜聞(スキャンダル) | ハリソン氏には実は妻がいたことが判明する |
第26章 道を曲ったところ | トマス・リンドがこの世を去り、アンにも転機が訪れる |
第27章 石の家の午後 | アンは山彦荘で楽しいひとときを過ごす |
第28章 魔法の城へ王子きたる | アーヴィング氏がミス・ラヴェンダーをたずねてくる |
第29章 詩と散文 | アンはダイアナとフレッドが愛し合っていたことを知る |
第30章 石の家の結婚式 | 山彦荘でミス・ラヴェンダーとアーヴィング氏は結婚式を挙げる |
『アンの青春』を読んだ感想
あなたの『赤毛のアン』でのアンは、どんなイメージかな?
ももちんのイメージのアンは、不器量と言われているけど意志が強く、たびたびかんしゃくを起こし、事件や失敗もたくさんしている。
今作『アンの青春』で16歳になっているアン。
失敗ばかりしていたかつてのアンも、人を育てる役割を引き受けながら、自分自身も成長していくんだよね。
『アンの青春』ポイント
女性としての魅力を備えている
前作『赤毛のアン』では、周りから「器量がよくない」と言われていたアン。
今作では、アンは独特の魅力を放ち、周りの人を惹きつける娘として描かれている。
アンは美人の定義にはとうてい、当てはまらなかったが、一種の捉えどころのない魅力と、すぐれた人柄をそなえており、その娘らしい丸味のある姿を見ると人は、アンの中に潜む非凡な力をつよく感じ、快い満ちたりた印象を受けるのだった。
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、2008年)
アンだけがもつ精神面での気高さが、大人になるにつれて際立っていくように感じる。
教師として歩み始める
今作で教師として歩み始めるアン。
この時代は16歳でも教師として働くことができる、という自立の早さにも驚く。
初めての人を育てる立場になり、失敗を重ねながら、やりがいを感じるようになっていく。
鞭をあててしまう
それぞれの地区で教師デビューすることになった、アンの元クラスメイト、ギルバートとジェーン・アンドリュース。
3人は教師としての理想を語り合う。
「生徒へは鞭を当てたりしない、愛情で育てる」と決意していたアン。
しかしある日、感情をコントロールできなくなったアンは、反抗的な生徒アンソニー・パイに鞭を当ててしまう。
かんしゃくを起こしてしまったことを後悔するアンに、マリラが放った一言が痛快。
「それはいいことをしたもんだ」マリラはきっぱり言った。「もっと前にすべきだったよ」
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、2008年)
そ、それはいいことをしたもんだ、、、!?
きっぱりすぎて、おもしろかった。
マリラの意見は、当時の体罰への考え方をあらわしてるよね。時代でこんなにも違うんだなぁ。
さらにおもしろいのは、次の日からアンソニーは、「男に負けない鞭の使い方をする」アンに一目置くようになったこと。
理想に忠実であることが、うまくいくとも限らないんだよね。
双子の世話をする
アンは教師としてだけではなく、グリーン・ゲイブルスでも、マリラとともに子どもを育てることになる。
その子どもというのが、今作で新しく登場する、デイビー&ドーラ。
6歳の、男の子と女の子の双子。
デイビーとドーラは、今作以降も、シリーズ通してときどき登場するよ。
少女時代のアンを引き継ぐ存在
「子ども」という存在は、いつもおもしろい事件を引き起こすし、だからこそ目が離せない。
アンが「子ども」ではなくなってしまって少し寂しいけれど、双子の男の子の方、デイビーは、その寂しさを忘れさせる存在。
そのいたずらっこぶりは、かつてのアンを上回る。
アンはいたずらというより、失敗をたくさんしでかしていたけれど、デイビーは、正真正銘のいたずら。
マリラもアンもデイビーのいたずらに手を焼きながらも、愛情を抱いていく。
マリラ、こんなことを言ってはいけないんだけれど、ありのままを言うと、あたし、ドーラよりデイビーのほうが好きなのよ。ドーラはあんなに良い子なのだけれどもね
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、村岡花子訳、2008年)
良い子のドーラよりも手がかかるデイビーが好き、と言ってしまうあたりも、人間の微妙な心理をついているよね。
「公平であるべき」という建前と、「愛情に差がある」という本音があらわれている。
改善会の一員として
教師や義理の姉として、子どもたちを育てていたアンだけど、かつてのクラスメイトたちとの交流もつづいている。
アンは、ダイアナやギルバートたちと、アヴォンリーを良くするための「改善会」を結成する。
村の人たちからは「求婚クラブ」とからかわれていたけれど、アン自身は純粋な理想を掲げて活動していた。
今作では、改善会の活動を通じた村の人たちとのエピソードも描かれている。
なにより、同年代の友人たちと集まる時間は、楽しいよね。
キーパーソンたちの変化
『赤毛のアン』で、アンの「腹心の友」となったダイアナと、アンのライバルだったギルバート。
アンにとってのキーパーソンの二人は、『アンの青春』ではどのように描かれているか、ちょっと紹介。
ダイアナ
『赤毛のアン』の頃から、黒髪のふくよかな美少女として描かれていたダイアナ。
今作ではさらに美しく成長し、改善会やその他の場面で、アンとともに歩んでいる。
後で紹介するミス・ラヴェンダーと出会ったときも、アンとダイアナは一緒だった。
そんなダイアナは、今作の終盤で、同年代の青年、フレッド・ライトと婚約をする。
なんだかフレッドには背が高くなったり、ほっそりした格好になってほしくないのよ…だってね、ほら、そうしたらフレッドがフレッドじゃなくなるんですもの
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、村岡花子訳、2008年)
ダイアナのこのセリフは、このとき恋を夢みていたアンには理解できなかった。
夢見がちなアンよりも一足先に、結婚への歩みを進めるダイアナ。
大人になるって早いよね。
ギルバート
『赤毛のアン』の最後に、アンと仲直りをするギルバート。
今作では、悩みや希望を語り合える良き友人として、アンのそばにいつづける。
まだ恋に興味がないアンとは裏腹に、ギルバートはアンに一途な想いをよせる。
今作では、ギルバート視点から、アンへの気持ちが描かれている場面もあるので、ギルバートに共感しやすい。
もし、理想の女性は?と問われたら、ギルバートはアンをそのまま、アンの悩みの種の七つのそばかすまで含めて、それにあてるであろう。
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、村岡花子訳、2008年)
ギルバートの目は、すでにアンに対してハートになっているよね。。
今作の最後で、ギルバートは、遠回しにアンに想いを伝える。
アンとギルバートの恋模様が本格化するのは、次作の『アンの愛情』なんだけど、今作からその甘酸っぱい気持ちを感じることができるよ。
魅力的な新登場人物
『アンの青春』では、双子以外にも、魅力的なキャラクターが登場する。
ハリソン氏
グリーン・ゲイブルスの隣に新しく引っ越してきた変わり者のハリソン氏。
今作では第一章から登場し、アンとぶつかるけど、すぐに意気投合する。
ひとり者に見えたけれど、実は奥さんがいて、その奥さんには頭があがらないという一面もある。
アンの本質を見抜く
ハリソン氏は、何事も率直にものをいうタイプの人間で、その言葉もしっかり的を得ているから、読んでいて好きになる。
アンが、生徒には鞭を使わない宣言をしたときの、ハリソン氏の言葉がおもしろい。
あんたはかなり、頑固だね。まあまあ、いまにわかるさ。腹を立てたとなれば…しかも、あんたのような髪をした人間はひどく腹を立てやすいからね…あんたのかわいい理想なんか忘れてしまって、子供をしたたか打つようなことになりますさ。
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、村岡花子訳、2008年)
なるほど、アンはかんしゃくを起こしやすいこと、ハリソン氏よくわかっていたんだね。
西洋での赤毛のイメージというのもわかっておもしろい。
西洋では、赤毛は黒髪や金髪ほど美しくなく、かんしゃく持ちの性質をあらわすとも言われていたらしい。
ポール・アーヴィング
ポール・アーヴィングはアンの教え子で、美しく想像力豊かな少年。
アンはすぐに、ポールの中に自分と共通するものがあることを感じとり、心を通わせる。
双子のデイビーは、アンと仲良しの少年ポールに焼きもちをやく。
このデイビーとポール、子ども時代のアンが持っていた二つの側面をあらわしているようにみえる。
二つの側面とは、「事件を起こす」ところと、「想像力が豊か」というところ。
ポールはお祖母さんとお手伝いさんと暮らしているんだけど、最後には思いがけないハッピーエンドになる。
ミス・ラヴェンダー
アンとダイアナが、偶然たどり着いた石造りの家「山彦荘」に住むミス・ラヴェンダー。
ミスラヴェンダーはオールドミスだけど、アンがこれまで見てきた「独身女」とはまるで違っていたんだ。
小柄な姿に、雪のような美しい波うつ髪をふくらましたり出したりして格好よく結い、少女のようなピンクの頬、やさしい口もと、大きな、静かな褐色の目、えくぼさえよっていた。
出典:モンゴメリ『アンの青春』(新潮文庫、村岡花子訳、2008年)
数十歳の年齢差があるアンとミス・ラヴェンダーだけど、内側に流れるものは共通だった。
二人はすぐに打ち解け、良き友人になったんだ。
今作の終盤では、アンの計らいにより、ミス・ラヴェンダーはかつての恋人と再び出会うことになる。
アンは大人になってからも、次々と友人たちの縁結びをしていくけれど、その片りんが『アンの青春』にあらわれている。
感想おさらい
他出版社の『アンの青春』リスト
今回の記事は、村岡花子翻訳の新潮文庫『アンの青春』(2008年、完訳版)をもとに書いている。
新潮社以外にも各出版社がシリーズで出しているので、自分が読んだ『赤毛のアン』と同じ出版社・翻訳家のものを読んでみることをおすすめする。
『赤毛のアン』でできあがった世界観を壊すことなく、『アンの青春』でも味わうことができるよ。
それぞれの特徴ごとに、翻訳者や特徴をあげておく。
文庫
文庫版は漢字が多くふりがなが少ないので、大人がすらすら読みやすい。
翻訳もそれぞれ違うので、読み比べてみるのもおもしろい。
文春文庫
2019年文春文庫より刊行されたのが、松本侑子による全文訳の『アンの青春』。
松本侑子による全文訳は、すでに集英社文庫より『赤毛のアン』『アンの青春』『アンの愛情』の3作が刊行されている。
今回の文春文庫版は、集英社文庫版の翻訳・訳注を改定した「新訳」。
文春文庫シリーズ合本版
講談社文庫
講談社文庫は、掛川恭子による完訳版。
集英社文庫
赤毛のアンシリーズ第2巻「アンの青春」は、アメリカの農民詩人ホィティアーの詩に始まります。日本初の全文訳、世界初の英米文学からの引用解説の訳註付きです。ご覧ください。
帯は、この秋の映画「赤毛のアン卒業」。字幕翻訳を担当しました。 pic.twitter.com/LJzy2RGyRk— 松本侑子Yuko Matsumoto (@officeyuko) 2018年10月18日
集英社文庫からは、松本侑子による完訳版。注釈が巻末に付いていて、引用文の出典元なども詳しく解説。
『アンの青春 (集英社文庫)』モンゴメリ、松本侑子訳、2005年
角川文庫
角川文庫からは、村岡花子と同時代の翻訳家、中村佐喜子訳。
文庫はココがおすすめ
- 持ち歩きやすく気軽に読める
- 大人が読みやすい表現
- 完訳版が多くでている
ハードカバー
講談社からの完訳版は、ハードカバーの児童向けでも出版されている。
銅版画家の山本容子の挿絵が入っていて、豪華。
ハードカバーはココがおすすめ
- 特別感のあるハードカバーで読みたい
- オリジナルイラストが楽しめる
児童文庫
『アンの青春』は児童文庫のラインナップも豊富。
それぞれ翻訳やイラストに特徴があるので、自分に合ったものがあるかチェックしてみよう。
講談社青い鳥文庫
講談社の児童文庫、青い鳥文庫からは、HACCANによるイラストがかわいらしい『アンの青春』が出版されている。
集英社みらい文庫
集英社の児童文庫、集英社みらい文庫『アンの愛情』は、大人気マンガ家の羽海野チカによる描き下ろしの表紙が特徴。
数々の少女文学の翻訳を手掛ける木村由利子による新訳。講談社青い鳥文庫よりも、省略されている部分が多い。
角川つばさ文庫
角川つばさ文庫から出ている『アンの青春』は、河合祥一郎の新訳と南マキのイラストが特徴。
小学校中学年以上の児童向けながら、ノーカット完全版。
ポプラポケット文庫
ポプラ社の児童文庫、ポプラポケット文庫からは、村岡花子訳『アンの青春』が出版されている。
表紙のイラストは、透明感ある水彩画で多くのファンがいる内田新哉。
偕成社文庫
偕成社文庫は、児童文庫ながら完訳版の『アンの青春』が読める。
茅野美ど里訳は、とても読みやすく美しい日本語なので、大人にもおすすめ。
金の星社フォア文庫
金の星社のフォア文庫のラインナップには、『赤毛のアン』と同じモンゴメリ原作で、カナダ・プリンスエドワード島を舞台にしたドラマ『アボンリーへの道』のお話もある。
児童文庫はココがおすすめ
- 一般の文庫よりも易しい訳文
- 一般の文庫より大きめのサイズ
- 挿絵が多い
- 大きな字、ふりがな付きで読みやすい
電子書籍
旺文社文庫『アンの青春』は、1976年出版された。
旺文社文庫版は絶版入手困難。グーテンベルク21のデジタルブック版は、現在はKindleで読めるようになっている。
神山妙子訳『赤毛のアン』は、アニメ『世界名作劇場 赤毛のアン』の底本となった訳としても有名。
電子書籍はココがおすすめ
- かさばらない
- 紙書籍では読めないめずらしいものがある
漫画
『アンの青春』は、現在はいがらしゆみこ、杉本啓子によって漫画化されている。
いがらしゆみこの漫画『アンの青春』
いがらしゆみこの漫画『アンの青春』は、1998年にくもん出版より出版されたもの。
『THE KUMON MANGA LIBRARY アン・ブックス全5巻』の第4巻として、高橋美幸(シナリオ)、いがらしゆみこ(画)で出版された。
Part1~3まで、全三冊で『赤毛のアン』1冊分を描き、続編の『アンの青春』『アンの愛情』は各1冊ずつで出版されている。
小学校高学年以上向け。208ページ×3冊。くもん出版、1997年。
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杉本啓子の漫画『赤毛のアン』
杉本啓子による漫画『赤毛のアン』は、1983~84年にかけて、講談社より出版された。
全3巻で、第1巻、第2巻が『赤毛のアン』の内容。第3巻は『アンの青春』の内容となっている。
195ページ×3冊。小学校中学年以上向け。
現在はAmazon Kindle他複数の電子書籍サイトで読むことができる。
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漫画はココがおすすめ
- 活字が苦手な人も入りやすい
- あらすじとみどころがわかりやすい
映画『続・赤毛のアン アンの青春』1987年
引用元:YouTube Sullivan Entertainment公式原題”Anne of Green Gables: The Sequel”。
1985年、カナダCBCが制作したテレビ映画、『赤毛のアン』。
この映画『赤毛のアン』シリーズは、以降3作にわたって続編が制作されている。
『続・赤毛のアン アンの青春』は1987年に制作された。
第1作目と同じくケビン・サリバン監督、ミーガン・フォローズ主演。
小説の『アンの青春』のみならず、『アンの愛情』、『アンの幸福』の題材も含まれている。
映画『赤毛のアン』紹介
映画・ドラマ・アニメ『赤毛のアン』まとめ。出演者など12作品比較
世界中に愛されている小説『赤毛のアン』は、映画、ドラマ、アニメなど、様々な形で表現されている。 この記事では、『赤毛のアン』の小説以外の形と、その視聴方法まで紹介していくよ。 こんな方におすすめ 愛読 ...
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まとめ
赤毛のアンの続編『アンの青春』あらすじと見どころまとめ。
『アンの青春』では、『赤毛のアン』からの魅力をからの失わないまま、地域社会とのかかわり・育てる立場という新しい局面にたつアンが新鮮。
成長した赤毛のアンに出会えるよ。
新潮文庫シリーズ合本版
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書籍の表紙画像について、各出版社/著者ご本人から許諾を得るか、版元ドットコム等許諾申請不要の確認のもと掲載しています。表紙画像掲載不可または可否不明の書籍については、Amazonアソシエイトの商品画像リンクを掲載しています。