世界中に愛されている小説『赤毛のアン』は、映画、ドラマ、アニメなど、様々な形で表現されている。
この記事では、『赤毛のアン』の小説以外の形と、その視聴方法まで紹介していくよ。
こんな方におすすめ
- 愛読書『赤毛のアン』は小説以外にどんな形があるかを知りたい。
- 『赤毛のアン』の映画・ドラマ・アニメそれぞれの魅力と、どこで視聴できるかを知りたい。
『赤毛のアン』最新情報
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『赤毛のアン』とは?
『赤毛のアン』(原題”Anne of GreenGables")は1908年、にカナダの女流作家、ルーシーモード・モンゴメリにより出版された小説。
日本では、村岡花子の翻訳により、三笠書房より1952年、のちに新潮文庫より1954年に出版。
ルーシー・モード・モンゴメリの著作の中で最も有名な1冊でもあり、多くの出版社から刊行されている。
『赤毛のアン』の登場人物・あらすじ、モンゴメリ紹介は、小説『赤毛のアン』の記事に書いています。
『赤毛のアン』本の感想
小説『赤毛のアン』あらすじと感想。大人にこそおすすめの純文学
モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、新潮社、2008年 児童文学の名作とされている『赤毛のアン』。 じつは、大人になってから読むと味わいが倍増する作品でもあるよ。 この記事のポイント モンゴメリの小説 ...
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『赤毛のアン』映像化作品比較
ここからは、『赤毛のアン』シリーズを映像化した作品を紹介していくよ。
紹介する作品は次の通り。
映像化作品『赤毛のアン』
ドラマ『アンという名の少女』
引用元:NetflixYouTube チャンネルキャストが原作そのまんま!
ストーリーはシーズン1は原作に沿っているが、だんだんかけ離れていく。
女性の自立、人種差別、同性愛など、シリアスなテーマを扱っているのもポイント。
原作とは別物、ひとつの上質なドラマととらえるとめっちゃおもしろい。
2020年9月よりNHKで放送されたのが、ドラマ『アンという名の少女』(原題”Anne with an E”)。
もともと2017年にNetflixとカナダCBCが共同で制作したドラマ。全3シーズン。
撮影はプリンスエドワード島でも行われているので、原作の美しい自然の世界が映像で楽しめる。
主演をつとめたエイミーベス・マクナルティは、アイルランド出身の女優で、オーディションでは1800人以上の応募者の中から主役の座を射止めた。
小説のアンの容姿「青白くやせっぽち、そばかすだらけで赤毛」の特徴をそのまま描いたような感じ。
美少女ではないんだけど、どこか惹きつけられる顔立ち。おしゃべり好きなアンに好感が持てます。
ギルバート役のルーカス・ジェイド・ズマンはイケメンでギルバートにはまり役。
他にもキャストには次のような見どころが。
- マシュウ役のR.H.トムソンは、1990年〜制作のドラマ『アボンリーへの道』でジャスパー・デイル役を演じている。
- シーズン2でちょい役のおじいさん役で登場するデヴィッド・フォックスは、『アボンリーへの道』でクライブ・ペティボーン役を演じている。
20年の月日が流れてもなお、こうしてモンゴメリ作品のドラマに登場するって、おもしろいなぁ。
ドラマ『アンという名の少女』は、現在は動画配信サイトNetflixでシーズン3まで全話ノーカットで観ることができる。
ももちんはこれが見たいばかりに、一番安いプランに入会したよ。
人気ドラマ『ブレイキング・バッド』のモイラ・ウォリー=ベケットが脚本を担当
『アンという名の少女』はエピソードごとに異なる監督がたずさわっている。
第1シーズン第1話の監督をつとめたニキ・カーロは、過去に監督作『スタンドアップ』(2005)で主演のシャーリーズ・セロン、助演のフランシス・マクドーマンドがアカデミー賞にノミネートされた。
アメリカの人気ドラマ『ブレイキング・バッド』の脚本を担当したモイラ・ウォリー=ベケットが、シーズン1の全話と、第2シーズンの1.9.10話の脚本を担当している。
ストーリーは、ドラマならではのオリジナルエピソードも多い。
人種差別、同性愛まで、時代背景としてタブー視されていたテーマなども描かれている。
また、全体を通してシリアスな雰囲気を醸し出してもいて、なかなか見ごたえもある。
映画『赤毛のアン』三部作(2015年)
引用元:映画『赤毛のアン』公式サイト
1985年の映画『赤毛のアン』から30年。
2015年、カナダのテレビ局YTVで新たなテレビ映画『赤毛のアン』が制作されたよ。
カナダ以外では、イギリスやアメリカ合衆国でもテレビで放送され、オーストラリアや日本では2017年に劇場公開された。
この映画の感想記事
映画『赤毛のアン』(1985年)
引用元:YouTube Sullivan Entertainment公式
1985年、カナダCBCが制作したテレビ映画『赤毛のアン』は、1989年日本でも劇場公開され、より多くの人に知れ渡ることになった。
今作は初めてプリンス・エドワード島でロケを行ったことで話題となった。
監督・脚本・製作を担ったのは、スピンオフドラマ『アボンリーへの道』(1990~1996年)でもプロデューサーをつとめたケビン・サリバン。
主演のミーガン・フォローズは、オーディションで映画『赤毛のアン』の主役の座を射止めた当時16歳だった。(原作では11歳)
参考:Wikipedia
原作小説との違い
映画『赤毛のアン』は、原作のエピソードも忠実に再現されているけれど、ももちんが違和感を感じるのは、そもそものキャスティング。
原作でのアンは、背が高くやせっぽちで、赤毛とそばかすが特徴的な女の子。
映画でのアンは、どうみても「やせっぽち」ではなく、まだ少女にしては、年がいきすぎているように見えた。
また、背はダイアナより低い。細かいところなんだけど、原作好きな人が見ると、いちいち「なんかちがーう」と思ってしまう。
でも、映画のアンは、それはそれで魅力的。鼻が高くツンとした感じもいい。
原作と比べずに、映画は映画としてみたら、とても面白く心温まるストーリー。
なにより、マリラ(コリーン・デューハースト)、マシュウ(リチャード・ハーンズワース)、リンド夫人(パトリシア・ハミルトン)がはまり役。
マリラ、リンド夫人、ステイシー先生は、スピンオフドラマ『アボンリーへの道』でも同じ役で主要なキャラクターとして出演している。
『続・赤毛のアン アンの青春』1987年
引用元:YouTube Sullivan Entertainment公式原題”Anne of Green Gables: The Sequel”。
CBC制作のテレビ映画『赤毛のアン』シリーズは、以降3作にわたって続編が制作されている。
いずれも監督または脚本にケビン・サリバンがかかわり、主演は『赤毛のアン アンの結婚』までミーガン・フォローズがつとめている。
『続・赤毛のアン アンの青春』では、小説『アンの青春』、『アンの愛情』、『アンの幸福』の題材が含まれている。
参考:Wikipedia
『赤毛のアン アンの結婚』2000年
引用元:YouTube Sullivan Entertainment公式原題”Anne of Green Gables: The Continuing Story”
ステファン・スケイニ監督、ミーガン・フォローズ主演。
脚本を担当したケビン・サリバンによるオリジナル・ストーリー。
小説版でのアン・シリーズとはかけ離れている。ももちんも観てびっくりした。
戦争というテーマは、原作では『アンの娘リラ』で扱っている。
原作ではアンの子どもたちを中心に、戦争に悩み、苦しみながら進んでいく様子を描いているんだよね。
ところが映画では、アンとギルバートが戦争真っただ中でギルバートが医師として戦地に行く直前に結婚。
夫ギルバートが行方不明になり、アンは夫を探しに戦地に行く。
戦地での冒険や様々な事件が起こるという、原作完全無視のストーリー。
参考:Wikipedia
『赤毛のアン 新たな始まり』2008年
引用元:YouTube Sullivan Entertainment公式原題”Anne of Green Gables: A New Beginning”。
グリーンゲイブル以前のアンを、The Continuing Story 後のアンが回想するという形で描く。
こちらもケビン・サリバンのオリジナルストーリーみたい。
アン役はミーガン・フォローズではなく、バーバラ・ハーシーが演じている。
幼少期のアンはハンナ・エンディコット=ダグラス。
NHKエンタープライズで販売しているDVDBOXには、1985年映画『赤毛のアン』、1987年映画『続・赤毛のアン アンの青春』、2000年映画『赤毛のアン アンの結婚』、2008年映画『赤毛のアン 新たな始まり』すべてが収録されている。
4作収録
映画『紅雀』1934年
原題は”Anne of Green gables”。RKO製作。監督:ジョージ・ニコラス・ジュニア
主演:ドーン・オデイ
モノクロ映画。
ドーン・オデイはこの映画以後、芸名を「アン・シャーリー」とし、続編の『そよ風の町』にも主演している。
『紅雀』は日本では1935年に公開された。当時、日本では原作がまだ刊行されていないためこのタイトルとなった。
1934年版『赤毛のアン』収録
『そよ風の町』1940年
原題は”Anne of Windy Poplars ”。RKO製作。
監督:ジャック・ハイヴリー
主演:アン・シャーリー(かつてのドーン・オデイ)
日本では1949年に公開。現在の『アンの幸福』を大幅に書き換えた内容となっている。
日本では原作が当時まだ刊行されていないため、『そよ風の町』というタイトルとなった。
映画『天涯の孤児』1919年
原題は”Anne of Green gables”。監督:ウィリアム・デズモンド・テイラー
脚色:フランシス・マリオン
主演:メアリー・マイルズ・ミンター
サイレント映画。プリントは現存しないとされている。
当時、日本では原作がまだ刊行されていないため『赤毛のアン』ではなく『天涯の孤児』というタイトルとなった。
スピンオフドラマ『アボンリーへの道』
引用元:NHKスクエア
1990~1996年にカナダで制作されたドラマ『アボンリーへの道』は、『赤毛のアン』のスピンオフドラマ。
世界140ヶ国以上で放送され、カナダでは最大のヒットドラマとなったんだって。
プロデューサーは1985年映画『赤毛のアン』シリーズに関わったケビン・サリバン。
『アボンリーへの道』は、モンゴメリの小説『ストーリー・ガール』その続編『黄金の道』をベースに、作られている。
主演のサラ・ポーリー演じるセーラ・スタンリー、フェリシティ・キング、セシリー・キング、フェリックス・キングなどが主要なキャラクター。
だけど、設定はドラマオリジナルに変更されていて、『赤毛のアン』シリーズからの人物やエピソードも織り交ぜて構成されている。
魅力的な登場人物
『アボンリーへの道』は、それ自体にファンも多く、特にアン・シリーズを好きな人なら絶対にはまるドラマ。
登場人物が、全員名演技で親しみが持てる。
ももちんが大好きなドラマ『大草原の小さな家』もそうなんだけど、このドラマ、ぜひ吹き替えで観たい。
ジャッキー・バロウズ演じるヘティ役の声、鳳八千代さんは、もう、そのまんま!(字幕観たことないけど)
鼻で「ハッ」とあしらう癖とか(笑)
小説『アンの友達』からとったエピソード
『アボンリーへの道』では、1985年の映画『赤毛のアン』に出演した役者がそのまま同じ役で出演しているのが面白い。
マリラ・リンド夫人・ステイシー先生などね。
また、小説赤毛のアンシリーズの1冊『アンの友達』から作ったと思われるエピソードも楽しめる。
次に紹介する3つのエピソードは、ドラマと筋が一緒なので、合わせて観ると、おもしろさ倍増だよ。
『アンの友達』エピソードタイトル | 『アボンリーへの道』エピソードタイトル |
ロイド老淑女 | 心にひびく歌声(シーズン1第5話) |
オリビア叔母さんの求婚者 | アビゲールの求婚者(シーズン1第7話) |
隔離された家 | すてきな看護婦さん(シーズン1第3話) |
『アンの友達』についてさらに詳しく
短編集『アンの友達』感想。『赤毛のアン』シリーズの隠れた名作!
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ドラマ『アボンリーへの道』は、2020年8月現在Amazonプライム・ビデオで見放題。
ノベライズ
原作本
アニメ『赤毛のアン』
『赤毛のアン』はアニメ作品でも有名。
世界名作劇場『赤毛のアン』(1979年)
引用元:『赤毛のアン』第一話「マシュウ・カスバート驚く」日本アニメーション
1979年、フジテレビの世界名作劇場枠で『赤毛のアン』全50話が放送された。
アニメオリジナルエピソードも存在し、第25話や物語後期辺りで多数追加されている。
世界名作劇場『赤毛のアン』の監督は、数々のジブリ映画で有名な高畑勲。
ももちんはジブリ映画から高畑勲を知ったんだけど、そのもっと前に日本アニメーションでテレビアニメを手掛けていたんだね。
世界名作劇場のラインナップには、『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』『母をたずねて三千里』『ペリーヌ物語』など、高畑勲が関わった作品も多い。
アニメの底本となっている小説は、1973年の神山妙子訳(旺文社文庫)で、現在はKindleで読めるようになっている。
主題歌
アニメ『赤毛のアン』の主題歌の作詞を担当したのは、詩人・童話作家として活躍した岸田衿子。
岸田衿子は小説『赤毛のアン』の翻訳も手掛けたことがある人。
翻訳を担当したのが1969年ごろ、アニメは1979年なので、アンの世界観をよく理解したうえで作詞にかかわっていたんだね。
オープニングテーマ『きこえるかしら』他、エンディングテーマ『さめない夢』や挿入歌まで、すべて岸田衿子が作詞を担当している。
岸田衿子は、世界名作劇場の『アルプスの少女ハイジ』や『あらいぐまラスカル』の主題歌の作詞も担当しているよ。
岸田衿子についてさらに詳しく
アニメ世界名作劇場『赤毛のアン』(1979年)
ジュニア・ノベルシリーズ(高学年)
徳間アニメ絵本(低学年)
底本
『赤毛のアン 完結版』
世界名作劇場『赤毛のアン』を、BSフジ放映用に編集した90分のオリジナル版。
全50話を90分に凝縮なので、あまり期待しない方がいいかも。
あらすじだけを知りたい人にはおすすめ。
『世界名作劇場 赤毛のアン 完結版』
『グリーン・ゲーブルスへの道』
引用元:映画『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』公式サイト『赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道』は、2010年劇場公開のアニメ映画。
世界名作劇場『赤毛のアン』の第1話から第6話までを再編集版したもの。
「テレビシリーズを総集編にして劇場公開はやりたくない」と言っていた高畑勲が、劇場公開に至った経緯について語ったインタビューが公式サイトに載っていて、面白かった。
30年を経て劇場公開に至った名編集版。
『グリーン・ゲーブルスへの道』
アニメ世界名作劇場『こんにちはアン』(2009年)
アニメ『こんにちは アン 〜Before Green Gables』は、世界名作劇場シリーズ通算第26作として放送された。全39話。
ストーリーは、アンがマシュウとマリラに出会う前の11年間の生い立ちをつづったもの。
『こんにちはアン』の原作は、モンゴメリではない。
カナダの著名な児童文学作家バッジ・ウィルソンが、モンゴメリ財団から依頼され、「赤毛のアン」100周年を記念して執筆した物語。
日本では新潮社から2008年7月に刊行された。
アニメ世界名作劇場『こんにちはアン』
『世界名作劇場 こんにちはアン 完結版』
原作本
まとめ
小説以外の『赤毛のアン』まとめ!
小説が好きなあなたも、違う形のアンに会えるのが楽しくなるはず。
ほかの「アン」にも会いに行ってみてね!
『赤毛のアン』記事一覧
- 小説『赤毛のアン』完訳比較。10人の翻訳者(出版社)の特徴まとめ!
- 子ども向け『赤毛のアン』26作品比較。完訳も多数。特徴別まとめ!
- 【まとめ】動画で楽しむ『赤毛のアン』〜映画、アニメ、ドラマ紹介〜
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- 短編集『アンの友達』感想。『赤毛のアン』シリーズの隠れた名作!
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- 小説『アンの夢の家』感想。アンとギルバートの幸福な結婚を描く傑作
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- 小説『アンの娘リラ』感想。戦争に翻弄される一家と、末娘リラの成長