短編小説『賢者の贈り物』16作品比較。文庫、絵本、児童書まとめ

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『賢者の贈り物』は、アメリカの作家O・ヘンリーが生んだ、クリスマスの短編小説。

現在さまざまな出版社から刊行されているので、特徴別にまとめてみた。

こんな方におすすめ

  • 『賢者の贈り物』を読んでみたいけど、どれを選んだらいいか迷っている。
  • 文庫、絵本、電子書籍など、特徴で選びたい。

『賢者の贈り物』とは?

左:『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年
上段中央:O・ヘンリー 芹澤恵:訳『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』/光文社古典新訳文庫
上段右:『賢者の贈り物 (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 4)』オー・ヘンリー作、和田誠絵、千葉茂樹訳、理論社、2007年
下段中央:『賢者の贈り物』O・ヘンリー作、飯島淳秀訳、そらめ絵、講談社、2009年
下段右:『オー・ヘンリー傑作選』大津栄一郎訳、岩波書店、1979年

短編小説『賢者の贈り物』(原題”The Gift of the Magi”)は、アメリカの作家オー・ヘンリーが1905年に新聞で発表した。

翌1906年に刊行された短編集”The Four Million”に掲載され、広く知られるようになった。

日本でも、『賢者の贈り物』はさまざまな短編集に掲載されており、一つのお話として絵本でも刊行されている。

参考:Wikipediahistory.com

『賢者の贈り物』感想

絵本『賢者のおくりもの』感想。貧しい若夫婦のクリスマスイブの物語

『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年 『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。 ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮 ...

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1.『賢者の贈り物』を絵本で味わう

『賢者の贈り物』の物語が大好き!繰り返し読みたい!というあなたには、絵本として刊行されている2冊を紹介するよ。

矢川澄子(訳)リスベート・ツヴェルガー(絵)

『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年

1983年に冨山房より刊行されたのは、オーストリアの絵本作家リスベート・ツヴェルガーが絵を手がけた絵本『賢者のおくりもの』。

余白をたっぷりとった繊細なタッチのツヴェルガーの絵からは、登場人物の表情や微妙な仕草まで伝わってくる。

表紙絵にもなっているデラが髪を下ろしている後ろ姿からも、決意のようなものが感じられる。

矢川澄子の翻訳は「です・ます」調で丁寧な文章。

ところどころで「ですよね」「〜でしょう」など、読者に語りかけるような語り口が印象的。

難しい漢字や古風な言い回しも多く、大人が何度も読み返したくなる絵本。

絵本の感想

絵本『賢者のおくりもの』感想。貧しい若夫婦のクリスマスイブの物語

『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年 『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。 ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮 ...

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いもとようこ(文・絵)

『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー原作、いもとようこ文・絵、金の星社、2014年

金の星社では、絵本作家のいもとようこが世界の名作を絵本で表現したシリーズ「大人になっても忘れたくないいもとようこ世界の名作絵本」を刊行している。

2014年には、オー・ヘンリーの有名な2編『賢者のおくりもの』『さいごの一葉』がそれぞれ絵本で刊行された。

絵本を開いて引き込まれるのは、無地の背景に大きなカットの絵

シンプルに「これ」という部分だけを絵にしているので、物語の中で大切なことがわかりやすい。

独特の微妙な色使いで、登場人物の顔色や部屋の雰囲気まで伝わってくる

文は、すべてひらがな・カタカナの「です・ます」調

物語の大事なところだけがやさしい日本語でつづられているので、子どもから大人まで親しみやすい。

ももちん

シンプルに、いもとようこ氏の絵本好きにはたまらない1冊。

いもとようこ公式サイト

 

絵本はココがおすすめ

  • 『賢者のおくりもの』だけをじっくり味わえる
  • 各社こだわりの絵と翻訳が楽しめる

 

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2.手軽に短編を味わえる文庫

『賢者の贈り物』は、オー・ヘンリーの「短編集」の中の一話として、文庫版で各出版社より刊行されている。

『賢者の贈り物』のみならず、他の短編もたっぷり味わうことができるのが魅力。

他の短編も名作ぞろいなので、ぜひ読んでみてね。

ももちん

他の短編も読むと、『賢者の贈り物』がとたんに大人の読み物に見えてくる。

 

光文社古典新訳文庫

O・ヘンリー 芹澤恵:訳『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』/光文社古典新訳文庫

光文社古典新訳文庫より2006年に創刊された文庫レーベル。

文学作品から哲学書まで、古典と呼ばれる作品を現代の読者にも読みやすい日本語で新訳するのがコンセプト。

2007年に刊行されたのは、オー・ヘンリー作の短編23編を収録した『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』。

芹澤恵の翻訳は、歯切れのよい「だ・である」調

1話読むのに数分しかかからない短編に、軽妙な言い回しが心地よい。

言葉遣いは現代の読者も読みやすく、癖のない文章

表題の2編のほか、有名な『最後の一葉』や、他の文庫本にはない『1ドルの価値』『十月と六月』などの新訳も収録。

巻末には「最後の一葉」はこうして生まれた―O.ヘンリーの知られざる生涯 』を書いた齊藤昇による解説や、オー・ヘンリー年譜が掲載されている。

掲載作品

  1. 多忙な株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
  2. 献立表の春 ”Springtime a'la Carte”
  3. 犠牲打 ”A Sacrifice Hit”
  4. 赤い族長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
  5. 千ドル ”One Thousand Dollars”
  6. 伯爵と婚礼の客 ”The Count and the Wedding Guest”
  7. しみったれな恋人 ”A Lickpenny Lover”
  8. 1ドルの価値 ”One Dollar's Worth”
  9. 臆病な幽霊 ”A Ghost of a Chance”
  10. 甦った改心 ”A Retrieved Reformation”
  11. 十月と六月 ”October and June”
  12. 幻の混合酒 ”The Lost Blend”
  13. 楽園の短期滞在客 ”Transients in Arcadia”
  14. サボテン ”The Cactus”
  15. 意中の人 ”’Girl'”
  16.  ”Shoes”
  17. 心と手 ”Hearts and Hands”
  18. 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
  19. ミス・マーサのパン ”Witches'Loaves”
  20. 二十年後 ”After Twenty Years”
  21. 最後の一葉 ”The Last Leaf”
  22. 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  23. 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”

芹澤恵翻訳作品

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新潮文庫

新潮文庫では、1969年に大久保博訳で『O・ヘンリ短編集』全3冊を刊行。

2015年に英文学者小川高義の新訳で「O・ヘンリー傑作選」全3冊刊行している。

『賢者の贈り物』など全16作品が収録されているのは、『賢者の贈りもの:O・ヘンリー傑作選Ⅰ』。

小川高義の訳文は、現代の読者にも読みやすい言葉遣いと、スピード感を持って読めるリズムを感じる。

短編を短編らしく、さっと楽しく読み進められる

『最後の一葉』は収録されていないので、どちらも1冊で読みたいなら他の文庫がおすすめ。

掲載作品

  1. 賢者の贈りもの ”The Gift of the Magi”
  2. 春はアラカルト ”Springtime a'la Carte”
  3. ハーグレーヴズの一人二役 ”The Duplicity of Hargraves”
  4. 二十年後 ”After Twenty Years”
  5. 理想郷の短期滞在客 ”Transients in Arcadia”
  6. 巡査と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  7. 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
  8. 手入れのよいランプ ”The Trimmed Lamp”
  9. 千ドル ”One Thousand Dollars”
  10. 黒鷲の通過 ”The Passing of Black Eagle”
  11. 緑のドア ”The Green Door”
  12. いそがしいブローカーのロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
  13. 赤い酋長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
  14. 伯爵と婚礼の客 ”The Count and the Wedding Guest”
  15. この世は相身互い
  16. 車を待たせて ”While the Auto Waits”
ももちん

『賢者の贈り物』だけなら、Kindleの無料サンプルで読むことができるよ。

 

岩波文庫

『オー・ヘンリー傑作選』大津栄一郎訳、岩波書店、1979年

岩波文庫が1979年に刊行した『オー・ヘンリー傑作選』には、『賢者の贈り物』など全20作品が収録されている。

大津栄一郎の翻訳は、長年親しまれてきた定番訳、といった印象。

クラシックな訳で読みたいならおすすめの1冊

他の文庫と比べると字が小さく、漢字や語句も「通風縦孔」「言辞」など、難しめ

『賢者の贈りもの』『最後の一葉』ほか18編を収録。

掲載作品

  1. 賢者の贈りもの ”The Gift of the Magi”
  2. 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  3. マモンの神とキューピッド ”Mammon and the Archer”
  4. 献立表の春 ”Springtime a'la Carte”
  5. 緑のドア ”The Green Door”
  6. 馭者台から ”From the Cabby's Seat”
  7. 忙しい株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
  8. 二十年後 ”After Twenty Years”
  9. 改心 ”A Retrieved Reformation”
  10. 古パン ”Witches'Loaves”
  11. 眠りとの戦い ”At Arms with Morpheus”
  12. ハーグレイヴズの一人二役 ”The Duplicity of Hargraves”
  13. 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
  14. 赤い酋長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
  15. 千ドル ”One Thousand Dollars”
  16. 桃源郷の短期滞在客 ”Transients in Arcadia”
  17. ラッパのひびき ”The Clarion Call”
  18. マディソン・スクエア千一夜物語 ”A Madison Square Arabian Night”
  19. 最後の一葉 ”The Last Leaf”
  20. 伯爵と婚礼の客 ”The Count and the Wedding Guest”
ももちん

『賢者の贈り物』だけなら、Kindleの無料サンプルで読むことができるよ。

 

文庫はココがおすすめ

  • 手頃な値段とサイズ
  • オー・ヘンリーの他の短編も読める
  • 挿絵なし

 

3.読みやすい児童文庫

オー・ヘンリーの短編は児童文庫でも読むことができる。

それぞれ翻訳やイラストに特徴があるので、自分に合ったものがあるかチェックしてみよう。

ももちん

どれも『賢者の贈り物』が掲載されているよ。

岩波少年文庫

『最後のひと葉』オー・ヘンリー作、金原瑞人訳、岩波書店、2001年

岩波少年文庫は、1950年に岩波書店より創刊された児童文庫。

『最後のひと葉』は2001年、金原瑞人の訳で刊行された。

絵本・児童文学の翻訳作品数が多い金原瑞人の訳文は、「だ・である」調で読みやすい日本語。

ふりがな少なめ・漢字多めなので、文庫では漢字や語句が難しいと感じる大人におすすめ。

表題作『最後のひと葉』ほか、『賢者の贈り物』『よみがえった良心』など全14作品を収録。

小西映子の挿絵は、繊細な後ろ姿や小物の絵にとどめ、物語の想像をふくらませやすい。

中学生以上向け。

掲載作品

  1. よみがえった良心 ”A Retrieved Reformation”
  2. 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  3. 株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
  4. 犠牲打 ”A Sacrifice Hit”
  5. 二十年後 ”After Twenty Years”
  6. 伯爵と結婚式の客 ”The Count and the Wedding Guest”
  7. ジェフ・ピーターズの話 ”Jeff Peters as a Personal Magnet”
  8. 一千ドル ”One Thousand Dollars”
  9. 都会の敗北 ”The Defeat of the City”
  10. 金の神と恋の使者 ”Mammon and the Archer”
  11. 緑のドア ”The Green Door”
  12. 回転木馬のような人生
  13. 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
  14. 最後のひと葉 ”The Last Leaf”

金原瑞人翻訳作品

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角川つばさ文庫

2009年に創刊された角川つばさ文庫は、本を読むのがちょっと苦手という子にも「読んでみたい」気持ちを応援する児童文庫。

特徴は、シリーズ累計発行部数200万部を突破した大人気ライトノベル『本好きの下剋上』の挿絵を手がけた椎名優による挿絵

古典特有の読みにくさが、アニメのようにかわいらしい挿絵のおかげでやわらいで、すらすら読み進められる。

ももちん
デラもジムも可愛くかっこよく描かれてます。

それとは裏腹に、越前敏弥の訳文はしっかりした日本語で、大人も拒否反応なく読める誠実な訳

ふりがなが多い。小学校中学年以上向け。

掲載作品

  1. 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
  2. よみがえった改心 ”A Retrieved Reformation”
  3. 都会の敗北 ”The Defeat of the City”
  4. ハーグレイヴズの二役 ”The Duplicity of Hargraves”
  5. お金の神さまと恋の神さま ”Mammon and the Archer”
  6. 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  7. おしゃれさんの失敗
  8. 緑のドア ”The Green Door”
  9. 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
  10. 最後のひと葉 ”The Last Leaf”
ももちん

『賢者の贈り物』だけなら、Kindleの無料サンプルで読むことができるよ。

 

講談社青い鳥文庫

『賢者の贈り物』O・ヘンリー作、飯島淳秀訳、そらめ絵、講談社、2009年

講談社青い鳥文庫は、1980年に創刊された児童文庫。

2009年に刊行された『賢者の贈り物』では、表題作含め10編が収録されている。

翻訳は、1990年刊の青い鳥文庫『賢者のおくりもの』の飯島淳秀の訳文を読みやすくしたもの。

そらめの挿絵はアニメ風で、デラとジムの人物像を理解する助けになる。

ふりがなが多い。小学校中学年以上向け。

掲載作品

  1. 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
  2. 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  3. 献立表の春 ”Springtime a'la Carte”
  4. 二十年後 ”After Twenty Years”
  5. 最後の一葉 ”The Last Leaf”
  6. 運命のショック ”The Shocks of Doom”
  7. とりもどされた改心 ”A Retrieved Reformation”
  8. 赤い酋長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
  9. 魔女のパン ”Witches'Loaves”
  10. ハーグレイヴズの二役 ”The Duplicity of Hargraves”

 

児童文庫はココがおすすめ

  • 一般的な文庫より大きめのサイズ
  • 現代的な挿絵でキャラクターをイメージしやすい
  • 現代的な言葉づかい
  • オー・ヘンリーの他の短編も読める

 

4.個性のあるハードカバー

『賢者の贈り物』収録されている短編集には、独自の切り口や個性を出したハードカバーの書籍もある。

アメリカン・マスターピース 古典篇

『アメリカン・マスターピース 古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)』ナサニエル・ホーソーン他著、柴田元幸編訳、スイッチパブリッシング、2013年

「柴田元幸翻訳叢書」シリーズは、スイッチパブリッシングの季刊誌『Coyote』での連載コーナー

英米の作家の短編をよりすぐり、短編集として単行本化している。

第4弾『アメリカン・マスターピース 古典篇』では、アメリカの古典小説の中から、柴田元幸自身が愛読し、寄りすぐった8人の作家・詩人の8つの名作を収録

その中のひとつがO・ヘンリー『賢者の贈り物』。

柴田元幸の翻訳作品が好きな人、アメリカの同時代の傑作も読みたい人にはたまらない1冊。

掲載作品

  1. ナサニエル・ホーソーン『ウェイクフィールド』
  2. エドガー・アランポー『モルグ街の殺人』
  3. ハーマン・メルヴィル『書写人バートルビーーウォール街の物語』
  4. エミリー・ディキンソン 詩
  5. マーク・トウェイン『ジム・スマイリーと彼の跳び蛙』
  6. ヘンリー・ジェームズ『本物』
  7. O・ヘンリー『賢者の贈り物』
  8. ジャック・ロンドン『火を熾す』

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ショートストーリーセレクション

『賢者の贈り物 (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 4)』オー・ヘンリー作、和田誠絵、千葉茂樹訳、理論社、2007年

理論社から2007年に刊行されたのが、オー・ヘンリーの短編を全8冊におさめた「オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション」。

全作品、絵本や児童文学の翻訳を長く手がけてきた千葉茂樹による新訳

その中の1冊『賢者の贈り物』には、表題作含め8編が収録されている。

小学校高学年から読めるように、字が大きめでふりがなも振られている

すべての挿絵を和田誠が手がけている

掲載作品

  1. 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
  2. 荒野の王子さま ”A Chaparral Prince”
  3. お金の神さまとキューピッド ”Mammon and the Archer”
  4. 鳴らないピアノ ”The Missing Code”
  5. 紫色のドレス ”The Purple Dress”
  6. 平和の衣 ”The Robe of Peace”
  7. 騎士道の守り手 ”The Guardian of the Accolade”
  8. 選んだ道 ”The Roads We Take”

 

ハードカバーはココがおすすめ

  • 特別感がある
  • オー・ヘンリーの他の短編も読める(ショート・ストーリーズ)
  • アメリカの他の作家の短編を楽しめる(アメリカン・マスターピース)

 

5.活字が苦手でも読みやすい児童書

『賢者の贈り物』は子ども向けに、挿絵や解説、大きな字などで工夫されている書籍もたくさん刊行されている。

子どもが読む本と侮ってはいけない。

実は、活字が苦手な大人にもおすすめなんだよね。

 

親も子も読む名作 6年生の読みもの

『親も子も読む名作 6年生の読みもの』亀村五郎編、学校図書、2005年

学校図書が2005年に刊行した「親も子も読む名作 ◯年生の読みもの」シリーズは、子どもはもちろん、親が読んでも楽しめる短編の名作を、学年ごとにまとめたもの。

そのラインナップは、子どもの頃教科書で読んで、よく知っている作家のお話が多い。

6年生版に収録されているのが、女優としても活躍した岸田今日子翻訳の『ほんもののプレゼント』

あえて『賢者の贈り物』ではなく『ほんもののプレゼント』と題されていることからも伝わるように、訳文は柔らかくて優しい

もともとはユーモアとテンポの良さが魅力の短編だけど、岸田今日子訳は「です、ます」調で表現が上品

長瀬かおりの挿絵も控えめで美しい。

掲載作品

  1. 『あめだま』新美南吉
  2. 『くもの糸』芥川龍之介
  3. 『船乗りシンドバットの二回目の航海』ディクソン編・中野好夫訳
  4. 『ネコ』星新一
  5. 『空気がなくなる日』岩倉政治
  6. 『さびたかぎ』長崎源之助
  7. 『ほんもののプレゼント』オー=ヘンリー・岸田今日子訳
  8. 『しまふくろうとならの木』安藤美紀夫
  9. 『オシメちゃんは六年生』灰谷健次郎
  10. 『金の足あと』椋鳩十
  11. 『手塚治虫は生きている』石子順

出典は偕成社の絵童話

『ほんもののプレゼント』オー・ヘンリー作、岸田今日子訳、東逸子絵、偕成社、1988年

『ほんもののプレゼント』はもともと絵童話として偕成社より1988年に刊行されたもの。

絵本『サンタクロースっているんでしょうか?』 で知られる東逸子の美しい絵と岸田今日子の柔らかい文章を味わえる。

現在は中古または図書館で手に取ることができる。

岸田今日子声優作品

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5分後に意外な結末シリーズ

引用元:「5分後に意外な結末」シリーズ公式サイト

学研が刊行する「5分後に意外な結末」シリーズは、読み切りのショートショートを1冊に約30編収録

累計発行部数240万部を突破した、小中学生に大人気のシリーズ

シリーズ通してイラストを手がけるのは人気イラストレーターのusi。

2014年に刊行された『5分後に意外な結末5 黄色い悲喜劇』では、『賢者の贈り物』含め全29編が収録されている。

『賢者の贈り物』は、短い時間で読み切れるように細かい部分が省略されているが、あらすじやみどころはそのまま楽しめる。

「5分後に意外な結末」シリーズ公式サイト

 

ランドセル名作 3つのプレゼント

学研が刊行する「ランドセル名作」シリーズは、子どもの読みものデビューに合わせ、1冊に3つのお話が収録されている名作シリーズ。

オールカラーのイラストと大きな字が特徴。

2018年に刊行された『3つのプレゼント』では、『けんじゃのおくりもの』ほか、グリム童話の『小人とくつや』、オスカー・ワイルドの『しあわせな王子』が収録されている。

小倉マユ子のカラー挿絵はカラフルで可愛らしい

あらすじとセリフを短い文章にまとめているので、コンパクトに読める

監修の横山洋子は、学研の「10歳までに読みたい名作」シリーズの監修も手がけている。

掲載作品

  1. 『小人とくつや』グリム童話より
  2. 『けんじゃのおくりもの』オー・ヘンリー
  3. 『しあわせな王子』オスカー・ワイルド

 

児童書はココがおすすめ

  • 他の作家の短編も読める
  • 字が大きくて読みやすい
  • あらすじとみどころをわかりやすく知れる
  • 個性的なイラストが楽しめる

 

まんがトムソーヤ文庫

『オー・ヘンリー短編集(まんがトムソーヤ文庫)』オー・ヘンリー作、村祭まこと画、ほるぷ出版、1996年

ほるぷ出版が刊行する「まんがトムソーヤ文庫」シリーズは、世界や日本の名作を漫画にし、子どもが読みやすく仕上げている児童書シリーズ。

『オー・ヘンリー短編集』では、村祭まことが漫画を手がけている。

収録されているのは、『賢者の贈りもの』含め全9編。

巻末には「ものしり資料館」と題して、オー・ヘンリーの紹介や年譜、小説を読める出版社の案内などが掲載されている。

あらすじだけをわかりやすく知るならおすすめの1冊。

掲載作品

  1. 賢者の贈りもの ”The Gift of the Magi”
  2. 振り子 ”The Pendulum”
  3. 魔女たちのパン ”Witches'Loaves”
  4. 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  5. ハーレムの悲劇
  6. 自動車を待つあいだ ”While the Auto Waits”
  7. 二十年後 ”After Twenty Years”
  8. 運命の衝撃 ”The Shocks of Doom”
  9. 最後の一葉 ”The Last Leaf”

 

漫画はココがおすすめ

  • 絵とセリフのみなので読みやすい
  • あらすじがわかりやすい
  • オー・ヘンリーの他の短編も漫画で読める

 

6.電子書籍

名作『賢者の贈り物』は、電子書籍でしか読めないものもある。

無料で読める電子書籍もあるので、電子書籍未体験の人も、これを機にチャレンジしてみては?

 

旺文社文庫の短編集が電子書籍に!

『O・ヘンリー短編集2 Kindle版』オー・ヘンリー作、大久保博訳、グーテンベルク21、2012年

グーテンベルク21が電子書籍で刊行しているのが、『O・ヘンリー短編集』全2巻

1974年に旺文社文庫より刊行され、現在絶版になっているものを、電子書籍で復活させたもの。

マーク・トウェイン作品の翻訳でも知られる大久保博の訳文は丁寧でクラシック

『O・ヘンリー短編集2 Kindle版』には、『賢者たちの贈りもの』含む10の短編が収録されている。

1,2それぞれの巻末には、各短編の詳細な解説が掲載されており、これだけでも資料として面白く読める

加えて1の巻末には、オー・ヘンリーの作品集、年譜が詳細に書かれている。

掲載作品

  1. 馭者台から ”From the Cabby's Seat”
  2. ポリ公と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
  3. マモンと弓の使い手 ”Mammon and the Archer”
  4. お好み料理の春 ”Springtime a'la Carte”
  5. 運命の衝撃 ”The Shocks of Doom”
  6. 最後の一葉 ”The Last Leaf”
  7. ラッパのひびき ”The Clarion Call”
  8. 賢者たちの贈りもの ”The Gift of the Magi”
  9. れんが粉の長屋 ”Brickdust Row”
  10. インディアン酋長誘拐事件 ”The Ransom of Red Chief”

 

『賢者の贈り物』を無料で読める

2012年に電子書籍で刊行されたのは、結城浩訳の『賢者の贈り物』。

結城浩は、プラグラマーであり、小説『数学ガール』シリーズの著者でもある。

翻訳した文章は、著作権の切れた作品の翻訳をインターネットで公開する「プロジェクト杉田玄白」にも掲載されている。

読みやすい日本語で易しく訳されているので、読む人を選ばない。

古典の堅苦しさが苦手な人にはおすすめ。

結城浩訳の『賢者の贈り物』は、ネットでも無料で読むことができるよ。

結城浩訳『賢者の贈り物』を無料で読む
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電子書籍はココがおすすめ

  • かさばらず、いつでもどこでも読める
  • 値段が手頃・無料
  • 紙の本では読めない翻訳で読める

 

【番外編】1952年映画『人生模様』

引用元:O. Henry's Full House/Fox 

 

映画『人生模様』(原題”O. Henry's Full House”)は、1952年のアメリカ映画

オー・ヘンリーの5つの短編を映像化したもの。

「警官と賛美歌」「ラッパのひびき」「最後の一葉」「赤い酋長の身代金」「賢者の贈り物」の5つのオムニバス映画になっている。

ももちん

「警官と賛美歌」にはマリリン・モンローが出演!美しい・・・

「賢者の贈り物」では、当時スターだったジーン・クレインとファーリー・グレンジャーが夫婦を演じている。

参考:Wikipedia

 

まとめ

各出版社の『賢者の贈り物』まとめ。

絵本

出版社翻訳挿絵
冨山房矢川澄子ツヴェルガー
金の星社いもとようこ(文絵)

 

文庫・電子書籍

文庫名翻訳特徴
光文社古典新訳文庫芹澤恵全23編収録
新潮文庫小川高義傑作選全3作のうち1作目
岩波文庫大津栄一郎全20編収録
旺文社文庫
(電子書籍)
大久保博短編集全2作のうち2作目
青空文庫
(電子書籍)
結城 浩無料でも読める
ももちん

すべてKindleでも読める。

どれも名訳なのでお好みでどうぞ。

 

児童文庫

文庫名翻訳挿絵
岩波少年文庫金原瑞人小西映子
角川つばさ文庫越前敏弥椎名優
講談社青い鳥文庫飯島淳秀そらめ

 

ハードカバー・児童書

シリーズ名翻訳挿絵
アメリカン・マスターピース柴田元幸
ショートストーリーセレクション千葉茂樹和田誠
親も子も読む名作岸田今日子長瀬かおり
5分後に意外な結末桃戸晴(翻案)sui
まんがトムソーヤ文庫村祭まこと(画)
ランドセル名作間所ひさこ(文)小倉マユ子

 

あなたにとって一番ぴったりくる『賢者の贈り物』を手にとって見てね。

 

『賢者の贈り物』の物語の感想は、こちらの記事をどうぞ。

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『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年 『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。 ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮 ...

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Kindleまとめ



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