『賢者の贈り物』は、アメリカの作家O・ヘンリーが生んだ、クリスマスの短編小説。
現在さまざまな出版社から刊行されているので、特徴別にまとめてみた。
こんな方におすすめ
- 『賢者の贈り物』を読んでみたいけど、どれを選んだらいいか迷っている。
- 文庫、絵本、電子書籍など、特徴で選びたい。
『賢者の贈り物』最新情報
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『賢者の贈り物』とは?
短編小説『賢者の贈り物』(原題”The Gift of the Magi”)は、アメリカの作家オー・ヘンリーが1905年に新聞で発表した。
翌1906年に刊行された短編集”The Four Million”に掲載され、広く知られるようになった。
日本でも、『賢者の贈り物』はさまざまな短編集に掲載されており、一つのお話として絵本でも刊行されている。
一言あらすじ
若夫婦のジムとデラは、貧しくも仲むつまじく暮らしていた。
クリスマスの前日、デラはジムにプレゼントを買うお金がないことに悩み、ついには自分の一番の自慢である長い髪の毛を売る決心をする。
髪の毛とひきかえにお金を手にしたデラは、ジムの自慢の懐中時計にぴったりの鎖を見つけ、プレゼントにする。
そしてその晩、帰宅してデラの短くなった髪の毛を見たジムは呆然とする。
ジムは自慢の金時計を売って、デラのためのくしのセットをプレゼントに買っていた。
お互いのために大切なものを捧げあったという結末が、心にあたたかさとほほえみを残す。
本当の「賢さ」と「愚かさ」について考えさせられる、大人のための絵物語。
『賢者の贈り物』感想
絵本『賢者のおくりもの』感想。貧しい若夫婦のクリスマスイブの物語
『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。 ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮する思いやりに、自分自身を見直させられるお話。 どの出版社の『賢者のおくりもの』を読め ...
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『賢者の贈り物』を絵本で味わう
『賢者の贈り物』の物語が大好き!繰り返し読みたい!というあなたには、絵本として刊行されている2冊を紹介するよ。
矢川澄子(訳)リスベート・ツヴェルガー(絵)
1983年に冨山房より刊行されたのは、オーストリアの絵本作家リスベート・ツヴェルガーが絵を手がけた絵本『賢者のおくりもの』。
余白をたっぷりとった繊細なタッチのツヴェルガーの絵からは、登場人物の表情や微妙な仕草まで伝わってくる。
表紙絵にもなっているデラが髪を下ろしている後ろ姿からも、決意のようなものが感じられる。
矢川澄子の翻訳は「です・ます」調で丁寧な文章。
ところどころで「ですよね」「〜でしょう」など、読者に語りかけるような語り口が印象的。
難しい漢字や古風な言い回しも多く、大人が何度も読み返したくなる絵本。
これでは、古ぼけた小さいソファに身を投げだして、泣くよりほかはありやしません。 デラは、そこでそうしたのでした。
『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年
絵本の感想
絵本『賢者のおくりもの』感想。貧しい若夫婦のクリスマスイブの物語
『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。 ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮する思いやりに、自分自身を見直させられるお話。 どの出版社の『賢者のおくりもの』を読め ...
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いもとようこ(文・絵)
金の星社では、絵本作家のいもとようこが世界の名作を絵本で表現したシリーズ「大人になっても忘れたくないいもとようこ世界の名作絵本」を刊行している。
2014年には、オー・ヘンリーの有名な2編『賢者のおくりもの』『さいごの一葉』がそれぞれ絵本で刊行された。
絵本を開いて引き込まれるのは、無地の背景に大きなカットの絵。
シンプルに「これ」という部分だけを絵にしているので、物語の中で大切なことがわかりやすい。
独特の微妙な色使いで、登場人物の顔色や部屋の雰囲気まで伝わってくる。
文は、すべてひらがな・カタカナの「です・ます」調。
物語の大事なところだけがやさしい日本語でつづられているので、子どもから大人まで親しみやすい。
シンプルに、いもとようこ氏の絵本好きにはたまらない1冊。
絵本はココがおすすめ
- 『賢者のおくりもの』だけをじっくり味わえる
- 各社こだわりの絵と翻訳が楽しめる
手軽に短編を味わえる文庫
『賢者の贈り物』は、オー・ヘンリーの「短編集」の中の一話として、文庫版で各出版社より刊行されている。
『賢者の贈り物』のみならず、他の短編もたっぷり味わうことができるのが魅力。
他の短編も名作ぞろいなので、ぜひ読んでみてね。
他の短編も読むと、『賢者の贈り物』がとたんに大人の読み物に見えてくる。
ちくま文庫
『O・ヘンリーニューヨーク小説集 街の夢 (ちくま文庫)』は、2015年刊行『O・ヘンリー ニューヨーク小説集』に続く第2弾として、2022年筑摩書房より刊行された。
翻訳家の青山南が早稲田大学の学生とともに翻訳を手掛けている。
巻頭にジョン・スローンのカラー口絵、各お話ごとに解説文、初掲載時の紙面画像が掲載されていて、時代背景がわかりやすい。
訳文も明快で読みやすい。
「賢者の贈り物」ほか22篇が収録されている他、ロシアの作家ザミャーチンとイタリアの作家パヴェーゼのO・ヘンリー論が収録されている。
こんなとき、みすぼらしい小さなソファーに身を投げ出して、思いきり泣くほかに、何ができるというのか。 だから、デラは泣いた。
『O・ヘンリーニューヨーク小説集 街の夢 (ちくま文庫)』O・ヘンリー(著)、青山南・戸山翻訳農場(訳)、筑摩書房、2022年
掲載作品
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- ゴム族の喜劇 ”A Comedy in Rubber”
- キューピッドの王子と大時計 ”The Caliph,Cupid and the Clock”
- アイキー・ショウエンスタインの惚れ薬 ”The Love-Philtre of Ikey Schoenstein”
- 探偵たち ”The Sleuths”
- 天気のチャンピオン ”The Champion of the Weather”
- 円を四角に ”Squaring the Circle”
- 愛の苦労 ”A Service of Love”
- コスモポリタンはカフェで ”A Cosmopolite in a Cafe”
- 巡回の合間 ”Between Rounds”
- この街の声 ”The Voice of the City”
- 真夏の騎士の夢 ”A Midsummer Knight's Dream”
- 幻のブレンド酒 ”The Lost Blend”
- 終わらない話 ”An Unfinished Story”
- ネメシスと菓子売り ”Nemesis and the Candy Man”
- 恐ろしい夜の都 ”The City of Dreadful Night”
- 成功の査定者 ”The Assessor of Success”
- 「罪人」は ”The Guilty Party”
- 感謝祭の二人の紳士 ”Two Thanksgiving Day Gentlemen”
- カクタス・シティからの買い付け人 ”The Buyer from Cactus City”
- 屑レンガ街 ”Brickdust Row”
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
- 最後の一枚 ”The Last Leaf”
角川文庫
2020年角川文庫より刊行されたのが、越前敏弥による新訳の『オー・ヘンリー傑作集 1 賢者の贈り物 (角川文庫) 』。
越前敏弥は多くの作品の翻訳を手がけていて、児童向けの角川つばさ文庫の『新訳 賢者の贈り物・最後のひと葉』でも一部翻訳を担当している。
角川文庫版は、それぞれの短編の前に数行の導入文が掲載されている。
この導入文のおかげで、数ページでテンポよく進んでいくお話にペースをすんなり合わせることができ、物語に入りやすい。
「賢者の贈り物」ほか15篇が収録。
続けて2021年に刊行された『オー・ヘンリー傑作集 2』には、「最後のひと葉」はじめ12話が収録されている。
新しい角川文庫版は表紙絵が美しく、手にとってみたくなる。
こんなとき、みすぼらしい小さなソファーに身を投げ出して、思いきり泣くほかに、何ができるというのか。 だから、デラは泣いた。
『オー・ヘンリー傑作集 1 賢者の贈り物 (角川文庫)』オー・ヘンリー作、越前敏弥訳、角川文庫、2020年
掲載作品
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
- 忙しい株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
- 洒落男の失敗
- 御者台から ”From the Cabby's Seat”
- 第九十九分署の外交方針
- 金のかかる恋人
- 桃源郷のはかなき客 ”Transients in Arcadia”
- ハーグレイブスのふたつの顔 ”The Duplicity of Hargraves”
- アイキー・シェーンスタインの惚れ薬
- 富の神とキューピッド ”Mammon and the Archer”
- 緑のドア ”The Green Door”
- マックの救出代
- 振り子 ”The Pendulum”
- 自動車を待たせて ”While the Auto Waits”
- 春の献立表 ”Springtime a'la Carte”
光文社古典新訳文庫
光文社古典新訳文庫より2006年に創刊された文庫レーベル。
文学作品から哲学書まで、古典と呼ばれる作品を現代の読者にも読みやすい日本語で新訳するのがコンセプト。
2007年に刊行されたのは、オー・ヘンリー作の短編23編を収録した『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』。
芹澤恵の翻訳は、歯切れのよい「だ・である」調。
1話読むのに数分しかかからない短編に、軽妙な言い回しが心地よい。
言葉遣いは現代の読者も読みやすく、癖のない文章。
表題の2編のほか、有名な『最後の一葉』や、他の文庫本にはない『1ドルの価値』『十月と六月』などの新訳も収録。
巻末には『「最後の一葉」はこうして生まれた―O.ヘンリーの知られざる生涯 』を書いた齊藤昇による解説や、オー・ヘンリー年譜が掲載されている。
小さなみすぼらしいソファに身を投げ、思いっきり声をあげて泣く以外に、何ができるというのか? だから、デラはそうした。
O・ヘンリー 芹澤恵:訳『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』/光文社古典新訳文庫
掲載作品
- 多忙な株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
- 献立表の春 ”Springtime a'la Carte”
- 犠牲打 ”A Sacrifice Hit”
- 赤い族長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
- 千ドル ”One Thousand Dollars”
- 伯爵と婚礼の客 ”The Count and the Wedding Guest”
- しみったれな恋人 ”A Lickpenny Lover”
- 1ドルの価値 ”One Dollar's Worth”
- 臆病な幽霊 ”A Ghost of a Chance”
- 甦った改心 ”A Retrieved Reformation”
- 十月と六月 ”October and June”
- 幻の混合酒 ”The Lost Blend”
- 楽園の短期滞在客 ”Transients in Arcadia”
- サボテン ”The Cactus”
- 意中の人 ”’Girl'”
- 靴 ”Shoes”
- 心と手 ”Hearts and Hands”
- 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
- ミス・マーサのパン ”Witches'Loaves”
- 二十年後 ”After Twenty Years”
- 最後の一葉 ”The Last Leaf”
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
芹澤恵翻訳作品
『フランケンシュタイン』19作品比較。文庫・映画など特徴まとめ!
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新潮文庫
新潮文庫では、1969年に大久保博訳で『O・ヘンリ短編集』全3冊を刊行。
2015年に英文学者小川高義の新訳で「O・ヘンリー傑作選」全3冊刊行している。
『賢者の贈り物』など全16作品が収録されているのは、『賢者の贈りもの:O・ヘンリー傑作選Ⅰ』。
小川高義の訳文は、現代の読者にも読みやすい言葉遣いと、スピード感を持って読めるリズムを感じる。
短編を短編らしく、さっと楽しく読み進められる。
『最後の一葉』は収録されていないので、どちらも1冊で読みたいなら他の文庫がおすすめ。
どうにもならない。 おんぼろカウチに身を投げて泣くしかない。 だからデラは泣いた。
『賢者の贈りもの: O・ヘンリー傑作選I (新潮文庫)』O・ヘンリー作、小川高義訳、新潮文庫、2014年
掲載作品
- 賢者の贈りもの ”The Gift of the Magi”
- 春はアラカルト ”Springtime a'la Carte”
- ハーグレーヴズの一人二役 ”The Duplicity of Hargraves”
- 二十年後 ”After Twenty Years”
- 理想郷の短期滞在客 ”Transients in Arcadia”
- 巡査と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
- 手入れのよいランプ ”The Trimmed Lamp”
- 千ドル ”One Thousand Dollars”
- 黒鷲の通過 ”The Passing of Black Eagle”
- 緑のドア ”The Green Door”
- いそがしいブローカーのロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
- 赤い酋長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
- 伯爵と婚礼の客 ”The Count and the Wedding Guest”
- この世は相身互い
- 車を待たせて ”While the Auto Waits”
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岩波文庫
岩波文庫が1979年に刊行した『オー・ヘンリー傑作選』には、『賢者の贈り物』など全20作品が収録されている。
大津栄一郎の翻訳は、長年親しまれてきた定番訳、といった印象。
クラシックな訳で読みたいならおすすめの1冊。
他の文庫と比べると字が小さく、漢字や語句も「通風縦孔」「言辞」など、難しめ。
『賢者の贈りもの』『最後の一葉』ほか18編を収録。
みすぼらしい小さなソファに身を投げ出して、おいおい泣くよりほかに手はなかった。 だからデラは泣いた。
『オー・ヘンリー傑作選』大津栄一郎訳、岩波書店、1979年
掲載作品
- 賢者の贈りもの ”The Gift of the Magi”
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- マモンの神とキューピッド ”Mammon and the Archer”
- 献立表の春 ”Springtime a'la Carte”
- 緑のドア ”The Green Door”
- 馭者台から ”From the Cabby's Seat”
- 忙しい株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
- 二十年後 ”After Twenty Years”
- 改心 ”A Retrieved Reformation”
- 古パン ”Witches'Loaves”
- 眠りとの戦い ”At Arms with Morpheus”
- ハーグレイヴズの一人二役 ”The Duplicity of Hargraves”
- 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
- 赤い酋長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
- 千ドル ”One Thousand Dollars”
- 桃源郷の短期滞在客 ”Transients in Arcadia”
- ラッパのひびき ”The Clarion Call”
- マディソン・スクエア千一夜物語 ”A Madison Square Arabian Night”
- 最後の一葉 ”The Last Leaf”
- 伯爵と婚礼の客 ”The Count and the Wedding Guest”
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文庫はココがおすすめ
- 手頃な値段とサイズ
- オー・ヘンリーの他の短編も読める
- 挿絵なし
読みやすい児童文庫
オー・ヘンリーの短編は児童文庫でも読むことができる。
それぞれ翻訳やイラストに特徴があるので、自分に合ったものがあるかチェックしてみよう。
どれも『賢者の贈り物』が掲載されているよ。
岩波少年文庫
岩波少年文庫は、1950年に岩波書店より創刊された児童文庫。
『最後のひと葉』は2001年、金原瑞人の訳で刊行された。
絵本・児童文学の翻訳作品数が多い金原瑞人の訳文は、「だ・である」調で読みやすい日本語。
ふりがな少なめ・漢字多めなので、文庫では漢字や語句が難しいと感じる大人におすすめ。
表題作『最後のひと葉』ほか、『賢者の贈り物』『よみがえった良心』など全14作品を収録。
小西映子の挿絵は、繊細な後ろ姿や小物の絵にとどめ、物語の想像をふくらませやすい。
中学生以上向け。
デラは、小さくてみすぼらしいソファに身を投げ出して泣きわめいた。
『最後のひと葉』オー・ヘンリー作、金原瑞人訳、岩波少年文庫、2001年
掲載作品
- よみがえった良心 ”A Retrieved Reformation”
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- 株式仲買人のロマンス ”The Romance of a Beautifl Broker”
- 犠牲打 ”A Sacrifice Hit”
- 二十年後 ”After Twenty Years”
- 伯爵と結婚式の客 ”The Count and the Wedding Guest”
- ジェフ・ピーターズの話 ”Jeff Peters as a Personal Magnet”
- 一千ドル ”One Thousand Dollars”
- 都会の敗北 ”The Defeat of the City”
- 金の神と恋の使者 ”Mammon and the Archer”
- 緑のドア ”The Green Door”
- 回転木馬のような人生
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
- 最後のひと葉 ”The Last Leaf”
金原瑞人翻訳作品
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角川つばさ文庫
2009年に創刊された角川つばさ文庫は、本を読むのがちょっと苦手という子にも「読んでみたい」気持ちを応援する児童文庫。
特徴は、シリーズ累計発行部数200万部を突破した大人気ライトノベル『本好きの下剋上』の挿絵を手がけた椎名優による挿絵。
古典特有の読みにくさが、アニメのようにかわいらしい挿絵のおかげでやわらいで、すらすら読み進められる。
それとは裏腹に、越前敏弥の訳文はしっかりした日本語で、大人も拒否反応なく読める誠実な訳。
ふりがなが多い。小学校中学年以上向け。
こんなとき、みすぼらしい小さなソファーに身を投げだして、思いきり泣くほかに、なにができるというのか。 だから、デラはそうした。
『新訳 賢者の贈り物・最後のひと葉 (角川つばさ文庫)』オー・ヘンリー作、越前敏弥他訳、KADOKAWA、2014年
掲載作品
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
- よみがえった改心 ”A Retrieved Reformation”
- 都会の敗北 ”The Defeat of the City”
- ハーグレイヴズの二役 ”The Duplicity of Hargraves”
- お金の神さまと恋の神さま ”Mammon and the Archer”
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- おしゃれさんの失敗
- 緑のドア ”The Green Door”
- 水車のある教会 ”The Church with an Overshot-wheel”
- 最後のひと葉 ”The Last Leaf”
『賢者の贈り物』だけなら、Kindleの無料サンプルで読むことができるよ。
講談社青い鳥文庫
講談社青い鳥文庫は、1980年に創刊された児童文庫。
2009年に刊行された『賢者の贈り物』では、表題作含め10編が収録されている。
翻訳は、1990年刊の青い鳥文庫『賢者のおくりもの』の飯島淳秀の訳文を読みやすくしたもの。
そらめの挿絵はアニメ風で、デラとジムの人物像を理解する助けになる。
ふりがなが多い。小学校中学年以上向け。
すりきれた小さい長いすに身を投げて、思いきり泣くよりほかに、もうどうしようもなかった。
『賢者の贈り物』O・ヘンリー作、飯島淳秀訳、そらめ絵、講談社、2009年
掲載作品
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- 献立表の春 ”Springtime a'la Carte”
- 二十年後 ”After Twenty Years”
- 最後の一葉 ”The Last Leaf”
- 運命のショック ”The Shocks of Doom”
- とりもどされた改心 ”A Retrieved Reformation”
- 赤い酋長の身代金 ”The Ransom of Red Chief”
- 魔女のパン ”Witches'Loaves”
- ハーグレイヴズの二役 ”The Duplicity of Hargraves”
児童文庫はココがおすすめ
- 一般的な文庫より大きめのサイズ
- 現代的な挿絵でキャラクターをイメージしやすい
- 現代的な言葉づかい
- オー・ヘンリーの他の短編も読める
個性のあるハードカバー
『賢者の贈り物』収録されている短編集には、独自の切り口や個性を出したハードカバーの書籍もある。
O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ 恋人たちのいる風景
2022年言視舎から刊行された『O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ 恋人たちのいる風景』は、2009年に洋泉社から刊行された同作の新版。
翻訳を手がけた常盤新平は、編集者・文筆家としても精力的に活動した人。
訳文はあたたかく品のある言葉遣い。
訳者が翻訳という職業を選んだのは「O・ヘンリーのおかげ」というのもうなずける。
今作は常盤新平の最後の翻訳書であり、O・ヘンリーの短編7編が収録されている。
巻末には編集部による解説「O・ヘンリーと常盤新平」が収録されている。
くたびれた小さなベッドに身を投げて、さめざめと泣くしかない。だから、デラはそうした。
『O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ 恋人たちのいる風景』O・ヘンリー著、常盤新平訳、言視舎、2022年
掲載作品
- 奇跡のブレンド酒 ”The Gift of the Magi”
- 春のア・ラ・カルト ”Springtime a la Carte”
- 忙しい株式仲買人の恋 ”The Romance of a Busy Broker”
- 緑の扉 ”The Green Door”
- 楽園の避暑客 ”Transients in Arcadia”
- 牧場のマダム・ボーピープ ”Madame Bo-Peep of the Ranches”
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
アメリカン・マスターピース 古典篇
「柴田元幸翻訳叢書」シリーズは、スイッチパブリッシングの季刊誌『Coyote』での連載コーナー。
英米の作家の短編をよりすぐり、短編集として単行本化している。
第4弾『アメリカン・マスターピース 古典篇』では、アメリカの古典小説の中から、柴田元幸自身が愛読し、寄りすぐった8人の作家・詩人の8つの名作を収録。
その中のひとつがO・ヘンリー『賢者の贈り物』。
訳文は大人が読むのにふさわしく、児童書には見られない言葉の使い方に魅せられる。
柴田元幸の翻訳作品が好きな人、アメリカの同時代の傑作も読みたい人にはたまらない1冊。
あとはもう、みすぼらしい小さなカウチに倒れ込んでわあわあ泣くしかない。 だからデラはそうした。
『アメリカン・マスターピース 古典篇 (柴田元幸翻訳叢書)』ナサニエル・ホーソーン他著、柴田元幸編訳、スイッチパブリッシング、2013年
掲載作品
- ナサニエル・ホーソーン『ウェイクフィールド』
- エドガー・アランポー『モルグ街の殺人』
- ハーマン・メルヴィル『書写人バートルビーーウォール街の物語』
- エミリー・ディキンソン 詩
- マーク・トウェイン『ジム・スマイリーと彼の跳び蛙』
- ヘンリー・ジェームズ『本物』
- O・ヘンリー『賢者の贈り物』
- ジャック・ロンドン『火を熾す』
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ショートストーリーセレクション
理論社から2007年に刊行されたのが、オー・ヘンリーの短編を全8冊におさめた「オー・ヘンリー ショートストーリーセレクション」。
全作品、絵本や児童文学の翻訳を長く手がけてきた千葉茂樹による新訳。
その中の1冊『賢者の贈り物』には、表題作含め8編が収録されている。
小学校高学年から読めるように、字が大きめでふりがなも振られている。
すべての挿絵を和田誠が手がけている。
こうなったら、ぼろぼろのソファにたおれこんで大声で泣くしかない。 だから、デラはそうした。
『賢者の贈り物 (オー・ヘンリーショートストーリーセレクション 4)』オー・ヘンリー作、和田誠絵、千葉茂樹訳、理論社、2007年
掲載作品
- 賢者の贈り物 ”The Gift of the Magi”
- 荒野の王子さま ”A Chaparral Prince”
- お金の神さまとキューピッド ”Mammon and the Archer”
- 鳴らないピアノ ”The Missing Code”
- 紫色のドレス ”The Purple Dress”
- 平和の衣 ”The Robe of Peace”
- 騎士道の守り手 ”The Guardian of the Accolade”
- 選んだ道 ”The Roads We Take”
【2022年11月】静山社よりソフトカバーシリーズが刊行
2022年、静山社よりオー・ヘンリーのショートストーリーセレクション全8巻が順次刊行。
『賢者の贈り物 (静山社ペガサス文庫)』は第2巻として、2022年11月に刊行。
理論社と同じ和田誠絵、千葉茂樹訳のもので、ソフトカバーなのでお手頃価格なのもうれしい。
ハードカバーはココがおすすめ
- 特別感がある
- オー・ヘンリーの他の短編も読める(ショート・ストーリーズ)
- アメリカの他の作家の短編を楽しめる(アメリカン・マスターピース)
電子書籍
名作『賢者の贈り物』は、電子書籍でしか読めないものもある。
無料で読める電子書籍もあるので、電子書籍未体験の人も、これを機にチャレンジしてみては?
旺文社文庫の短編集が電子書籍に!
グーテンベルク21が電子書籍で刊行しているのが、『O・ヘンリー短編集』全2巻。
1974年に旺文社文庫より刊行され、現在絶版になっているものを、電子書籍で復活させたもの。
マーク・トウェイン作品の翻訳でも知られる大久保博の訳文は丁寧でクラシック。
『O・ヘンリー短編集2 Kindle版』には、『賢者たちの贈りもの』含む10の短編が収録されている。
1,2それぞれの巻末には、各短編の詳細な解説が掲載されており、これだけでも資料として面白く読める。
加えて1の巻末には、オー・ヘンリーの作品集、年譜が詳細に書かれている。
後はただ、ぼろぼろの小さな寝椅子に、どっと身を投げだして泣きわめくばかりだった。 だからデラは、そうした。
『O・ヘンリー短編集2 Kindle版』オー・ヘンリー作、大久保博訳、グーテンベルク21、2012年
掲載作品
- 馭者台から ”From the Cabby's Seat”
- ポリ公と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- マモンと弓の使い手 ”Mammon and the Archer”
- お好み料理の春 ”Springtime a'la Carte”
- 運命の衝撃 ”The Shocks of Doom”
- 最後の一葉 ”The Last Leaf”
- ラッパのひびき ”The Clarion Call”
- 賢者たちの贈りもの ”The Gift of the Magi”
- れんが粉の長屋 ”Brickdust Row”
- インディアン酋長誘拐事件 ”The Ransom of Red Chief”
『賢者の贈り物』を無料で読める
そして、今日もう一つ驚いたこと。
青空文庫の「賢者の贈り物」などいくつかをプログラミング入門書や数学ガールで有名な結城 浩さんが翻訳していることにビックリ!http://t.co/PNCNhDVsTf— shironiji (@shironiji) March 16, 2014
2012年に電子書籍で刊行されたのは、結城浩訳の『賢者の贈り物』。
結城浩は、プラグラマーであり、小説『数学ガール』シリーズの著者でもある。
翻訳した文章は、著作権の切れた作品の翻訳をインターネットで公開する「プロジェクト杉田玄白」にも掲載されている。
読みやすい日本語で易しく訳されているので、読む人を選ばない。
古典の堅苦しさが苦手な人にはおすすめ。
結城浩訳の『賢者の贈り物』は、ネットでも無料で読むことができるよ。
結城浩訳『賢者の贈り物』を無料で読む電子書籍はココがおすすめ
- かさばらず、いつでもどこでも読める
- 値段が手頃・無料
- 紙の本では読めない翻訳で読める
活字が苦手でも読みやすい児童書
『賢者の贈り物』は子ども向けに、挿絵や解説、大きな字などで工夫されている書籍もたくさん刊行されている。
子どもが読む本と侮ってはいけない。
実は、活字が苦手な大人にもおすすめなんだよね。
【2022年11月刊行】小学館世界J文学館
引用元:小学館世界J文学館 「新しい「名作全集」の扉が開きます」編/小学館公式チャンネル2022年11月に刊行された『小学館世界J文学館』は、1冊の本(紙の書籍)を買うことで125冊の世界名作を電子書籍として読める、新しいタイプの全集。
紙の書籍は各作品をイラストやあらすじで紹介していて、名作ガイドブックのような役割。
気になる作品はページ内のQRコードを読み込むことで、スマートフォン、タブレットなどの端末で読むことができる。
現代の子どもたちが読みやすい新訳を採用し、イラストも第一線で活躍している画家が手がけている。
『O・ヘンリー作品集』は、英米文学の翻訳を多く手がける笹山裕子の訳。
小学校中学年以上が対象。イラストは絵本や児童文学の挿絵を多く手がける平澤朋子。
O・ヘンリー作品集のみ電子書籍
全集
親も子も読む名作 6年生の読みもの
学校図書が2005年に刊行した「親も子も読む名作 ◯年生の読みもの」シリーズは、子どもはもちろん、親が読んでも楽しめる短編の名作を、学年ごとにまとめたもの。
そのラインナップは、子どもの頃教科書で読んで、よく知っている作家のお話が多い。
6年生版に収録されているのが、女優としても活躍した岸田今日子翻訳の『ほんもののプレゼント』。
あえて『賢者の贈り物』ではなく『ほんもののプレゼント』と題されていることからも伝わるように、訳文は柔らかくて優しい。
もともとはユーモアとテンポの良さが魅力の短編だけど、岸田今日子訳は「です、ます」調で表現が上品。
長瀬かおりの挿絵も控えめで美しい。
掲載作品
- 『あめだま』新美南吉
- 『くもの糸』芥川龍之介
- 『船乗りシンドバットの二回目の航海』ディクソン編・中野好夫訳
- 『ネコ』星新一
- 『空気がなくなる日』岩倉政治
- 『さびたかぎ』長崎源之助
- 『ほんもののプレゼント』オー=ヘンリー・岸田今日子訳
- 『しまふくろうとならの木』安藤美紀夫
- 『オシメちゃんは六年生』灰谷健次郎
- 『金の足あと』椋鳩十
- 『手塚治虫は生きている』石子順
出典は偕成社の絵童話
『ほんもののプレゼント』はもともと絵童話として偕成社より1988年に刊行されたもの。
絵本『サンタクロースっているんでしょうか?』 で知られる東逸子の美しい絵と岸田今日子の柔らかい文章を味わえる。
現在は中古または図書館で手に取ることができる。
一ドル八十七セント。たったそれっぽっち。しかも六十セントはバラバラの小銭で。
引用元:『ほんもののプレゼント』オー・ヘンリー作、岸田今日子訳、東逸子絵、偕成社、1988年
岸田今日子声優作品
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5分後に意外な結末シリーズ
引用元:「5分後に意外な結末」シリーズ公式サイト学研が刊行する「5分後に意外な結末」シリーズは、読み切りのショートショートを1冊に約30編収録。
累計発行部数240万部を突破した、小中学生に大人気のシリーズ。
シリーズ通してイラストを手がけるのは人気イラストレーターのusi。
2014年に刊行された『5分後に意外な結末5 黄色い悲喜劇』では、『賢者の贈り物』含め全29編が収録されている。
『賢者の贈り物』は、短い時間で読み切れるように細かい部分が省略されているが、あらすじやみどころはそのまま楽しめる。
「5分後に意外な結末」シリーズ公式サイトデラは、小さな古いソファーに倒れこんで泣くしかなかった。
「賢者の贈り物」オー・ヘンリー作、桃戸晴翻案/『5分後に意外な結末 5 黄色い悲喜劇』学研教育出版、2014年
1話5分!12歳までに読みたい名作100
『1話5分!12歳までに読みたい名作100』では、日本と世界の名作100作品を、1話5分程度(見開き1ページ)で読めるよう短くして掲載している。
監修は麻布中学・高校国語教師の中島克治。
ページの構成は短くしたお話を中心に作者紹介、語句説明がされ、お話の最後に作品解説とおすすめの図書(『賢者の贈り物』なら講談社青い鳥文庫など)が掲載されている。
本書を読んで「作品を読んでみたい」という気になりそう。
『賢者のおくり物』は「低学年向け」で紹介されている。
後半では本書で紹介しきれなかった名作のブックリストが掲載されている。
漢字にはふりがなつきなので低学年〜高学年まで対応。
「あらすじだけを知りたい!」「次に読む作品を選ぶための情報がほしい」というときにおすすめ。
毎日読める!小学生のための 日本と世界の名作200
『毎日読める! 小学生のための 日本と世界の名作200』では、日本と世界の名作200作品を、1話5分程度で読めるよう短くして掲載している。監修は教育学者でメディアにもよく出ている齋藤孝。
小学生の1年の登校日数とほぼ同じ200話を掲載することで、毎日の読書の習慣がつくようになっている。
ページの構成は先に紹介した『1話5分!12歳までに読みたい名作100』と似ているが、本書ではお話の最後に「読むヒント」としてお話のポイントをまとめている。
『賢者の贈りもの』は「中学年向け」で紹介されている。
漢字にはふりがなつきなので低学年〜高学年まで対応。
「あらすじだけを知りたい!」「次に読む作品を選ぶための情報がほしい」というときにおすすめ。
ランドセル名作 3つのプレゼント
今週発売の『-ランドセル名作-3つのプレゼント』(学研プラス)内で「けんじゃのおくりもの」の挿絵を担当しました。大人っぽい物語ですが、小学校低学年の子どもたちも楽しく読めるようなテイストで描きました。ぜひご覧ください📖https://t.co/AQ9vfJKFUs pic.twitter.com/2UP0qhFmNg
— 小倉マユコ (@ogmy) March 8, 2018
学研が刊行する「ランドセル名作」シリーズは、子どもの読みものデビューに合わせ、1冊に3つのお話が収録されている名作シリーズ。
オールカラーのイラストと大きな字が特徴。
2018年に刊行された『3つのプレゼント』では、『けんじゃのおくりもの』ほか、グリム童話の『小人とくつや』、オスカー・ワイルドの『しあわせな王子』が収録されている。
小倉マユ子のカラー挿絵はカラフルで可愛らしい。
あらすじとセリフを短い文章にまとめているので、コンパクトに読める。
監修の横山洋子は、学研の「10歳までに読みたい名作」シリーズの監修も手がけている。
掲載作品
- 『小人とくつや』グリム童話より
- 『けんじゃのおくりもの』オー・ヘンリー
- 『しあわせな王子』オスカー・ワイルド
児童書はココがおすすめ
- 他の作家の短編も読める
- 字が大きくて読みやすい
- あらすじとみどころをわかりやすく知れる
- 個性的なイラストが楽しめる
コミック
『賢者の贈り物』は、漫画でもよむことができる。
旺文社名作まんがシリーズ
三省堂書店神保町本店8階の、冬の古書市。
旺文社名作まんがシリーズ、勢揃い。
基本、1冊1500円。石川賢せんせの「羅生門」などは、もっとプレ値が付いてます。 pic.twitter.com/elhzIoJYeh— 磯貝和日朗 (@k1db0x) January 25, 2016
「旺文社名作まんがシリーズ」は、1985年に刊行された全40巻のまんがシリーズ。
紙の本は現在絶版だが、電子書籍サイト「楽天kobo」で5作品をよむことができる。
『オー・ヘンリー短編集』では、村祭まことが漫画を手がけている。
電子書籍で読めるのは、『賢者の贈りもの』含め全9編。
あらすじだけをわかりやすく知るならおすすめの1冊。
オー・ヘンリー短編集
- 賢者の贈りもの ”The Gift of the Magi”
- 振り子 ”The Pendulum”
- 魔女たちのパン ”Witches'Loaves”
- 警官と賛美歌 ”The Cop and the Anthem”
- ハーレムの悲劇
- 自動車を待つあいだ ”While the Auto Waits”
- 二十年後 ”After Twenty Years”
- 運命の衝撃 ”The Shocks of Doom”
- 最後の一葉 ”The Last Leaf”
電子書籍サイト「楽天kobo」で1話ずつ購入可能。
紙の本でも読める!
村祭まことの『オー・ヘンリー短編集』全9話は、ほるぷ出版が刊行する「まんがトムソーヤ文庫」で1冊にまとめられている。
「まんがトムソーヤ文庫」シリーズは、世界や日本の名作を漫画にし、子どもが読みやすく仕上げている児童書シリーズ。
巻末には「ものしり資料館」と題して、オー・ヘンリーの紹介や年譜、小説を読める出版社の案内などが掲載されている。
漫画はココがおすすめ
- 絵とセリフのみなので読みやすい
- あらすじがわかりやすい
- オー・ヘンリーの他の短編も漫画で読める
【番外編】1952年映画『人生模様』
引用元:O. Henry's Full House/Fox映画『人生模様』(原題”O. Henry's Full House”)は、1952年のアメリカ映画。
オー・ヘンリーの5つの短編を映像化したもの。
「警官と賛美歌」「ラッパのひびき」「最後の一葉」「赤い酋長の身代金」「賢者の贈り物」の5つのオムニバス映画になっている。
「警官と賛美歌」にはマリリン・モンローが出演!美しい・・・
「賢者の贈り物」では、当時スターだったジーン・クレインとファーリー・グレンジャーが夫婦を演じている。
参考:Wikipedia
まとめ
各出版社の『賢者の贈り物』まとめ。
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絵本
文庫・電子書籍
文庫名 | 翻訳 | 特徴 |
角川文庫 | 越前敏弥 | 全16編収録 |
光文社古典新訳文庫 | 芹澤恵 | 全23編収録 |
新潮文庫 | 小川高義 | 傑作選全3作のうち1作目 |
岩波文庫 | 大津栄一郎 | 全20編収録 |
旺文社文庫 (電子書籍) | 大久保博 | 短編集全2作のうち2作目 |
青空文庫 (電子書籍) | 結城 浩 | 無料でも読める |
どれも名訳なのでお好みでどうぞ。
児童文庫
ハードカバー・児童書
あなたにとって一番ぴったりくる『賢者の贈り物』を手にとって見てね。
『賢者の贈り物』の物語の感想は、こちらの記事をどうぞ。
絵本『賢者のおくりもの』感想。貧しい若夫婦のクリスマスイブの物語
『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。 ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮する思いやりに、自分自身を見直させられるお話。 どの出版社の『賢者のおくりもの』を読め ...
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クリスマスに読みたい絵本については、こちらのバナーからどうぞ。
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