あなたにとって「クリスマス」のお楽しみは何ですか?
セールが楽しみ? 恋人や家族と過ごす? 友人とパーティーする?
その中に、ゆっくりコーヒーでも飲みながらひとり読書を楽しむ時間をとりいれてみませんか?
この記事では、クリスマスをテーマ・舞台にしていたり、クリスマスのお話がある小説・児童文学を11冊紹介します。
どれも名作で、題名を知っている本も多いはず。
作品ごとに別記事で詳しく紹介しているので、合わせて読んでみてね。
クリスマスの「絵本」まとめは次の記事をどうぞ。
【クリスマス】大人が読みたい極上の絵本18選。別記事レビュー有
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この記事で紹介している小説
- 『飛ぶ教室』
- 『クリスマス・キャロル』
- 『賢者の贈り物』
- 『フランダースの犬』
- 『若草物語』
- 『ライ麦畑でつかまえて』
- 『赤毛のアン』の「マシュウとふくらんだ袖」
- 『アンの幸福』の「キャサリン・ブルックとのクリスマス」
- 『アンをめぐる人々』の「失敗した男」
- 『ムーミン谷の仲間たち』の「もみの木」
- 『風にのってきたメアリー・ポピンズ』の「クリスマスの買い物」
選書のポイント
クリスマスに読みたい小説を選ぶにあたって、いくつかのポイントをもうけました。
選書のポイント
- 長く愛されている名作・古典中心
- 絶版になっておらず、手に入れやすい
どれも手元に置いて何度も読み返したい。と思えるような作品。
作品ごとに、レビュー記事や出版社ごとの特徴記事も書いているよ。
合わせて読んでみてね。
クリスマスをテーマ・舞台にした6冊
まずは、クリスマスを舞台に描かれている作品を6冊紹介するよ。
定番の物語のほかに、「えっ?これもクリスマスなの?」って思う作品もあるかも!
クリスマスをテーマ・舞台にした6冊
『飛ぶ教室』/エーリヒ・ケストナー
『飛ぶ教室』ポイント
- クリスマスを目前にしたドイツの寄宿学校の少年たちの友情を描く
- 二人の大人「正義さん」と「禁煙さん」が魅力的
『飛ぶ教室』は、ドイツの作家エーリヒ・ケストナーが1933年に発表した児童文学。
小説『飛ぶ教室』を読み終えたとき、感動して、心が満たされて、シンプルに「この本に出会えてよかったなぁ・・・」って思った。
クリスマスの児童文学として有名だけど、子どものためだけの物語ではない。
大人が読むと、少年たちそれぞれの葛藤に、なにかしら自分の一面を見るだろう。
そして、物語に登場する大人がたまらなく魅力的。
優しく頼りがいがあり、少年たちと同じ目線で物事を見ることができる「正義さん」と「禁煙さん」にしびれました。
『飛ぶ教室』はいろんな出版社から刊行されているよ。
岩波少年文庫はトリヤーの絵と物語を楽しめるのでおすすめ。
合わせて読みたい
『クリスマス・キャロル』/ディケンズ
『クリスマス・キャロル』ポイント
- 言わずとしれたクリスマス文学の名作。
- 今に生きるすべての人に共通の、変わらない何かを思い出させてくれる物語
小説『クリスマス・キャロル』は、イギリスの作家チャールズ・ディケンズが1843年に発表したクリスマス文学の名作。
ケチで嫌われ者の老人スクルージが、クリスマス・イブの夜4人の幽霊と出会い、良心をとりもどす物語。
『クリスマス・キャロル』を読んでいると、ディケンズから「最も大切なことを思い出そう!」と呼びかけられている気分になる。
たんなる古典文学としておもしろがるだけではなく、今に生きるすべての人に共通の、変わらない何かを思い出させてくれる物語。
『クリスマス・キャロル』はいろんな出版社から刊行されているよ。
新潮文庫は村岡花子の名訳を気軽に楽しめるのでおすすめ。
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『賢者の贈り物』/ O・ヘンリー
『賢者の贈り物』ポイント
- 本当の豊かさとはなにか?貧しく若い夫婦の短編で知る
- オー・ヘンリーの短編集(文庫・単行本)で気軽に読むことができる
『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが1905年に発表した短編小説。
ある貧しく若い夫婦が、お互いにプレゼントを用意するために、自分の大切なものを手放す物語。
外側だけ見ると、「貧しい」「愚か」に見えるけど、心の目で観察するとふたりがとても「豊か」で「賢い」ということが見えてくる。
わずか数分で読めるお話の中で、オー・ヘンリーのウィットの効いたストーリー展開が心地よい。
多くは「賢者の贈り物」含む短編集で刊行されているので、他の短編も楽しめるよ。
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『フランダースの犬』/ウィーダ
『フランダースの犬』ポイント
- アニメでも有名な少年ネロと犬パトラシエの物語
- クリスマスの朝のラストは涙なしでは読めない
『フランダースの犬』は、イギリスの女流作家ウィーダが1872年に発表した児童文学。
貧しいけれども助け合って暮らす老人と少年ネロ、犬のパトラシエの物語は、アニメでも有名。
70ページほどの短い物語の中に泣ける要素がいくつもあり、号泣しながら読みました。
ネロとパトラシエの純粋な愛と信頼の絆に、いつ読んでも心が洗われます。
『フランダースの犬』はいろんな出版社から刊行されているよ。
新潮文庫は唯一の文庫で気軽に読める。
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『若草物語』/ L.M.オルコット
『若草物語』ポイント
- 19世紀アメリカの四姉妹の一年間の成長を描く名作
- 貧困や病気といったどの時代も共通の困難に共感できる
『若草物語』は、アメリカの女流作家ルイザ・メイ・オルコットが1868年に発表した小説。
南北戦争中のアメリカで暮らす、マーチ家の四姉妹の一年間の物語。
小説の第一声はジョーの次のセリフから始まる。
贈り物しないんならクリスマスったってクリスマスらしくありゃしないよ
引用元:『若草物語』L・M・オルコット著、吉田勝江訳、角川文庫、2008年
そう、『若草物語』はクリスマスからクリスマスまでの一年間を描いているんだよね。
貧乏や病気といった困難の中で、希望を失わずに一歩ずつ進んでいく四姉妹の姿は、いつの時代も変わらず人の心を動かす。
『若草物語』はいろんな出版社から刊行されているよ。
角川文庫はシリーズ全4作刊行している。
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『ライ麦畑でつかまえて』/ J.D.サリンジャー
『ライ麦畑でつかまえて』ポイント
- 少年ホールデンのクリスマス前後の数日間を描く青春小説
- 賛否両論あるけれども全世界で6,500万部以上売れ続けている
『ライ麦畑でつかまえて』は、1951年アメリカで出版された長編小説。作者はJ.D.サリンジャー。
17歳の少年ホールデンが語る、去年のクリスマス頃の体験。
十代が感じる生きづらさや社会に対する怒りを生き生きと描いていて、いまだに読者の反応は賛否両論ある、めずらしい作品でもある。
ももちんは初め抵抗を感じながら読んだけど、共感できる部分もかなりありました。
題名だけ知っていて読んでいないあなたも、これを機会にチャレンジしてみてはいかが?
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クリスマスをテーマ・舞台にした6冊
クリスマスのエピソードがある5冊
ここからは、作中にクリスマスのエピソードが描かれている作品を5冊紹介するよ。
作品全体として「クリスマス!」というわけではないんだけど、紹介しているエピソードだけでも読んでみると、心あたたまる。
クリスマスのエピソードがある5冊
『赤毛のアン』の「マシュウとふくらんだ袖」/モンゴメリ
『赤毛のアン』ポイント
- 老兄妹に引き取られた孤児・アン・シャーリーの成長を描いた名作
- 「マシュウとふくらんだ袖」:マシュウがクリスマスにアンにドレスをプレゼントする
『赤毛のアン』は1908年、カナダの女流作家モンゴメリが発表した長編小説。
19世紀のカナダ・プリンスエドワード島を舞台に、老兄妹に引き取られた孤児・アン・シャーリーの成長を描いた名作。
「マシュウとふくらんだ袖」は、養父マシュウがクリスマスにアンにドレスをプレゼントするエピソード。
恥ずかしがり屋のマシュウが決死の覚悟でドレスの布を買いに行ったり、リンド夫人に仕立てを頼んだりする姿にほっこり。
プレゼントを見たときのアンの反応もプライスレス!の幸せエピソードです。
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『アンの幸福』の「キャサリン・ブルックとのクリスマス」/モンゴメリ
『アンの幸福』ポイント
- 高校の校長に赴任したアンの3年間を描く新潮文庫の「赤毛のアンシリーズ」5作目
- アンがアボンリーで副校長キャサリン・ブルックとクリスマス休暇を過ごすエピソードが素敵
『アンの幸福』は1936年『赤毛のアン』のモンゴメリが発表した長編小説で、新潮文庫の「赤毛のアンシリーズ」では5作目として刊行されている。
サマーサイド高校の校長に赴任したアンの3年間を描いている。
作中で印象的なのが、アンがアボンリーで高校の副校長・キャサリン・ブルックとクリスマス休暇を過ごすエピソード。
キャサリン・ブルックは初めアンを嫌っていたんだけど、休暇を一緒に過ごすことでアンに心をひらく。
心の重荷がとれたキャサリン・ブルックが花開く姿に、気持ちがスカッとします。
小説『アンの幸福』感想。縁結び役のアンと魅力的な登場人物たち!
赤毛のアン・シリーズも5冊目に入りました。 今回は『アンの幸福』のみどころを紹介します。 この記事でわかること 小説『アンの幸福』の内容とみどころ 各出版社の『アンの幸福』 『アンの幸福』とは? 『ア ...
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『アンをめぐる人々』の「失敗した男」/モンゴメリ
『アンをめぐる人々』ポイント
- 短編集。新潮社文庫「赤毛のアンシリーズ」8作目
- 「失敗した男」:クリスマスに30年ぶりにある家族が集まったお話
『アンをめぐる人びと』は1920年に刊行されたモンゴメリの短編集。
新潮社文庫では赤毛のアン・シリーズの8作目に入れられているが、大部分のお話はアンと直接には関係していない。
この中の「失敗した男」は、クリスマスに30年ぶりに6人兄弟姉妹全員が集まったモンロー家を描いたエピソード。
兄弟の中で唯一、目に見えた「成功」をしていない長男ロバートは「失敗した男」なのか?
ほんとうの成功とは?失敗とは?を、深く考えさせられるお話。
『アンをめぐる人々』感想。『赤毛のアン』シリーズ第二の短編集。
赤毛のアンシリーズの中で、スピンオフ短編集ともいえる二冊が、『アンの友達』と『アンをめぐる人々』。 『アンをめぐる人々』に収められている短編は、『アンの友達』の選考からもれた短編だというけれど、全然負 ...
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『ムーミン谷の仲間たち』の「もみの木」/トーベ・ヤンソン
『ムーミン谷の仲間たち』ポイント
- 短編集。「ムーミン」シリーズ全9作のうち第7作目
- 「もみの木」:クリスマス前に冬眠から起こされたムーミン一家が、はじめてのクリスマスの準備をする
『ムーミン谷の仲間たち』は、フィンランドの女流作家・画家のトーベ・ヤンソンにより、1962年に刊行された短編集。
1945~1970年に刊行された小説「ムーミン」シリーズ全9作のうち第7作目にあたる。
「もみの木」は、クリスマス前に冬眠から起こされたムーミン一家が、はじめてのクリスマスの準備をするエピソード。
「クリスマスっておそろしいものなんだ」とかんちがいするムーミン一家が、言われるままにもみの木やごちそうを準備する様子がシュールでかわいい。
よくわからないけど結果オーライ!みたいな、読み終わったときに不思議な感覚になるエピソード。
小説(短編集)
「もみの木」の絵本
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『風にのってきたメアリー・ポピンズ』の「クリスマスの買い物」/ P.L.トラヴァース
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』ポイント
- 1964年に公開された映画「メリー・ポピンズ」の原作となった児童文学
- 「クリスマスの買い物」:クリスマスの買い物に出かけると、マイアという「星の子」に出会う
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』は、イギリスの女流作家P.L.トラヴァースが1934年に発表した児童文学。
1964年に公開された映画「メリー・ポピンズ」の原作本でもある。
バンクス家に家庭教師としてやってくる、不思議な女性メアリー・ポピンズの物語。
作中の「クリスマスの買い物」は、メアリー・ポピンズと子どもたちがクリスマスの買い物に出かけると、マイアという「星の子」に出会うエピソード。
もう、星の子がおもちゃ屋さんに現れるということが当然のように起こるって、素敵すぎる。
『メアリー・ポピンズ』シリーズでは、星座やギリシア神話にちなんだお話もちょくちょく出てきて、スケールが大きい。
合わせて読みたい
クリスマスのエピソードがある5冊
まとめ
クリスマスに読みたい小説・児童文学11作品まとめ。
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クリスマスをテーマ・舞台にした6冊
クリスマスのエピソードがある5冊
作品名 | クリスマスエピソード |
『赤毛のアン』 モンゴメリ | マシュウとふくらんだ袖 |
『アンの幸福』 モンゴメリ | キャサリン・ブルックとのクリスマス |
『アンをめぐる人々』 モンゴメリ | 失敗した男 |
『ムーミン谷の仲間たち』 ヤンソン | もみの木 |
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』 トラヴァース | クリスマスの買い物 |
自分用にとっておきの1冊を選んでみよう。
クリスマスの「絵本」まとめは次の記事をどうぞ。
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