児童文学 『赤毛のアン』シリーズ

『赤毛のアン』あらすじと見どころ。大人にこそおすすめの純文学。

更新日:

モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、(新潮文庫刊、2008年)

児童文学の名作とされている『赤毛のアン』。

じつは、大人になってから読むと、味わいが倍増する作品でもあるよ。

今回は、新潮文庫刊の村岡花子翻訳『赤毛のアン』をもとに、あらすじとみどころをお伝えする。

  1. 完ぺきではないアン・シャーリー
  2. 血ではない家族の絆
  3. ダイアナとの友情
  4. ギルバートとの出会い
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背景

Anne of Green Gables 初版本の表紙[Public domain]

『赤毛のアン』(原題”Anne of GreenGables")は1908年、にカナダの女流作家、ルーシーモード・モンゴメリにより出版された。

日本では、村岡花子の翻訳により、三笠書房より1952年、のちに新潮文庫より1954年に出版。

新潮文庫では、シリーズ全11巻のうちの第1巻。

ルーシー・モード・モンゴメリの著作の中で最も有名な1冊でもあり、実写映画化やアニメ化、舞台化もされている。

ルーシー・モード・モンゴメリ/著

モンゴメリ肖像写真(1897年) [Public domain]

20世紀前半にカナダで活躍した女流作家。『赤毛のアン』の作者であり、本作を第一作とする連作シリーズ「アン・ブックス」で有名。

プリンスエドワード島の美しい自然を背景にした小説をいくつも残す。

1874年カナダ・プリンスエドワード島クリフトン(現在のニューロンドン)に生まれる。1歳9ヶ月で母と死別、祖父母に育てられ教師になる。

1906年、教会の長老派牧師ユーアン・マクドナルドと婚約。

1908年、最初の長編小説『赤毛のアン』を出版し、世界的ベストセラーとなる。

1911年、モンゴメリ36歳の時、婚約者ユーアン・マクドナルドと結婚、オンタリオ州リースクデール(現ダラム地域アクスブリッジ )に移住。モンゴメリは続く11冊の本をリースクデールの牧師館で書いた

1942年、トロントで亡くなる。

主な作品(小説)

村岡花子/訳

日本ホテル協会『HOTEL REVIEW』4月号(1956年4月10日発行)より村岡花子 [Public domain]

日本の翻訳家・児童文学者。日本で初めて”Anne of Green Gables”を翻訳、『赤毛のアン』として紹介した。

村岡花子の略歴・翻訳作品についてはこちら。

あらすじ

舞台は1870年代のプリンスエドワード島。

田舎の一軒家、通称「グリン・ゲイブルス」には、マシュウとマリラという老兄妹が住んでいる。

二人は、畑仕事を手伝ってくれる男の子を養子にしようと考えていた。

ところが、ちょっとした手違いからやってきたのは、やせっぽちの赤毛の女の子、アンだった。

初めは戸惑っていた二人も、想像力豊かで明るいアンのペースに巻き込まれていく。

アンが巻き起こす愉快な事件の数々。

泣いたり笑ったりしながら、いつしか3人に、深い愛情が育まれていく。

全章一覧

新潮文庫版『赤毛のアン』各章タイトル 内容
第1章 レイチェル・リンド夫人の驚き リンド夫人がマリラから、マシュウが男の子を引きとるために迎えに行ったことを聞き、驚く
第2章 マシュウ・クスバートの驚き マシュウが駅に迎えに行ってみたら女の子しかおらず、連れてくる
第3章 マリラ・クスバートの驚き マリラはマシュウが女の子を連れてきたことに驚く
第4章『グリン・ゲイブルス』の朝 アンはグリーン・ゲイブルスで迎える朝の美しさに感動する
第5章 アンの身の上 マリラはアンのかわいそうな身の上を聞き、心が揺れる
第6章 マリラの決心 マリラはアンをブリュエット夫人に渡さず、自分で引き取ることを決意する
第7章 アンのお祈り マリラはアンがお祈りのしかたを知らないことに驚く
第8章 アンの教育 マリラはアンに引きとることを伝え、養育が始まる
第9章 レイチェル・リンド夫人あきれかえる アンが初対面のリンド夫人にかんしゃくを起こす
第10章 アンのおわび アンがリンド夫人に謝りに行く
第11章 アン日曜学校へ行く アンは初めての日曜学校で他の子どもたちと会う
第12章 おごそかな誓い アンとダイアナは「腹心の友」の誓いを立てる
第13章 待ちこがれるピクニック アンはピクニックが待ち遠しい。マリラのブローチを称賛する。
第14章 アンの告白 マリラのブローチがなくなり、アンが疑われる
第15章 教室異変 アンがギルバートにかんしゃくを起こし、石盤でたたく
第16章 ティー・パーティの悲劇 アンがダイアナをお茶に招き、イチゴ水と間違えてぶどう酒を飲ませてしまう
第17章 新しい刺激 向学心に燃えるアン
第18章 アンの看護婦 アンはダイアナの妹、ミニー・メイを助ける
第19章 音楽会と災難と告白 アンとダイアナはジョセフィン伯母さんを驚かせる
第20章 行きすぎた想像力 アンは想像の「お化けの森」を怖がる
第21章 香料ちがい アンはお茶会用に作ったケーキに塗り薬を入れてしまう
第22章 アンお茶に招かれる アンが牧師館のお茶に招かれ、新しい先生(ミス・ステイシー)のことを聞く
第23章 アンの名誉をかけた事件 アンが「命令遊び」でくるぶしをけがする
第24章 音楽会 アンはミス・ステイシーを好きになる
第25章 マシュウとふくらんだ袖 マシュウはアンにふくらんだ袖のドレスをプレゼントする
第26章 ストーリークラブの結成 アンはクラスメイトとストーリークラブを結成する
第27章 虚栄の果て アンは自分の髪の毛を緑色に染めてしまう
第28章 たゆとう小舟の白ゆり姫 アンはギルバートの謝罪を拒否してしまう
第29章 忘れられないひとこま アンとダイアナはジョセフィン伯母さんの住む町に滞在する
第30章 クイーン学院の受験 アンはクイーン学院へ進学するために猛勉強する
第31章 二つの流れの合うところ アンは成長し、クイーン学院受験の日が近づく
第32章 合格者発表 アンはクイーン学院に合格する
第33章 ホテルの音楽会 ホテルの音楽会で、アンは花形となる
第34章 クイーンの女学生 アンはクイーン学院に進学し、エイブリー奨学金を目指す
第35章 クイーン学院の冬 ステラ・プリシラと出会い、クイーン学院で切磋琢磨する
第36章 栄光と夢 アンはエイヴリー奨学金を獲得し、レドモンド大学への進学を決める
第37章 死のおとずれ マシュウの突然の死
第38章 道の曲り角 アンはレドモンド大学に進学せず、アヴォンリーでの教師の道を選ぶ

主な登場人物

グリーン・ゲイブルス

アン・シャーリー・・・・痩せていて、青白く、そばかすだらけの顔をした女の子。自分の赤毛に劣等感を抱いている。想像力豊かでおしゃべり好き。

マリラ・クスバート・・・アンを引き取る老兄妹の妹。背が高く痩せており、現実主義者で働き者。

マシュウ・クスバート・・・アンを引き取る老兄妹の兄。引っ込み思案で、特に女性が苦手。心臓が悪い。

アボンリーの大人たち

リンド夫人・・・近所に住む主婦で、詮索好き。10人の子供を育てたベテラン主婦。マリラの古くからの友人。

ミス・ステイシー・・・物語後半から登場する教師。アンのよき理解者となる。

ミセス・アラン・・・物語後半から登場する、アボンリーの牧師の奥さん。アンの良き友人となる。

同級生

ダイアナ・バーリー・・・アンの最初にして最大の親友。黒い髪と目、バラ色の頬を持つふくよかな少女。

ギルバート・ブライス・・・アンのライバル。アンが初めて学校に行ったとき、アンの髪を「にんじん」と言ってからかったため、激怒したアンに石盤でたたかれる。

ルビー・ギリス・・・アンの友人。美人でヒステリーの発作がある。早熟で恋人の話ばかりする。

ジョシー・パイ・・・アンの友人。アンにいじわるばかりする。「命令遊び」でアンに屋根歩きを命じ、アンはくるぶしをケガする。

ジェーン・アンドリュース・・・アンの友人。アン・ダイアナ・ルビーとともに物語クラブを結成する。

チャーリー・スローン・・・目立たないがアンに思いを寄せる男の子。

クイーン学院

プリシラ・グラント&ステラ・メイナード・・・クイーン学院のクラスメイト。のちに、レドモンド大学でルームメイトとして共同生活を送る。(『アンの愛情』)

参考:Wikipedia

ももちんの『赤毛のアン』歴

モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、(新潮文庫刊、2008年)

ももちんが初めて小説『赤毛のアン』を読んだのは、社会人になってからだった。

子どものころに映画で観たことがあって、失敗をしでかす主人公アンにハラハラしたことを覚えてる。

その後本も買ってもらったんだけど、映像で入ってくる映画の方がだんぜん面白い気がして、子どものときは読まずじまいだった。

2008年はちょうど原作の”Anne of Green Gables”の出版から100周年に当たり、本屋さんでも大々的に宣伝してたから、ももちんの目にも飛び込んできた。

もともとドラマ『大草原の小さな家』が大好きで、19世紀後半~20世紀初頭の欧米を舞台にした物語に惹かれていたんだよね。

それで購入したのが、写真の新潮文庫版。

読んでみたら、まあおもしろい。

仕事漬けで心がくさくさしていた時でもあったので(笑)、この時代にはあこがれたなぁ。

仕事の休憩中に『赤毛のアン』の世界に没入し、また仕事の世界へ戻る・・・というサイクルが妙にはまって、この時期にシリーズ全部読んだ。

1.完ぺきではないアン・シャーリー

あなたがこれまで読んできた物語の主人公の女の子には、どんなキャラクターがいる?

たいていは、容姿がきれいで心もきれいな子か、容姿端麗でなくても心はきれいな子か・・・

そう、心がきれいな子、というのは共通しているよね。

『赤毛のアン』の主人公アン・シャーリーは、もっと血が通っていて、普通に現実にいる女の子みたい。

外見は、とてもやせていて、青白く、そばかすだらけ。

自分の赤毛に劣等感を抱いている。

想像力豊かでおしゃべり好きだが、悲観的なところもある。

かんしゃくもちで、おっちょこちょいなところもある。

容姿も性格も、長所も短所も一緒くたに持ち合わせているのがアン・シャーリーなんだ。

もちろん、心はきれいなんだけど、それだけじゃない、とっても親近感がわくキャラクター。

実は、続編以降になると、アンのかんしゃくもちや、おっちょこちょいは激減してくる。

器量もよくなり、素敵な女性に成長していくので、このハラハラドキドキするキャラクターは、『赤毛のアン』が一番楽しめるんだ。

アンに限らず、『赤毛のアン』のキャラクター描写は、とても細かい。

決していいところだけではなく、醜いところもきっちり表現されているのが、読者の共感を呼ぶ。

謝罪は心からじゃなくていい?

アンのかんしゃくをよく表してるシーンに、レイチェル・リンド夫人の初対面のシーンがある。

その言い合いが、けっこうひどい(笑)

この子はおそろしくやせっぽちだし、きりょうがわるいね、マリラ。

さあ、お前、こっちへきて、わたしによく顔を見せておくれ。まあまあ、こんなにそばかすって、あるだろうか。

おまけに髪の赤いこと、まるでにんじんだ。さあさあ、ここへくるんですよ」

(中略)

アンは猛烈な勢いでくりかえした。

「もしあんたがそんなふうに言われたらどんな気がするの?

でぶでぶふとって、ぶかっこうで、たぶん、想像力なんかひとっかけもないんだろうって、言われたらどんな気持?

これであんたが気をわるくしたって、あたしヘイチャラだわ。わるくしたほうがいいわ。」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、(新潮文庫、2008年)

リンド夫人もひどいけど、アンは倍返しで反撃するんだよね。

ここまでは、子どもにありがちな失敗なんだけど、注目すべきは、そのあとのおわびの場面。

アンはリンド夫人に謝るとき、心から反省しているわけではない。

「早く済ませたほうがいい」とマシュウに言われたから・・・

自分は悪くないけど、ことを丸く収めるために、謝ってもいいかって思えたから・・・なんだよね。

だから、おわびもゲームにしてしまう。

そして、マリラもそれをよしとする。

子ども向けの読み物にありがちな、わかりやすく教訓めいた展開になっていないんだよね。

2.血ではない家族の絆

『赤毛のアン』の見どころの一つは、アンとマシュウ・マリラの絆。

血のつながり以上に愛情で深い絆を築いていくプロセスが尊く、おもしろいんだよね。

独身老兄妹の兄、マシュウは、非常に内気な性格で、女性が苦手。

妹のマリラは、背が高く髪をひっ詰めていて、女性らしいふくよかさがない。現実主義者。

子どもには縁のなかったマシュウとマリラが、慣れないながらもアンとかかわっていく様子がよく伝わってくる。

はじめっから信用するわけじゃない

人を信じることって大事だと思うけど、まだ心が打ちとけてないうちは、なかなか信じきることは難しい。

マリラは、アンを引きとることに決めたけど、やはりすぐにアンを心から信頼したわけじゃなかったんだ。

マリラの大事なブローチがなくなった時、マリラの心にはアンへの疑いの心がわいた。

そして、アンが盗ったと決めつけたことが、アンの「うその告白」(盗ってないのに盗ったと言いことを早く済まそうとした)につながった。

結局はマリラはブローチを見つけて、アンに謝罪し、仲直りする。

マリラも初めからアンを受け入れたわけじゃなかったんだよね。

人間としては当然の心理だけど、児童文学では善人、悪人がはっきりしてることが多いから、よく描かれているな、と思った。

次第に深まる家族の絆

時が流れる中で、マシュウ・マリラ・アンの絆は深まっていく。

象徴的なシーンが、アンがくるぶしをケガしたときに、マリラが取り乱すシーン。

バーリー氏の腕にはアンが抱かれ、頭をぐったりと彼の肩にもたせていた。

その瞬間、マリラは天の示しを受けたような気がした。

突然に心臓をぐさりと突きさされたような恐怖におそわれると同時に、マリラは自分にとってアンがいかに大事な存在であったかを悟った。

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳(新潮文庫、2008年)

映画やアニメにはない文学の良さのひとつは、この心情描写にある。

映画やアニメでは、どうしても「何が起こったか」に目が向いてしまう。

ももちんは、『赤毛のアン』を映画しか知らなかったときは、子ども向けのおもしろさだな、と思っていた。(そのわかりやすさが好きだった)

でも、原作を読んでみたら、目からうろこが落ちた。

目に見えない心の描写が、いかにこの物語を豊かにしているか。

『赤毛のアン』の真髄は、文字でしか表すことができないのだ、とすら感じたよ。

ほかにも、マシュウがアンに袖がふくらんだドレスをプレゼントするエピソードも好き

マシュウの決死のお店訪問や、マリラのアンへの理解されない愛情など、細やかに描かれていて、アンが愛されていることがよくわかる。

3.ダイアナとの友情

『赤毛のアン』で欠かせないキャラクターが、アンの「腹心の友」ダイアナ・バーリー。

その黒い目と髪、バラ色の頬とえくぼは、初対面からアンを魅了した。

生まれ持った陽気さで、周りを明るく照らす存在。

ダイアナは当時の時代背景を象徴する少女像だと思う。

進学はせず、『アンの青春』で婚約、『アンの愛情』で結婚、『アンの幸福』で出産と、アンより一足先に女性としての役割の道を行くダイアナ。

違う道を歩むアンとダイアナだけど、親友としての絆は強く、友情はずっと続いていくんだよね。

「腹心の友」の誓い

アンとダイアナの記憶に残るシーンと言えば、「腹心の友」の誓い。

アンにとって初めての友達ともいえるダイアナに、アンは熱情ともいえる気持ちを持つんだ。

「おお、ダイアナ」やっとのことでアンは、手を組み合わせ、ささやくような声で言った。

「あのう、あのう、ねえ、あんた、あたしをすこしばかり好きになれると思って?あたしの腹心の友となってくれて?」

ダイアナは笑いだした。ダイアナはいつも何か言う前に笑うのだった。

「ええ、なれると思うわ」ダイアナはありのままに答えた。

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、新潮文庫、2008年

この、誓いの儀式みたいなものって、子どもながらに神聖なものを感じるよね。

イチゴ水事件

アンとは違って大人からの評判が良いダイアナだけど、けっこう失敗もしでかしてるんだよね。

その一つがイチゴ水事件。

アンがダイアナをお茶に招いたときに、イチゴ水と間違えてぶどう酒を出してしまう。

イチゴ水だと思い込んだダイアナは、それをコップに3倍も飲んで、酔っぱらってしまうんだ。

この事件でダイアナのお母さんから、交際を禁じられたアンとダイアナ。

このシーンは、映画やドラマでも必ず再現される名シーン。

しばらくおしゃべりできない日々が続くんだ。

ミニー・メイ事件

交際を禁じられたアンとダイアナに転機が訪れたのは、ミニー・メイ事件。

ダイアナの妹のミニー・メイがクウルプという病気にかかる。

両親は留守中でダイアナはアンに助けを求め、アンは見事にその看病をやってのける。

かつて双子の世話をしていた時にクウルプにかかったことがあって、対処法を知っていたんだよね。

ミニー・メイの命を救ったアンは、再びダイアナとの交際を許される。

話は変わるけど、赤毛のアンシリーズの『アンの娘リラ』でも、似たような場面がある。

リラが育てていた赤ん坊がクウルプにかかり、死にそうになっていたところにメアリー・ヴァンスが間に合うんだ。

アンもメアリー・ヴァンスも、時代は数十年違えど、孤児で赤ん坊の世話をしていたという境遇は一緒。

当時は子どもが子守をするというのは、当たり前の役割だったんだよね。

『虹の谷のアン』以降に登場のメアリー・ヴァンスについてはこちら。

4.ギルバートとの出逢い

さて、『赤毛のアン』で描かれている人間模様は、もちろん学校にもおよぶ。

その象徴的なものが、ギルバートとの出会い。

ギルバートは、言わずと知れた、後にアンの夫となる男の子。

『赤毛のアン』の登場人物の中で、数少ない「非の打ち所がない」キャラクターとして描かれている。

ハンサムで頭が良い。誠実で優しい。自立心があり、未来への希望に燃えている。

読者の多くの女の子のハートを射抜いてきたキャラクターだよね。

石盤事件

ギルバートは、出逢った最初からアンに惹かれる。

アンの気をひこうと、アンの髪の毛をつかんで「にんじん!にんじん!」とからかう。

怒りに燃え上がったアンは、ギルバートを石盤でたたいてしまう。

石盤が割れる。

『赤毛のアン』のなかで最も有名なシーンと言ってもいいかもしれない。

この事件以降、アンはギルバートと口を利かなくなる。

一方ギルバートは、アンと仲直りしたくてしょうがなくなる。

白ゆり姫事件

石盤事件から2年後のある日、アンたちは遊びのお芝居をやっていた。

アンが「エレーン姫」役になり、ボートに横たわって川を流れていくと、途中でボートに水が入り込んだんだ。

あわてて近くの杭にしがみついたアンは、たまたま通りかかったギルバートに助けられる。

そのとき、あらためてギルバートからの謝罪と、仲直りの申し出を受けたアンは、その謝罪を拒絶するんだよね。

そこでギルバートも怒りがわく。

アンとギルバートはライバルになるんだ。

最後には仲直り

アンとギルバートが仲直りするのは、『赤毛のアン』の最後の最後。

アンがレドモンド大学へ進学せず、アボンリーに残り教師の道を歩む決意をする。

その決断を知ったギルバートは、自分がつくことになっていたアボンリーの教師の座を、アンにゆずるんだ。

それを知ったアンは、ギルバートに感謝の気持ちを伝える。

アンもギルバートも、内心では仲直りしたくてしょうがなかったんだよね。

ここでようやく長年のわだかまりが溶けるんだ。

続編の『アンの青春』以降、アンとギルバートは良き友人→恋人→夫と妻へと関係が変化していくけれど、ギルバートのアンへの崇拝ぶりは変わらない。

このギルバートのアンへの一途な愛は、シリーズ通して見どころとなっていくよ。

後にプロポーズする二人も登場

「赤毛のアンシリーズ」の『アンの愛情』で、アンはギルバートのプロポーズを受ける。

『アンの愛情』ではアンはモテモテで、ギルバート以外に3人の男性のプロポーズを受けるんだよね。

その中の二人、チャーリー・スローンとビリー・アンドリュースは、この一作目『赤毛のアン』ですでに登場。

ちょい役なんだけど、この二人がアンにプロポーズするんだよなぁ。と思って読むと、ちょっとおもしろい。

『アンの愛情』レビュー記事はこちら。

プリンス・エドワード島とグリーン・ゲイブルス

プリンスエドワード島(赤丸の部分)[Public domain]

『赤毛のアン』の舞台となるプリンスエドワード島は、実在するカナダの島。

作者のモンゴメリ自身、プリンスエドワード島生まれで、プリンスエドワード島を舞台にした作品を多くのこしているよ。

『赤毛のアン』を読んでいると、その自然描写の美しさにとてもひきつけられる。

プリンスエドワード島、一度は行ってみたいなぁ。

アンの家のモデルになった家。作者 Peter Broster (Green Gables) [CC BY 2.0 ], ウィキメディア・コモンズ経由で

アンの家のモデルになった家の中。作者 en:User:Ewok Slayer [Copyrighted free use], ウィキメディア・コモンズ経由で

『赤毛のアン』のグリーン・ゲイブルスのモデルになったとされる家は、プリンスエドワード島に実在する。

アンの部屋も当時の様子が再現されていて、想像が広がるよね。

窓から見えるリンゴの木は倒れちゃったらしいんだけど、ここ数年でまた若い芽を出しているとのこと。

広がる『赤毛のアン』

『赤毛のアン』シリーズ作品

『赤毛のアン』には続きがあって、新潮文庫ではシリーズ全作品を読むことができる。

アンの成長、恋愛、結婚、家庭の様子を味わうことができるよ。

ぜひ読んでみてね。

『アンの青春』レビュー記事はこちら。

『アンの愛情』レビュー記事はこちら。

『アンの友達』レビュー記事はこちら。

『アンの幸福』レビュー記事はこちら。

『アンの夢の家』レビュー記事はこちら。

炉辺荘のアン』レビュー記事はこちら。

『アンをめぐる人々』レビュー記事はこちら。

『虹の谷のアン』レビュー記事はこちら。

『アンの娘リラ』レビュー記事はこちら。

他出版社『赤毛のアン』一覧

『赤毛のアン』は新潮社以外にも、たくさんの出版社から出版されているよ。

翻訳者もさまざま、読者の年齢層もさまざま。

出版社別・年齢別におすすめの『赤毛のアン』をまとめたので、参考にしてみてね。

大人が読む『赤毛のアン』10人の翻訳者(出版社)の特徴まとめ!

子ども向け『赤毛のアン』23作品比較。完訳も多数。特徴別まとめ!

小説以外の『赤毛のアン』

もともとはモンゴメリが小説として書いた『赤毛のアン』。

現在では、小説以外にもさまざまな形で制作されているよ。

まとめ記事:小説以外の『赤毛のアン』まとめ!漫画・映画、アニメ、ドラマの魅力を解説!

まとめ

『赤毛のアン』見どころまとめ。

  1. モンゴメリ、村岡花子、新潮文庫について
  2. あらすじ、登場人物紹介
  3. 完ぺきではないアン・シャーリー
  4. 血ではない家族の絆
  5. ダイアナとの友情
  6. ギルバートとの出会い
  7. 広がる『赤毛のアン』

映画やアニメで知っている人も、小説を読んでみるとさらに面白く感じると思う。

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