児童文学 『赤毛のアン』シリーズ まとめ記事

子ども向け『赤毛のアン』26作品比較。完訳も多数。特徴別まとめ!

更新日:

『赤毛のアン』、ももちんは大人になってからハマったけれど、子ども向けのものもたくさんあるんだよね。

子どものときに読む『赤毛のアン』はどの出版社のものがいいかなあ?たくさんのラインナップを紹介するよ!

この記事はこんな方におすすめ

  • 自分の子どもに『赤毛のアン』読ませたいけど、どれを選んだらいいか迷っている。
  • 子どもの年齢別でおすすめの『赤毛のアン』が知りたい。
  • 完訳版、挿絵がいっぱい、ハードカバーなど、特徴で選びたい。
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①完訳版なのに児童向け!

初めて読む『赤毛のアン』は、完訳版(原作の全文を訳したもの)がいい!

だけどあまり難しくないものを探している、よくばりなあなたにおすすめする、完訳版の『赤毛のアン』。

児童向けでもちゃんとあります、読みやすい完訳版。

完訳 赤毛のアンシリーズ(講談社)

完訳赤毛のアンシリーズ 全10巻

講談社「完訳赤毛のアンシリーズ 1-10」(写真上)は、1990年から1991年にかけて出版された。

写真では小さいけれど、ハードカバーでしっかりした作り。児童向けでひらがな表記が多い。

吉本ばなな『TSUGUMI』の表紙絵も手がけた、銅版画家の山本容子の挿絵が入っていて、豪華。

470ページ。講談社、1990年。

「おやすみなさい、<かがやく湖>。

わたし、人にむかっていうように、大すきなものにも、おやすみなさいをいうことにしているのよ。

いってもらったほうもよろこぶみたいなの。

<かがやく湖>もにっこり笑ったように見えたわ。」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン 完訳赤毛のアンシリーズ1』掛川恭子訳、講談社、1990年

西村書店

西村書店は、海外文学を選りすぐって、カラーイラスト付きの完訳愛蔵版として出版している。

『赤毛のアン』は、カナダ出身のイラストレーターによるカラーの美しい絵とともに、名作を堪能できる。

西田訳は、2000年11月にカナダのTundra Booksより出版された"Anne of Green Gables"を原書としている。

1908年に発行された初版原稿をそのまま用いたテキストに、著者モンゴメリの孫にあたるケイト・マクドナルド・バトラーによるエッセイが添えられている。

もちろん大人にもおすすめ。

小学校高学年以上向け。407ページ。西村書店、2006年。

アンはロジャーソン先生のことが好きになれなかったし、その場にいるのが惨めでならなかった。

ほかの子たちは袖のふくらんだ服を着ているからだ。

袖のふくらんだ服が着られないんならこの世に生きてる価値なんてないわ。とアンは思った。

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』西田佳子訳、西村書店、2006年

偕成社文庫(偕成社)

偕成社文庫は、海外の古典・名作は完訳を基本としている児童文庫。

時代に流されないラインナップ、読みやすさへのこだわり、子どもから大人まで楽しめることにこだわりがある。

茅野美ど里訳の『赤毛のアン』は、とても読みやすく美しい日本語。大人にもおすすめ。

続編の『アンの青春』『アンの愛情』も上下巻で出版されている。

小学校高学年以上向け。上巻328ページ、下巻316ページ。1987年、偕成社。

「腹心の友よ、親友のこと。

あたしの心の奥ぶかいところにあることまでうちあけられる、ほんものの同質の魂のもちぬしのこと。

いつかそんな子にめぐりあえることを、ずっと夢みてたの。

実現するとは思ってなかったけど、すてきな夢が一度にたくさん実現したから、この夢もかなえられるかなって思って。どう思います?」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン 上』茅野美ど里訳、偕成社文庫、1987年

角川つばさ文庫(KADOKAWA)

2009年に創刊された角川つばさ文庫は、本を読むのがちょっと苦手という子にも「読んでみたい」気持ちを応援する児童文庫。

巻頭にアヴォンリーの地図や登場人物紹介、名シーンハイライトなどを収録し、読む人の興味をひきつける工夫がされている。

新訳を担当した河合祥一郎は、シェイクスピアの新訳でも有名。あとがきでも、小説内のシェイクスピアの引用を説明している。

「です、ます」調を用いた読みやすさと格調の高さを思わせる訳は、実は大人にもおすすめ。

南マキの現代的な挿絵が豊富で54点も入っている。これが大人には抵抗があるかもしれないけれど、一読の価値あり。

続編の『アンの青春』も出版されている。

小学校高学年以上向け。ノーカット完全版、上巻299ページ下巻284ページ。KADOKAWA、2014年。

「ああ、ダイアナ。」とうとうアンが両手をかたく組み合わせてにぎりしめ、ほとんどささやくように言いました。「あの、あたしのこと少しは好きになってくれそうかしらーあたしの心の友になれる?」

ダイアナは笑いだしました。ダイアナは、いつもなにか言う前に笑うのです。

「そう思うわ。」ダイアナは、すなおに言いました。

出典:モンゴメリ『赤毛のアン 上』河合祥一郎訳、KADOKAWA、2014年

小学館ジュニア文庫 世界名作シリーズ(小学館)

小学館ジュニア文庫の世界名作シリーズは、小学生にわかりやすく&大人も満足できる新訳が特徴。

津島妙による新訳の『赤毛のアン上・下巻』は、「モンゴメリの世界観を損なわず、いまの時代にいちばん読みやすいノーカット版のアン」と、小学館ジュニア文庫の自信作。

わかりやすい現代語訳が特徴で、他のジュニア文庫より字が大きめで、紙も厚め。

冒頭の引用詩が省略されていた。

世界名作劇場の赤毛のアンを手がけた日本アニメーションによる挿絵は、小学館ジュニア文庫のために新たに描き下ろしたもの。アニメがなつかしい!という大人にもおすすめ。

小学校高学年以上向け。総ルビ。上巻319ページ、下巻303ページ。2017年、小学館。

「ねえ、ダイアナ」

アンは両手をにぎりしめ、どうにかこうにか、ささやくような声をしぼりだした。

「わたしのこと、腹心の友になれるくらい好いてもらえるかしら?」

ダイアナはくすりと笑った。ダイアナには、しゃべるまえに笑うくせがあった。

「ええ、たぶん」ダイアナは気さくに答えた。

出典:モンゴメリ『赤毛のアン 上』対馬妙訳、小学館、2017年

②読みやすい児童文庫

次に紹介するのは、児童文庫が出している、完訳版ではない『赤毛のアン』。

完訳ではないといっても、ボリュームはたっぷり。

よりとっつきやすいように1冊にまとめられ、挿絵も工夫されている。

ポプラポケット文庫(ポプラ社)

村岡花子の訳

児童書専門の出版社として出発したポプラ社は、さまざまな年齢向けに『赤毛のアン』を数種類出版している。

もっともベーシックなものが、ポプラポケット文庫の、村岡花子の翻訳を採用したもの。

ポプラポケット文庫は、2005年に創刊された児童文庫。現在150巻を数える。

表紙のイラストは、透明感ある水彩画で多くのファンがいる内田新哉。大人になっても持っていたい素敵な装丁。

シリーズは全7巻で構成されているので、そろえていくのもおすすめ。

小学校高学年以上向け。343ページ。ポプラ社、2008年。

白柳美彦の訳

ポプラポケット文庫からは、別の翻訳者の『赤毛のアン』も出版されている。

白柳美彦の翻訳は、「ですます」調を用いた優しい印象。

村岡花子翻訳のものより、大幅に省略箇所が多く、全18章。

総ルビではないが、小学校中学年でもじゅうぶん読める易しさ。

206ページ。ポプラ社、2005年。

講談社青い鳥文庫

モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、講談社、2008年

講談社青い鳥文庫は、1980年に創刊された児童文庫。

『赤毛のアン』は、村岡花子が1960年代に児童向けに手をいれたものを底本している。

「で、ある」調を「です、ます」調にし、小中学生も読みやすい。

HACCANによるイラストがかわいらしい。

2018年5月現在、シリーズ第6作『炉辺荘のアン』までが出版されている。

完訳ではないが、すべての章が入っている。

総ルビ、小学校高学年以上向け。360ページ。講談社、2008年。

「おお、ダイアナ。」やっとのことで、アンは手を組みあわせ、ささやくような声で言いました。

あのう、あのう、ねえ、あんた、あたしをすこしばかり好きになれると思って?あたしの腹心の友となってくれて?

ダイアナは笑い出しました。彼女はいつも、なにか言う前に、笑うのでした。

「ええ、なれると思うわ。」と、ありのままに答えました。

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、講談社、2008年

集英社みらい文庫

「集英社みらい文庫」は、小学生&中学生のための新しい読みものシリーズ。

さまざまな名作を、有名な漫画家によるイラストカバーやわかりやすい新訳で出版している。

数々の少女文学の翻訳を手掛ける木村由利子による新訳。

表紙が、大人気マンガ家の羽海野チカによる描き下ろしやあとがきが載っている。羽海野チカファンにはおすすめ。

おのともえによる挿絵も羽海野チカのイラストの世界観を保ったまま、多数差し込まれている。

巻末に「アンのお菓子レシピ」がついている。

ポプラポケット文庫、講談社青い鳥文庫よりも省略されている部分が多く、全23章。(完訳だと38章)

続編の『アンの青春』も出版されている。

小学校中学年以上向け。総ルビ。256ページ。集英社、2011年。

(中略)ぎゅっと両手を組み合わせると、なんとか声に出してたずねた。「ああ、ダイアナ。ひょっとして・・・ひょっとして、あたしのこと、少しは好きになってくれそう?縁(えにし)の友と言えるくらいに?」

ダイアナは笑った。いつも口をきく前に笑ってしまうのだ。

「ええ。きっとね。(中略)」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』木村由利子訳、集英社、2011年

フォア文庫(金の星社)

金の星社は、大正8年11月に設立された、業界で最も長い歴史を持つ子どもの本の専門出版社。

児童文庫であるフォア文庫のラインナップには、『赤毛のアン』と同じモンゴメリ原作で、カナダ・プリンスエドワード島を舞台にしたドラマ『アボンリーへの道』のお話もある。

フォア文庫『赤毛のアン』の、きったかゆみえの翻訳は、完訳ではないが、全ての章が入っている。

1985年に公開された映画『赤毛のアン』のシーンが表紙に使われている。映画ファンはテンション上がるはず!

小学校高学年以上向け。374ページ。金の星社フォア文庫、1989年。

ついにアンは、両手をにぎりしめ、ささやくような声でいった。

「ああ、ダイアナ、あの、あたしのこと、少しは好きになれそう?」

ダイアナは笑った。なにかいいだす前に、笑うのがくせなのだ。

「もちろん、好きになれると思うわ。(中略)」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』きったかゆみえ訳、金の星社フォア文庫、1989年

世界名作劇場ジュニア・ノベルシリーズ(竹書房)

竹書房からは、フジテレビ系列で放送された「世界名作劇場」を小説化したものを、シリーズで出している。

世界名作劇場『赤毛のアン』(監督:高畑勲/作画:宮崎駿/日本アニメーション制作)は、1979年に放送され、厚生省児童福祉文化賞受賞した傑作アニメ。

絵がかわいらしく文章も平易なので、小学生はもちろん、アニメの『赤毛のアン』をおさらいしたい大人にも最適の1冊。

小学校中学年以上向け。246ページ。竹書房、2012年。

③特別感のあるハードカバー

お次は、各出版社が出している、世界名作の児童書シリーズをご紹介。

ハードカバーで文庫版より一回り大きいサイズの本は、子どものころ図書館で借りる定番だった。

『赤毛のアン』だけでなく、誰もが知っている世界の名作をまとめているので、シリーズで集めるのもうれしいもの。

少年少女世界文学館(講談社)

モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、講談社、2011年

21世紀版少年少女世界文学館セット (21世紀版・少年少女世界文学館)

講談社「少年少女文学館シリーズ」は、楽しく読みながら世界各国の歴史や文学を学べる決定版シリーズ。

難しい言葉には丁寧な解説があり、確かな国語力が身につく。

全24冊の中の第14巻が『赤毛のアン』。

さまざまな児童書のイラストも手がける田中槇子のカラー挿絵は柔らかく魅力的。(表紙画像とは全く違うイラスト)

巻末に翻訳家谷口由美子による解説、林真理子によるエッセイつき。

小学校高学年以上。378ページ。村岡花子訳、講談社、2011年。

「おお、ダイアナ。」

やっとのことで、アンは手を組み合わせ、ささやくような声でいいました。

「あのう、あのう、ねえ、あんた、あたしをすこしばかりすきになれると思って?あたしの腹心の友になってくれて?」

ダイアナはわらいだしました。彼女はいつも、なにかいうまえに、かならずわらうのでした。

「ええ、なれると思うわ。」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』村岡花子訳、講談社、2011年

世界名作文学集(国土社)

モンゴメリ『赤毛のアン』前田三恵子訳、国土社、2004年


世界名作文学集(全10巻)

国土社の「世界の名作全集」は、全30冊で刊行された人気シリーズ。

現在では、選りすぐった10冊を「世界名作文学集」として再版している。

『赤毛のアン』は、前田三恵子訳。

小学校高学年以上向け。250ページ。国土社、2004年。

とうとう、アンが両手をにぎりしめながら、まるでささやくような声でいった。

「ねえ、ダイアナ。あなた、わたしを好きになってくれる?親友になってくださる?」

ダイアナは笑った。ダイアナは話す前にいつも笑うのだ。

「ええ、たぶんね。」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』前田三恵子訳、国土社、2004年

世界名作文学集『赤毛のアン』レビュー記事はこちら。

少年少女世界名作の森(集英社)

集英社「少年少女世界名作の森」は、楽しみながらさまざまな知識が学べる名作シリーズ。

本文の上や下のスペースでは、むずかしい言葉や歴史的背景、鑑賞ポイントなどの情報を満載

また、巻末には、翻訳の谷口由美子自身による、プリンスエドワード島やモンゴメリについての解説も掲載。

全20巻のうち14番目が『赤毛のアン』。

さまざまな児童書のイラストも手がける田中槇子の挿絵も魅力。(表紙画像とは全く違うイラスト)

小学校高学年以上向け。222ページ。集英社、1990年。

両手をぎゅっとにぎりしめ、声をひそめてアンが言いました。

「ダイアナ、あんた、あたしを好きになれそう?腹心の友、つまり親友になってくれる?」

ダイアナは笑いました。何か言う前には、必ず笑うのです。

「ええ、なれると思うわ。(中略)」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン 少年少女世界名作の森14』谷口由美子訳、集英社、1990年

少年少女世界名作の森『赤毛のアン』レビュー記事はこちら。

「少年少女世界文学全集(学研)」の『赤毛のアン』が新しい形で出版!

モンゴメリ『赤毛のアン』岸田衿子訳、朝日出版社、2018年

朝日出版社から2018年6月に出版された『赤毛のアン』は、1969年に学研から出版された『少年少女世界文学全集9』に収録された『赤毛のアン』の単行本化。

翻訳は、詩人であり童話作家でもあった岸田衿子。ひらがなが多いので、小学生からでも読みやすい。

安野光雅のカラーイラストは、素朴で美しい島の自然の生活を生き生きと描いている。

総ルビ、小学校中学年以上向け。512ページ。朝日出版社、2018年。

「ねえ、ダイアナ。」ついに、アンは、手を組み合わせて、ささやくようにいった。

「あのうーあのう、あなた、わたしのことすきになれそう?よき友になってくれる?」

ダイアナはわらった。ダイアナは、いつも、なにかしゃべるまえにわらうのだった。

「ええ、なれそうよ。」

出典:モンゴメリ『赤毛のアン』岸田衿子訳、朝日出版社、2018年

朝日出版社刊『赤毛のアン』レビュー記事はこちら。

④絵がたくさん!小学校低中学年向け

ポプラ世界名作童話(ポプラ社)

ポプラ世界名作童話シリーズ(全10巻セット)

ポプラ社の「ポプラ世界名作童話シリーズ」は、小学校に入って、はじめて世界名作に出会う子どもたちのためのシリーズ。

翻訳は、自身も児童文学作家として活躍する、柏葉幸子。

児童書や絵本のイラストを手がける垂石眞子のカラーイラストがちりばめられ、子どもが読み進めやすくなっている。

小学校低学年向け。141ページ。ポプラ社、2015年。

子ども世界名作童話(ポプラ社)

こども世界名作童話(Aセット) 全20巻

同じくポプラ社より、「ポプラ世界名作童話」より少し上の子ども向けに作られたのが、「子ども世界名作童話」シリーズ。

世界の優れた名作のなかから、少年少女期にぜひ読んでおきたい代表的な作品を選び、現在活躍中の児童文学者が新鮮な感覚で翻訳したもの。

まだらめ三保訳。

シリーズのカバーイラストを担当した中島潔は、郷愁を誘う童画や、儚げな女性画で有名。

小学校中学年向け。141ページ、ポプラ社、1987年。

子どものための世界文学の森(集英社)

集英社「子どものための世界文学の森」は、子どものうちに、ぜひ読んでおきたい世界の名作40編を精選。

作品理解を深めるために、ページの余白にコラムや用語解説などをふんだんに掲載。

『赤毛のアン』は、全40巻のうち第9巻。国土社の「世界名作文学集」と同じ、前田三恵子訳。

ただし、こちらの方が挿絵が多く、文の量は少ない。

児童書のイラストを数多く手がける山野辺進の挿絵。

小学校中学年以上向け。141ページ。集英社、1994年。

10歳までに読みたい世界名作(学研教育出版)

学研教育出版の「10歳までに読みたい世界名作」シリーズは、子どもが自分で読みたくなる名作にするために、オールカラーのイラストにこだわっている。

初めて触れる世界名作シリーズとして、お子さんへのプレゼントとしておすすめ。

第一巻に選ばれた『赤毛のアン』は、村岡花子訳。

巻頭には物語をわかりやすく紹介する「物語ナビ」を掲載し、主人公のプロフィール紹介、キャラクター相関図など作品を理解する手助けとなっている。

柚希きひろのオールカラーイラスト、50点以上をちりばめている。

小学校低中学年向け。153ページ。学研教育出版、2014年。

「ダイアナ。」

アンが、やっとのことで、小さな声でよびかけました。

「あのう、ねえ、あたしをすきになれて? あたしの『 腹心の友』になってくれて?」

ダイアナはわらいだしました。ダイアナはいつも、何かいう前にわらうのでした。

「ええ、なれると思うわ。(中略)」

出典:モンゴメリ『10歳までに読みたい世界名作1 赤毛のアン』村岡花子編訳、村岡恵理編著、学研教育出版、2014年

100年後も読まれる名作シリーズ(KADOKAWA)

角川書店の「100年後も読まれる名作シリーズ」は、『物語ガイドまんが』『カラー絵+ポスター』『読書感想文の書きかた』を盛り込んだ小学生向けのシリーズ。

景のオールカラーイラストと、宮下恵茉による編集と翻訳で、物語のおもしろいところだけを集めているので、さくさく読める。

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者、坪田信貴が教える『読書感想文の書きかた』がついているところがおもしろい。

小学校低中学年向け。144ページ。KADOKAWA、2018年。

トキメキ夢文庫 小学生のうちに読んでおきたい名作(新星出版社)

新星出版社のトキメキ夢文庫から出た「小学生のうちに読んでおきたい名作」シリーズ第一弾は『赤毛のアン』。

少女マンガ風のイラストとかわいい紙面が特徴。

また、登場人物相関図や名場面ダイジェストつきで、読書が苦手でも楽しく読めるよう工夫されている。

同時収録『果樹園のセレナーデ』。

すべてふりがなつき。小学校中学年以上向け。256ページ。新星出版社、2016年。

よい子とママのアニメ絵本 せかいめいさくシリーズ(ブティック社)

ブティック社のアニメ絵本は、多くの子どもが一番はじめに自分で読む絵本シリーズ。

翻訳の平田昭吾は、日本のアニメ絵本文化の先駆者であり、300巻以上のの絵本作品を出版している。

日本国外での評価も高く、2005年までに国外の出版冊数が3億巻を突破している。

未就学児~小学校低学年向け。46ページ。ブティック社、1991年。

徳間アニメ絵本(徳間書店)

「徳間アニメ絵本」シリーズは、スタジオジブリの映画作品を中心に絵本にしたものだけど、世界名作劇場のアニメもラインナップに入っている。

アニメ好きな子どもにおすすめ。

全37巻中、『赤毛のアン』は第13巻。平易な文章で読みやすい。

小学校低中学年以上向け。114ページ。徳間書店、1996年。

⑤まんがで読む『赤毛のアン』

いがらしゆみこ

モンゴメリ『赤毛のアン』いがらしゆみこ(画)、くもん出版、1997年

夢見る少女アンの成長を、美しい自然を背景にえがいた原作の魅力をそのままにまんが化。

まんがを手がけたのは『キャンディ・キャンディ』で有名ないがらしゆみこ。

Part1~3まで、全三冊で『赤毛のアン』1冊分を描くという、ボリューミーな編成。

続編の『アンの青春』『アンの愛情』は各1冊ずつで出版されている。

小学校高学年以上向け。208ページ×3冊。くもん出版、1997年。

いがらしゆみこ(画)『赤毛のアン』レビュー記事はこちら。

杉本啓子

杉本啓子による漫画『赤毛のアン』は、1983~84年にかけて、講談社より出版された。

全3巻で、第1巻、第2巻が『赤毛のアン』の内容。第3巻は『アンの青春』の内容となっている。

195ページ×3冊。小学校中学年以上向け。

現在はAmazon Kindle他複数の電子書籍サイトで読むことができる。

杉本啓子の漫画『赤毛のアン』レビュー記事はこちら。

高見まこ

小学館『学習まんが 世界名作館』は、名作に現代の子ども達が親しんでもらうための、新しい学習まんがシリーズ。

まんがの表現形式を利用することでイメージを膨らませやすくなり、「次は小説でも読んでみたい!」と思わせる構成となっている。

週刊ヤングジャンプに1984年連載の『いとしのエリー』がヒットした漫画家高見まこがまんがを手がけている。

まんがの構成は全5章にぎゅっと短縮されているが、名シーンはしっかり盛り込まれ、あらすじがわかりやすい。

モンゴメリやグリーン・ゲイブルス、時代背景などの解説も充実していて、子どもがいろんな角度から『赤毛のアン』を理解する入門編として、最適な1冊となっている。

小学校低中学年以上向け。総ルビ。160ページ。小学館、2013年。

まとめ

この中でもおすすめをあげていくね。

  • 小学校入学前の子が一番初めに手にとるなら、「よい子とママのアニメ絵本 せかいめいさくシリーズ(ブティック社)」
  • 小学校入学祝いには、「ポプラ世界名作童話(ポプラ社)」
  • 活字が苦手な子にはカラーイラストが多い、「10歳までに読みたい世界名作(学研教育出版)」
  • 小学校高学年にとっておきの完訳版をプレゼントするなら「完訳 赤毛のアンシリーズ(講談社)」

年齢別はもちろん、翻訳家による違いもある。とっておきの1冊を手元に置いたら、あとは図書館で読み比べてみよう。

違う世界が開けるよ!

大人向け『赤毛のアン』については、この記事で翻訳家別にまとめているよ。参考にしてね。

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