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30年ぶりに実写化!三部作映画の第一部『赤毛のアン』感想。

2018年9月4日

2017年に日本で公開された映画『赤毛のアン』は、モンゴメリの児童文学の名作を30年ぶりに実写化したもの。

この秋続編も公開予定の映画『赤毛のアン』のレビューをするよ。

この記事で紹介する映画

2017年公開映画『赤毛のアン』とは?

1985年の映画『赤毛のアン』から30年。

2015年、カナダのテレビ局YTVで新たに制作された映画『赤毛のアン』。

カナダ以外では、イギリスやアメリカ合衆国でもテレビで放送され、オーストラリアや日本では2017年に劇場公開された。

モンゴメリ紹介

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監督:ジョン・ケント・ハリソン

カナダの映画監督。

多くのTVドラマを監督し、ウィリアム・フォークナー原作「Old Man」(97)でクリストファー賞作品賞受賞。脚本も多数手がけている。

代表作(監督)

キャスト

エラ・バランタイン(アン・シャーリー)

カナダの女優。2001年トロント生まれ。

市内で上演された「鉄道きょうだい」(11/E・ネズビット原作)で舞台デビュー。13年には「レ・ミゼラブル」トロント公演でコゼットなど2役を演じた。

映画では、『殺人の啓示 死を誘う男』(14・未)でスーザン・サランドンと共演。

TVでは、ヤング・アーティスト賞に3度ノミネート。

 

サラ・ボッツフォード(マリラ・カスバート)

カナダの女優。1951年、カナダのオンタリオ州生まれ。

トロントのヨーク大学で演劇を学び、カナダと米国で活躍している。

劇団「49th Parallel Theatre」の創立者・共同芸術監督でもある。

代表作(出演)

 

マーティン・シーン(マシュウ・カスバート)

アメリカの俳優。1940年、米国オハイオ州生まれ。

ニューヨークの舞台でスタートし、『ある戦慄』(67)で映画デビュー。

『地獄の黙示録』(79)のウィラード大尉役で一躍世界に知られる。

核兵器反対や労働者の権利擁護のための活動でも知られている。次男ラモン・エステヴェスは本作の製作総指揮に参加。

代表作(出演)

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あらすじ

引用元:映画『赤毛のアン』公式サイト

舞台は1870年代のプリンスエドワード島。

田舎の一軒家、通称「グリン・ゲイブルス」には、マシュウとマリラという老兄妹が住んでいる。

二人は、畑仕事を手伝ってくれる男の子を養子にしようと考えていた。

ところが、ちょっとした手違いからやってきたのは、やせっぽちの赤毛の女の子、アンだった。

初めは戸惑っていた二人も、想像力豊かで明るいアンのペースに巻き込まれていく。

アンが巻き起こす愉快な事件の数々。

泣いたり笑ったりしながら、いつしか3人に、深い愛情が育まれていく。

 

主な登場人物

アン・シャーリー・・・・痩せていて、青白く、そばかすだらけの顔をした女の子。自分の赤毛に劣等感を抱いている。想像力豊かでおしゃべり好き。

マリラ・クスバート・・・アンを引き取る老兄妹の妹。背が高く痩せており、現実主義者で働き者。

マシュウ・クスバート・・・アンを引き取る老兄妹の兄。引っ込み思案で、特に女性が苦手。心臓が悪い。

リンド夫人・・・マリラ・マシュウの近所に住む主婦で、詮索好き。10人の子供を育てたベテラン主婦。マリラの古くからの友人。

ダイアナ・バーリー・・・アンの同級生。アンの初めての親友。黒い髪と目、バラ色の頬を持つふくよかな少女。

ギルバート・ブライス・・・アンの同級生。アンが初めて学校に行ったとき、アンの髪を「にんじん」と言ってからかったため、激怒したアンに石盤でたたかれる。

 

映画に盛り込まれているエピソード

新潮文庫版『赤毛のアン』各章タイトル内容映画での登場
第1章 レイチェル・リンド夫人の驚きリンド夫人がマリラから、マシュウが男の子を引きとるために迎えに行ったことを聞き、驚く
第2章 マシュウ・クスバートの驚きマシュウが駅に迎えに行ってみたら女の子しかおらず、連れてくる
第3章 マリラ・クスバートの驚きマリラはマシュウが女の子を連れてきたことに驚く
第4章『グリン・ゲイブルス』の朝アンはグリーン・ゲイブルスで迎える朝の美しさに感動する
第5章 アンの身の上マリラはアンのかわいそうな身の上を聞き、心が揺れる△(設定変更)
第6章 マリラの決心マリラはアンをブリュエット夫人に渡さず、自分で引き取ることを決意するなし
第7章 アンのお祈りマリラはアンがお祈りのしかたを知らないことに驚く
第8章 アンの教育マリラはアンに引きとることを伝え、養育が始まる△(設定変更)
第9章 レイチェル・リンド夫人あきれかえるアンが初対面のリンド夫人にかんしゃくを起こす
第10章 アンのおわびアンがリンド夫人に謝りに行く
第11章 アン日曜学校へ行くアンは初めての日曜学校で他の子どもたちと会う
第12章 おごそかな誓いアンとダイアナは「腹心の友」の誓いを立てる
第13章 待ちこがれるピクニックアンはピクニックが待ち遠しい。マリラのブローチを称賛する。
第14章 アンの告白マリラのブローチがなくなり、アンが疑われる
第15章 教室異変アンがギルバートにかんしゃくを起こし、石盤でたたく
第16章 ティー・パーティの悲劇アンがダイアナをお茶に招き、イチゴ水と間違えてぶどう酒を飲ませてしまう
第17章 新しい刺激向学心に燃えるアンなし
第18章 アンの看護婦アンはダイアナの妹、ミニー・メイを助ける

第19章以降は、続編『赤毛のアン 初恋』以降に盛り込まれる可能性大。

 

2017年公開映画『赤毛のアン』感想

ももちんは小説『赤毛のアン』が大好き。

でも情報には疎くて、新しく制作された映画『赤毛のアン』が2017年に公開されたことは知らなかった。

たまたまDVDレンタル屋さんに行ったときに、見つけたのがこの『赤毛のアン』。

三部作の第一作とは知らずに借りて観てみたところ、89分の短さで、エピソードも途中までじゃん!とびっくり。

また、内容も、原作の小説とは異なる設定のものも多々あり、違和感を感じたというのが正直な感想。

 

2017年公開映画『赤毛のアン』ポイント

 

好印象のキャスト

アン・シャーリー

2017年公開映画『赤毛のアン』、キャストは見事にはまっている。

アン・シャーリー役のエラ・バレンタインは、原作からそのまま抜け出したかのような、みごとなアン。

ただ、かわいいので「不器量でみっともない」感じではない。

外見という点で言ったら、Netflixのドラマ『アンという名の少女』のエイミーベス・マクナルティの方がはまってるかも。

マシュー役のマーティン・シーン、マリラ役のサラ・ボッツフォードも名演技。

マシュウは原作の役より陽気さを感じた。

Netflixドラマ『アンという名の少女』についての記事はこちら。

 

ダイアナ・バーリー

ダイアナ役のジュリア・ラロンドは、ほんと美少女で、朗らかで、家柄の良いダイアナっぽさがよく出ていた。

原作では背が高くやせっぽちのアンと、ふくよかな黒髪の美少女ダイアナ、という組み合わせなんだけど、今作映画版では、アンは小柄で、ダイアナはほっそりしている。

 

ギルバート・ブライス

ももちんがちょっと違和感を感じたのはギルバート役のドゥルー・ヘイタオグルーくん。

ギルバートにしては幼すぎないか?

背も周りの女の子たちより低く、「ハンサム」って言われてるけど、「かわいい」の方がしっくりくる感じ。

ギルバートから感じる自立心とか、男らしさのようなものが、あまり感じられなかった。

今後続編、完結編で、どんな風に成長しているのか観るのが楽しみ。

 

映画ならではの魅力

小説では味わえない今作の魅力は、やはり「映像の美しさ」だとおもう。

プリンスエドワード島の自然の美しさが、季節ごとにふんだんに映し出されている。

この豊かな自然の移り変わりの中で、アンが友だちとのびのびと遊ぶ姿は本当にキラキラしている。

 

原作と違って物足りない場面

今作の映画『赤毛のアン』は、今秋日本でも公開予定の続編『赤毛のアン 初恋』『赤毛のアン 卒業』との三部作。

第一作目では、小説『赤毛のアン』の前半のエピソードが盛り込まれているんだけど、設定変更や省略されているエピソードがかなりあった。

その一部を紹介する。

 

ブリュエット夫人の場面がない

このシーンが盛り込まれてなくて残念!なのが、序盤のブリュエット夫人のシーン。

男の子のはずだったのに女の子のアンがやってきた次の日、マリラはアンを連れて、手続きを頼んだスペンサー夫人にわけを聞きに行く。

そこに通りかかったのは女の子を欲しがっているブリュエット夫人。

ブリュエット夫人は女の子をかわいがろうというのではなく、ただこき使おうとしているのをマリラは知っていた。

アンを一目見たブリュエット夫人は引きとろうとするが、マリラは断り、それがアンを引きとる決心につながる。

この一連の場面がなかったのは、ももちんとしては残念。

 

アンとギルバートの距離感

原作では、アンはギルバートの頭に石盤をたたきつけて以来数年間、一切口をきかず、ギルバートを嫌いぬく。

だけど映画では、アンはギルバートにお礼を言ってちょっとはにかんでいるし、怒ってる感じがあまりない。

もっとアンがメラメラ怒って、絶対口きかない!っていう感じが、アンの頑固な性格をあらわしてて好きなんだけど。

 

マシュウがアンにドレスをプレゼントする場面

原作では、マシュウは、周りの女の子の中でアンだけが「ふくらんだ袖」のドレスを着ていないことに気づき、違和感を覚える。

アンは、マリラが作ってくれた服に内心満足はしていなかった。

だけどマリラに感謝しているので、最初に不満をもらして以降、ふくらんだ袖については何も言わなくなってるんだよね。

そんななか、マシュウがきづいて、試行錯誤してドレスをプレゼントするというのが原作のエピソード。

映画では、アンがマシュウに音楽会の話をしているとき、欲しい形のドレスの絵が描いてある紙を渡す。

その紙を受け取ったマシュウは、リンド夫人にドレスの縫製を依頼する。

アン、なぜあそこでマシュウに紙を渡す?

まるでこの紙のような服が欲しいの、とねだっているようではないか。

ま、でもやっぱり、アンがプレゼントを開けて喜ぶシーンは、プライスレスだなぁ。

 

感想おさらい

 

関連トピック

モンゴメリの孫が製作総指揮

今作の映画『赤毛のアン』の最大のポイントは、原作者モンゴメリの孫、ケイト・マクドナルド・バトラーが製作総指揮に参加していること。

ケイト・マクドナルド・バトラーは、1994年にモンゴメリの子孫とプリンス・エドワード島州政府が共同で設立した「赤毛のアン・ライセンス局」の理事会メンバー。

祖母であるモンゴメリの文学作品などの遺産の保全と活用にたずさわっている。

『赤毛のアン』とモンゴメリを最もよく知る人物のひとり。

食品と栄養の分野で大学の学位を持つケイト・マクドナルド・バトラーは、著書『L.M.モンゴメリの「赤毛のアン」クックブック』で、物語に登場する様々な料理のレシピを紹介している。

講談社青い鳥文庫によるインタビューがおもしろかった。

子どものころに学校の授業のスピーチで、「モンゴメリは私の祖母です」と言ったら、先生が気絶しそうなぐらいに驚いたんだって(笑)

好きな場面は初対面のリンド夫人にかんしゃくを起こすシーンと言っていて、ももちんもあの場面は大好きなのでうれしかった。

講談社青い鳥文庫公式サイト『赤毛のアン』シリーズページはこちら。

 

吹替版

字幕版を見た後に吹替版も観たんだけど、印象が全然違う!

字幕アンは、繊細なかわいらしい感じがよく出ていたけれど、吹替版のアンは、なんだろう、強さが出ている。

岡田結実の声は、ちょっと低めで芯の強さを感じるんだよね。

セリフも、あれ、こんななれなれしい言葉遣いかな?という感じ。

もっとも、原文で読んだことがないので、ももちん独自のイメージなんだけど、イメージに近いアンは「字幕」かなぁと思う。

 

続編『赤毛のアン 初恋』『赤毛のアン 卒業』

 出典:映画『赤毛のアン 初恋』公式サイト

 出典:映画『赤毛のアン 卒業』公式サイト

2018年10月には続編『赤毛のアン 初恋』、11月には『赤毛のアン 卒業』が日本で劇場公開。

 

字幕監修は松本侑子

続編『赤毛のアン 初恋』の字幕を監修したのは、集英社文庫『赤毛のアン』翻訳者の松本侑子。

今作『赤毛のアン』とのテイストの違いはあるんだろうか・・・

3部作全部見たら、この映画『赤毛のアン』の印象もだいぶ変わってくるのかもしれない。

観るのが楽しみ。

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まとめ

2017年公開映画『赤毛のアン』レビューまとめ。

 

 

原作をまだ読んでない人には、新鮮で面白く感じられる映画だと思う。

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続編『赤毛のアン 初恋』レビュー記事はこちら。

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

-『赤毛のアン』シリーズ
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