『ぼくのちいさなともだち』は猫とお魚の友情に心温まる、大人にもおすすめの絵本。
アンドレ・ダーハンの幻想的な絵がとてもいい。
今回は絵本『ぼくのちいさなともだち』の魅力をお伝えするよ。
この記事で紹介する本
この記事でわかること
- 絵本『ぼくのともだちおつきさま』のみどころ
- 村山由佳の小説の表紙絵
絵本『ぼくのちいさなともだち』とは?
『ぼくのちいさなともだち』は、(原題”Dear Little Fish”)は、1990年出版された絵本。
日本では、きたやまようこが文章を付け、2000年、講談社より出版された。
アンドレ・ダーハン、きたやまようこ紹介
絵本『ぼくのともだちおつきさま』感想。友と心通わせる喜びが溢れる
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内容紹介
「ぼくのちいさなともだち、だいすきだよ」
猫は、水槽のお魚に語りかける。
やがて、お魚は大きくなり、ふたりの間にも変化が訪れる…
シンプルな中に描かれるあたたかな絆を、アンドレ・ダーハンの柔らかな絵で伝えます。
『ぼくのちいさなともだち』感想
絵だけで心がほっこり。
『ぼくのちいさなともだち』は、アンドレ・ダーハンの絵にきたやまようこが文をつけるという形でつくられた。
もともと、絵がはじめにあったんだ。
だから、文は少なめで、絵だけで楽しめるようになっている。
アンドレ・ダーハンの絵を、じっくり1ページずつ見ているだけで、心がほっこりあたたかくなる。
絵の1枚1枚に、「©Andre Dahan」のサインがしてあることからも、アンドレ・ダーハンがいかにこの絵1枚ずつを大切に扱っているかがわかる。
あと、絵を見ているだけで、なんとなくストーリーが見えてくるのもおもしろい。
あなたなら、この絵の展開にどんな文をつけるかな?
読みながら想像してみるのもおもしろい。
ねことおさかなの意外な関係
『ぼくのちいさなともだち』は、猫とお魚さんのかわいい物語。
猫とお魚といったら、ふつうは、猫がお魚を食べるのを想像するよね。
リアルに、うちの猫もサーモン大好きだし・・・。
アンドレ・ダーハンは、あえてこの、猫とお魚を、「仲良し」として絵に描いたんだよね。
『ぼくのともだちおつきさま』では、男の子と月が友だちになるけれど、今回は、猫とお魚。
実際にはありえないような、ファンタジックなシチュエーションと、アンドレ・ダーハンの幻想的な絵がよく合っている。
『ぼくのともだちおつきさま』については、こちらの記事をどうぞ。
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ねこのおさかなへの一途な気持ち
物語のはじめ、猫は、水槽で大切にお魚にえさをやっている。
「ぼくのちびちゃん、だいすきだよ」って声をかけながら。
お魚はだんだん大きくなって、水槽ではきゅうくつになっていく。
そこで猫は、海にお魚さんを放してあげるんだ。
お魚は、遠く見えなくなるまで泳いでいってしまった。
猫は、ずーっとお魚が戻ってくるのを待っているんだ。
やがて、お魚は猫の元へ戻ってくる。
そして、お魚の上に乗って、小さな島へわたる猫。
最後にも猫はお魚につぶやく。「だいすきだよ、ぼくのちびちゃん」。
内容はとてもシンプルなんだけど、深く心に響いてくる。
何度も出てくる「だいすきだよ」のフレーズ。
大人になったらあえて言うこともなくなるくらい、簡単な言葉。
でも、この言葉から、猫のお魚さんへの、まっすぐで一途なやさしい気持ちが伝わってくる。
ずっと自分の近くにいてほしいはずなのに、お魚さんに自由を与えてあげる猫。
じっと海を見つめ、お魚を想う猫の後ろ姿が、なんとも愛らしく、ちょっぴり切ない。
猫にとって、お魚さんはどんなに大きくなっても、「ぼくのちびちゃん」というところも愛らしい。
きたやまようこの文では「ともだち」とされているけれど、これは読んでいる人によって、友だちにも、恋人にも、親子にもどんな気持ちにもとることができるなぁ、と思った。
ももちんにとっては、我が家の猫たちに対する想いと同じだなぁ。
こんなに寛大に外に出すことはできないし、いつも近くにいてほしいけれど・・・。
村山由佳小説の表紙絵に!
アンドレ・ダーハン『ぼくのちいさなともだち』の絵は、村山由佳の小説『きみのためにできること』(ハードカバー版)の表紙絵にも使われている。
海で、猫とお魚がキスをしている場面。
この絵は、『ぼくのちいさなともだち』の表紙絵でもあり、ラストシーンの絵でもあるんだ。
アンドレ・ダーハンの好きなモチーフ、月も描かれていて、幻想的な世界だよね。
小説のほうは読んでいないんだけれど、夢を追う若い青年の、恋愛も含めた青春小説とのこと。
絵本の絵が青春小説とマッチするなんて新鮮。表紙絵にひかれて手にとって人もいるみたい。
まとめ
『ぼくのちいさなともだち』みどころまとめ。
- 絵だけで心がほっこり。
- ねことおさかなの意外な関係
- ねこのおさかなへの一途な気持ち
ゆっくりと一人の時間を絵本を読んで過ごしたい人におすすめだよ。
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