
『ベンジャミン バニーのおはなし』ビアトリクス・ポター作、いしいももこ訳、福音館書店、2019年
『ベンジャミン バニーのおはなし』は、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが1904年に発表した絵本。
絵本『ピーターラビットのおはなし』の続編としても知られている絵本だよ。
福音館書店版
早川書房版
この記事でわかること
- 絵本『ベンジャミン バニーのおはなし』の内容と見どころ
- 絵本『ベンジャミン バニーのおはなし』制作秘話紹介
『ベンジャミン バニーのおはなし』とは?

『ベンジャミン バニーのおはなし』初版[public domain]
『ベンジャミン バニーのおはなし』(原題”The Tale of Benjamin Bunny”)は、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが1904年に発表した絵本。
1902年に刊行された絵本『ピーターラビットのおはなし』の続編として知られるが、原初の刊行順はシリーズ4冊目。
日本では1971年、石井桃子の訳で福音館書店より刊行された。
2022年6月、川上未映子による新訳で早川書房より刊行予定。
参考:『ピーターラビットの世界へ ビアトリクス・ポターのすべて』河野芳英著、河出書房新社、2016年、Wikipedia
ピーターラビットシリーズ(原書刊行順)
- 『ピーターラビットのおはなし』(原題”The Tale of Peter Rabbit”)1902年感想記事はこちら。
- 『リスのナトキンのおはなし』(原題”The Tale of Squirrel Nutkin”)1903年感想記事はこちら。
- 『グロースターの仕たて屋』(原題”The Tailor of Gloucester”)1903年
- 『ベンジャミン バニーのおはなし』(原題”The Tale of Benjamin Bunny”)1904年
- 『2ひきのわるいねずみのおはなし』(原題”The Tale of Two Bad Mice”)1904年
- 『ティギーおばさんのおはなし』(原題”The Tale of Mrs Tiggy Winkle”)1905年
- 『パイがふたつあったおはなし』(原題”The Tale of the Pie and the Patty-Pan”)1905年
- 『ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし』(原題”The Tale of Mr. Jeremy Fisher”)1906年
- 『こわいわるいうさぎのおはなし』(原題”The Story of A Fierce Bad Rabbit”)1906年
- 『モペットちゃんのおはなし』(原題”The Story of Miss Moppet”)1906年
- 『こねこのトムのおはなし』(原題”The Tale of Tom Kitten”)1907年
- 『あひるのジマイマのおはなし』(原題”The Tale of Jemima Puddle-Duck”)1908年
- 『ひげのサムエルのおはなし』(原題”The Tale of Samuel Whiskers or, The Roly-Poly Pudding”)1908年
- 『フロプシーのこどもたち』(原題”The Tale of The Flopsy Bunnies”)1909年
- 『「ジンジャーとピクルズや」のおはなし』(原題”The Tale of Ginger and Pickles”)1909年
- 『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』(原題”The Tale of Mrs. Tittlemouse”)1910年
- 『カルアシ・チミーのおはなし』(原題”The Tale of Timmy Tiptoes”)1911年
- 『キツネどんのおはなし』(原題”The Tale of Mr. Tod”)1912年
- 『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』(原題”The Tale of Pigling Bland”)1913年
- 『アプリイ・ダプリイのわらべうた』(原題”Appley Dapply's Nursery Rhymes”)1917年
- 『まちねずみのジョニーのおはなし』(原題”The Tale of Johnny Town-Mouse”)1918年
- 『セシリ・パセリのわらべうた』(原題”Cecily Parsley's Nursery Rhymes”)1922年
- 『こぶたのロビンソンのおはなし』(原題”The Tale of Little Pig Robinson”)1930年
福音館書店絵本シリーズの特徴と読む順番を次の記事で解説しているよ。
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絵本ピーターラビットシリーズ5つの特徴。全24冊一言あらすじ紹介も
絵本「ピーターラビット」シリーズは、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが生んだ絵本シリーズ。 大人が読んでおもしろいピーターラビットシリーズの特徴解説と、1冊ずつ紹介するよ。 この記事でわかること ...
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次の記事でビアトリクス・ポターと翻訳の石井桃子を紹介しているよ。
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『ピーターラビットのおはなし』は、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが1902年に発表した絵本。 子ども向けの小型絵本だけど、大人が楽しめる要素もいっぱいの絵本だよ。 この記事でわかること 絵本『 ...
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石井桃子翻訳作品の記事一覧
『ベンジャミン バニーのおはなし』あらすじ

『ベンジャミン バニーのおはなし』ビアトリクス・ポター作、いしいももこ訳、福音館書店、2019年
『ベンジャミン バニーのおはなし』(原題”The Tale of Benjamin Bunny”) | |
日本語版初版刊行年(順番) | 1971年② |
原書刊行年(順番) | 1902年④ |
対象年齢 | 読み聞かせ:4歳から 自分で読む:小学校低学年から |
一言あらすじ
『ピーターラビットのおはなし』で、マグレガーさんの畑に上着と靴をおいてきてしまったピーター。
いとこで親友のベンジャミン バニーは、ピーターを誘いふたたびマグレガーさんの畑にしのびこむ。
ピーターたちは無事に上着と靴を取り戻すが、思わぬ災難にあってしまい・・・
マグレガーさんの畑にしのびこむ
マグレガーの畑を眺めるピーターラビットとベンジャミン バニー"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
ベンジャミンバニーがピーターを誘ってマグレガーさんの畑にしのびこむ。
上着を取り戻すが、災難にあう
上着を取り戻すピーターラビットとベンジャミン バニー"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
ピーターの上着を取り戻すが、のんびりしているうちにかごに閉じ込められる。
ベンジャミンバニー氏に助けられる
猫にとびかかるベンジャミン・バニー氏"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
お父さんのベンジャミンバニー氏が通りかかり、助けてもらう。
『ベンジャミン バニーのおはなし』を読んだ感想
絵本『ベンジャミン バニーのおはなし』は、前作『ピーターラビットのおはなし』とセットで読むのがおすすめ。
前作で命からがら逃げてきたピーターの疲れた様子や、新登場のベンジャミンバニーとのコンビ描写がおもしろい。
前作のおはなし
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絵本『ピーターラビットのおはなし』感想。世界一有名なうさぎの絵本
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『ベンジャミン バニーのおはなし』ポイント
ベンジャミンバニーとピーターラビット

今作初登場のベンジャミン バニー"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
今作の初めに登場するベンジャミンバニーを見たとき、「お!ピーターラビットの相棒の登場!」とわくわくした。
茶色の上着を着たベンジャミンバニーは、ピーターよりちょっとぽっちゃりしたうさぎ。
絵本にはピーターとベンジャミンが二人で描かれている挿絵がたくさんあって、なんともいえず愛らしい。
親友同士の連帯感

散歩に出かけるピーターラビットとベンジャミン バニー"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
前作はピーター単独だったけど、今作では二人。
ピーターラビットとベンジャミンバニーを見ていると、「親友」だからこその勇気と連帯感を感じる。
上着をなくして落ち込んでいたピーターに、ベンジャミンバニーは一緒にマグレガーさんの畑にしのびこむことを持ちかける。
きっとピーター一人ではそんな勇気は持てなかったし、ベンジャミンと一緒でも怖い思いをしたのも事実。
だけどここで大切な上着を取り戻したことは、ピーターのその後の人生にとって大きなことだったと思う。
これは、ピーターの母親や妹たちにはできない接し方。
ピーターとベンジャミンは「親友」という同じ目線だからこそ、危険も失敗も一緒に体験し、絆も深まるんだよね。
対照的なベンジャミンとピーター

早く帰りたいピーターラビットと玉ねぎを集めるベンジャミン バニー"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
映画に登場するベンジャミンバニーは現実的で、リーダータイプのピーターラビットに振り回されがちなイメージだった。
だけど、絵本では立場が逆みたい。
「マグレガーさんの畑に入る」というリスキーな提案をするのはベンジャミンバニー。
さらに、上着を取り戻すだけでなく玉ねぎをとってこようとくわだてて、その段取りを考えるのもベンジャミンなんだよね。


怯えて玉ねぎを落とすピーターラビット"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
一方ピーターは、初めから最後まで怯えている様子。
上着の代わりに赤いハンカチをかぶっていたり、ベンジャミンと手をつないででかけたり、ピーターの怖いながらもがんばっている様子が絵からも伝わってくる。
ピーターにとっては、また畑に入ること自体が怖いこと。
本当は玉ねぎなんてどうでもいいし、周りも動きや音にも敏感になっているし、早く帰りたいんだよね。
そんなピーターを気にとめず、レタスをゆうゆうとほおばるベンジャミンにうっすら怒りが湧いてきます。
赤いハンカチは前作でも登場

買い物に出かけるピーターのお母さん”The Tale of Peter Rabbit”[public domain]
今作では、上着をなくしたピーターが赤いハンカチを羽織っている姿が印象的。
実はこのハンカチ、前作『ピーターラビットのおはなし』でお母さんがかぶっていたハンカチと同じもの。
また、絵本『ティギーおばさんのおはなし』でも、ハリネズミのティギーおばさんの洗濯物の中にこのハンカチを見つけることができる。
前作に続く災難

カゴの上に座りこむ猫"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
畑の中をさんざん寄り道したあげく、二人の目の前に現れたのは、うさぎにとって危険な存在の猫。
ベンジャミンとピーターがあわててかぶったカゴの上に猫が5時間も座り込む、という災難に見舞われる。
ピーターは用心していたのに、ベンジャミンに付き合っていたせいでまた災難に見舞われてしまった。
息をひそめてひたすら待つしかないピーターとベンジャミンの気持ちを想像すると、読んでいるこっちまで苦しくなってくる。

ここでも前作に続き「猫を警戒するうさぎ」の姿が描かれている。
動物界では、猫は決して愛されるだけの存在ではないんだよね。
威厳のあるベンジャミン・バニー氏

ベンジャミン・バニー氏"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
追いつめられたピーターとベンジャミンを助けるのが、ベンジャミンのお父さんのベンジャミン・バニー氏。
パイプをくゆらせ堂々と歩くベンジャミン・バニー氏の大物感、すごい。
猫にも動じず一瞬で追い払い、息子のベンジャミンとおいのピーターを助け出す。
むちで息子たちのお尻を叩いて叱りつけながらも、ちゃっかり玉ねぎ以外の野菜も持っているところ、抜け目なし。

ベンジャミン・バニー氏は『キツネどんのおはなし』にも登場。
自らの失敗で孫うさぎ(ベンジャミンとフロプシーの子どもたち)を危険にさらしてしまい、ちょっと情けない一面も見せる。
ピーターのお母さんと妹たち

ピーターラビットのお母さんと妹たち"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]
前作に続き、ピーターのお母さんと妹たちは最初と最後に登場する。
お裁縫仕事や薬草を売ったりして生計を立てている姿に、お母さんのきちんとした性格があらわれている。

挿絵を見ると、看板に”Josephine Bunny.(ジョセフィン・バニー) licensed to sell(販売免許あり) TEA&TOBACCO(紅茶とタバコ)”と書いてある。
ラベンダーのことを「うさぎたばこ」と呼ぶところがかわいい。
ピーターがベンジャミンとの冒険から帰った後も、戦利品(取り戻した上着や玉ねぎ)を喜ぶあたり、現実主義者の一面が垣間見える。
「わたし」ことポターの登場

ねずみ夫婦ひげのサムエルとアナ・マライア。奥に小さく見えるのがポター。"The Tale of Samuel Whiskers or, The Roly-Poly Pudding"[public domain]
絵本シリーズでは、ところどころ「わたし」ことポター自身が登場することがある。

作品の中に作者が登場することで、より作品の現実味が増して親しみやすくなる。
絵本を読んだ子どもたちは「ピーターラビットのお話の世界が現実にあるかもしれない」と思ってわくわくするだろうなあ。
ピーターとベンジャミンのその後

フロプシー、ベンジャミン バニーとこどもたち"The Tale of The Flopsy Bunnies"[public domain]
絵本『ピーターラビット』シリーズの中で、ピーターラビットとベンジャミンバニーは最もよく知られているキャラクター。
この二人がこの後どうなるか知りたいよね?
絵本シリーズでは、ベンジャミンバニーは大人になるとピーターの妹フロプシーと結婚し、子どもも生まれる。
ピーターラビットは、『フロプシーのこどもたち』の中でお母さんと一緒にキャベツ畑で働く姿も見られる。
『キツネどんのおはなし』ではピーターとベンジャミンが一緒に行動する場面もあるよ。
絵本シリーズの中でベンジャミンバニーが登場する作品は次の6作品。チェックしてみてね。
ベンジャミンバニーが登場する絵本
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絵本ピーターラビットシリーズ5つの特徴。全24冊一言あらすじ紹介も
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感想おさらい
『ベンジャミン バニーのおはなし』制作秘話
絵本『ベンジャミン バニーのおはなし』にまつわる制作エピソードを紹介するよ。
ベンジャミンバニーのモデルのうさぎ
今作の主人公ベンジャミン バニーのモデルは、ビアトリクス・ポターが1888年頃に飼い始めたうさぎ「ベンジャミン・バウンサー」がモデル。
ポターはベンジャミン・バウンサーをモデルにたくさんのスケッチをし、その中の数枚が挿絵として出版社に買い取られ、新年用のカードとして販売された。
こうしてポターはプロの挿絵画家としての一歩を踏み出すことになる。
参考:『ピーターラビットの世界へ ビアトリクス・ポターのすべて』河野芳英著、河出書房新社、2016年
ナーサリーライム

地面に落ちるピーターラビット。ハンプティ・ダンプティが元になっている"The Tale of Benjamin Bunny"[public domain]

W. W.デンスロウによる「ハンプティ・ダンプティ」のイラスト。1904年[public domain]
絵本シリーズでは、ところどころにポターが愛した「ナーサリーライム」(マザーグース、わらべうた)のイメージが盛り込まれている。
『ベンジャミン バニーのおはなし』では、ピーターが石塀から落ちてしまうがたいしたことにはならなかった、という描写がある。
これは、有名なナーサリーライム「ハンプティ・ダンプティ」が下敷きになっている。

イギリスの小さな子どもなら誰もが連想できるナーサリーライムを取り入れることで、お話がより親しみやすくなっている。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Humpty Dumpty”をYouTubeで聴いてみる

もっと詳しく
「ベンジャミン バニーのおはなし」が読めるさまざまな形

上段左から『ピーターラビットの おはなし (ピーターラビット紙芝居)』ビアトリクス・ポター原作、フレデリック・ウォーン社監修、教育画劇、2018年
『ビアトリクス・ポターとかわいそうなテンジクネズミのはなし』デボラ・ホプキンソン文、シャーロット・ヴォーク絵、石井睦美訳、BL出版、2016年
下段左から『ブーツをはいたキティのおはなし』ビアトリクス・ポター作、クェンティン・ブレイク絵、松岡ハリス佑子訳、静山社、2016年
『ピーターラビットのおはなし』『ベンジャミン バニーのおはなし』『フロプシーのこどもたち』いずれもビアトリクス・ポター作、いしいももこ訳、福音館書店、2019年
『愛蔵版 ピーターラビット全おはなし集(改訂版)』ビアトリクス・ポター作・絵、いしいももこ・まさきるりこ・なかがわりえこ訳、福音館書店、2007年
『ベンジャミン バニーのおはなし』は、この記事で紹介した絵本以外の形でも楽しむことができる。
現在出ている『ベンジャミン バニーのおはなし』は次の通り。
絵本以外の『ベンジャミン バニーのおはなし』
- 早川書房の新訳絵本シリーズ
- 福音館書店絵本シリーズ前作が1冊で読める「全おはなし集」
- スマホで読める「電子書籍」
- おはなしを聴いて楽しむ「CD/Audible」
- 紙芝居
- 映画・アニメ
【2022年6月】新訳絵本版が早川書房より刊行!
川上未映子さんの翻訳で、絵本〈ピーターラビット〉を刊行します!
世界中で愛されつづけている絵本を、早川書房が公式出版社として2022年3月から刊行開始。
子どもから大人まで楽しめる、新しいピーターラビットたちをお届けします。
今日16日から予約開始。くわしくは↓https://t.co/eZpHGrJY36— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) December 16, 2021
2022年3月以降、早川書房よりピーターラビット絵本シリーズが順次刊行される。
絵本『ピーターラビットのおはなし』初版刊行から120周年を迎え、早川書房はフレデリック・ウォーン社と公式提携を結んだ。
それを機に、2002年にフレデリック・ウォーン社より刊行された「決定版」シリーズを全23巻で刊行する。
大人も楽しめる「ピーターラビット」
「ピーターラビット」の絵本でこれまでの定番とされてきたのは、福音館書店・石井桃子訳のシリーズ。
初版から50年以上経っていることや、幼い子どもを読者として想定していることから、現在の主な読者は小学校低学年までの子どもと年配層となっている。
早川書房の新訳版はその間の世代、30代〜50代の読者も楽しめるように考えられている。
翻訳を手掛けるのは作家・詩人として活躍する川上未映子。
訳文ではほどほどの漢字(ふりがなつき)を使っていることから、幅広い年代が読みやすくなっている。
また原文で韻を踏んでいるところは訳でも韻を踏むなど、詩人ならではの工夫も盛り込まれている。
『ベンジャミン・バニーのおはなし』は2022年6月に刊行予定。

参考:『この本読んで!2022年春号』出版文化産業振興財団、『MOE (モエ) 2022年4月号 [雑誌]』白泉社、川上未映子による新訳で、絵本 ピーターラビット™ シリーズ(全23巻)刊行決定・予約開始!/hayakawabooks.com/

原書の刊行順と同じ順番で刊行される。
2022年3月開始~2024年3月完結
第1回配本 2022年3月24日
①ピーターラビットのおはなし
②赤りすナトキンのおはなし
③グロスターの仕たて屋
第2回配本 2022年6月23日
④ベンジャミン・バニーのおはなし
⑤2ひきのわるいねずみのおはなし第3回配本 2022年9月22日
⑧こねこのトムのおはなし
⑯ひげねずみサミュエルのおはなし第4回配本 2022年12月22日
⑩フロプシーのこどもたち
⑭きつねのトッドのおはなし第5回配本 2023年3月23日
⑥はりねずみティギーのおはなし
⑨あひるのジェマイマのおはなし
㉑モペットちゃんのおはなし第6回配本 2023年5月25日
⑫つまさきティミーのおはなし
⑬まちねずみジョニーのおはなし第7回配本 2023年8月24日
⑦かえるのジェレミーのおはなし
⑮こぶたのブランドのおはなし第8回配本 2023年10月26日
⑰パイがふたつあったおはなし
⑱ジンジャーとピクルスのおはなし第9回配本 2024年1月25日
⑲こぶたのロビンソンのおはなし
⑳いじのわるいうさぎのおはなし第10回配本 2024年3月21日
⑪ちっちゃなねずみふじんのおはなし
㉒アップリィ・ダップリィのわらべうた
㉓セシリ・パセリのわらべうた※タイトル・刊行日は変更になる場合もございます。発売日はお住まいの地域によって異なります。
引用元:川上未映子による新訳で、絵本 ピーターラビット™ シリーズ(全23巻)刊行決定・予約開始!/hayakawabooks.com/
早川書房絵本シリーズポイント
- 最もベーシックな「絵本」という形(大きさは福音館書店とほぼ同じ)
- フルカラーの挿絵。
- 川上未映子による新訳。30代〜50代の大人も楽しめる訳文
- 『ずるいねこのおはなし』は入っていない(全23冊)
『ピーターラビット 全おはなし集』

『愛蔵版 ピーターラビット全おはなし集(改訂版)』ビアトリクス・ポター作・絵、いしいももこ・まさきるりこ・なかがわりえこ訳、福音館書店、2007年
絵本シリーズすべてのお話を1冊で読めるのが『愛蔵版 ピーターラビット全おはなし集(改訂版)』(原題”BEATRIX POTTER-THE COMPLETE TALES”)。
本書では絵本シリーズのお話が原書の刊行順に掲載され、挿絵もフルカラーで楽しむことができる。
それぞれのお話ごとに、お話ができた背景やモデル、挿絵の秘密なども知ることができる。
また、ピーターラビットシリーズ以外のポターの作品やポターの年譜も掲載されている。
お話すべてを一度に読みたい! 絵本ができた背景やポターのことも知りたい! というあなたにおすすめ。
英語原文と一緒に読める「対訳版」(電子書籍)
ビアトリクス・ポターの「ピーターラビット」シリーズは、電子書籍で気軽に読むことができる。
2014〜2018年にゴマブックスから刊行されたのが、英語の原文と日本語訳を一緒に読める「対訳版ピーターラビット」。
カラーの挿絵もしっかり楽しめる。
翻訳は癖のない優しい日本語で、絵本よりも漢字が多用されているので大人が読みやすい。
一話のみ
11話収録
青空文庫で無料公開!(電子書籍)
2014年にサキ出版から刊行されたのが、インターネットで無料公開されていたものを電子書籍化した「ピーターラビット」。
挿絵もカラーで楽しめる。
Kindle版は有料だが、ネット上では現在も無料で公開されている。
著作権が失効した作品の翻訳を多く手がける大久保ゆうの訳文は、すべてひらがな・カタカナのみで子どもが読みやすい。
リズミカルに音読できるところも楽しい。
3話収録
17話収録
お話を聴いて楽しむ「CD/オーディオブック版」
オーディオブック制作を手がけるでじじ/パンローリングが2017年に刊行したのが、音声で楽しめる「ピーターラビット」。
「ピーターラビット」シリーズのお話を、CDとAudibleなどのオーディオブックで聴いて楽しむことができる。
元になっている翻訳は、青空文庫で無料公開されている大久保ゆうによる訳文。
1話ずつがそんなに長くなく、さくっと聴いて楽しめるのがうれしい。
17話が収録されている。
紙芝居

『ピーターラビットの おはなし (ピーターラビット紙芝居)』ビアトリクス・ポター原作、フレデリック・ウォーン社監修、教育画劇、2018年
教育画劇より2018年に刊行されたのが、紙芝居のピーターラビット。
絵だけを見てもらい、お話は耳で聴いてもらうことにより、ポターの絵を集中して楽しむことができる。
お話は、子どもが聴いても理解しやすいように絵本より短くなっている。
映画『ピーターラビット』『ピータラビット2/バーナバスの誘惑』
引用元:世界中で愛されるピーターラビット™が初の実写映画化!千葉雄大ほか豪華声優陣が話題に!『ピーターラビット™』デジタル配信/ブルーレイ&DVD発売中!/ソニー・ピクチャーズ 公式チャンネルピーターのいとこで
よき理解者🐰ベンジャミン🤎
(🗣声優:#吉田ウーロン太)💫💫💫
目印はたれたお耳と
ブラウンのシャツ🟤穏やかな性格ゆえ
何かと巻き込まれがちだけど💦#うさグレ るピーターを
助けてあげてね😣❣️#ピーターラビット2 pic.twitter.com/P0kR5mfxw7— 映画『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』 (@PeterRabbit_JP) May 31, 2021
絵本「ピーターラビット」シリーズを原作とした初の実写映画が、『ピーターラビット』(2018年)と『ピーターラビット2/バーナバスの誘惑』(2021年)。
2作ともアメリカの映画監督ウィル・グラックが監督をつとめ、主演をドーナル・グリーソン、ローズ・バーンがつとめる。
コメディ・ミュージカルの要素満載に仕上げていて、原作絵本とテイストがかけはなれているので、別物の映画として楽しみたい。
2作通してベンジャミン・バニーはピーターラビットの親友として大活躍。
『ベンジャミン バニーのおはなし』の一部の内容は、2018年公開の映画『ピーターラビット』で見ることができる。
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映画『ピーターラビット』感想。原作とは別物!人間とうさぎのバトル
映画『ピーターラビット』は、2018年に公開された英・米・豪合作映画。 原作は誰もが知っているビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」シリーズ。 絵本と映画では雰囲気もストーリーもまったく違うの ...
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『ピーターラビット2バーナバスの誘惑』感想。ポター原作の映画続編
映画『ピーターラビット2 バーナバスの誘惑』は、2018年に公開された映画『ピーターラビット』の続編。 原作は誰もが知っているビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」シリーズ。 絵本と映画では雰 ...
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絵本以外で楽しめる「ピーターラビットのおはなし」については、次の記事で紹介しているよ。
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「ピーターラビット」原作絵本・電子書籍・アニメ等24作品まとめ
絵本「ピーターラビット」シリーズは、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが生んだ絵本シリーズ。 絵本シリーズだけで24冊あるんだけど、他にも関連する絵本や電子書籍、映画があるのでまとめてみた。 この ...
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まとめ
絵本『ベンジャミン バニーのおはなし』まとめ。
絵本『ピーターラビットのおはなし』の続編としても知られているのでセットで読むのがおすすめだよ。
福音館書店
早川書房
電子書籍
「ピーターラビット」特集
前作絵本『ピーターラビットのおはなし』を次の記事で紹介しているよ。
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絵本『ピーターラビットのおはなし』感想。世界一有名なうさぎの絵本
『ピーターラビットのおはなし』は、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが1902年に発表した絵本。 子ども向けの小型絵本だけど、大人が楽しめる要素もいっぱいの絵本だよ。 この記事でわかること 絵本『 ...
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