
佐野洋子『だってだってのおばあさん』2009年、フレーベル館
『だってだってのおばあさん』は、『100万回生きたねこ』の佐野洋子作の絵本。
年齢も心次第で簡単に超えることができる、そんなことを軽やかに伝えてくれる絵本だよ。
今回は絵本『だってだってのおばあさん』の魅力をお伝えするよ。
この記事で紹介する本
- お誕生日のこだわり
- おばあさんって子どもみたい!
- ねこの男の子がかわいい
背景
『だってだってのおばあさん』は、1975年にフレーベル館より出版された、佐野洋子作の絵本。
30年間愛され続けているロングセラー。全国学校図書館協議会選定図書。一年生の国語の教科書にも掲載されている。
佐野洋子紹介
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『100万回生きたねこ』作者、佐野洋子の世界。山梨県立美術館
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内容紹介
ちいさなおうちに、男の子の猫と暮らす98歳のおばあちゃん。
おばあちゃんの口癖は、「だって、わたしはおばあちゃんだもの」。
そんなおばあちゃんの99歳の誕生日がやって来た!
でも、猫が持って帰ってきたろうそくの数は、たったの5本。
次の日、おばあちゃんは・・・。
特徴①お誕生日のこだわり
『だってだってのおばあさん』に登場するおばあさんは、98歳。
1匹の男の子のねこと暮らしているんだ。
おばあさんの口癖は、「だってわたしはおばあちゃんだもの」。
ねこが一緒に魚釣りに誘っても、「だってわたしは98だもの。」と言って断るんだ。
そんなおばあさんの99歳の誕生日がやって来た!
おばあさんはケーキを作るのがとっても上手。
お誕生日ケーキには、ろうそくがつきものだよね。
おばあさんも、お誕生日ケーキにさすろうそくにこだわっていたんだ。
ケーキにささったろうそくの数を数えることを楽しみにしていたおばあさん。
ねこはおおいそぎでろうそくを買いに行ったんだ。
特徴②おばあさんって子どもみたい!
ところが、ねこは泣きながら帰ってきた。
あまりに急いだから、せっかく買ったろうそくのほとんどを川に落としてしまったんだ。
残ったろうそくはたったの5本。
おばあさんはがっかり。ねこの前であからさまにがっかりしているおばあさんが、子どもみたいでかわいい。
きっととってもがっかりしたおばあさんだけど、ねこを励ますためと、自分に言い聞かせるために、こうつぶやいたんだ。
ろうそくくらい、別にいいじゃんって思わない?
だけど、次の場面で、ろうそくを数えるのがおばあさんにとって、とても大切なうれしい儀式なんだっていうことが伝わってくるんだ。
そういって、ケーキを食べるおばあさんは、とっても幸せそう。
そして翌日。
ねこは魚釣りにおばあさんをさそった。
そしてら、おばあさんはなんて答えたと思う?
「だってわたしは5さいだもの」
おばあさんの心は本当に5歳に戻ったみたい。
魚釣りに行く途中で、川を飛び越えたり、花のにおいをかいだり・・・
身体は変わっていないのに、心が変わると世界がまったく変わってしまう。
ろうそくの数の年にすぐなってしまうなんて、おばあさんはなんて素敵な子どもの心を持っているんだろう!
ももちんも子どもの心を持ったおばあさんになりたいなあ。
特徴③ねこの男の子がかわいい
『だってだってのおばあさん』に登場するねこは、人間の男の子のように描かれている。
おばあさんとたくさん話すし、二本足で歩くし、買い物にも行くし。
人間の男の子だと、おばあさんと男の子の関係性に関心が行くよね。
これをねことして表現することによって、ファンタジーとして疑問の余地のない物語に仕上げているんだ。
ねこは、おばあさんが5歳になって、一緒に遊ぶようになってうれしそう。
でも、おばあさんが5歳になっても、ケーキを作るのが上手か心配してるところがかわいい。
だって、ねこはおばあさんのつくるケーキが大好きだから。
まとめ
『だってだってのおばあさん』みどころまとめ。
- お誕生日のこだわり
- おばあさんって子どもみたい!
- ねこの男の子がかわいい
年齢も心次第で簡単に超えることができる、そんなことを軽やかに伝えてくれる絵本だよ。
佐野洋子の名作絵本『100万回生きたねこ』感想はこちら。
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