絵本

絵本『100万回生きたねこ』誰もが涙する。後世に残る名作!

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『100万回生きたねこ』佐野洋子(作・絵)1977年、講談社

『100万回生きたねこ』は、誰でも一度は読んだことがあると言えるほど、ロングセラー絵本。

ももちんは大人になってから読んだけど、本当に本当に大好きな絵本。

読むたびに、新たな発見がある絵本でもあるよ。

今回は、そんな『100万回生きた猫』の魅力をお伝えするよ。

  1. 人間のエゴと猫の視点
  2. たどりついた、ひとつの幸せのかたち
  3. 輪廻転生と解脱
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背景

『100万回生きたねこ』は、1977年に出版された佐野洋子作の絵本。

発売以来40年たった現在も愛されるロングセラー。

2000年に100万部を突破、2013年に200万部を突破した。

人生や愛について読者に深い感動を与える絵本として、子供から大人まで親しまれている。海外絵本の訳本もある。

佐野洋子(さの・ようこ)/作・絵

1938-2010。日本の作家、エッセイスト、絵本作家。

佐野洋子については、こちらの記事で紹介しています。

内容紹介

100万回も死んで、100万回も生きたねこのお話。

輪廻転生をくりかえしたとらねこは、あるとき、誰のねこでもないのらねことなっていた。

誰も愛することがなかったねこが、1匹の白ねこと出会い、愛を知り、命の尊さに気づく。

特徴①人間のエゴと猫の視点

主人公のとらねこは、100万回も生まれかわっていた。

最後の一回を残して、全ての生は、人間のものとなる生だったんだよね。

物語の前半は、その「だれかのねこ」であったときのとらねこが描かれている。

死んでも死んでも、とらねこはまた生まれて、だれかのねこになった。

王さま、船のり、サーカスの手品つかい、どろぼう、おばあちゃん、小さな女の子・・・。

とらねこの飼い主になった人は、どのひとも、とらねこをかわいがり、とらねこが死ぬと泣いて、そして埋めるんだ。

これは、ももちんも猫を飼っているからよくわかる。

飼っている猫が死んだら、とても悲しいし、泣きつづけると思う。

猫の方も飼い主を好きだと信じてるし、嫌われてたら立ち直れない。

でも、『100万回生きたねこ』のとらねこはちがったんだよね。

どの人のねこになっても、とらねこは誰かを好きになったことなんかなかった。

だから、死ぬのも平気だったし、とらねこ自身は一回も泣いたことなんかなかったんだ。

とらねこにとっては、人間はどれも同じ。

自分の都合のいいようにとらねこを扱っては、死んでいくのを悲しむ・・・。

そこには、とらねこにとっての幸せを考える人間はひとりもいないんだよね。

ももちんも同じかもって思った。

もしうちの猫たちがのら猫として生きていくこと、家族をつくることを望んでいたとするなら、ももちんはその望みを真っ向から裏切っているもの。

去勢手術したり、家から一歩も出さなかったり、しているもの。。

とらねこの視点にたつと、人間たちがどれだけ自分勝手なのか、身につまされるよ・・・。

特徴②とらねこがたどりついた、ひとつの幸せの形

あるとき、とらねこは、だれの猫でもなく、のら猫として生まれ変わる。

りっぱなのら猫になって、自分が大好きなとらねこ。

たくさんのメス猫が、とらねこのお嫁さんになりたがった。

大きなさかなや上等のねずみをもらったり、毛づくろいしてくれる猫もいた。

でも、だれよりも自分が好きな猫は、どのメス猫も好きにならなかったんだ。

そんななか、たった一匹、とらねこに見向きもしない、白い美しい猫がいた。

とらねこと白いねこの運命の出逢い。

とらねこは、白いねこの気をひこうと、毎日毎日白ねこのところへ行くんだ。

100万回死んだことを自慢したり、「きみは、一回も生き終わっていないんだろ」と挑発してみたり、宙返りしてみたり。

でも、白いねこは、「そう。」としか返事をしない。

とうとうとらねこは、プライドをおろし、素直になる。

この白ねこ、ももちんはぐっとくるんだよね。

白ねこは、「そう。」とか、「ええ。」とかしかいわないけど、とらねこのうわべではなく、存在をまるごと愛していたんだよね。

何を言われても、されても変わらず、愛でいる白ねこ。

やがて、白ねこは、かわいい子猫をたくさんうみ、子猫たちが大きくなって、どこかへ行ってしまうと、とらねこと白ねこは、再び二人きりになるんだ。

今まで、死ぬのなんか平気だったとらねこは、白いねこといっしょに、いつまでも生きていたいと思ったんだ。

愛する伴侶を得て、自由な世界で生きる。

過去の生でどんな豊かで、安全に生きてきても、けっして満たされることのなかった望み。

人間にも通じるシンプルな望みなんだよね。

後に作者の佐野洋子は、こう語っているんだ。

私は一冊の絵本を創った。

一匹の猫が一匹のめす猫にめぐり逢い子を産みやがて死ぬというただそれだけの物語だった。

「100万回生きた猫」というただそれだけの物語が、わたしの絵本の中でめずらしく売れた絵本であったことは、人間がただそれだけのことを素朴にのぞんでいるという事なのかと思わされ、何より私がただそれだけのことを願っていることの表われだった様な気がする。

出典:「二つ違いの兄が居て」より 1996年、ちくま文庫『私はそうは思わない』収録

やがて、自然な流れで、白いねこは、とらねこの隣で、静かに動かなくなっていた。

とらねこは、100万回泣きつくしたあと、白いねこのとなりで、静かに動かなくなった。

特徴③輪廻転生

『100万回生きたねこ』を大人になって読むと、新しいテーマが浮かんできた。

この物語は、輪廻転生と解脱の物語でもあるんだよね。

はじめ読んだとき、ももちんは不思議に思ったよ。

「100万回も死んでいるのに、100万年も死なない」ってどういうことだろう?

今ならわかるんだけど、死んで生まれてをくりかえしているのは肉体なんだよね。

死なないのは魂のこと。

これを輪廻転生っていうよね。

だいたいの人は、肉体が生まれ変わるたびに、前の生の記憶を忘れる。

けれどこのとらねこは、前はどんな生だったのか、しっかり覚えてたんだよね。

そんなとらねこは、最後の生で、これまでの生と違う生き方をした。

だれかのねこではなく、のら猫として生きたこと。

そしてなにより、愛する猫に出逢い、家族をつくり、自分よりも大切な存在ができたこと。

このとき、自分のことが一番好きだったとらねこは、もういない。

「自分が、自分が、」という自我がいないんだよね。

そして、白ねこが死んだとき、とらねこは、自分より大切な存在を亡くす体験を、初めてするんだ。

とっても悲しい体験。だけど、とらねこが体験したかったことなんだ。

きっと、これまでの生でも、とらねこはわからなかったはず。大切な存在を亡くして泣く、人間たちの気持ち。

そして、ずっとずっと、その気持ちを知りたいと思っていたんだ。

うしなって泣きとおすほど、自分以外の誰かや何かを愛する気持ちを。

そのために最後の生、のらねことして生まれてきて、白ねこに出遭ったんだよね。

とらねこは最後の生で、生きて、体験したいことを、すべてやりきったんだ。

広がる『100万回生きたねこ』

インタビュー

絵本サイトや出版社のサイトで、『100万回生きたねこ』に関するインタビューをいくつか見つけたよ。

おもしろいのでのぞいてみてね。

関連作品『100万分の1回のねこ』

2015年、講談社から、『100万回生きたねこ』に捧げるトリビュート短編集が出版されたよ。

参加しているのは、ひとりひとりが活躍している、人気作家たち13人。

江國香織、岩瀬成子、くどうなおこ、井上荒野、角田光代、町田康、今江祥智、唯野未歩子、山田詠美、綿矢りさ、川上弘美、広瀬弦、谷川俊太郎。

佐野洋子の元夫である谷川俊太郎がどんな短編を寄せているのかも気になる。

今度ぜひ読んでみようと思う。

舞台

ミュージカル『100万回生きたねこ』舞台映像 出演:成河 深田恭子 2015年 引用元:YouTubeホリプロステージ公式チャンネル

1989年からは、ミュージカルも上演されているんだって。知らなかった…。

絵本の落ち着いた世界が、ミュージカルでどうアレンジされているのか、気になるところ。

猫はあくまで猫であって、人間が演じるとへんてこに感じちゃうかも?

絵本が大好きなだけに、すんなり入れないかもしれないなぁ。

でも、もし今度上演されることがあれば、みてみたいな。

ドキュメンタリー映画

出典:『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』公式サイト

2012年12月8日、小谷忠典監督による、佐野洋子の晩年を記録した映画『ドキュメンタリー映画 100万回生きたねこ』が日本公開されたよ。

予告編を見たらわかるけど、佐野洋子は、「顔を映さない」という条件で出演しているみたい。

コーネリアスの音楽もこの世界に合ってるなぁ。これもみてないので、今度みてみる。

まとめ

絵本『100万回生きたねこ』みどころまとめ。

  1. 人間のエゴと猫の視点
  2. たどりついた、ひとつの幸せのかたち
  3. 輪廻転生と解脱

何度もくりかえし読みたい絵本。久しぶりに手に取ってみてみてね。

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