サンタおじさんのいねむり感想。どうぞのいす画家のクリスマス絵本!

2018年10月10日

『サンタおじさんのいねむり』ルイーズ・ファチオ作、前田三恵子訳、柿本幸造絵、1969年、偕成社

『サンタおじさんのいねむり』は、『どうぞのいす』で有名な柿本幸造が絵を描いた、クリスマスの絵本。

かわいらしいサンタと動物たちにほっこりする。

ももちん
同じ原作の絵本に『クリスマスの森』があるんだけど、サンタおじさんのいねむりは全く違う味わいなので紹介するよ。

この記事で紹介する本

こんな方におすすめ

  • 大人におすすめのクリスマスの絵本を探している
  • 『サンタおじさんのいねむり』あらすじとみどころを知りたい

1.『サンタおじさんのいねむり』とは?

『サンタおじさんのいねむり』は、1969年に偕成社より刊行された絵本

文はルイーズ・ファチオ、翻訳は前田美恵子、絵は柿本幸造。

原本の”The Christmas Forest”は、スイス出身の女流童話作家ルイーズ・ファチオの文と、ロジャー・デュボアザンの絵により、1950年に発表されている。

2015年、ロジャー・デュボアザンのオリジナルの絵の『クリスマスの森』が、土屋京子訳により、福音館書店より刊行された。

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柿本幸造(絵)

童画家。1915年広島県生まれ。

広告会社に就職、戦後は子ども博覧会の企画や会場構成などにたずさわる。

1953年「よいこのくに」(学研教育出版)にはじめて挿絵が掲載され、以後、月間絵本の挿絵や絵本の画家として活躍した。

1998年死去。

代表作(絵)

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2.絵本を読んだきっかけ

『サンタおじさんのいねむり』ルイーズ・ファチオ作、前田三恵子訳、柿本幸造絵、1969年、偕成社

ももちんが『サンタおじさんのいねむり』を初めて読んだのは、大人になってから。

自分で楽しめるクリスマス絵本を探していたとき、本屋さんで手に取ったのがきっかけ。

なによりひかれたのは、表紙の絵!

真っ赤な背景に、可愛い動物たちと、かわいい家たちに、たちまちほっこり。

背表紙のサンタの絵も、やる気なさげでかわいらしい。

中身を見ずに買って、何度も読んでる絵本。

 

原書に近い『クリスマスの森』

『クリスマスの森』ルイーズ・ファティオ著、ロジャー・デュボアザン絵、つちやきょうこ訳、2015年、福音館書店

『サンタおじさんのいねむり』が、外国の絵本を原作としていたことを知ったのは、つい最近のこと。

そして、原書オリジナルのロジャー・デュボアザンの絵を採用した『クリスマスの森』(2015年、福音館書店)という絵本があることを知った。

原書の刊行から65年を経て、日本にやってきたオリジナル”The Christmas Forest”

読んでみたら、『サンタおじさんのいねむり』とお話の筋は同じだけれど、描かれる世界観が全く違っていた。

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3.読んでみた感想

活躍しないサンタ

『サンタおじさんのいねむり』『クリスマスの森』に共通する内容を書くと、こんな感じ。

クリスマスイブの夜。

サンタおじさんは、プレゼントの配達中にいねむりをしてしまう。

それを見つけた森の動物たちは、大活躍!

サンタおじさんの代わりに、みんなで協力してプレゼントくばる。

ルイーズ・ファティオが考えたこの物語は、いくつかの特徴がある。

  • サンタクロースに奥さんがいる
  • サンタクロースがおっちょこちょい
  • サンドイッチとコーヒーがやたら美味しそう
  • 登場するのはサンタクロースと奥さんと動物たちのみ。人間は登場しない。
  • 森の動物たちのやさしさ

これらの特徴が物語にあたたかさやファンタジックな世界を映し出している。

一番のみどころは、クリスマスの主役サンタクロースがいねむりしてしまうところ。

あらすじは共通してるんだけど、絵も文の量も全然違うので、ももちん的には全く別の絵本だと感じた。

 

シンプルな文と絵から伝わる「ほっこり」感

『サンタおじさんのいねむり』の文は、ルイーズ・ファティオの文章をそのまんま訳したわけではなく、大幅に省略・シンプル化している。

これは、より文の量が多い『クリスマスの森』と読み比べてみると明らか。

クリスマスの本場・アメリカの物語を、日本の子どもが読みやすいように工夫されているのがわかる。

シンプルな文と柿本幸造の絵の組み合わせは、何とも言えない「ほっこり」な世界をかもし出している。

意外にも、この「ほっこり感、ほのぼの感」、言うならば、「こたつでみかん」的な幸せな感覚は、『クリスマスの森』からは感じられない。

『クリスマスの森』は生き生きとした躍動感が前面に出ている感じ。

 

森の動物たちにほっこり

眠っているサンタおじさんと、そりにいっぱいのプレゼントを見つけた1匹のきつね。

森の動物たちをよびあつめ、プレゼントをみんなで手分けして配ろうって、呼びかける。

『クリスマスの森』では、この動物たちの話し合い、特にキツネの演説は長セリフで、説得力がある。

『サンタおじさんのいねむり』では、キツネのセリフだけが短く書かれている。

この文のシンプルさが、絵から伝わるカラフルさやかわいらしさを際立たせているんだよね。

 

「ありのまま」サンタにほっこり

朝、目を覚ましたサンタおじさんはまっさおになる。

だけど、すぐに、森の動物たちがプレゼントを運んでくれたことに気づき、涙を浮かべて感謝する。

とってもいいお話なんだけど、サンタおじさん、一年で一番大事なお仕事、すっぽかしちゃったんだもんね。

大人なら、読んでて「ありえねー!」って叫びたくなる展開(笑)

なんか、サンタおじさんのしょうもなさと、それでも助けてもらえる愛らしさの両方を感じる。

「サンタだからってちゃんとしてないよ」みたいな、ありのままなサンタ。

お話はシンプルで、子ども向けなんだけど、大人が読むと、「え?いいの?(笑)」みたいな感じで、意外な展開に心が和む。

 

柿本幸造の絵の魅力

『サンタおじさんのいねむり』一番の見どころは、やっぱり絵にあると思う。

柿本幸造の描く絵は、日本人の心に響く、「昭和のなつかしさ」が、どこか漂っているんだよね。

絵を見ているだけで、それは遠い外国のお話ではなく、とても身近な世界のことのように思える。

小さいころに読んだ昔ばなしとか、童謡のイメージに近い感じもある。

 

サンタがかわいい

サンタさんの絵が、これまたかわいらしい。

他の絵本だと、太ってて威厳のある、おじいちゃんみたいなイメージがあるけれど。

『サンタおじさんのいねむり』のサンタは、姿が小さくてかわいい。

仕事中に居眠りしてしまうのんきな感じが、柿本幸造の描く絵と見事にマッチしている。

子どもにひげと衣装を着せたらこんなかわいいサンタになると思う。

 

4.柿本幸造ラバーが集結した座談会

2015年に絵本ナビが主催した座談会の様子が掲載されていて、とてもおもしろかった。

なにより、各出版社おすすめの柿本幸造作品の紹介が、皆さんの熱が伝わってくる(笑)

編集者や書店員自身が、誰よりも柿本幸造作品のファンであることが伝わってくるインタビュー。

柿本幸造さん 生誕100周年記念特別企画 出版社・書店 座談会/絵本ナビ公式サイト

 

まとめ

クリスマス絵本『サンタおじさんのいねむり』まとめ。

  1. ルイーズ・ファチオとロジャー・デュボアザン
  2. 絵本を読んだきっかけ
  3. 絵本『クリスマスの森』
  4. 柿本幸造の絵にほっこり
  5. 【心をつなぐあたたかな色 柿本幸造の絵本の世界】武蔵野市立吉祥寺美術館

かわいらしいサンタクロースに心がほっこりするよ。

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同じ原作の絵本『クリスマスの森』については、こちらの記事をどうぞ。

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

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