絵本

『せいめいのれきし』バージニア・リー・バートン。改訂版の特徴

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出典:バージニア・リー・バートン『せいめいのれきし改訂版』2015年、岩波書店

バージニア・リー・バートンの展示をみてから、代表作の絵本を読み返したくなって、『せいめいのれきし』を図書館で借りてきたよ。

子どもの頃にも読んだはずなのに、大人になってから読むと、新鮮に感じる。

今回はそんな『せいめいのれきし』の魅力を紹介するよ。

  1. ノンフィクション
  2. 学術的におもしろい
  3. マクロからミクロの視点
  4. 改訂版の特徴
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背景

『せいめいのれきし』(Life Story)は1962年に原書、1964年に日本語版が出版された絵本。

地球誕生から現代までを、生物学・地学・人類の歴史の全部を取り入れ、絵によって分かり易く描いている。

2015年に改訂版を出版。2009年にアメリカで刊行されたUpdated Editionをもとに、「宇宙」「地球」「生き物の進化」の歴史など、適宜改訂が加えられた。

バージニア・リー・バートン

1909-1968。アメリカの画家・絵本作家・デザイナー。

バージニア・リー・バートンについては、この記事で詳しく紹介しています。

石井桃子(いしい・ももこ)/訳

1907-2008。埼玉県生まれ。

1950年より岩波書店に勤務。編集者として『岩波少年文庫』の企画編集に携わる。

1954年、ロックフェラー財団研究員として留学するため岩波書店を退社し、横浜港から渡米。1955年9月に帰国。

1958年、荻窪の自宅の一室に児童図書室「かつら文庫」を開く。この取り組みはのちに『子どもの図書館』(1965年)にまとめられ、公共図書館における児童文庫の普及に大きな影響を与えた。

1964年、バージニア・リー・バートンが来日した際、かつら文庫に招いた。

主な訳書(絵本)

  • はたらきもののじょせつしゃけいてぃー バージニア・リー・バートン 福音館書店、1962
  • 『うさこちゃん』シリーズ。ちいさなうさこちゃん ディック・ブルーナ 福音館書店、1964(子どもがはじめてであう絵本)他
  • 『ピーターラビット』シリーズ。ピーターラビットのおはなし、ベンジャミンバニーのおはなし、その他 ビアトリクス・ポター 福音館書店、1971(ピーターラビットの絵本)
    その他多数

真鍋真(まなべ・まこと)/監修

1959-。古生物学者、恐竜学者。

恐竜など中生代の化石から読み解く爬虫類、鳥類の進化を主な研究テーマとしている。

東京都生まれ。イギリス・ブリストル大学理学部地質学科で博士号を取得。

1994年より国立科学博物館地学研究部に勤務し、2016年現在、生命進化史研究グループ長。

『深読み!絵本「せいめいのれきし」』を出版。『せいめいのれきし』の見どころを詳しく案内し、最新の情報も写真でわかりやすく解説している。

内容紹介

地球に生命が誕生してから、今この瞬間までのお話を5章28場のお芝居形式で紹介。

バートンが8年もかけて描きあげた、ユニークで美しい絵と詩情豊かなストーリー。

特徴①楽しく学べるノンフィクション

ももちんが子どものとき、童話はとても好きだったんだけど、星とか恐竜とかは、あんまり興味なかったんだよね。

ちいさい頃、初めに『せいめいのれきし』を読んだときも、内容にそんなに興味を持てなかった。

けど、絵だけはきれいで好きだったから、何度も見返してた記憶がある。

今読み返してみると、『せいめいのれきし』って、当たり前だけど、完全にノンフィクションなんだよね。

地球上に生まれた植物や動物などの生物の歴史。

教科でいうと理科だよね。人間が出てきてからは社会の要素もあるけど。

そう考えると、理科や社会が嫌いだった子どものももちんが、絵を見るためにおもしろくめくってただけでも、『せいめいのれきし』の功績は大きい。

恐竜とかが好きな子どもならなおさら、おもしろく見てたんだろうなあ。

特徴②学術的におもしろい!

文章を改めて読んでみると、学術的にきちんとしたことを、わかりやすく書いてくれている。

三葉虫が1億年海底の王様!とか、さらっと書いてるけど、1億年て、どんだけよ。

人間の歴史なんて、せいぜい1万年。

その一万倍の間、海底に君臨してたわけだから、もう、想像を超えるよね。

あとやっぱり、恐竜の進化についての内容が詳しい。

直径約10kmの天体が地球にぶつかって、地球は寒くなり、恐竜たちは絶滅したらしい。

スケールが大きすぎます。

特徴③マクロからミクロへ

宇宙から始まって、銀河、太陽、地球、そして生き物の進化と人間の生活まで。

一冊の本の中で、究極に大きい視点から、一気に身近な生活までつながっていく。

自分というひとりの人間は、ふだんは、宇宙とか、地球とか大きすぎるものとは切り離されて感じる。

でも、全部つながっていることを、『せいめいのれきし』はやさしく教えてくれる。

『せいめいのれきし』を読むと、ひとりの人間が、とってもちっぽけであることを感じる。

一方で、自分が感じている時間の流れ、季節や一日の移り変わりを、丁寧に感じたい、という気持ちが生まれるんだ。

ちっぽけだけど、命が宿っているあたたかさを感じたよ。

特徴④改訂版の経緯と内容

改訂の経緯

バージニア・リー・バートンが『せいめいのれきし』を描いたのが1964年。

それから50年以上が経って、その間にいろいろな発見があった。

『せいめいのれきし』の内容が科学的には古くなってしまったことから、貸し出しや閲覧を止めてしまった図書館が出てくるようになったんだって。

アメリカでは文章の改訂版が2009年に出されていたので、日本でも文章の最低限の改訂が行われることになった。

参考:『この本読んで!2017冬号』出版文化産業振興財団

改訂内容

読み比べしたかったんだけど、実家にあった旧版、おかんが図書館に寄付してた・・・ざっくりこんな内容みたい。

  • 2006年に準惑星に格下げとなった冥王星を惑星から外した
  • 恐竜絶滅の原因が隕石(いんせき)衝突であったとの記述を追加した
  • 恐竜の一部が鳥に進化したことも盛り込んだ
  • 生き物の表記は現在の読み方に修正した
  • ティラノサウルスは現在、しっぽを伸ばして走っていたことが分かっているが、「バートンさんの絵の魅力を大事にしたい」としっぽを引きずっている絵を変更しなかった。※参考:日本経済新聞公式サイト

まとめ

『せいめいのれきし』見どころまとめ。

  1. ノンフィクション
  2. 学術的におもしろい
  3. マクロからミクロの視点
  4. 改訂版の特徴

内容を改訂して、昔の絵本が今も愛されつづけるのは、昔子どもだったももちんにはうれしいし、ありがたい。

大人になって、同じ本を読み返すのが、最近のももちんの趣味です。

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