『プー横丁にたった家』は、イギリスの有名な児童文学『クマのプーさん』の続編。
『クマのプーさん』でおなじみの仲間たちに新登場のトラーが加わり、再びお話がくり広げられる。
この記事で紹介する本
こんな方におすすめ
- 『プー横丁にたった家』のあらすじと見どころを知りたい
- 「クマのプーさん展」を観に行く前に本を読んでおこうと思っている
『プー横丁にたった家』とは?
児童文学『プー横丁にたった家』(原題”The House At Pooh Corner”)は、1928年に発表されたA・A・ミルンの児童文学。
1926年に刊行され、大人気となった『クマのプーさん』(原題”Winnie The Pooh”)の続編。
A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳。
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内容紹介
おなじみのクリストファー・ロビンと仲間たちが住む森へゆくと、わたしたちはいつでもすてきな魔法の冒険に出会えますー。
プーやコブタたちのところへ、はねっかえりのトラーがあらわれました。
引用元:『プー横丁にたった家』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
主な登場人物
クリストファー・ロビン・・・仲間たちに頼りにされている、森で一番かしこい少年。プーのことが大好き。
プー・・・ハチミツが大好きな、心優しいクマ。
コブタ・・・プーの一番の友人のコブタ。気は小さいけど、仲間想い。
フクロ・・・森一番の物知りのフクロウ。難しい言葉を使いたがる。
ウサギ・・・みんなのまとめ役だが、せっかちでたまに失敗をする。
イーヨー・・・とても悲観的な性格の、年取ったロバ。
カンガ&ルー・・・カンガルーの親子。愛情深い母親のカンガと好奇心いっぱいのルー坊や。
トラー・・・元気なはねっかえりで森に騒動を起こすトラの子。今作で初めて登場。
参考:「MOE」2019年3月号
エピソード一覧
物語は、まえがきとお話で構成されている。
お話のタイトルは次のとおり。
- プー横丁にイーヨーの家がたつお話
- トラーが森にやってきて、朝ごはんをたべるお話
- 捜索隊がそきしされて、コブタがまたゾゾに会うお話
- トラーは木にのぼらないということがわかるお話
- ウサギがいそがしく働いて、クリストファー・ロビンがお昼まえになにをするのかが、みんなにわかるお話
- プーがあたらしい遊戯を発明して、イーヨーが仲間にはいるお話
- トラーが、はねっかえりをなおされるお話
- コブタが、とてもりっぱなことをするお話
- イーヨーがクフロ荘を見つけて、フクロがそこへひっこすお話
- クリストファー・ロビンが、魔法の丘に出かけ、ふたりは、いまもそこにおります
『プー横丁にたった家』を読んだきっかけ
ももちんが『プー横丁にたった家』を読んだきっかけは、「クマのプーさん展」に行ったこと。
プーさんの物語の本が『クマのプーさん』と『プー横丁にたった家』の2冊あることを知った。
図書館で2冊とも借りてきて読みました。
「クマのプーさん展」感想はこちら
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『プー横丁にたった家』を読んだ感想
前作『クマのプーさん』に続き、『プー横丁にたった家』でも、百町森を舞台にプーと仲間たちの小さな冒険がくり広げられる。
そこはやっぱり、やさしさしかない場所。
いろんな個性が、そのまんま受け入れられる世界。
『プー横丁にたった家』ポイント
変わらないプー
かわいい後ろ姿で橋の下をのぞいているのは、棒を川になげて橋の反対側に先にながれてきたら勝ち、という遊び「プー棒投げ」。モデルになった橋では、いまでも観光客が、プー棒投げを楽しんでいるとか。会場でもこれをイメージした橋がつくられるんだって。#プーさん #原画 #poohsticks pic.twitter.com/y21qdF52aY
— クマのプーさん展 【公式】 (@wp2019jp) 2019年1月12日
相変わらずのんびり屋のプーに出会えると、ほっこりする。
散歩しながら即興の歌をうたい、午前11時には「なにかひと口」つまみ、家にハチミツのつぼをたくさんおいている・・・
「いやんなっちゃう!」っていう気分のときも、次の瞬間には流れていってるんだよね。
こんなプーさんの日常を見ているだけで、どこか張りつめていた心がゆるんでくる。
失敗しても結局うまくいく
プーは今作でも、仲間のために役に立とうと、いろいろ行動する。
だけど、一生懸命やっているのに、失敗することも多いんだよね。
イーヨーの家
雪の降る季節、プーとコブタは、家がないイーヨーのために、家をたててあげることにする。
コブタは、枝がたくさんたまっている場所を見つけ、その枝を使って、プーたちは家を建てるんだよね。
ところが、はじめに枝がたまっていた場所は、イーヨーが自分のために建てた家だったんだ。
イーヨーの話を聞いて、あわてるプーとコブタ。
だけど、大丈夫。
プーとコブタが建てた家の場所の方が、最初にあった家の場所より、ずっとあたたかい場所だったんだ。
満足げなイーヨーを見て、ほっと胸をなでおろすプーとコブタ。
これがのちに「プー横丁にたった家」と名づけられた家だったんだ。
探しものは意外な場所に
ある日、ウサギの親せき友人のひとり「チビ」を探す捜索隊がつくられた。
チビって、どんなものかもわからないプーは、コブタのところへ聞きに行くんだ。
その途中で、プーは深い穴に落ちてしまう。
穴の底で出会ったのは、ちょっと前に同じく落ちてしまったコブタ。
その穴は、前作『クマのプーさん』でプーとコブタがゾゾをつかまえるために掘った穴なんだよね。
チビの捜索を手伝うつもりが、こんなことに!
だけど、大丈夫。
コブタは、プーの背中にくっついているチビ(虫)を見つけるんだ。
失敗してもいちいちとらわれずに、次の展開に身を任せるプー。
一見失敗に見えても、最後にはうまくいっているところがさすが!って思った。
プーとコブタの友情
『プー横丁にたった家』では、仲間同士で協力したり、一緒に体験してくり広げるお話が多い。
そんな中で、プーとコブタは変わらず、お互いへの思いやりや愛情が感じられる。
プーとコブタが出会う場所
しょっちゅうお互いの家を行き来しているプーとコブタ。
ちょうどプーの家とコブタの家の真ん中らへんに、ばったり二人が出くわす場所がある。
そこを通れば、大好きな友だちに会えるかもしれない。
森の中にそんな場所があると想像するだけで、わくわくするよね。
道に迷ったとき
ウサギの案で、トラーを森に一人ぼっちにしようとたくらんだ結果、逆に迷ってしまったコブタとプーとウサギ。
そのときの、コブタがとってもかわいい。
コブタは怖がりだけど、不安も素直に表現して、自分からプーと手をつなぐ。
この素直さ、見習いたいなぁ、って思ったよ。
新たな一面を見せる仲間たち
今作でも、登場人物全員が絶妙なタイミングで、それぞれのキャラクターを発揮している。
仲間たちとのかかわりあいの中で、前作では見えてこなかった新たな一面を見せてくれる。
新登場トラー
今作で初めて登場するのが、トラの子のトラー。
ある夜突然、プーの家を訪問するトラーは、身体は大きいけど、まだまだはねっかえりの子ども。
その鳴き声は「ウォラウォラウォラウォラ」(笑)
プーのおおらかさ
初めてであった者がなんだかわからないけど、プーは警戒心もなく、初めから受け入れているところがすごい。
プーは、あやうく、四度めの「こんばんは!」をいいかけたのですが、きゅうに、それはいわないことにして、かわりに「どなたです?」と、いいました。
「ぼく。」と、その声はいいました。
「へえ!」と、プーはいって、「ま、こっちへきたまえ。」
引用元:『プー横丁にたった家』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
全然「へえ!」ていう状況じゃないのに、「へえ!」で受け入れちゃってるプー。
この後も、トラーは鏡にもう一人の自分を見つけたり、テーブルクロスと取っ組み合ったり、いろんなやんちゃをする。
だけど、その都度プーは、怒ることもなく、淡々と説明してやるんだよね。
すぐに受け入れるカンガ
森の仲間たちのところをまわって、最後にトラーをわが家に受け入れるのは、母親のカンガ。
トラーがまだ子どもだとすぐに分かったカンガは、わが子のルーと同じように接するんだよね。
プーと仲間たちのなかでも、ももちんがあまり好きではないキャラがカンガなんだけど、分け隔てなく子どもに愛情を注ぐカンガは、根っからのお母さんなんだな、と思った。
悪いやつではない
はねっかえりのトラーが遊んでいると、悪気はないのに、周りの仲間たちに迷惑をかけてしまうことがあるんだよね。
イーヨーが川の土手にいるとき、トラーが後ろで大きなせきをして、イーヨーは川へおちてしまう。
そのせきも「ゲゲゲゲエップシュウ!」ていう得体のしれない音(笑)
「ぼく、せきしただけなんだ。」というトラーと、「はねとばしおったわ。」というイーヨー。
それでも仲たがいは長くはつづかず、みんなで「プー棒投げ」で夢中で遊んだ二人は仲直りする。
みんなが思いやりを持ってトラーに接するから、トラーものびのび育っていくね。
コブタの勇敢さ
コブタはいつもプーと一緒にいて、プーに守ってもらうような感じだけど、今作ではコブタが活躍するお話があるんだよね。
プーとコブタがフクロの家に遊びに来ているとき、強い風でフクロの家がつぶれてしまうんだ。
身体の小さいコブタは、勇気をふりしぼって家のすき間から抜け出し、助けを呼びに行く。
このコブタの勇敢さをたたえて、プーは後にコブタのための歌をつくるんだよね。
勇敢なコブタをたたえるプーの歌と、心から喜ぶコブタ。
この喜びは決して表面的なものではなく、コブタはこの歌を聴いて、「ぼくは勇敢なんだ・・・」と深く納得するんだ。
その勇敢さが、わが家さえも友に譲る優しさへとつながっている。
勇敢さが優しさへ
家が壊れたフクロのために、イーヨーは空き家を見つけてくる。
なんと、その家は、コブタが誇りをもって住んでいる「トオリヌケ・キ」の家だった。
あなたなら、友人のために見つかった「空き家」が、実は自分の家だったらどうする?
ももちんなら、すぐ「自分の家ですけどー」って言っちゃう。
コブタは自分の都合を考える前に、プーが示してくれた自分のなかの勇敢さを信頼し、フクロに家をゆずったんだよね。
プーは、コブタの優しさをみて、自分の家に来るように言う。
やさしさの連鎖に心を動かされました。
ウサギ
みんなのまとめ役に見えて実はそそっかしいウサギ。
新入りをすぐには受け入れないところが、ちょっと人間ぽいんだよね。
前作ではカンガ&ルーをだまそうと計画したけど、今作ではトラーのはねっかえりを直そうと計画を立てる。
その方法は、トラーを道に迷わせて、途方にくれさせること。
「なぜって、おとなしいトラーになるからさ。かなしくって、さびしくって、小さくて、すまながるトラーになって、ああ、ウサギさん、どんなに会いたかったか、というようなトラーになるからさ。だからさ。」
引用元:『プー横丁にたった家』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
自分にとって都合の悪い存在をコントロールしたくなる、ちょっとしたウサギの闇が垣間見える。
プーとコブタもウサギのこの計画に乗るんだけど、これ、うまくいくと思う?
案の定、うまくいかないんだよね。
結果、ウサギは一人で迷子になってしまうんだ。
「かなしくって、さびしくって、小さくて、すまながる」のはトラーではなく、ウサギ自身になっちゃったんだよね。
じゃ、トラーはどうしたかというと、ウサギを探しに来てくれる。
ウサギは感謝の気持ちとともに、トラーの「はねっかえり」という個性をみとめるんだよね。
陽気で陰気なイーヨー
年よりロバのイーヨーは悲観的な性格で、なんだか貧乏くじを引いてしまう。
雪の中、家がなくて数週間ひとりで埋もれていたり・・・
ウサギの友人「チビ」が見つかったことを知らされず、数日間ひとりで探していたり・・・
トラーのおかげで川に落ちて流されたり・・・
なかなかさんざんなことが起きてる(笑)
それでも、今作ではずいぶん仲間とのかかわりが増えているんだよね。
家がなくなったときは、プーとコブタがもっと快適な家をイーヨーのために建ててくれていた。
トラーのことも最初は怒っていたけど、棒投げの遊びですぐ仲直りし、コツを教えてあげたりしていた。
なんだかんだで、森の仲間たちから気にかけてもらい、愛されているイーヨーなんだよね。
「仲間のために」が予期せぬ結果に
イーヨーは、自分から仲間のために動くこともある。
だけど、その行動が予期せぬ結果になることもあるんだよね。
家をなくしたフクロのために、見つけてあげた家が、実はコブタの家だったり。
クリストファー・ロビンにお別れの詩を書いたときも、本当はイーヨーが読むはずだったのに、おじけずいてその場を去ってしまう。
ここぞという場面で、だれかをがっかりさせてしまうこともあるイーヨー。
全部ひっくるめて、愛すべき存在なんだよね。
クリストファー・ロビンの成長
今作でクリストファー・ロビンは、プーや仲間たちとちょっと距離が感じられる。
変わらないプーたちと、変わりゆくクリストファー・ロビン。
両方が鮮明になることで、ユーモラスなお話の奥に、せつなさすら感じられるんだよね。
午前中留守にするわけ
今作では、クリストファー・ロビンが留守にすることが多くなっているわけを、ウサギが中心となって探るお話がある。
実はクリストファー・ロビンは、学校に行き始めるんだよね。
E.H.シェパードの描く、学校帰りのクリストファーロビンの絵がかわいい。
リンゴをかじりながら陽気に歩いてる様子が伝わってくるんだよね。
クリストファー・ロビンは、百町森という想像の世界から抜けて、少しずつ現実の世界に歩み始める。
プーが大好き!を隠す
クリストファー・ロビンの冷静さと素直さは、前作『クマのプーさん』から感じていた。
今作では「プーが大好き!」という気持ちを、ちょっと隠す場面がかわいい。
プーとコブタが道に迷ったとき、クリストファー・ロビンは探しに出かける。
プーを見つけてほっとしたはずなんだけど、それをあからさまには出さない。
平気な顔していたクリストファー・ロビンだけど、このあとプーとしばらく一緒にいるんだよね。
「ぼくもいっしょにいって、見てるよ。」クリストファー・ロビンはいいました。
そこで、クリストファー・ロビンは、いっしょにプーの家へいくと、ずいぶんながいこと、プーのすることを見ていました・・・・
引用元:『プー横丁にたった家』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
言葉にはしないけど、クリストファー・ロビンはプーが大好きっていうのが伝わってくる。
みんなの気持ちがわかる
前作同様、今作でもクリストファー・ロビンのかしこさは健在で、みんなに頼られているんだよね。
なにか問題が起こったとき、森の仲間たちはクリストファー・ロビンに意見を求める場面が多い。
クリストファー・ロビンは、どちらかの味方になることはしない。
自然と、みんなが仲良くしたり、本人に考えてもらうように働きかけるクリストファー・ロビン、すごいなあ、と思った。
みんなが感じる「お別れ」
『プー横丁にたった家』は、A.A.ミルン作「クマのプーさん」シリーズ4冊のうち、最後の本。
クリストファー・ロビンは、プーや森の仲間たちとのお別れを予感している。
最終章では、とめることのできない流れにいるクリストファー・ロビンの寂しさが、じわじわ伝わってくる。
プーの「幸せなとき」に共感
「世界じゅうでいちばん、どんなことをするのが好き?」
クリストファー・ロビンは、プーにそう問いかける。
プーが考えたあげくに出すめっちゃ具体的な回答、すごく共感した。
大好きなハチミツを食べることより、もっと楽しいこと。
大好きな人と、心あたたかな、穏やかなときを一緒に過ごす時間。
それがどんな時かは、人によって違うけど、ももちんもそういうときが好きだなって思った。
なんにもしないが幸せ?
いっぽうで、クリストファー・ロビンの好きなことは、ちょっとちがった。
クリストファー・ロビンが今一番していたいことは、「なにもしないでいること」。
なにもしないというのは、ただ、「今」を過ごすこと。
目的がなく、森をブラブラしたり、聞こえないことをきいたり、なにも気にかけないでいること。
100%の信頼で、想像の世界にひたっていられること。
クリストファー・ロビンは、自分がだんだんそうじゃなくなってきていることに気づいているんだよね。
過去や未来のことを考えたり、何かのために何かをしたり、し始めているんだ。
「プー、ぼくがーあのねえーぼくが、なにもしないでなんかいられなくなっても、ときどき、きみ、ここへきてくれる?」
引用元:『プー横丁にたった家』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年
このセリフには、クリストファー・ロビンの、変わっていくことを受け入れられない不安と、プーとはなれたくないという気持ちが伝わってくる。
優しい世界の先にあるもの
幼い子どものころ、一日一日が冒険だった。
おままごとはそのまんま自分が住んでいる世界だったし、数百メートル先の向こう側が未知の世界だった。
成長していくにつれ、その魔法は自然ととけていく。
クリストファー・ロビンは、ずっとその魔法の中にいたかったんだよね。
でも、大人になったからこそ、わかることがある。
たとえ忘れちゃったとしても、いつでも、魔法の森は心の中にある。
いつだって、その魔法の時間に帰ってこれるんだ。
大人になってから『クマのプーさん』を読んだももちんは思った。
大人になるって悪いことじゃない。
子どもの心を思いだした大人なら、何かに夢中になる「魔法の時間」を「今」にだってもたらすことができる。
魔法の時間は子どもだけの特権じゃないんだよ。
感想おさらい
他出版社の『プー横丁にたった家』
今回の記事は、石井桃子翻訳の岩波少年文庫『プー横丁にたった家』(2000年)をもとに書いた。
『プー横丁にたった家』は2019年3月現在、岩波少年文庫以外で2社から出版されているよ。
それぞれの出版社ごとに、翻訳者や特徴をあげておく。
角川文庫『プー通りの家』
「#クマのプーさん」生みの親
A・A・ミルンさんが生まれた日ですプー通りの家 クマのプー
森絵都さんの新訳でいかがでしょう?https://t.co/kMyZmHCYTH pic.twitter.com/dabxDYXPXr— カドブン (@KadokawaBunko) 2018年1月17日
角川文庫より2017年に刊行されたのは、直木賞作家の森絵都による新訳『プー通りの家』。
単純に大人向けに漢字多めというところもあるし、表現が現代語なので、すらすら止まらずに読める。
森絵都自身が児童文学も書くので、キャラクターのツボを心得てて、かつわかりやすいんだよね。
挿絵を担当したのは、佐藤さとる「コロボックル」シリーズの挿絵でも有名な村上勉。
電子書籍版では、村上勉の挿絵をカラーで楽しむことができるよ。
新潮文庫『プーの細道にたった家』
新潮社より2016年に刊行された『プーの細道にたった家』は、エッセイストでテレビにもよく出ている阿川佐和子による新訳。
大人向けの単行本なので、やはり漢字多用・ふりがな少なめという点では、石井桃子訳より読みやすい。
阿川佐和子訳は、読んでいて、全体的に甘さというか、柔らかさを感じた。
挿絵を手がけたのは、人気イラストレーターの100%ORANGE。
文庫版が出ておらず、手ごろに読めないのが難点。
プーさんの他の本はこちら
『クマのプーさん』18シリーズ比較。翻訳、イラスト、映画まとめ!
『クマのプーさん』は、イギリスの作家A.A.ミルンが生んだ、世界中で愛読されている児童文学。 現在さまざまな出版社から刊行されているので、特徴別にまとめてみた。 こんな方におすすめ 『クマのプーさん』 ...
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まとめ
『プー横丁にたった家』見どころまとめ。
『プー横丁にたった家』感想
- 変わらないプーの優しさにほっこり
- コブタのプーへの信頼と勇敢さに感動
- はねっかえりのトラーがみんなの思いやりを引き出す
- ウサギの人間ぽさに共感
- 悲観的で空気読まなくても愛されるイーヨー
- 変わらないプーたちと、変わりゆくクリストファー・ロビン
- 大人になってもいつだって魔法を使うことができる
クマのプーさん展に行く前に、『クマのプーさん』とセットで読んでおくと、プーさんの世界をより深く味わえるよ。
プーさんの記事
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