『ムーミン谷の冬』本の感想。ひとり冬眠からさめたムーミントロール

投稿日:2019年6月9日 更新日:

『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年


『ムーミン谷の冬』はトーベ・ヤンソンの小説「ムーミン」シリーズの6作目。

ムーミントロールがひとリ冬眠から目をさまし、初めて冬の世界を見る。

おしゃまさんと心を通わせながら、冬の静けさと魅力を知っていく。

こんな方におすすめ

  • 小説『ムーミン谷の冬』のあらすじと見どころを知りたい
  • アニメの『ムーミン谷の冬』について知りたい
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1.『ムーミン谷の冬』とは?

上段左から『ムーミン谷の彗星』下村隆一訳
『たのしいムーミン一家』山室静訳
『ムーミンパパの思い出』小野寺百合子訳
『ムーミン谷の夏まつり』下村隆一訳
下段左から『ムーミン谷の冬』山室静訳
『ムーミン谷の仲間たち』山室静訳
『ムーミンパパの海へいく』小野寺百合子訳
『ムーミン谷の十一月』鈴木徹郎訳
『小さなトロールと大きな洪水』冨原眞弓訳
いずれもヤンソン作、講談社、2011年

『ムーミン谷の冬』(原題”Trollvinter”)は、フィンランドの女流作家・画家のトーベ・ヤンソンにより、1957年に刊行された。

1945~1970年に刊行された小説「ムーミン」シリーズ全9作の第6作目。

トーベ・ヤンソンは今作で国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。

日本では1964年、山室静訳、池田龍雄挿絵で講談社刊「少年少女新世界文学全集 第27巻」に掲載された。

日本で一番初めに刊行されたムーミンシリーズは、この『ムーミン谷の冬』である。

参考:「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」図録、『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年、Wikipedia

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2.あらすじ

まっ白な雪にうもれたムーミン谷。みんなといっしょに冬眠にはいったムーミントロールは、どうしたわけかひとり、目をさましてしまいます。

外に出ると、そこは白一色の世界!(中略)はじめて知る冬の世界は、おどろきと出会いがいっぱい!

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2014年

登場人物

  • ムーミントロール:今作の主人公。ムーミン一家の好奇心旺盛な優しい男の子。
  • ちびのミイ:ミムラねえさんの妹。裁縫箱にもぐりこめるほど小さい。

冬にあらわれる

  • おしゃまさん:冬の間水あび小屋で暮らす、穏やかで冷静な女の子。
  • モラン:触れるものを凍りつかせる女の魔物。
  • スキーをするヘムレン:スキーとラッパが得意な陽気なヘムレン。
  • めそめそ:帽子をかぶりぼろきれをまとったイヌ。オオカミにあこがれている。
  • サロメちゃん:はい虫の女の子。スキーをするヘムレンを尊敬する。
  • ご先祖さま:毛むくじゃらの小さな生き物。ムーミン族の先祖といわれている。

春に目をさます

  • ムーミンパパ:ムーミントロールの父親。夢見がちでロマンチスト。
  • ムーミンママ:ムーミントロールの母親。常に黒いハンドバッグを携帯している。
  • スノークのおじょうさん:ムーミントロールのガールフレンド。
  • ミムラねえさん:ミムラ兄弟姉妹の長女。しっかり者でさばさばした性格。

参考:Wikipedia

エピソード一覧

  1. 雪にうずまった家:ムーミントロールが一人冬眠から目をさます
  2. 水あび小屋のふしぎ:ミイも目をさます。ムーミントロールがおしゃまさんに出会う
  3. 大きな白うま:氷姫がやってきて、リスを凍らせてしまう
  4. おかしな人たち:闇の生き物たちが冬の大かがり火をたく
  5. あたらしいお客たち:ムーミン屋敷に新しいお客が集う
  6. 春がきた:お客たちは帰っていき、ムーミンママたちが冬眠から目覚める
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3.本の感想

『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

『ムーミン谷の冬』は、シリーズの中で唯一「冬」を舞台に描かれている物語。

ムーミンたちはいつも、晩秋から春にかけて冬眠するので、冬については語られることがなかったんだよね。

今作は、冒険したりハプニングや楽しいことがあったりするのとは、ちょっとちがう。

ムーミントロールが、家族も見知った友だちもいないなか、生まれて初めての冬を過ごす。

孤独や懐かしさをこえて、かつて感じたことのなかった、心の内側の静かな部分があらわれる

ももちん
舞台が「ムーミン屋敷のまわりだけ」というのもあたらしい。

閉鎖された空間の中での物語は、後の『ムーミンパパ海へいく』を思わせる。

3−1.フィンランドの冬

前作『ムーミン谷の夏まつり』は、北欧の「夏至祭」や「白夜」を思わせる描写がたくさんあった。

北欧の人たちにとって短い夏の訪れは、めいっぱいお祝いし、喜びを分かち合う大切な季節なんだよね。

一方で、冬は日がさす時間が短く、暗く長い凍てつく夜が続く。

『ムーミン谷の冬』には、北欧特有の冬の情景・文化が描かれているので、紹介するね。

キャンドル

今作でムーミントロールが出会う友だち「おしゃまさん」。

初めて森でであったとき、おしゃまさんはキャンドルの周りを雪玉で囲んだ「雪のランプ」をこしらえていた。

とても小さいあかりでしたけれど、それでも林の中を、やさしい赤い光でみたしていたのです。

ムーミントロールは、ほっとして、すっかり元気をとりもどしました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

北欧では、暗い冬を乗り越えるために、キャンドルは欠かせないものなんだよね。

キャンドルの小さい火は、みているとほっと落ち着くような「心のあたたかさ」をもたらす。

北欧では、暗く長い冬に、室内でも外でもたくさんのキャンドルを灯すのが一般的。

お店でもキャンドルやキャンドルホルダーがたくさん売っている。

オーロラ

ムーミントロールとおしゃまさんが「雪のランプ」を楽しんでいるとき、空に輝くのがオーロラ。

ムーミントロールも、鼻をもちあげて、きらきらかがやいているオーロラをながめました。おそらく、ムーミン一族でオーロラを見たものは、ほかにはないでしょうね。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

北欧の北極圏で冬に見られるオーロラは、夜空を神秘的に彩る。

太陽が姿をあらわさない極地で、オーロラの光は暗く冷たい空を一層きわだたせる

ももちんが一度フィンランドでオーロラを見たとき、その美しさに感動する半面、たまらなく太陽が恋しくもなった。

たき火

今作で、お日さまが姿を見せる前の日に、海岸でたかれるのが「冬の大かがり火」

「光をおそれるこの世のものではない動物たち」は、このたき火のまわりを不気味におどりまわる。

小さいかげや、大きいかげが、山の上の火のまわりを、おごそかにはねまわりながら、うごいていました。しっぽで、たいこをたたきながら。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

北欧のスウェーデンでは、毎年4月30日に、古い家具や木材を燃料に大きなたき火を燃やし、新しい季節の訪れを祝う。

今作では季節がちょっとずれているけれど、ムーミン屋敷にあった古いベンチなどを燃やした。

わかりやすく「古いもの」を燃やすことで、「新しいもの」を迎え入れる心の準備も整っていくんだね。

コーヒーのひととき

「ムーミン」シリーズではコーヒーを飲む場面がたくさん出てくる。

今作でももちろんコーヒーは必需品。

夜あけのだんだんあかるくなってくるころは、お客たちは、まえの晩に見たゆめの話をしたり、ムーミントロールが台所でコーヒーをいれている音をきいたりして、できるだけのんびりと、朝のひとときをおくりたがりました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

他の記事でも何度か紹介しているけれど、「ムーミン」シリーズといい、スウェーデンの『長くつ下のピッピ』といい、子ども向けの物語でも「コーヒー」が登場するのは北欧の特徴。

それだけ人々の生活にコーヒーが根づいているということなんだよね。

さらに詳しく

ももちん
ももちんは冬が大好き。

真冬にあたたかい室内でホットコーヒーを飲むのがなにより幸せな時間です。

3−2.ひとりぼっちのムーミントロール

毎年11月から4月まで冬眠をするムーミン一家。

だけど、まだ冬のまっただなかの夜に、ムーミントロールは一人目をさましてしまう。

はじめてのひとりぼっち

冒頭では、目覚めたのムーミントロールが感じるぼんやりとした不安や寂しさが描かれている。

きゅうにムーミントロールは、なんだかこわくなって、青白い月の光のさしこんでいるうす暗がりの中で、たちどまりました。とてもさびしくなったのです。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

静かな家の中はなんだか落ち着かない。

頼みのつなのママは、寝返りをうつだけで起きそうもない。

そっとママのふとんの上にまるまって朝を待つムーミントロールの、そばにいてあげたくなる。

朝になって起き出すと、ムーミントロールは、秋にスナフキンからもらった手紙を何度も読み返す。

読みおわると、あおむけにねそべって、調理台のうらの四角な木組みを見あげていました。台所は、とてもひっそりしています。

「チェーリオ(ごきげんよう)」

と、彼は口の中でつぶやきました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

前作までは、ムーミントロールはどんな災難にあっても、かならずムーミンパパやママ、仲間たちの誰かと一緒だった。

ムーミントロールの魅力である、優しさや勇気、好奇心旺盛なところだって、誰かが一緒だから発揮できたんだよね。

それが、たったひとり見知らぬ冬に起きてしまったら、その心細さはどれだけのものだろう?

誰かと一緒だから発揮できる魅力は、ひとりぼっちになったとたんしぼんでしまう。

今では、ムーミントロールはただ寂しく、誰かがいた夏を懐かしむことしかできない

はじめての雪

スナフキンに会いに行こうと、屋根の窓からはいだしてみると、そこには一面まっしろの世界が広がっていた。

鼻にはつんと冷たい空気とあたらしいにおい。

生き物の音は何一つしない、静けさの世界。

「これがきっと、雪というものなんだ」

ムーミントロールは、心の中でつぶやきました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

冬というものを知っている人にとっては、その光景は美しく、静けさは心地良いものかもしれない。

だけど、冬も雪もまったくはじめてのムーミントロールにとって、それは不気味なものでしかなかった。

川は流れがとまりよどんでいるし、木の葉っぱも一枚もついていない。

まるで死んでいるかのような世界。

これは死んでしまったんだ。ぼくがねむっているあいだに、なにもかも死んでしまったんだ。(中略)きっと、モランのしわざだぞ。もう、この世界は、ムーミンのものじゃないんだ)

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

生命の感じられない真っ白な死の世界で、ひとりぼっちを感じたムーミントロール。

今まで感じたことのない孤独を感じながら、それでもスナフキンのいる南に向かって歩きはじめる。

あふれだす恐怖

歩きはじめてまもなく、雪の上に足跡を発見し、ムーミントロールのはりつめていた気持ちが一気にあふれだす。

それは、ひとりじゃないという安堵と、これまで感じないようにしていた「恐怖」

「おうい、待ってくれ。 ぼくをおいてっちゃあだめだよ」

彼はむちゅうでさけびながら、雪の中をはしりだしました。(中略)しまいには、なき声になりました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

ムーミントロールが感じた恐怖とは、なにか怖いものがいるからじゃなく、「なんにもいない、ひとりぼっち」であることからくるもの。

これはそのまんま、「死」の恐怖とつながっている。

今までは、他人との関わりで保っていた「自分」という存在。

そんな「自分」を確認できる人がひとりもいないなか、ひとりで過ごすって、本当に怖いことなんだよね。

誰かがいるかもしれないと思ったとたん、安心して泣いちゃう気持ち、よくわかる。

暗くなり、あきらめて家へ帰る途中で、ムーミントロールは小さなあかりを見つける。

ここで見つけたあかりは、ムーミントロールにとってどれほどの救いだったことだろう。

あかりを目指してたどりついたのは、雪のランプと「おしゃまさん」だった。

3−3.おしゃまさん

 

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ムーミントロールが目覚めてから初めて言葉を交わすのは、このおしゃまさん

おしゃまさんは、冬の間、ムーミン一家の水浴び小屋に住む女の子。

ひとり暮らしを自分流に楽しむ様子や、落ち着いた語り口は、まるで女の子版のスナフキンみたい。

おしゃまさんは、自分が知っている「冬」についてシンプルに教えてくれて、ムーミントロールに安心感をもたらすんだよね。

名言にしびれる

おしゃまさんは、決して口数が多くはないけれど、たまに話す言葉がとっても知的でしびれる。

最初にムーミントロールと話したときも、空に輝くオーロラを見上げて、こんなセリフをいう。

ものごとってものは、みんな、とてもあいまいなものよ。まさにそのことが、わたしを安心させるんだけれどもね

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

哲学的すぎて大人のももちんにもよくわからんけど、なんかかっこいい・・・!

ムーミントロールにもよくわかっていないんだけど、おしゃまさんはそこで話を続けない

おしゃまさんは自分の言葉を、一緒にいる誰かにわかってもらおうとはさらさら思っていないんだよね。

おしゃまさんにとって、「わかりあう」ということは、そんなに重要じゃない。

ムーミントロールにとってはちょっと物足りない友情だけど、だからこそおしゃまさんは、ひとりでも誰かと一緒でも、居心地よく穏やかに過ごしているんだよね。

夏と冬、どっちが本当?

今作でおしゃまさんとムーミントロールは、何度もかみ合わない会話をする。

ムーミントロールにとっては、いまいる世界よりも、夏のほうが楽しい想い出がいっぱいの本当の世界。

だから、おしゃまさんに、夏の様子を自慢げに話すんだけど、おしゃまさんはそっけない

でも、いまでは雪ばっかりね

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

「だけど、いったいどっちの世界がほんとうだか、どうやってわかるの。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

夏しか知らなかったムーミントロールが話すことは、冬を過ごしなれているおしゃまさんにとっては、とても偏った考えなんだよね。

また、ムーミントロールが銀のお盆を盗まれたと文句を言ったときも、一緒になって怒ったりしない。

あんたたちはいったい、あんまりいろんなものをもちすぎてるのよ。思い出の中のものや、ゆめで見るものまでさ

こういって彼女は、第二節をうたいはじめました。

ムーミントロールは、せなかをむけて、

ーあの子には、ちっともぼくの気持ちはつうじないんだな

と考えながら、その場をたちさりました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

今ここにないものを懐かしむことに興味がないおしゃまさん。

共感を求めているのに、してもらえないムーミントロール。

このすれ違いに、ムーミントロールは不満を感じるんだよね。

だけどこの不満も、誰かと出会えたからこそ感じられる、幸せな不満。

ムーミントロールは、もう本当のひとりぼっちの恐怖におびえることはなく、大声で冬への戦いの歌をうたいながら歩くんだ。

3−4.ミイ

ムーミントロールがひとり目をさましたのと同じころ、別の場所では、ちびのミイも目を覚ます。

ムーミントロールと対照的

 

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ミイが初めて雪を見たときの反応が、ムーミントロールと対照的でおもしろい。

それから、雪の上にとんでいって、さわってみました。

なるほど、おかしな気持ちがするものだこと

そういうなり、ミイは小さい雪玉をまるめて、りすの頭にぶつけました。それから、ほらあなをとびだして、冬せいばつにとりかかりました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

雪を見て思い悩むナイーブなムーミントロールと、これはおもしろいとわくわくして雪に乗りだすミイ。

はじめての体験に対してつくりだすそれぞれの反応に、「当たり前」はないんだなあ、と思った。

ミイは、ムーミン屋敷から持ち出した銀のお盆で雪を滑り、ムーミントロールと衝突する。

ふたりが突然出会ったときの反応も、夢中で喜ぶムーミントロールとは対照的。

ムーミントロール、あんたはまったく、あいかわらずね。ところで、このおぼんにろうをぬったら、もうすこしスピードがでないかしら

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

「ひとり」であることを1ミリも悲しまずに、いま目の前にある世界にためらわず踏み出す小さなミイは、すぐにおしゃまさんとも仲良くなる。

体験する前に深く考えることの無意味さを突きつけられる。

ももちん
『ムーミン谷の冬』前半のキャラクターで、きちんとしたセリフがあるのはムーミントロールとミイ、おしゃまさんだけ!

3人はこのあと、二つの出来事「氷姫」と「冬の大かがり火」を目の当たりにするよ。

3−5.氷姫と死んだリス

 

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ある日ムーミントロールは、おしゃまさんがこしらえた雪の馬を見つける。

おしゃまさんがいうには、今夜「氷姫」がやってくるらしい。

おしゃまさんは「氷姫の顔を見つめたものはたちまち凍りついてしまうから、家にいるように」と注意するんだけど、一匹のリスがその忠告を忘れ、氷姫に凍らされてしまう。

三人はリスのお葬式をし、雪の馬がリスを乗せ、立ち去っていく。

死んだリスに対する、ムーミントロールたちのそれぞれの反応がちがうのが興味深い。

悲しむという感情がないミイ

ミイは、リスが死んだと判断すると、平気で「しっぽでマフをつくる」という。

ムーミントロールの反対にあい、マフはあきらめるものの、リスのお葬式の場面でもおもしろそうにスキップする。

ムーミントロールが「きみはちっとも悲しんじゃいない」と言われると、ミイは悪びれずに答える。

「そうよ、あたいにゃ、かなしむってことはできないの。あたいは、よろこぶか、おこるだけ。いったい、あたいがかなしんだら、それがりすさんにとって、なにかの役にたつの。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

「悲しみ」という感情は、たしかに役に立つかと言われたら、そうじゃないのかもしれないって、はじめて思った。

だからって、ミイに愛がないわけではない。

ミイにとって、愛とはとくに「怒り」を通して表現するもの。

「怒り」はいましめたり助けたりするのに役立つけれど、「悲しみ」は何の役にも立たない、とミイは考えているんだね。

ももちん
誰かが死んだとき、悲しむのが「当然」「正しい」って思ってたけど、そうじゃないのかも?

感傷的なムーミントロール

死んだリスを見て、強いショックと悲しみを感じるのがムーミントロール。

ムーミントロールは、目の前で何かが死ぬのを見るのは初めてなのかもしれない。

めずらしく「リスのお葬式をする」と、自分の意見をゆずらないところに、もともとある優しさがあらわれている。

みんなお葬式をするのは初めてだったけど、ムーミントロールはおごそかに指揮をとる。

ももちん
誰かが死んだときのムーミントロールの悲しみは、人間にはなじみぶかい感情だよね。

現実的なおしゃまさん

現実的なおしゃまさんは、リスを見つけたとたんいちはやく外へ出て、リスをつかまえて中にいれる。

リスが死んでいるとわかったとき、ミイやムーミントロールどちらかに賛成することはしない

死んだら、死んだのよ。このりすは、そのうち土になるでしょ。やがて、そのからだの上に木がはえて、あたらしいりすたちが、その枝の上ではねまわるわ。それでもあんたは、かなしいことだと思う?

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

冷静に物事をみきわめるおしゃまさん、すげえ・・・。

いくつもの冬を経験しているおしゃまさんにとって、「死」というものはムーミントロールよりずっと身近なもの。

本来「死」というものは自然の摂理であって、悲しむものではないってこと、よくわかっているんだね。

だけど、おしゃまさんには、ミイのように悲しみという感情がないわけではない。

ムーミントロールの「お葬式をしたい」という意志に賛成し、はしゃぐミイには「だまりなさい」ときびしく言う

ムーミントロールのように悲しみを全面にあらわさないけれど、「りすくんの詩」を朗読し、送り出す姿にじんとくる。

死んだリスの行方

 

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氷姫に凍らされ、お葬式で送り出されたリス。

今作の最後に春がきたとき、ムーミントロールはそれにそっくりのリスを見つける

ムーミントロールはおどろいて、リスに確かめたけど、忘れっぽいリスは思い出せなくて、走り去ってしまう。

本当のところどうかはわからないけど、春がきて、氷が溶けたリスは、息を吹き返したのかもしれない。

3−6.冬の大かがり火

三人が体験する冬の不思議な出来事、もう一つは、「冬の大かがり火」。

このたき火は、毎年お日さまが初めて顔を出す前の日にたかれる、春を迎えるためのたき火だった。

ムーミントロールたちは、「光をおそれるこの世のものではない動物たち」が火をかこみ踊る、不気味な冬まつりの一部始終を目撃する。

モラン

 

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冬の大かがり火の最中に姿をあらわすのが、冷たい女の魔物、モラン。

モランはたき火の上にのっそりすわりこむと、火が消えてしまう。

ムーミントロールがあわててると、おしゃまさんは冷静に答える。

あの人は、火をけしにきたんじゃないの。かわいそうに、あたたまりにきたのよ。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

冷たいモランは、あたたかさをもとめて火の近くにくるんだけど、火はいつも消えてしまい、決してあたたまることができない。

モランはしばらくそこにいたあと、ものいわず、ひとり寂しく暗闇の中へ消えていく

『たのしいムーミン一家』や『ムーミンパパの思い出』にも登場するモランは、「おそろしい魔物」というイメージが強く、嫌われる存在だった。

今作で初めてモランの寂しさが描かれ、その寂しさを理解しているのがおしゃまさんなんだよね。

ももちん
『ムーミンパパ海へいく』では、ムーミントロールはモランに同情し、優しくしてあげる場面があるよ。

春のきざし

大かがり火の翌日、三人は一緒にお日さまが顔をみせるのを待つ。

お日さまが出るのをいままで一番強く願っていたのは、もちろんムーミントロール。

水平線のかなたに、わずかな日の光がようやく見えたとき、ムーミントロールは素直に喜ぶ

「お日さまだ!」(中略)

彼は、ちびのミイをだきあげて、その鼻の頭にキスしました。

いやよ、ばかなことしないで

と、ちびのミイはいいました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

喜びを素直に表現するムーミントロールと、キスを嫌だと素直に表現するミイ、かわいい。

お日さまはたちまち沈んでしまったけれど、これからお日さまが少しずつ大きくなることをおしゃまさんが教えてくれる。

この日、ムーミントロールは初めて落ち着いた心で心地よく夜を過ごす。

初めてお日さまが出た日は、皮肉にも、ムーミントロールが初めて寂しさを感じずに夜を過ごした日でもあったんだよね。

3−7.ヘムレンさん

日も少しずつ高くなり、三人で心地よく暮らしていた頃、ムーミン屋敷には新たなお客が集いはじめる。

長い冬で食料がつきた生き物たちが、「ムーミン屋敷にはたくさんのジャムがある」といううわさを聞きつけたんだよね。

小さなやせ犬のメソメソや、鏡におびえるはい虫のサロメちゃんなど、ちょっと陰気なお客たちとの生活になれた頃、ひとりの元気のいいヘムレンさんがあらわれる。

静けさを乱すヘムレンさん

ヘムレンさんは、ラッパを吹きながら、スキーで雪山をすべりおりてくる。

元気いっぱいなヘムレンさんを目の当たりにして、ムーミントロールは違和感を覚えるんだよね。

どうしてこのヘムルを好きになれないのかと、ふしぎに思っていたのです。

いままで彼は、えたいの知れないあやしいものではなく、ほがらかでからっとしているものがやってくるのを、まちにまっていたのです。

ヘムレンさんこそ、そういう人のはずです。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

ムーミントロールは、目覚めたばかりの夏を懐かしんでいたころの自分と、いまの自分が、明らかに変わっていることに気づいた。

いつのまにか冬の暮らしに慣れ、心も静かに落ち着き、変化を避けるようになっていたんだよね。

その居心地の良さを乱すものが突然あらわれたから、違和感を感じたんだ。

このヘムレンさん、ももちんからみても騒がしくて、じゃまっけに感じた。

  • みんなと一緒に住むのはきゅうくつだからイグルーを建てると言う
  • いきなり冷たい湖に飛びこんで寒中水泳をする
  • 食事の選り好みをする
  • 家の中にいる者に、外はどんなに気持ちいいかを話して聞かせる

なにより困るのは、スキーや水泳をまわりにもすすめること。

ムーミントロールはやりたくもないスキーをやらされ、できなくてしょんぼりしてしまう。

元気をなくしてはだめだよ。さあ、もう一回!

と、ヘムレンさんが、やさしくいいました。

けれども、もう一度も、くそも、ありません。ムーミントロールは、すっかり元気をなくしてしまったのでした

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

ヘムレンさん、いよいようざい(笑)

自分がしていることが誰にとっても正しいことだと思いこんでいるんだよね。

あたらしいことや面倒なことに巻き込まれたくない他のお客たちは、ますますヘムレンさんを避けるようになり、ヘムレンさんはだんだんと孤立していく。

気づかないヘムレンさん

 

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ヘムレンさん自身はどうかと言うと、自分が避けられていることにはいっこうに気づいていない。

他のお客たちは、もともと無口な性格だからしょうがないと思って、親切で話好きの自分に非があるとは思っていないんだよね。

ある晩、おしゃまさんはムーミントロールに、ヘムレンさんにでていくように仕向ける計画をもちかける。

おしゃまさんは意地悪なのではなく、ヘムレンさんにおびえて隠れてしまった他の住民たちのことを気遣っていたんだよね。

計画どおりムーミントロールはヘムレンさんに、おさびし山がスキーにいかにすばらしい山かを話して聞かせ、おさびし山にいくように仕向ける。

心底信じ切ったヘムレンさんを見て、ムーミントロールは突然我に返る。

ぼくのスキーのことを考えてくれるなんて、きみは、なんてやさしいんだろう

ムーミントロールは、そんなヘムレンさんをあきれて見つめました。もうだめでした。彼は、思わず声をはりあげてさけびました。

だけど、あそこの山は、きけんなんですよ

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

突然自分がしていることが人をだますことだと気づいたムーミントロール。

必死でヘムレンさんを行かせないようにとめ、ヘムレンさんもここにとどまることにするんだよね。

計画通りには行かなかったけれど、ムーミントロールは、とても気が軽くなるんだ。

その帰り、初めて雪が降るのを見ながら、ムーミントロールは思う。

これが冬か。そんなら、冬だって好きになれるぞ

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

冬の静けさを味わいながらも、人と関わるあたたかさやめんどくささも知り、ムーミントロールの心は一回り大きくなった。

3−8.春の手前の吹雪

ムーミントロールが初めて雪が降るのを見た日、激しい吹雪が起こる。

はじめての吹雪を通して、ムーミントロールはまたひとつ学ぶんだよね。

吹雪にさからわない

 

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冬の吹雪が初めてのムーミントロールは、吹雪を体中に受けながら風に向かって歩く。

これはてっきり冬のやつが、

どうだ、おれさまにはとてもかなうまいが

とばかり、彼の力をためしているのだと、ムーミントロールは思いこみました。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

雪を見て冬を好きになりかけていたムーミントロールは、今度は吹雪という「おためし」をするなんてと、腹を立てながらも向かっていく。

だけど、とうとう疲れて、吹かれるにまかせてみるんだよね。

すると、とたんに体が軽くなり、きもちよく動いていけることに気づいた。

さあ、いくらでもおどかすがいいや。もう、おまえのやりかたはわかったぞ。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

吹雪にまかせてあるいていると、自然に水浴び小屋にたどりついた。

これは、吹雪のみならず、人生の中で試練がやってきたときの対処とそのまま通じるものがある。

嫌なことに思いっきり抵抗して対処するのもいい。

だけど、それに疲れたときに、ふと力を抜いてまかせてみたら、思いのほか、楽にすすむということもあるよね。

サロメちゃん

吹雪に巻き込まれたもうひとりは、はい虫のサロメちゃん。

サロメちゃんは臆病だけど、意外なことに、陽気でほがらかなヘムレンさんのことが大好きなんだよね。

おしゃまさんとムーミントロールのひそひそ話をこっそりきいていたサロメちゃんは、ヘムレンさんにそれを伝えなきゃ!って思うんだけど、なかなかできない。

吹雪の日、眠りからさめたサロメちゃんは、てっきりヘムレンさんがおさびし山に行ってしまったと思いこむ。

とたんに、サロメちゃんはおそろしくなって、じっとしていられずに、ふぶきの中へとびだしました。

ヘムレンおじさあん!

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

こうしてふぶきの中にいなくなったサロメちゃんを必死で探し、助けるのは、ヘムレンさん。

このふぶきの一件で、ムーミントロールもおしゃまさんも、他のお客たちも、ヘムレンさんを好きになり始めるんだよね。

3−9.春がきた

吹雪の翌日は風もおさまり、みんなは雪合戦をする。

春がくると同時に、みんなの心にも陽気さが芽生えてくるんだよね。

そして、ムーミン屋敷に集っていたお客たちも、それぞれの場所へ帰っていく。

ヘムレンさんは、犬のメソメソとともに、おさびし山へ旅たった。

三人の生活

ふたたびおしゃまさんとちびのミイとの三人の生活に戻り、春の風を感じたムーミントロールはつぶやく。

ぼくは、一年じゅうを知ってるんだ。冬だって知ってるんだもの。一年じゅうを生きぬいた、さいしょのムーミントロールなんだぞ、ぼくは」

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

ムーミントロールは、冬から春への流れは、まったく自然な季節の移り変わりであることを体験で知る。

そして、家族が目覚めることすらおそれるくらい、いまの暮らしを満喫していたんだよね。

おしゃまさん

おしゃまさんは水浴び小屋の掃除をし、めずらしく、これからくる夏に思いをはせるようなことを言いはじめる。

なぜ真冬の寂しいときにその話をしなかったのか、ときくムーミントロールに、おしゃまさんはこう答える。

どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけないものよ。そうして、自分ひとりで、それをのりこえるんだわ

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

あのさびしかった真冬、おしゃまさんがムーミントロールをなだめるようなことを言わなかったのは、「自分で見つけ、乗り越えること」を大切に思っていたから

結果的に、ムーミントロールは孤独をのりこえ、人との関わりから自分を知り、冬を好きになった。

ミイ

ミイは変わらずひとりでスケート遊び。

彼女はいつでも、自分ひとりで楽しむことを知っていました。自分がなにを考えようと、春がどんなにすきであろうと、そのことを人に話す必要は、すこしも感じなかったのです。

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

独立独歩のミイ、素敵。

ムーミントロールやおしゃまさんともまったくちがう、自分自身の力のみで歩む強さと軽やかさを感じる。

家族の目覚め

やがて氷が溶け、海に水が戻ってきたとき、ミイは割れた氷の上にとびのって遊ぶ。

ムーミントロールはミイを助けようと、冷たい海のなかに落ちてしまい、ひどく風邪をひきこんでしまう。

ムーミントロールのくしゃみをきいて、ムーミンママは目覚める。

ママは、ベッドの上におきあがると、こういったのです。

おまえ、外へでて、かぜをひいてきたのね

引用元:『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

目覚めたママは、何事もなかったように、ムーミントロールのお世話、家中の掃除をはじめる。

目覚めた瞬間から「ママ」としての役割を当たり前のようにこなすのが、さすがムーミンママ。

おしゃまさんのてまわしオルガンの音で、ミムラねえさん、スノークのおじょうさん、ムーミンパパも目をさまし、またいつもの春が始まる。

遠ざかるてまわしオルガンの音に耳を傾けながら、ムーミントロールは、自分が過ごした冬のことをお思いだそうとする・・・。

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3−11.おしゃまさんのモデルはトゥーリッキ・ピエティラ

引用元:トーベ・ヤンソン - 「HARU-the Island of the Solitary」「Tove and Tooti in Europe」/ Victor Entertainment

おしゃまさんは今作のほか、次作『ムーミン谷の仲間たち』にも登場する。

知的で独立心があるおしゃまさんは、トーベ・ヤンソンが長年連れ添ったパートナー、トゥーリッキ・ピエティラがモデル

トーベが書いた小説『ムーミン谷の冬』(一九五七)では、トゥーリッキ・ピエティラに対する恋心と愛情が描かれている。この本は、ふたりが同棲を始めて一年が経った頃に出版された。二〇〇〇年の三月、トーベは「『ムーミン谷の冬』を執筆することができたのは、すべてトゥーティのおかげだった」とトゥーリッキに感謝の意を表している。

引用元:『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年

この頃すでにムーミン作家として売れっ子だったトーベは、原稿の締切や契約、コミックスの連載などに追われ、疲労やストレスも大変なものだった。

そんなとき、一緒にいて癒やし、励ます存在だったのが、トゥーリッキなんだよね。

映像で見ると、フォルムもおしゃまさんぽくてかわいらしい。

グラフィックデザイナーとしても活躍していたトゥーリッキは、トーベとともにムーミン屋敷の立体模型など、多数の立体作品の制作を手がけた。

トーベとトゥーリッキは、1964年から25年以上にわたり、フィンランドの孤島、クールヴ島で夏を過ごした。

二人が撮影した映像は、自然と共存しつつましく暮らす日々の豊かさを思い出させてくれる。

参考:Wikipedia、『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年

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4.『ムーミン谷の冬』が読める本の形

今回ももちんが読んだのは、講談社文庫の『ムーミン谷の冬』。

『ムーミン谷の冬』は、文庫以外にも、児童文庫やハードカバーで刊行されている。

中でも、2019年3月から刊行が始まっているソフトカバーの新版は、翻訳が読みやすくクリアな挿絵とのこと。

一度手に取って読んでみたいなぁ。

【2020年秋春】ソフトカバーの新版刊行!

2019年3月に講談社より新しく刊行されているのが、ソフトカバーの『ムーミン全集[新版]』

講談社1990年刊のハードカバー『ムーミン童話全集』を改訂したもの。

翻訳を現代的な表現・言い回しに整え、読みやすくし、クリアなさし絵に全点差し替えられている。

ソフトカバーなので持ち歩きやすい。

これから「ムーミン」シリーズを買って読もうと思っているなら、最新版のこちらがおすすめ。

『ムーミン谷の冬』は2020年春刊行予定。

電子書籍版あり。

新版はココがおすすめ

  • 翻訳が現代的な表現、言い回しに整えられているので読みやすい
  • クリアなさし絵に全点差し替え
  • ふりがな少なめで大人が読みやすい
  • ソフトカバーなので持ち歩きやすい
  • 電子書籍で読める

講談社文庫

『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

講談社文庫の「ムーミン」シリーズは、1978年に初めて刊行された。

2011年に新装版が刊行。

写真では2011年刊行時の表紙だが、2019年3月現在、フィンランド最新刊と共通のカバーデザインに改められている。

文庫版だけど挿絵が豊富で、ふりがなも少なく読みやすい。

大人が手軽にムーミンを読みたいなら、講談社文庫がおすすめ。

電子書籍版あり。

文庫はココがおすすめ

  • ふりがな少なめで大人が読みやすい
  • 値段がお手頃で気軽に読める
  • 電子書籍で読める

青い鳥文庫

『ムーミン谷の冬』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2014年

講談社青い鳥文庫は、1980年に創刊された児童文庫。

「ムーミン」シリーズは2014、2015年に新装版が刊行された。

児童文庫だけど、字は小さく漢字も多い。ふりがなもふられているが、難易度は文庫版とそんなに変わらない

児童文庫はココがおすすめ

  • 文庫よりサイズが大きめで読みやすい
  • ふりがな付き
  • 児童文庫にしては文字が小さいので、子どもが読むなら童話全集か新版の方がおすすめ

6.映画やアニメで描かれる「ムーミン谷の冬」

「冬」をテーマにしたお話は、映画やアニメでも描かれている。

小説『ムーミン谷の冬』とストーリーやキャラクターがかぶるところもあるので、紹介。

パペットアニメーション

1979年、トーベ・ヤンソンとラルス・ヤンソン監修のもとポーランドで制作されたのは、パペットアニメーション(全78話)のムーミン。

日本では、カルピスまんが劇場シリーズでムーミンの声をつとめた岸田今日子が一人ですべてのキャラクターの吹替を演じ、1990年にNHKBS2で放映された。

2012年、フィンランドでデジタル・リマスター版が制作されると、日本でも松たか子・段田康則の吹替で再吹き替えされた。

どちらの吹替版でも小説『ムーミン谷の冬』を元にしたエピソードが8話収録されており、原作の世界をパペットアニメーションでたっぷり味わえる。

参考:Wikipedia、『pen』2015年2月15日号(CCCメディアハウス)

岸田今日子版・全78話

松たか子・段田康則版・冬の巻・全10話

映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』

引用元:映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』 公式サイト

『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』は、デジタル・リマスター版のお話を劇場版に編集し、2017年に公開された。

主人公・ムーミントロールの吹替は宮沢りえが担当している。

『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』公式サイト

アニメの「冬」のお話を集めたDVD

『楽しいムーミン一家』『楽しいムーミン一家 冒険日記』は、1990-1992年にかけてテレビ東京で放送されたアニメシリーズ。

『ムーミン谷の冬〜クリスマス〜』は、冬のお話4話(「スナフキンの旅立ち」「ムーミンとミイの大冒険」「ムーミン谷の冬の住人」「帰ってこないスナフキン」)をセレクトしたDVD。

小説『ムーミン谷の冬』をベースとしたお話は「ムーミンとミイの大冒険」「ムーミン谷の冬の住人」。

『楽しいムーミン一家』『楽しいムーミン一家 冒険日記』のDVDは、権利上の問題から、2019年3月現在発売されていない。

中古品の販売や図書館での視聴はすることができる。

参考:Wikipedia

『楽しいムービー一家 』公式サイト

まとめ

小説『ムーミン谷の冬』見どころまとめ。

『ムーミン谷の冬』感想[

  • フィンランドの冬を味わえる
  • はじめての冬、はじめての一人の寂しさ
  • おしゃまさん、ミイとの三人の暮らし
  • いつのまにか冬に慣れるムーミントロール
  • ヘムレンさんに違和感
  • 春の訪れ

ムーミントロールがはじめての冬と一人を知り、冬の住人と心を通わせながら新たな自分を知っていく物語。

次作『ムーミン谷の仲間たち』については、こちらの記事をどうぞ。

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Kindleまとめ

そもそも電子書籍って何?っていうところから、Kindleアプリの操作、Kindle Unlimitedまで、Kindleの記事をまとめたよ。

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