『たのしいムーミン一家』本の感想。ムーミンの人気を決定づけた名作

投稿日:2019年4月22日 更新日:

『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年


『たのしいムーミン一家』はトーベ・ヤンソンの小説「ムーミン」シリーズの3作目。

ムーミンシリーズで日本で一番読まれているのはこの「たのしいムーミン一家」。

ほのぼのした中にもたくさんの冒険があって味わい深い名作。

今回は、『たのしいムーミン一家』を紹介するよ。

こんな方におすすめ

  • 前作『ムーミン谷の彗星』が面白かったので続編も読んでみたい
  • 小説『たのしいムーミン一家』のあらすじと見どころを知りたい
  • 「ムーミン展」を観に行く前に本を読んでおこうと思っている

 

目次

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1.『たのしいムーミン一家』とは?

上段左から『ムーミン谷の彗星』下村隆一訳
『たのしいムーミン一家』山室静訳
『ムーミンパパの思い出』小野寺百合子訳
『ムーミン谷の夏まつり』下村隆一訳
下段左から『ムーミン谷の冬』山室静訳
『ムーミン谷の仲間たち』山室静訳
『ムーミンパパの海へいく』小野寺百合子訳
『ムーミン谷の十一月』鈴木徹郎訳
『小さなトロールと大きな洪水』冨原眞弓訳
いずれもヤンソン作、講談社、2011年

『たのしいムーミン一家』(原題”Trollkarlens hatt”)は、フィンランドの女流作家・画家のトーベ・ヤンソンにより、1948年に刊行された。

1945~1970年に刊行された小説「ムーミン」シリーズ全9作のうちのひとつ。

発表順としては『小さなトロールと大きな洪水』(1945年)『ムーミン谷の彗星』(1946年)に続く3作目

前の2作品の売り上げはかんばしくなかったが、3作目の今作で人気が確立し、以降のシリーズ続行が決定づけられた。

イギリスで翻訳刊行され、ムーミンが世界的に有名になっていくきっかけとなった記念すべき作品

日本では1965年、山室静訳で講談社より刊行された。

参考:「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」図録、『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年、Wikipedia

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山室静(訳)

山室静は、ムーミンの原書を日本へ持ち帰り、最初にムーミンシリーズを翻訳した人。

『たのしいムーミン一家』『ムーミン谷の冬』『ムーミン谷の仲間たち』の3作の翻訳を手掛けている。

「ニョロニョロ」「飛行おに」など、日本人に耳なじみのよい名訳を生み出した。

参考:『MOE』2015年12月号、白泉社

略歴・主な作品

詩人、文芸評論家、翻訳家。

1906年鳥取市生まれ。7歳から長野県佐久市で育つ。

1927年に岩波書店に入社するが、労働争議により退社。

1939年東北大学入学、2年後に繰り上げ卒業。

プロレタリア科学研究所に属し、たびたび逮捕拘留など弾圧を受ける。

1958年に日本女子大学講師となり、のちに教授に就いた。

北欧文学・神話についての数々の著作や、アストリッド・リンドグレーン、トーベ・ヤンソンなど北欧の児童文学作家の翻訳書を多く残した。

2000年死去。

参考:Wikipedia

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2.あらすじ

春のムーミン谷。

ムーミントロールたちは、山で黒い帽子をひろいました。

ところがそれは、中にはいったものをおかしなものにかえてしまう、ふしぎなぼうしだったのです。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

登場人物

前回から継続

  • ムーミントロール:今作の主人公。ムーミン一家の好奇心旺盛な優しい男の子。
  • ムーミンパパ:ムーミントロールの父親。夢見がちでロマンチスト。
  • ムーミンママ:ムーミントロールの母親。賑やかなムーミン一家を支える。常に黒いハンドバッグを携帯している。
  • スニフ:小さなカンガルーのような外見の生き物。臆病で、宝石などキラキラ光る物が大好き。
  • スナフキン:ムーミントロールの親友。自由と孤独、音楽を愛する旅人。
  • スノーク:ムーミンと姿形は似ているが異なる種族の生き物のお兄さん。仕切りたがり屋。
  • スノークのおじょうさん:スノークの妹。ムーミントロールのガールフレンド。
  • ジャコウネズミ:哲学書を好み、悲観的な性格。
  • ヘムレンさん:スカートのような服を着ている。切手収集家だったが、今作で植物収集家になる。
  • ニョロニョロ:小さいお化け。白い靴下のような謎の生き物。身体に電気を帯びており、不用意に近づくと感電する。

初登場

  • ありじごく:ライオンのような外見で、侵入者には砂をかけて掘った穴に引きずり込むやっかいな生き物。
  • モラン:触れるものを凍りつかせる女の魔物。今作では裁判の原告になるなどムーミン達と会話できる。
  • トフスランとビフスラン:不思議な話し方をする小さな夫婦。
  • 飛行おに:シルクハットをかぶった不思議な魔法使い。

参考:Wikipedia

エピソード一覧

  1. はじめに
  2. 第一章:ムーミントロールと、スナフキンと、スニフがまものの帽子を見つける
  3. 第二章:ムーミントロールが、まものの帽子でおかしな姿に変わる。
  4. 第三章:ジャコウネズミがまものの帽子で災難にあう。ムーミン一家がニョロニョロの島を見つける
  5. 第四章:ニョロニョロが夜おそってくる。各々が島を探検する。
  6. 第五章:数日間ほらあなでキャンプする。まものの帽子が「飛行おに」のものだとわかる。
  7. 第六章:トフスランとビフスランが、モランに追われ、スーツケースをもって逃げてくる。
  8. 第七章:スナフキンが旅に出る。ムーミンママのハンドバッグがなくなり、ひと騒動。
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3.本の感想

『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

前作『ムーミン谷の彗星』の不気味な雰囲気から一変し、今作『たのしいムーミン一家』は全体的に明るい雰囲気

彗星のような生命の危機はなく、日常の中で不思議な魔法や冒険が展開していく。

印象的なのは、春から夏の終わりにかけての、気持ちの良い海、森、川などの自然の描き方

ムーミンたちは、ピクニックやキャンプ、ボートでの航海や釣りなどを楽しみながら、さまざまな事件に遭遇する。

3-1.春の到来と魔法の帽子

物語のはじまりは十一月。ムーミン一家は、きたる春を夢に見ながら、静かに冬眠に入る。(今作ではスナフキンも冬眠。)

第一章は、わくわくする春の到来で、ムーミンたちが目を覚ます

引きこもっていた生き物たちがぽつぽつと顔を出し、あいさつする様子はほほえましい。

冬の間は雪にうまっていたムーミン屋敷も、扉を開けはなした。

ムーミンやしきは、いつでも満員でした。そこでは、だれでもすきなことをやって、あしたのことなんか、ちっとも気にかけません。ちょいちょい、思いがけないこまったことがおこりましたが、だれもそんなことは、気にしないのです。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ムーミン屋敷は、いつでもどんな訪問者もウェルカムなんだよね。

今作でも、新しい訪問者が登場するよ。

魔法の帽子

目を覚ましたムーミントロール、スナフキン、スニフの3人はさっそく探検に出かける。

おさびし山を歩いていると、スニフが黒いシルクハットを見つける。

それぞれの反応

帽子を見たときの3人の反応が違っておもしろい。

優しいムーミントロールは、帽子をスナフキンやムーミンパパに似合うかな?と考えを巡らせる。

古い服を好むスナフキンは、「これじゃあ、あたらしすぎるよ」と帽子を拒否する。

ものを所有することにこだわるスニフは、持って帰ろうと提案する。

ムーミンママの思いやり

持って帰った帽子をかぶってみたムーミンパパは、お世辞にも似合っているといえなかった。

だけど、その姿へのムーミンママのセリフが素敵。

「とてもすてきよ。そうね、それをかぶったところは、とてもハンサムだわ。でも、すこしあなたには、大きすぎないかしら。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ムーミンママは、いつも思いやりに満ちた言葉で伝えるんだよね。

結果、ムーミンパパもいやな気持にならずに、自分で似合わないと判断し帽子を脱ぐ。

オブラートに包んでやんわり伝えることの極意を学ばせてもらった。

ものを持ちたがらないスナフキン

スナフキンの反応も独特。

帽子をどう使おうか思案するムーミン一家に、スナフキンが皮肉を言う。

「そら、こうやってくずいれにしたらどう?これでまた、財産が一つ、ふえるわけだものね。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

前作からスナフキンは、ものを持つことをきらっているセリフを言っていたけれど、今作でもそれは健在。

ものを持たないからこその自由を、スナフキンはいつも感じているんだよね。

ムーミンが変身してしまう!

結局くず入れになったシルクハット、実は、中に入れたものが変身する魔法の帽子だったんだよね。

ある日かくれんぼをしていて、ムーミントロールはとっさに、シルクハットの中にかくれる。

ムーミントロールと気づかない仲間たち

ムーミントロールが変身した姿は、いつもと真逆、がりがりでぎょろめのみにくい姿

みんなはそれがムーミントロールだとは1ミリも思わず、おかしな侵入者扱い。

スノーク、スニフ、ヘムレンさんあたりならともかく、冷静な目を持っているスナフキンまで、それがムーミントロールだと信じない。

いつも一緒に過ごしている仲間たちなのに、こんなにもわからなくなってしまう、このシビアさよ・・・。

大好きな人に信じてもらえないムーミントロールの悲しみが伝わってきた。

ひとり気づくムーミンママ

だれにも信じてもらえないなかで、変わり果てたムーミントロールは、ムーミンママに泣きつく。

ムーミンママは、注意ぶかく見つめました。そうやって、とても長いこと、おびえきっているむすこの目の中をのぞきこんでいましたが、さいごにママは、しずかにいいました。

そうね、おまえはたしかにムーミントロールだわ。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ムーミンママに気づいてもらえた瞬間、ムーミントロールは元の姿に戻る。

外見に惑わされずにムーミントロールを見分けることができたのは、お母さんのムーミンママだけ

今作ではムーミントロールとスノークのおじょうさんの仲の良さも見どころだけど、この場面は、ムーミンママの愛情に軍配が上がったな、と思った。

戻ってきた魔法の帽子

ムーミントロールの変身は帽子が原因だったとわかり、ムーミンパパとムーミンママは、その帽子を川に流して捨ててしまう。

これで一件落着かと思いきや、帽子は川下でひっかかっていた。

スナフキンとムーミントロールが夜の探検で帽子をふたたび発見し、ムーミントロールが泳いでそれをひろう。

夏の夜の自然の気持ちよさが生き生きと伝わってくる場面。

二人は、しばらく帽子をほらあなに隠しておくことにする。

「ねえ、スナフキン。ぼくらがパパにもママにも話せないひみつをもったのは、これがはじめてだねえ。

と、ムーミントロールはしんけんな顔でいいました。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ムーミントロールの、初めてスナフキンと秘密を共有して誇らしい気持ちが伝わってくる。

この後、じゃこうねずみがほらあなに入って、魔法の帽子の災難にあってしまうのもおもしろい。

じゃこうねずみは悲観的な哲学者なのに、ピンポイントで示しがつかない、変な失敗をするのが笑ってしまうんだよね。

この時点では、まだ魔法の帽子の正体はわからない。

3-2.夏至の日のピクニック

魔法の帽子を追い払ってせいせいしたムーミン一家は、翌日、お祝いのピクニックに行くことにする。(ほんとはほらあなに隠してたんだけどね。)

ランチを食べてるときに突然ピクニックを決めて、みんなをまとめるパパとママが一番わくわくしてるのがかわいい。

さあ、みなさん、もっていきたいものは、いそいでまとめること。パパは、すぐにでもでかけたくていらっしゃるんだからね。(中略)」

わしのしっぽよ、おめでとう。

こう、ムーミンパパはさけびました。「ばんざい。」というかわりなんです。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ムーミンパパとママは、率先して自分たちが一番楽しみたいんだよね。

スニフがぐずっても、「子どもはおだまり。」と一蹴するムーミンパパ、大人げない(笑)

ムーミンママも、ハンドバッグにたくさんの道具や食料を詰め込んでいきいきしてる。

こんな陽気で自然が大好きなパパとママ、すごくいい。

気持ちのいい航海

浜辺でボートを見つけたムーミン一家は、航海してみることにする。

ムーミンママの命名でボートに「冒険号」と名づけ、命名式をして、いざ、出航!

みどり色をした海の底をのぞいたり、船のへさきが白いあわをけたてて進んでいくのを見たりしているのは、まったくすばらしいことでした。

思わずムーミントロールはさけびました。

進め、進め! ぼくたちは島へいくんだぞう。ピーポー!

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

海やおひさまの輝き、みんなのわくわくが伝わってきて、こっちまでわくわくしてくる。

次作『ムーミンパパの思い出』では、若き日のムーミンパパの海での大冒険がつづられる。

「船乗り魂」は息子のムーミントロールに受け継がれているんだね。

しばらく航海していて見つけたのが、ニョロニョロがたくさん集まっている島

ニョロニョロは、毎年夏至の日にこの島に集まるらしく、ちょうどムーミン一家のこの航海と同じ日だった。

ムーミン一家は、この島でテントで一泊する。

不気味なニョロニョロ

この島のキャンプで印象的なのは、もちろんニョロニョロ

前作『ムーミン谷の彗星』では、遠くの川に少し姿を現しただけだったけど、今作ではばっちり不気味さを発揮してみんなを怖がらせる。

そもそも、ニョロニョロは言葉を発さず、耳も聞こえず、集団でさまよいつづける、正体不明の生き物。

意思の疎通ができない、何を考えているのかわからないところがとてつもなく不気味なんだよね。

ヘムレンさん

島で初めにニョロニョロの怖さを体験するのは、ヘムルのヘムレンさん。

ヘムレンさんはニョロニョロたちの夏至の会合の場に入り込んでしまい、はずみでニョロニョロたちのシンボルである「気圧計」に触れてしまうんだよね。

ニョロニョロたちに囲まれてしまったところに、たまたまスナフキンが通りかかり、助けられるんだ。

ももちんがイラっときたのは、ヘムレンさんが自分の非を認めず、ニョロニョロに謝りもしなければ、スナフキンにお礼も言わないところ。

いまいましいニョロニョロどもめ。こらしめのために、気圧計はもらっていくよ。

こう、ヘムレンさんは、ぼやきました。

そっとしといたほうがいいな。

と、スナフキンが忠告しました。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

とうとうヘムレンさんは、気圧計を持ち去ってしまった。

ヘムレンさんの、自分が正しいと思い込んで、マイルールを周りにも当然のように突きつけるところがモヤっとした。

悪い人じゃないんだけどなんか鼻につく、その絶妙さが、リアルな現実にいそうなキャラクターなんだよね。

ニョロニョロの襲来

その夜、みんながテントで寝静まっているところに、ニョロニョロたちはやってくる。

目的はヘムレンさんにもっていかれた気圧計なんだけど、ヘムレンさんだけじゃなく、周りも災難にあうんだよね。

ヘムレンさんは鼻をふみつけられ、気圧計をもっていかれる。(自業自得)

スニフは感電する。

スノークのおじょうさんは、ニョロニョロに触れて、前髪を燃やされてしまうんだ。

飛び起きてにげだしたヘムレンさんにテントが引っ掛かり、テントは倒れてしまう。

でも、そんなヘムレンさんに、だれ一人責めるような言葉はかけない

「(中略)毛布にくるまって、お日さまがのぼるのをまちましょうよ。

こう、ムーミントロールはいいました。

そこでみんなはぴったりくっつきあって、浜べに一列になってすわりました

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ももちんはヘムレンさんに勝手にイラっときてたけど、ムーミンたちはだれもそんなことで怒らない。

それよりも自然の美しさを一緒にながめる方が、ずっと良い時間の過ごし方。

白々と明けてくる空をみんなでくっつきあって眺めるヤンソンの挿絵は、その素晴らしさを物語っているように感じた。

ムーミンとおじょうさん

今作では、ムーミントロールとスノークのおじょうさんの仲の良さがさらに際立っている。

ムーミントロールの男らしさややさしさと、スノークのおじょうさんの女性らしくもたれかかる感じが、見ててきゅんとなる。

二人の仲睦まじさを感じられるところをあげてみると次のとおり。

  • 嵐におびえたスノークのおじょうさんは、手をムーミントロールの手の中に差し込む。ムーミントロールは「この人を守るぞ。」と心の中で誓う。
  • 前髪を燃やされたスノークのおじょうさんをみたムーミントロールは、「髪の毛のない娘さんの方が好きになってきた」という。
  • スノークのおじょうさんは大きな木彫りの女性を見つけ、ムーミントロールにあげることにする。
  • 木彫りの女性に見とれるムーミントロールに、スノークのおじょうさんはやきもちをやき、悪口をいう。

特にももちんがきゅんとしたのは、スノークのおじょうさんのやきもちからの悪口に、ムーミントロールが同意する場面。

ムーミントロールは、いそいでへさきからおりてきて、スノークのおじょうさんのそばにすわりました。

それからしばらくして、ムーミントロールはいいました。

まったくだ。あの木の女王は、ほんとにおそろしくばかに見えるね。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

スノークのおじょうさんのやきもちは、女性なら誰でも共感できる、みっともないけど素直な気持ち

それを感じたムーミントロールの、スノークのおじょうさんへの優しさや愛がとても伝わってくる。

前作より確実に成長しているムーミントロールを見た感じ。

変わらないスニフ

前作から、ムーミントロールと一緒に冒険しているスニフは、今作でも友だち。

だけど、だんだん大人びてきているムーミントロールに対して、スニフはまったく変わらないんだよね。

ものへの執着、臆病さ、スノークのおじょうさんをからかって泣かせてしまったり。

一向に成長していないスニフは、やたらおさなく見える。

ムーミントロールは、むしろスナフキンとより深く心を通わせていて、スニフのことは弟っぽく見てる感じ。

3-3.6月終わりのほらあなキャンプ

それぞれの体験をした冒険号の航海からしばらくたった6月末のある日、ムーミントロールたちはまたキャンプに出かけることにする。

今度はムーミンパパとママはいなくて、子どもたち&ヘムレンさんだけのほらあなキャンプ

ムーミントロールに数日家をあける提案をするのは、ちょっとゆっくりしたいムーミンママ。

おまえたちがしばらくよそへいってくれると、ありがたいわ。どう、四、五日、あのほらあなにいってみたら?」

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

子どもたちにじゃまされない時間も望むママの素直さ、いいよね。

この提案のおかげで、ムーミントロールたちも目をキラキラさせてキャンプに出かけていく。

「飛行おに」のうわさ

子どもたちのキャンプでは、夜の怖い話はつきもの。

この晩、スナフキンは「飛行おに」の話をする。

スナフキンが話した飛行おにの話をまとめると、次のとおり。

  • 「飛行おに」は、黒ひょうに乗って空をとびまわる恐ろしいまもの。
  • なんにでも姿を変えられる飛行おには、いろんなところでルビーを集めてまわっている。
  • 飛行おにが一番欲しがっているのは、巨大な「ルビーの王さま」
  • 飛行おには黒いシルクハットをかぶっているが、数か月前になくしたらしい。
  • どうやら、ムーミントロールたちが拾った魔法の帽子が、飛行おにのものではないか?

飛行おにが、帽子を取り返しにムーミン谷にやってきたらどうしよう?

そんな不安につつまれながらも、ムーミントロールたちはそれぞれの眠りにつく。

皮肉屋スノーク

このキャンプで存在感があったのが、スノーク

前作でも、ちょっと辛口で仕切りたがりの性格が出ていたけど、今作では、前作以上に皮肉なセリフがよく出てくる。

まるで反抗期の少年みたい(笑)

スノークが気合い入れて釣りの準備を整えたころにスニフがやってきて、失敗してしまったとき、ようしゃなく皮肉を言う。

たいしたもんだ。じつにりっぱなものですよ。たいそう海になれていらっしゃる。船の中の礼儀もごぞんじだ。(中略)ははは。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

最後の笑いが冷たい・・・。叱ったり責めたりするんじゃないところが、なんかこう、ほかを寄せつけないとげを感じるんだよね。

巨大な魚「マメルク」を釣り上げたときの仕切りっぷりと、得意げな感じもスノークらしい。

目方をはかるまえにヘムレンさんがマメルクを食べちゃったときの一言もきつい(笑)

ひでえおっさんだ。もう、おれのさかなのめかたがはかれないじゃないか。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

腹を立てるというより、冷たくぐさっと切るスノーク、嫌いじゃない。

意外な優しさ

冷たい皮肉屋な印象のスノークだけど、短気ではないんだよね。

キャンプで寝てるとき、ヘムレンさんにいたずらされるんだけど、腹を立てずに、こんないたずらを考えたヘムレンさんに驚いてみせる。

「おやおや、ヘムレンさんらしくもないじゃないか。だけど、あんたにこれだけのことが考えられたとは、おどろいたねえ。

「ほい。自分でも少々おどろいているのさ。」

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

スノークも、多少皮肉を込めていたんだろうけど、まったく引きずらずにすぐ釣りの準備に入る

頭がいいスノークは、ほかの人の頭の良いところは素直にうやまうけど、頭の鈍いところは許せないのかもしれないね。

3-4.スーツケースをめぐる争い

八月の初めのある朝、ムーミン屋敷に小さな二人組の訪問者がやってくる。

二人の名前は、トフスランとビフスラン

そして二人を追いかけてやってくるのが、招かれざる客、モラン

あたらしい訪問者たちは、「ルビーの王さま」をめぐって裁判をする。

トフスランとビフスラン

トフスランとビフスランは、ちゃっかりしててかわいらしい夫婦。

初めは警戒してた二人だけど、ムーミン一家が良い人たちだと知って、ムーミン屋敷にしばらくすみつくようになる。

不思議な話し方

トフスランとビフスランのところを読んで、とてもなごむのが、その不思議な話し方

セリフの中のどこかがあべこべになっているんだよね。

例えば、「だいっていって、はいじょうぶかしら?(はいっていってだいじょうぶかしら?)」とか、「じれかきたわ、だっとして。(だれかきたわ、じっとして。)」とか。

このあべこべの加減が絶妙におかしくて、読んでてくすっと笑ってしまう。

山室静の翻訳、素晴らしい。

意外なのが、トフスランとビフスランのこの話し方のなぞにいち早く気づき、話せるようになるのがヘムレンさんなんだよね。

ムうこそ、よーミンやしきへ!

トフスランとビフスランは、ジャガイモの山から顔をだして、ヘムレンさんを見つめました。

ミこにこルクがあるよ。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

頭がかたいイメージのヘムレンさんが、陽気に不思議な言葉を使っているところがめっちゃ新鮮。

イラっとくるけど憎めないのが、ヘムレンさんなんだよね。

モデルは元恋人

トフスランとビフスランは、「ムーミン」小説シリーズでは今作だけに登場するキャラクター。

このトフスランとビフスランは、トーベ・ヤンソンと当時付き合っていた女性の恋人ヴィヴィカ・バンドレルがモデル

1946年に出会ったトーベとヴィヴィカは、お互いにパートナーがいながらひかれあった。

『たのしいムーミン一家』の執筆を始めたトーベ・ヤンソンは、ひそかに自分たちふたりに見立てたキャラクターをもりこんだ。

トーベはヴィヴェカ宛てに手紙を書き、トフスランとヴィフスランという生き物のモデルは自分たちふたりなのだ、と興奮した様子で綴った。そして、これからはトフスランたちは離ればなれになることなく、ムーミン谷でいつも一緒に冒険するとも書いている。

引用元:『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年

同性愛が禁止されていた当時のヨーロッパ社会において、ふたりが愛をはぐくむのは容易なことではなかった。

ヴィヴィカとの愛は長くはつづかなかったが、別れてからもふたりはムーミンの舞台で脚本と監督をつとめ、親しい友人としての交流はつづいた。

参考:『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年

モラン

トフスランとビフスランがやってきたとき、ふたりは大きなスーツケースを大事そうに抱えていた。

そのスーツケースの中身をねらって、魔物の「モラン」が追ってくるという。

その真夜中に、ムーミン屋敷のドアの前に姿を現したモランは、たしかに気味のわるい化け物だった。

ひとりのこらず、そのばけものを見ました。モランは、身うごきもせずに階段の下のじゃり道にすわって、まんまるい、死んだような目で、じいっとこちらを見つめていたのです。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

得体のしれない不気味な化け物という点では、モランはニョロニョロと共通しているところがある。

だけど、ニョロニョロは悪意は感じないけれど、モランは孤独で、しつこく追いかけてきては気づいたらそばにいるところがおそろしい。

おそいかかってくるようなわかりやすい怖さではなく、逃れられない暗黒的なこわさは、なかなか他の児童文学では見られない、ぞっとするような悪役の描き方だと思う。

だけど、大人になってから「ムーミン」を読むと、このモランが登場することで、物語がぐっと自分の中にはいってくる。

こわいけど、どこか通じるものを感じる、というか。

モランは誰でもあり、誰でもない。モランの中には、作者自身と読者一人一人の孤独や残酷な部分が投影されている。モランはすべての人の心の中にいるので、誰もモランから逃げることはできない。

引用元:『ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソン』トゥーラ・カルヤライネン著、セルボ貴子・五十嵐淳訳、河出書房新社、2014年

ほとんど言葉を発さず、だれも愛さずだれからも愛されない、孤独で冷たい生き物。

ムーミンママやスノークのおじょうさんのように陽気で優しい部分だけではなく、モランという化け物がだれの心にもある暗黒部分を表してくれていることで、物語にぐっと深みが増すんだよね。

今作で初めて登場するモランは、次作『ムーミンパパの思い出』以降もたびたび登場し、不気味な存在感を放っている。

裁判

モランがトフスランとビフスランを追いかけてきたのは、スーツケースが欲しかったから。

しかも、そのスーツケースの中身は、もともとはモランのものだという。

そこで解決策をだすために、ムーミン一家は裁判を開くことにする。

裁判を取り仕切るのはもちろんスノーク。

この裁判の場面で、ももちんはいくつも感じることがあった。

だれが中身を持つべきか?

まずスニフが、「モランが、なかみをとりもどす。トフスランとビフスランたちがスーツケースをやればいい」と言う。

ももちんも全く同じことを考えた。だって、もともとスーツケースの中身はモランのものだったんだから、当然モランに返さなくちゃいけないんじゃない?って。

そこに反論するのがヘムレンさん。

「問題は、だれがなかみの持ち主かってことではなく、だれがそのなかみにたいして、いちばん権利をもっているか、ということだ。(中略)いったいあのばあさんは、なかみにたいして正当な権利をもってるように見えましたかね。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ヘムレンさんのこの偏見もひどい。

モランはまだ一言も発してないのに、存在からスーツケースの中身はふさわしくないと決めつけてしまった

それに対して、スニフは同情の熱弁をふるう。

モランが誰からも愛されず孤独であること、このスーツケースの中身がどれほどなぐさめであるかをせつせつと訴える。

ももちんはどちらかというとスニフの意見だったけど、裁判官のスノークは「二人ともおセンチである」とばっさり

裁判の判決

トフスランとビフスランは、スーツケースの中身を「世界一美しい」と思い、愛情を感じている。

モランはスーツケースの中身を「世界一高い」と思い、売ろうと思っている。

よってモランは、スーツケースの中身と同等の価値のあるものと交換すれば納得する、ということになった。

そこでひらめいたのが、ムーミンママ。

大事にしまっていた魔法の帽子を、モランにやってしまう

モランはその帽子を手に姿を消し、一件落着。

スーツケースの中身を持つべきなのは、「愛情」をもつ者か、「正しさや法律」に合う者か。

ももちんは初め当然のように「正しさ」を主張したくなったけど、もしかしたら違うのかもしれない。

法的には間違っていても、愛情がある方にもっていられた方が、その中身も幸せなのかもしれない。

3-5.夏の終わりの別れ

モランも魔法の帽子もなくなり、平和を取り戻したムーミン一家。

八月も末となり、トフスランとビフスランも一緒に暮らすようになった。

ムーミントロールは、こうした夏のさいごの時期がいつでもいちばんすきでした。(中略)

風も、海も、ひびきをかかえていました。空気には、あたらしいはだざわりがありましたし、木々は、なにかをまちうけるようにたっています。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

ももちんも、夏の終わりのちょっと涼しくなってきたときの夜の風が好きなので、ムーミントロールに共感した。

そんなある日、スナフキンが旅に出ることを決める。

ムーミントロールの寂しさ

スナフキンはなんでもないことのように、今日旅発つとムーミントロールにつげる。

スナフキンは、だれかと一緒にいるのも楽しいけれど、身軽に一人で旅するのが何よりも好きなんだよね。

この夏、ムーミントロールとスナフキンは、一緒にたくさんの冒険をし、秘密も共有した。

その様子を読者のももちんも一緒に体験したので、スナフキンが旅に出ることを告げたときは、いよいよ物語の終わりを予感し、寂しくなった。

ムーミントロールはたまらなく寂しいはずなのに、別れの言葉はシンプル

そうだね。じゃあ、ごきげんよう。

ムーミントロールがいうと、

じゃあ、また。

スナフキンもいいました。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

スナフキンの前では平気そうにしているムーミントロールだけど、別れた後は激しく落ち込むんだ。

スーツケースの中身

泣いているムーミントロールをみたトフスランとビフスランは、なんとかなぐさめようとする。

そして、今まで誰にも見せることのなかった「スーツケースの中身」を、ムーミントロールに見せてあげるんだ。

スーツケースの中身は、、予想できるよね?

飛行おにが探しているといううわさの「ルビーの王さま」だったんだ。

長い間立ちつくして巨大なルビーをながめていたムーミントロールは、スナフキンに見せたかったと、深いため息をつく。

ハンドバッグの行方

そのころムーミンママは、ハンドバッグをなくしてしまい悲嘆にくれていた。

いつも明るく、ちょっとやそっとのことでは動じないムーミンママだけど、大事なハンドバッグをなくしたときだけ、とりみだす姿が新鮮。

見つけたらパーティーをひらくとママがいうので、一家総出でハンドバッグを探しにかかる。

犯人は、ハンドバッグを寝床にしていたトフスランとビフスランだった。

ムーミンママの大事なハンドバッグだと知った二人は、ハンドバッグを返す

夏の終わりのパーティー

ハンドバッグが戻ってきて喜んだムーミンママは、さっそくその晩、大パーティを開くことにする。

このパーティーの準備の様子がなんとも楽しそう。

  • ムーミンママはごちそうの準備で大忙し。
  • スノークのおじょうさんは、パーティーで身につける飾りで迷ってる。
  • スノークは、庭の木にちょうちんをぶらさげる。
  • ヘムレンさんは、しかけ花火をしかけて歩く。
  • ムーミンパパは、ポンス(くだものいりの酒)をこしらえる。

月が出るころ、ムーミン谷の住人たちや、森や川に住む生き物たちが大勢集う。

みんなが飲み、踊り、楽しんでいるところに、トフスランとビフスランは気をよくして「ルビーの王さま」のお披露目をする。

飛行おに

空から「ルビーの王さま」の輝きに気づいて飛んで降りてきたのは、なんと飛行おに。

飛行おには、トフスランとビフスランにゆずってくれるようにお願いするが、トフスランとビフスランは断固として受けつけない

それぞれの願い

飛行おにはおそろしい魔物といううわさだったけど、実際の飛行おには紳士で優しかった

「ルビーの王さま」をどうしてもゆずってもらえないと悟った飛行おには、自分のなぐさめのために、みんなの願いごとを魔法で一つずつ叶えてあげることにする。

ここで、それぞれが願うことに個性があらわれていておもしろい。

なかでもおもしろかったのが、スノークのおじょうさんとスノーク。

きれいになりたかったスノークのおじょうさんは、「木の女王のような大きな目」をお願いする。

実際に大きな目になっておかしな顔になってしまったおじょうさんは、まだ願いごとが残っている兄のスノークに、元に戻してもらうようにお願いするんだよね。

スノークには別の願いがあったのに、文句をいいながらも、妹の願いを叶えてやることにする。

なんだかんだいって優しいところがあるスノークだな、と思った。

ルビーの王さまは誰の手に?

「ルビーの王さま」が手に入らないとわかっても、みんなの願いを叶えてあげる優しい飛行おにの姿を見たトフスランとビフスランは、飛行おににあることをお願いする。

「わたしたち、あなたのかわりにのぞみをいうことにしたのよ。-あなたはいいかたですもの。さあ、わたしたちのとおなじだけ、ルれいなきビーをだしてよ。

引用元:『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、1990年

トフスランとビフスランは、「ルビーの王さま」と同じくらいきれいなルビーを出すことを願い、それを飛行おににあげることにしたんだよね。

飛行おにが出したルビーは「ルビーの女王」と名づけ、飛行おにはとても喜んだ。

みんなが幸福な気もちでパーティーの夜がふけていき、秋がやってくる。

3-6.北欧の文化

今作では春から夏の終わりにかけてのムーミン谷が描かれている。

物語のなかで印象的だったのは、「夏至」の特別感と、前作から継続する「コーヒー」文化

夏至

物語のなかで、ムーミン一家がピクニックに出かけ、ニョロニョロの島でキャンプしたのが夏至の日だった。

ニョロニョロは年に一回、夏至の日に会合を開く。

また、小説「ムーミン」シリーズの中の『ムーミン谷の夏まつり』は、まさに夏至祭について描かれた物語

夏が短い北欧に住む人にとって「夏至」は特別な日なんだよね。

夏至祭

北欧の人が大切にしている伝統行事が「夏至祭」というお祭り。

毎年6月19日から26日の間の、夏至に最も近い土曜日とその前日、合わせて2日間が祝日になり祝う。

乳製品やソーセージやジャガイモがだされ、白樺の葉と草花で町中が飾られる。そして一晩中野外での踊りが続く。

フィンランドでは、夏至の夜は昔から神秘的なものと結びついていて、さまざまなおまじないや言い伝えが現在でも残っている。

参考:Wikipedia

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料理とコーヒー

今作でも、おいしそうな料理やコーヒー文化が描かれていたよ。

『たのしいムーミン一家』に登場した料理や飲み物

  • さかなのフライ
  • サンドイッチ
  • ほしぶどう入りのプディング
  • かぼちゃのジャム
  • バナナ
  • 子ぶたの形のさとうがし
  • 味をつけたとうもろこし
  • パンケーキ
  • ポンス(くだものいりの酒)
  • いちごやこけももの実をくきにさしたの
  • きいちごのジュース

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4.『たのしいムーミン一家』が読める本の形

今回ももちんが読んだのは、ムーミン童話全集の『たのしいムーミン一家』。

『たのしいムーミン一家』は、ムーミン童話全集以外にも、文庫や復刻版、児童文庫で刊行されている。

中でも、2019年3月から刊行が始まっているソフトカバーの新版は、翻訳が読みやすくクリアな挿絵とのこと。

一度手に取って読んでみたいなぁ。

【2019年5月】ソフトカバーの新版刊行!

2019年3月に講談社より新しく刊行されているのが、ソフトカバーの『ムーミン全集[新版]』

講談社1990年刊のハードカバー『ムーミン童話全集』を改訂したもの。

翻訳を現代的な表現・言い回しに整え、読みやすくし、クリアなさし絵に全点差し替えられている。

ソフトカバーなので持ち歩きやすい。

これから「ムーミン」シリーズを買って読もうと思っているなら、最新版のこちらがおすすめ。

『たのしいムーミン一家』は2019年5月刊行予定。

電子書籍版あり。

新版はココがおすすめ

  • 翻訳が現代的な表現、言い回しに整えられているので読みやすい
  • クリアなさし絵に全点差し替え
  • ふりがな少なめで大人が読みやすい
  • ソフトカバーなので持ち歩きやすい
  • 電子書籍で読める

復刻版

2015年に講談社より、ムーミン出版70周年を記念して刊行されたのは、『たのしいムーミン一家』の復刻版。

表紙がとにかくかわいい!

函入りなのでプレゼントにも最適

付録として、表紙ポストカードと、過去に出版されたムーミン童話が一覧となっている「ムーミン童話日本出版50年のあゆみ」も封入されている。

復刻版はココがおすすめ

  • ムーミンシリーズのなかでも『たのしいムーミン一家』だけの特別感
  • 表紙がかわいい
  • 付録のポストカードと冊子つき
  • 函入りなのでプレゼントにも最適

講談社文庫

『たのしいムーミン一家』ヤンソン作、山室静訳、講談社、2011年

講談社文庫の「ムーミン」シリーズは、1978年に初めて刊行された。

2011年に新装版が刊行。

写真では2011年刊行時の表紙だが、2019年3月現在、フィンランド最新刊と共通のカバーデザインに改められている。

文庫版だけど挿絵が豊富で、ふりがなも少なく読みやすい。

大人が手軽にムーミンを読みたいなら、講談社文庫がおすすめ。

電子書籍版あり。

文庫はココがおすすめ

  • ふりがな少なめで大人が読みやすい
  • 値段がお手頃で気軽に読める
  • 電子書籍で読める

青い鳥文庫

左『ムーミン谷の彗星』(下村隆一訳)
中央『たのしいムーミン一家』(山室静訳)
右『ムーミンパパの思い出』(小野寺百合子訳)
いずれもトーベ・ヤンソン(作)講談社青い鳥文庫、2014年

講談社青い鳥文庫は、1980年に創刊された児童文庫。

「ムーミン」シリーズは2014、2015年に新装版が刊行された。

児童文庫だけど、字は小さく漢字も多い。ふりがなもふられているが、難易度は文庫版とそんなに変わらない

児童文庫はココがおすすめ

  • 文庫よりサイズが大きめで読みやすい
  • ふりがな付き
  • 児童文庫にしては文字が小さいので、子どもが読むなら童話全集か新版の方がおすすめ

5.アニメ『楽しいムーミン一家』

『楽しいムーミン一家』『楽しいムーミン一家 冒険日記』は、1990-1992年にかけてテレビ東京で放送されたアニメシリーズ。

原作者のトーベ・ヤンソンとラルス・ヤンソンも制作にかかわっている。

小説『たのしいムーミン一家』と、アニメ『楽しいムーミン一家』は、題名は同じでも、扱っているエピソードは違う。

アニメ『楽しいムーミン一家』全78話のうち、小説『たのしいムーミン一家』からエピソードをとったものは初めの8話

アニメ『楽しいムーミン一家 冒険日記』は全26話で、原作は主にコミックからとられている。

参考:Wikipedia

アニメ『楽しいムーミン一家』についてはこちら(ムーミン18シリーズまとめ記事へ)

6.【2019年4月東京】ムーミン展開催中!

引用元:『ムーミン展』内覧会 館内の様子をチラ見せ/ガジェット通信(GETNEWSJP)

2019年4月から東京・六本木で開催されるのが「ムーミン展 The Art and The Story」。

トーベ・ヤンソンが描いたムーミンの小説・絵本の挿絵や表紙を、約500点の原画やスケッチで紹介。

ムーミングッズや広告など、日本初公開の展示品も多数。

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まとめ

小説『たのしいムーミン一家』見どころまとめ。

『たのしいムーミン一家』感想

  • 北欧の春から夏の終わりにかけての自然描写
  • 変身したムーミンを見分けるムーミンママ
  • 夏至のキャンプとニョロニョロ
  • ムーミントロールとスノークのおじょうさんの仲むつまじさ
  • 皮肉屋スノーク
  • トフスラン&ビフスランとモランの裁判
  • 旅発つスナフキン
  • 飛行おにの意外な優しさ

ほのぼのした中にもたくさんの冒険があって味わい深い名作。

ムーミン展に行く前に読んでおくと、ムーミンの世界をより深く味わえるよ。

次作『ムーミンパパの思い出』については、こちらの記事をどうぞ。

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