『ぼくのおじいさんのふね』は、男の子とロバの友情を幻想的に描いた、アンドレ・ダーハンの絵本。
今回は絵本『ぼくのおじいさんのふね』の魅力をお伝えするよ。
この記事で紹介する本
絵本『ぼくのおじいさんのふね』とは?
『ぼくのおじいさんのふね』は、(原題”LE BATEAU DU GRND-PERE”)は、2002年出版された絵本。
日本では、きたやまようこの訳により、2003年、講談社より出版された。
アンドレ・ダーハン、きたやまようこ紹介はこちら。
絵本『ぼくのともだちおつきさま』感想。友と心通わせる喜びが溢れる
『ぼくのともだちおつきさま』は、まえに読み聞かせしたことがあるんだけど、とっても素敵な絵本。 シンプルな文と幻想的な絵からあたたかさが伝わってくる。 今回は絵本『ぼくのともだちおつきさま』の魅力をお伝 ...
続きを見る
内容紹介
おじいさんの古い舟をみつけたアントワーヌは、直して乗ってみることに決めた!
ロバの友達、オーツとともに、一生懸命舟を直すアントワーヌ。
舟が直って、いざ、ゆかん!
でも、海はどこにある?
アントワーヌは、素敵な方法で海をつくる。
アンドレ・ダーハンによる、心温まるファンタジー。
『ぼくのおじいさんのふね』感想
アンドレ・ダーハン作の物語
これまで紹介してきた『ぼくのともだちおつきさま』『ぼくのともだち』は、アンドレ・ダーハンの絵に、きたやまようこが文をつけた絵本。
今回紹介する『ぼくのおじいさんのふね』は、アンドレ・ダーハンが絵も文も作っているんだ。
だから、これまでの絵本のように、1ページに1シーンという絵だけでなく、細切れの絵も織り交ぜられている。
これまでの絵本は、きたやまようこによる文は極力少なく詩的で、絵をみせる印象だけど、今作は物語性が強い。
あたたかみのある絵はそのままで、より子どもが読んで楽しめる絵本となっている。
男の子とロバの友情
主人公はアントワーヌという男の子。
散歩していたアントワーヌは、おじいさんが生きていた時に大切にしていた舟を見つける。
アントワーヌはまだしっかりしている舟を直したいと思うんだけど、まわりの友だち(動物!)は直せっこないと笑う。
そんな友だちの中で、ロバのオーツだけが、舟を直すのを手伝ってくれるんだ。
慣れない大工仕事で、ふたりは苦労をしながらも舟を直していく。
『ぼくのおじいさんのふね』では、この舟を直すプロセスの中で、アントワーヌとオーツが、友情を深めていく様子が丁寧に描かれている。
アントワーヌが一生懸命作業しているとき、うっかりオーツにけがをさせてしまっても、オーツは怒ったりしない。
アントワーヌが困ったときは、助けに来てくれる。
一緒に干し草の山に寝転がって、大笑いする。
助け合い、笑い合い、一緒に何かを成し遂げる様子が、元気に描かれているんだ。
「うみのたね」という発想
この物語の中で、ももちんが素敵だな、と思ったのは、「うみのたね」。
舟が直って、いざ出航してみたい!と思ったアントワーヌがとった行動ってなんだと思う?
海まで舟を運ぶんじゃないんだよね。
なんと、周りの地面に「うみのたね」をまいたんだ。
しばらく経って、「うみのたね」をまいたところが一面、海になった!
それも、水でできた海じゃないんだ。
なんと、ラベンダーの海!
絵をよく見てみると、なるほど、草でできた海。
種をまいて海をつくるうえに、その海が水でなく草という斬新な発想!
ラベンダーの海で舟をこげたら、どんなに爽快だろう。
きっと、香りもすごそう。
想像がふくらむ。
ラベンダーの海を渡って、ふたりはどこへたどり着いたのかな。
まとめ
『ぼくのおじいさんのふね』みどころまとめ!
- アンドレ・ダーハン作の物語
- 男の子とロバの友情
- 「うみのたね」という発想
きれいなラベンダーのうみに船出したくなるよ。
アンドレ・ダーハンの絵本記事一覧
書籍の表紙画像について、各出版社/著者ご本人から許諾を得るか、版元ドットコム等許諾申請不要の確認のもと掲載しています。表紙画像掲載不可または可否不明の書籍については、Amazonアソシエイトの商品画像リンクを掲載しています。