『賢者の贈り物』は、アメリカの作家オー・ヘンリーが生んだ有名なクリスマスの短編。
ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮する思いやりに、自分自身を見直させられるお話。
この記事で紹介する本
どの出版社の『賢者のおくりもの』を読めばいいか知りたいなら、次の記事からどうぞ。
翻訳別比較
短編小説『賢者の贈り物』22作品比較。文庫、絵本、児童書まとめ
左:『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー文、矢川澄子訳、ツヴェルガー絵、冨山房、1983年上段中央:O・ヘンリー 芹澤恵:訳『1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編』/光文社古典新訳文庫上段右:『賢者の贈 ...
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こんな方におすすめ
- 大人がクリスマス前に読むのにぴったりな絵本を探している
- 『賢者の贈り物』はなんとなく知っているが、改めて読み直したい
絵本『賢者のおくりもの』とは?
短編小説『賢者の贈り物』(原題”The Gift of the Magi”)は、アメリカの作家オー・ヘンリーが1905年に新聞で発表した。
翌1906年に刊行された短編集”The Four Million”に掲載され、広く知られるようになった。
日本でも、『賢者の贈り物』はさまざまな短編集に掲載されている。
1982年、リスベート・ツヴェルガーが絵をつけた絵本が刊行され、日本では1983年、矢川澄子の翻訳で『賢者のおくりもの』として刊行された。
オー・ヘンリー(文)
アメリカの作家。本名はウィリアム・シドニー・ポーター。
約280の短編を残す。
1862年生まれ。
25歳から文筆業を始める。
1898年、銀行の横領容疑で服役。服役中も文筆活動を続ける。
1901年に釈放されるが、過度の飲酒が原因で体調が悪化。
1910年死去。
参考:Wikipedia
矢川 澄子(訳)
1930ー2002。作家、詩人、翻訳家。
リスベート・ツヴェルガー(絵)
1954年オーストリア・ウィーン生まれ。
美術学校を卒業後、1977年に刊行されたE・T・A・ホフマンの絵本『ふしぎな子』(原題”The Strange Child”)でデビュー。
1990年国際アンデルセン賞を受賞。
日本でも数多くの絵本が出版され、ファンも多い。
参考:Wikipedia
ツヴェルガー絵
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一言あらすじ
一言あらすじ
若夫婦のジムとデラは、貧しくも仲むつまじく暮らしていた。
クリスマスの前日、デラはジムにプレゼントを買うお金がないことに悩み、ついには自分の一番の自慢である長い髪の毛を売る決心をする。
髪の毛とひきかえにお金を手にしたデラは、ジムの自慢の懐中時計にぴったりの鎖を見つけ、プレゼントにする。
そしてその晩、帰宅してデラの短くなった髪の毛を見たジムは呆然とする。
ジムは自慢の金時計を売って、デラのためのくしのセットをプレゼントに買っていた。
お互いのために大切なものを捧げあったという結末が、心にあたたかさとほほえみを残す。
本当の「賢さ」と「愚かさ」について考えさせられる、大人のための絵物語。
絵本『賢者のおくりもの』を読んだきっかけ
「大人におすすめのクリスマス絵本」で検索すると、必ず紹介されていたのが、この『賢者のおくりもの』という絵本。
初め、Kindle Unlimitedの読み放題対象だったので、光文社古典新訳文庫で読んでみた。
『賢者のおくりもの』という題名は知らなかったけど、お話の内容は聞いたことあるものだった。
とても素敵なお話だったので、今回紹介する絵本を改めて読んでみた。
矢川澄子の生き生きとした訳文にツヴェルガーの落ち着いた絵がよく合っていて、大切にくり返し読みたい、と思ったよ。
Kindle Unlimited
絵本『賢者のおくりもの』を読んだ感想
絵本『賢者のおくりもの』は、ある若い夫婦のクリスマス・イブの物語。
貧しいけれど愛し合うふたりがそれぞれに取る行動に、「本当の豊かさって、こういうことだよなぁ」ってしみじみ感じた。
外側だけ見ると、「貧しい」「愚か」に見えるけど、心の目で観察するとふたりがとても「豊か」で「賢い」ということが見えてくる。
ももちんは夫婦ふたりの生活なので、絵本の中のふたりに自分たちを照らし合わせて、色々感じるきっかけになりました。
『賢者のおくりもの』ポイント
ジムとデラ
物語の主人公となる夫婦・ジムとデラは、週8ドルの古くて小さなアパートにふたりで暮らしている。
どんな二人かというと、こんな感じ。
ジムとデラの生活
- 家具やベルの古さから貧しい生活がわかる
- ジムが毎日帰宅するとデラが抱きしめる
- ふたりの自慢はジムの金時計と、デラの美しく長い髪
- ジムは「たった22歳で世帯もち」なので、まだ若いことがわかる
貧しく、愛し合い、若く、金時計と髪が自慢のふたり。
これ以外ふたりの特徴を表す言葉がないくらい、シンプルなんだよね。
いいかえると、ふたりは自分たちにとって大切なものが、はっきりわかっている。
だからこそ、涙を流したり不安になることがあっても、迷いのない強さが感じられるんだよね。
シンプルだけど、「お互いへの愛」と「若さ」は、すばらしい宝物。
それを持っている二人がうらやましくなりました。
強く可愛らしいデラ
物語は、アパートでひとり思い悩むデラを中心に展開していく。
一つ一つの動作から、デラの強さや、女性としての可愛らしさが伝わってくる。
はじめ、必死で切りつめたお金が少なく、ジムへのプレゼントを買えないことにソファーにつっぷして泣く場面。
ここで「感謝」とか「あきらめ」という気持ちがひとつも出てこない、きれいにおさめないのがデラの強さ。
デラは、「愛する人に素敵なプレゼントを買ってあげられない」という一点が、どうしてもあきらめられないんだよね。
その執着を存分に感じ泣きつくすデラに、いとしさを感じずにはいられない。
「執着」と言っても、自分のためではなく愛する人のための「執着」なんだけどね。
そして泣きつくしたあと、まだあきらめない。
「ジムにプレゼントを」というたったひとつの願いを叶えるために、自慢の髪を売る決心をするんだよね。
このとき、きっとデラは「ジムがそれを望んでいるかどうか」は頭になかった。
「あとで後悔しないか?」なんてことも考えなかった。
その余裕もなく、すぐに出かけて髪を売ってお金をもらうことだけしか考えてなかったんだね。
最初からすべてをジムに捧げているからこそできる決断。
ひとつのことしか見えてないとき、人って、驚くような決断をするんだなぁ。
「髪を売る」場面がある小説・ドラマ
ちなみに、古典小説にはちょいちょい「女性が髪を売る」という場面が登場する。
ももちんが知っているのは次の通り。
髪を売る場面がある小説やドラマ
- 『若草物語』:ジョーは、母が父の元へ行く交通費をつくるために髪を売る
- 『レ・ミゼラブル』:フォンテーヌが娘コゼットを養うお金をつくるため髪を売る
- ドラマ『大草原の小さな家』シーズン3第14話「学芸会のできごと」:母へのドレスを買うため少女が髪を売る
どの作品も、大事な髪の毛を売ってまで守りたいものは、自分ではなく「愛する人」というのが共通している。
人は、愛する人がいて初めて、秘めた強さを発揮できるのかもしれないね。
恋する女性の不安
髪を売って得たお金で店という店を見て回り、とうとうジムの自慢の金時計にぴったりの鎖を見つけ、プレゼントに買う。
そして帰宅するまで、デラは自分の想いに1ミリのブレもなく、ジムへの愛情と喜びに満ちた力強さが感じられる。
ほっと一息ついたとき、ふとデラの中に不安が湧いてくる。
どんな不安なんだろう?
それは、髪を失った喪失感でも、だいそれたことをした後悔でもない。
「この髪を見てジムがまだかわいいとおもってくれるだろうか?」という不安。
デラにとって、髪の毛は「自分が誇れるため」以上に、「ジムに可愛いと思ってもらうため」に大切にしていたものだった。
デラの心はどこまでも「ジムへの愛」が基準であり、「自分のため」という感覚が薄いんだよね。
だから、ジムのために髪を失う決断する強さもあり、ジムに嫌われる不安も同時にある。
あんなに大胆な行動をしたあとで不安になるデラに、一人の女性としての弱い部分を感じて、またいとしくなる。
物静かなジム
夫のジムが登場するのは、物語の後半。
デラが「短い髪で嫌われないか?」と不安になっているところに、仕事から帰宅する。
若干22歳のジムは、物静かでやせていて、どこか優しさを漂わせている。
ジムが髪の短いデラを見たとき、一瞬かたまり、なんとも言えない表情をする。
デラは必死で髪の短い自分をジムに受け入れてもらおうとしているのに、ジムがしばらく驚きを隠せない様子に、ちょっとやきもきした。
はやくデラに優しい言葉を言って、安心させてあげて、ジムさん・・・
だけど、ジムが驚きを隠せなかったのには、理由があったんだよね。
もちろん髪を切ったからと言って、デラへの愛情が薄れたわけではない。
この日ジムがデラへのクリスマスプレゼントとして持ち帰ったのは、くしのセット。
デラの美しい髪のために買ったプレゼントだったから、髪がなくなって唖然としてしまったんだね。
そして、そのくしのセットを買うために、ジムが手放したのが、何より大切にしていた金時計。
結局、くしのセットも時計の鎖も、今の自分たちは使えない結果になってしまった。
二人のお互いへの愛が引き起こしたすれ違いに、静かな感動がわいてくる。
自分を捧げるということ
物語から感じるのは、「お互いのために捧げ合う」という結果になったことの尊さと豊かさ。
もともとはデラもジムも、「相手のために自分の大切なものを手放す」という選択をそれぞれしただけ。
相手もそうしてくれろだろう、なんて、1ミリも考えていないんだよね。
自分にとって一番大切なものが「相手への愛」であることが、はっきりしていた。
だからこそ、2番目に大切なもの(金時計や髪)を手放し、相手のために捧げることができることは、喜びでしかなかった。
その姿からは、「そうしなければ」という義務感や同情はまったく感じない。
相手のためにすべてを捧げるという、迷いのない強さと軽やかさを感じるんだよね。
結果として、お互いがそういう気持ちでいたことがわかって、ほほえみとともに温かい気持ちになる。
愚かなのか賢いのか
お互いのために自分の大切なものを手放し、プレゼントも使えないものにしてしまったふたり。
あなたはこのふたりを見て、「愚か」だと思う?「賢い」と思う?
こうして物語で読むから、美談になり「ふたりは賢い」って思うけど。
現実にいたら、ちょっと違う気持ちになるんじゃないかな?
自分や周りを見てみると、大切な人へのプレゼントでも「できる範囲で」「無理なく」を優先することが多い。
プレゼントのために自分の一番大切なものを手放すことは、「ただの自己満足、相手への依存」ととらえることもできる。
それに、一番大切なものを「売る」という選択を、相手に相談もなくしていいのか?とも思う。
「自分を大切にする」「現状に感謝して受け入れる」「何でも相談し合う」を美徳とするなら、この物語はたしかに「自分を犠牲にしている」「愚か」に見えなくもない。
だけど別の視点から見ると、ふたりがとてつもなく賢いのは、シンプルにお互いの喜びを迷いなく選んでいるところ。
いろんな理性や常識からくる「べき」を無視して、純粋にハートからの欲望「相手への愛」から動いているんだよね。
本当の賢さには、頭がいいとか、精神的に成熟してるとか関係ない。
ありのままの感情からでしか成し遂げられないことがある。
作者の見解が出てくる
物語を読んでいて気づくのが、物語を語り手(作者)の言葉のおもしろさ。
ただ淡々とジムとデラのことを語っているのではなく、そこには作者自身のユーモアがちょいちょい入ってくるんだよね。
夫婦の仲の良さをちゃかしたり、デラが泣き出す場面を「女の常」と書いたり。
まるで心地よい漫談を聴いているような気持ちになる。
物語の最後には、ジムとデラの場面からはなれて、「クリスマス」「贈り物」にちなんだ「東方の賢者」にもふれ、しっかりまとめられている。
漫談のようなユーモアと、ジムとデラの物語で終わらせないところ。
この2点が、「賢者の贈り物」はもともと「大人のためにつくられた短編」であることを物語っている。
絵本ならではの魅力
オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』は、文庫の短編集で手軽に読むことができる。
絵本の魅力は、物語の世界観を想像だけでなく視覚で味わうことができること。
文庫では数分で読み終わる短いお話を、絵本『賢者のおくりもの』では、文章と絵をじっくり感じながら、数十分かけて読んだ。
ツヴェルガーの絵
リスベート・ツヴェルガーの絵は、控えめで繊細。
人物の描写も、真正面から表情を描くのではなく、横顔や後ろ姿、伏し目がちな感じが多い。
その仕草や全身から、人物の気持ちがしっかり伝わってくる。
色も控えめで、家具もほとんど描かれず、貧しいふたりの生活ぶりが感じられる。
変に脚色がなく、趣があって生活感のある絵は、大人がじっくり味わうのにぴったり。
矢川澄子の訳
矢川澄子の訳文も独特で素敵。
「です、ます」調だけどくどくない、ずっと読んでいたくなるような日本語。
セリフにも気持ちがこもっていて、絵本だからって子ども向けではない言葉づかい。
「こんなざま」とか、「殺される」とか。
ジムのセリフの中で、デラのことを「恋人」と訳しているのにはキュンとした。
この絵本の文章を読んだとき、「漫談みたい」と思ったけど、他の訳の『賢者のおくりもの』を読んでも、そうは感じなかった。
矢川澄子特有のユーモアや血の通っている言葉が、ツヴェルガーの控えめで繊細な絵と妙に合っているんだよね。
絵本にしては文字が多いこともあり、大人が読むのにぴったりの絵本。
感想おさらい
いろいろな『賢者のおくりもの』
『賢者のおくりもの』は、この記事で紹介した以外にも、文庫やハードカバー、絵本などで読むことができる。
ほとんどは「短編集」という形で刊行されているので、オー・ヘンリーの他の短編も一緒に読むことができるよ。
文字だけで読むと、とたんに「大人の読み物」っぽくテンポの良い短編になり、味わいが変わる。
次の記事でいろんなタイプの『賢者のおくりもの』をまとめているよ。
いろいろな『賢者のおくりもの』
短編小説『賢者の贈り物』22作品比較。文庫、絵本、児童書まとめ
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矢川澄子(訳)×ツヴェルガー(絵)の絵本
絵本『賢者のおくりもの』は、矢川澄子の翻訳とツヴェルガーの絵を楽しめる。
同じ組み合わせの絵本が、1985年に冨山房から刊行された『ふしぎな子』(原題”DAS FREMDE KIND”)。
『ふしぎな子』の原書は1977年刊行で、ツヴェルガーの絵本画家としてのデビュー作品でもある。
原作は『くるみ割り人形とネズミの王さま』でおなじみのドイツの作家、E.T.Aホフマン。
森の小さなお屋敷で暮らす子どもたちの前に現れたふしぎな子どもと、悪者との戦いのお話。
字が小さく、絵本というより「絵童話」みたいな感じ。
初期のツヴェルガーの絵と、矢川澄子の美しい訳文を味わえる。
ツヴェルガーのクリスマス絵本
今作『賢者のおくりもの』でイラストを手がけたリスベート・ツヴェルガーは、他にもクリスマスの絵本を手がけているよ。
日本で刊行されているものを紹介するね。
『クリスマスのまえのばん』
絵本『クリスマスのまえのばん』の原作は、アメリカの神学者クレメント・C・ムーアの詩『聖ニコラスの訪問の物語(原題”Account of a Visit from St.Nicholas”)』。
同じ詩を原作にした絵本は、日本でも複数刊行されている。
リスベート・ツヴェルガーのイラストによる絵本は2006年、BL出版より刊行された。
江國香織の翻訳は、ですます調の優しい語り口。
絵本紹介
「クリスマスの前の夜」の絵本がたくさん?元は同じ詩。9作品まとめ
「クリスマスの前の夜」についての絵本、たくさんあると思わない? あなたも1冊は読んだことがあるんじゃないかな? 実は、どの絵本も”The Night Before Christmas”ていう一つの詩が ...
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『クリスマス・キャロル』
『クリスマス・キャロル』は、イギリスの作家ディケンズの有名なクリスマスの物語。
文章がそれなりに長いこともあり、絵本で刊行されること自体がめずらしいんだけど、この『クリスマス・キャロル』では、ツヴェルガーの絵を存分に味わうことができる。
『クリスマス・キャロル』のお話が好きな人にも、ツヴェルガーの絵が好きな人にもおすすめしたい1冊。
現在は絶版、中古か図書館で借りて読むことができる。
『クリスマス・キャロル』とは?
小説『クリスマス・キャロル』あらすじと感想。ディケンズ永遠の名作
『クリスマス・キャロル』はイギリスの文豪ディケンズの名作。 心温まる物語で、クリスマスの季節には読みたくなる。 どの出版社の『クリスマス・キャロル』を読めばいいか知りたいなら、次の記事か ...
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『くるみ割り人形』
絵本『くるみ割り人形』(原題”NUSSKNACKER”)は、2003年にスイスの出版社より刊行された。
日本では2005年、ケストナー『エーミールと探偵たち』でも知られる池田香代子の翻訳でBL出版より刊行。
ドイツの作家E.T.Aホフマンが1816年に発表した童話『くるみ割り人形とねずみの王様』を、ズザンネ・コッペが絵本用の文章にまとめた。
絵本『くるみ割り人形』は、チキャイコフスキーの音楽とフリーアナウンサーの朝岡聡朗読のCD付きで、ツヴェルガーの絵を見ながらじっくり世界に浸れる。
CDは、単品でほしいほどのクオリティ!
くるみ割り人形を読んだことない人は、この絵本とCDで初めて味わってみるのもおすすめ。
児童書『くるみわり人形とねずみの王さま』
ツヴェルガーが『くるみ割り人形』の挿絵を手がけるのは、2003年の絵本で2度目。
初めての『くるみ割り人形』の挿絵は、絵本画家として活動を始めて間もない1979年なんだよね。
1979年版は日本では山本定祐の訳で『くるみわり人形とねずみの王さま』として冨山房より1981年に刊行されている。
原書は抄訳版の絵本なんだけど、日本語版は全文訳の児童書としてつくられている。
二度も同じお話の絵を手がけるほど、ツヴェルガーにとって『くるみ割り人形』は大切なお話なんだね。
まとめ
絵本『賢者のおくりもの』感想まとめ。
ある若い貧しい夫婦がお互いに発揮する思いやりに感動し、また自分自身を見直させられるお話。
クリスマスに大人が読むのにおすすめの絵本だよ。
クリスマスに読みたい絵本については、こちらのバナーからどうぞ。
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