30代子なし主婦ももちんの乳がん闘病記。
第7回目は、病院選び、ステージ確定の時の気持ちを書いていくよ。
ももちんの乳がん闘病記って?
サイト主ももちんが2013年31歳で体験した、若年性乳がん回想録です。
告知時ステージⅡリンパ節転移あり。
術前化学療法〜乳房温存手術・リンパ節郭清〜放射線〜分子標的薬。
2019年4月ホルモン療法を終え、無治療になりました。
病院選び
M先生とのお話で、もう一つ話題があった。
それは、このままY病院で治療するのか、それとも他の病院を探すのか、ということ。
M先生が提示してくれた治療の流れは、先に手術→抗がん剤というながれ。
できれば、他の病院にセカンドオピニオンを受けに行って、納得してから治療に入りたいです。
(なるべく早く、手術でしこりをとりたいけど、まだ納得できない。
M先生は信頼できるけど、他の先生の意見も聞きたい。)
数週間手術を延期したからといって、病状に影響はないから、しっかり考えたら良いですよ。
ただ、山梨県内はどの病院にでもたいして変わらないので、セカンドオピニオンを受けるなら、東京の病院に行ってはどうでしょうか。
病院の希望があれば、紹介状を書きます。
たいていは流されるままのももちん。
だけど、がんの治療に関わる選択は、どんな結果になっても後悔しないように、自分で納得をして、ひとつひとつ選択をした。
その初めの選択が、この病院選びだった。
地元での治療にこだわらなかった理由
病院からの帰り、さっそく本屋によって、乳がんのムックを買った。
ももちんが買ったのは、この本。
『「乳がん」といわれたら- 乳がんの最適治療2014~2015 (日経BPムック)』の、2013年版を買った。
全国の病院リストが詳しく載っていて、セカンドオピニオンはどの病院にするか決めるのに、参考になりそうだったから。
もともと、山梨の出身ではないももちんは、山梨での治療にはこだわっていなかった。
むしろ、がんという言葉にびびっていたから、イメージで、東京の経験豊富な病院の方が、最先端の治療もできそうだし、何かと安心かも。なんて思ってた。
東京に近くに夫の実家があり、東京の病院にくる場合は全面的にサポートしてくれると言ってくれたことも、心強かった。
セカンドオピニオンをS病院にした理由
ムックをひらいてみると、乳がん治療の全国の病院リストがずらりと並んでいた。
手術件数のみならず、再建or温存の比率や、術後のケア、化学療法中のケア、緩和ケア、メンタルケア・・・
さまざまな項目をみていくうちに、ガイドラインは一緒でも、治療において大切にしていることは、病院によって微妙に違うことが、わかってきた。
例えば、手術において、全摘の件数が多いのか、温存の件数が多いのかも、病院によって違う。
全摘で再発の可能性を少しでも減らそうという方針の病院。はたまた、温存で、できるだけ胸を残す方針の病院。
そういう違いが見えてくる。
リストから東京や神奈川の病院をいくつか選んで、今度はそれぞれの病院のHPをみてみた。
最終的に、ももちんがセカンドオピニオンに選んだのは、東京のS病院。
選んだポイントは、次の通り。
- HPから伝わってくる雰囲気が明るいこと。
- 患者同士のサークル活動が活発なこと。
- 若年性(35歳以下)の乳がんに特化したコミュニティーがあること。
- 同じ病院内に産科婦人科があり、妊娠を望むがん患者の診療も受け付けていること。
このとき夫は、迷ってる時間があるならY病院に決めてしまって、早く手術した方がいいという意見だった。
でもももちんは、珍しく自分の意見をゆずらず、時間をかけて吟味した。
焦って決めるより、ここで時間をとっても行きたい方を選んだ方が絶対いい、という確信があった。
治療が長引くならなおさら、山梨から東京に通うことになっても、快適な環境を妥協せずに選びたい、という気持ちがあった。
セカンドオピニオンか、転院か
さっそく、S病院にセカンドオピニオンの予約の電話をかけた。
そこまではさすがに待っていられない!)
1ヶ月も待つんですか?
なんとか、もう少し早めることはできませんか?(必死)
いったん電話をきって再考。
いくら雰囲気が良さそうとはいえ、一度もいったことがないS病院に、転院を決めてしまうことには不安がある。
山梨のY病院は、M先生には信頼がおけるし、その面では安心だ。
どんな結果になろうが、後悔はしたくない。
どっちを選んだら後悔しないか。
最終的に、何の根拠もなく、一度も行ったことがないけどなんか良さげなS病院にする。と決めた。
優しかったM先生
S病院への転院を決め、数日後、Y病院に予約していたCTとMRIをしにいった。
当院での病理の検査結果なども、S病院でも使えるように、資料としてお渡ししますね。
山梨に住みながら通院は東京ということでしたら、何かあったらすぐにこちらに来てもらえれば、対処できます。
副作用で気分が悪くなったりしたら遠慮なく来てくださいね。
ステージ確定
この日、CTとMRIの検査をした。
がんの転移がないか、全身を調べる検査。
この結果次第で、がんは転移しているのか、それともしていないのかステージが判明する。
さらっと受けたこれらの検査だけど、考えてみると怖い検査。
結果を聞くときはドキドキだった。
一年足らずで大きくなっていたがんのことを思うと、遠隔転移の可能性も頭をよぎった。
結論から言うと、しこりの大きさは2.1cm。左脇のリンパ節に転移があった。
それ以外の遠隔転移は見つからず、ステージとしてはⅡbということになる。
ステージについては、Y病院でも、その後通院することになるS病院でも、「あなたのステージは○○です」とはっきりとは言われなかった。
資料の分類をみて、「しこりが二センチ以上でリンパ節転移がありだと、ステージⅡbだなー」と、自分で判断した。
この結果については、正直、複雑な気持ちだった。
早期とはいえるかもしれないけど、初期ではないし、リンパ節に転移している。
CTやMRIではわからないかもしれないけど、全身に運ばれてる可能性はあるのだ。
可能性の話をしても、らちがあかないことはわかっている。
それでも、いつまでも、悪くなる可能性、想像はついてまわる。
絶望と希望が入り混じった状態、ももちんはこの心をなだめることも、前向きに向かわせることも、全くできなかった。
ただ、このどうしようもない恐れを携えたまま、先に入っている診察予定をひとつひとつこなしていく、なるべく頭は使わず、たんたんとこなしていくしかない、そんな状態だった。
乳がんの検査とステージについて。国立がん研究センターがん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/diagnosis.html
まとめ
ももちんの乳がん闘病記⑦病院選び、ステージ確定の時の気持ちまとめ。
- セカンドオピニオンはどこにする?
- 転院を決めた理由
- ステージ確定と、その時の気持ち
次回は、東京での初診の様子のことを書いていくよ。
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