30代子なし主婦の乳がん闘病記。
今回は、脱毛の恐怖、初めて抗がん剤、ウィッグデビューまでを書くよ。
この記事のポイント
- 抗がん剤前に一番恐れていたのは「脱毛」
- ウィッグデビューで恐怖が安心に変わる
ももちんの乳がん闘病記って?
サイト主ももちんが2013年31歳で体験した、若年性乳がん回想録です。
告知時ステージⅡリンパ節転移あり。
術前化学療法〜乳房温存手術・リンパ節郭清〜放射線〜分子標的薬。
2019年4月ホルモン療法を終え、無治療になりました。
髪が抜ける恐怖
治療スケジュールが決まり、初めに抗がん剤をすることになったももちん。
治療方針決定
【第8話】30代主婦乳がん闘病記。東京での初診と検査、治療方針決定
30代子なし主婦ももちんの乳がん体験記 第8回目は、東京での初診の様子と気持ちを書いていくよ。 東京での初診 乳がんの診断を受けた地元の病院から、東京のS病院への転院を決めて数日後。 S病院、初診の日 ...
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初めての抗がん剤が近づいてきて、ももちんがなによりも怖かったのは、なんだと思う?
それは、気分が悪くなったり、身体が持ちこたえられるか?という心配じゃなかった。
ももちんが一番怖かったのは、「髪が抜けること」だったんだよね。
「髪」はあって当たり前
お医者さんによると、初めに投与する抗がん剤「パクリタキセル」はほぼ100%の確率で脱毛する、とのことだった。
ふつうに生きてたら、女性は髪がなくなる心配はないに等しい。
白髪や薄毛の悩みだってそもそも「髪がある」という大前提だし、そんな悩みには美容室や専用サロンがこたえてくれる。
だけど抗がん剤の脱毛は、ぜんぜん違う。
誰もがひと目見て「がん患者」と予想できる「髪がない姿」だけは、誰にも見られたくない。
美容室になんて行けないし、誰に何を相談したら良いかもわからなかった。
(髪が抜けるってどういう気持ちなんだろう。
頭の形悪いし。
髪が抜けた姿は、絶対に誰にも見られたくない。
家族にも見られたくない。
ばれないカツラってあるのかな。
帽子も買わなくちゃな。)
一瞬にして不安に飲み込まれ、ウィッグや帽子のことを調べる日々が始まった。
このときの不安は、当時の日記にも書いてある。
2013.6.23
今日から日記つけます。
まだまだ元気。
考えることたくさん。
得るもの、絶対あるからね。うん。
とりあえず2013年下半期。人生の転換点になるんじゃないかしら。
こわいこと。
髪が抜けること。
とってもこわい。
夫と久しぶりに手をつないだよ。
夫とはなれていても二人三きゃく。
Facebookやブログでの公開…
これは、脱毛を受け入れて、上手につき合えるようになったらしようと思う。
あせることはない。たっぷり時間ありますよ。
内観する時間。
私にはめいそうより、書くってことが合ってるかもね。
義理のおとうさん、おかあさんに感謝。
本当にありがとう。
元気になること。それが一番の親孝行です。
引用元:ももちんの日記(私物)
プチカツラノイローゼ
外出用に使うウィッグは、たくさん調べた。
乳がんあるある
記事では「ウィッグ」という言葉を多用しています。
なんか、初めは「カツラ」という言葉に抵抗あったのです。
がん闘病中も、誰かと話すときは「カツラ」ではなく「ウィッグ」とかたくなに言っていました。
もっとも途中からどうでもよくなって、「ヅラデビュー」「脱ヅラ」とか普通に使ってたけど。。(笑)
ももちんは、多少高くてもいいので「自然で付け心地のいいウィッグ」を探してた。
大体病院においてあるパンフレットは、「医療用ウィッグ」が主流。
だけどけっこう値段が高くて、写真見ても「50代以上の女性向けなのかな?」って思うものが多かったんだよね。
ヘアエピテーゼのウィッグ
いろいろ調べた結果、「え!これウィッグなの?」って、衝撃をうけるくらい自然なウィッグの画像に出会った。
その画像は、医療用ウィッグ製作のNPO法人「ヘアエピテーゼ」さん。
ヘアエピテーゼ提携美容室のHPには、実際のお客さまのスタイルがたくさん載っていたので安心できた。
ウィッグのケアから自髪デビューまでトータルで面倒見てくれて、お値段は大手の医療用ウィッグよりお手頃。
美容師さんがウィッグを扱うので、その仕上がりの自然さには美容師魂が感じられる。
もちろん個室。
求めていた条件が揃っていたので、救世主を見つけた!と、すぐに提携サロンに連絡を取り、予約した。
いろいろ調べて思ったのは、目に入るところ(病院のパンフレットや乳がん雑誌)は、ほとんど高価な大手企業のウィッグ。
ウィッグの世界も、広告にお金をかけて売る「がんビジネス」の世界なんだなぁ。って思っちゃった。。
日記は、初めてヘアエピテーゼ提携美容室に行ったときのもの。
この日は希望スタイルと色の打ち合わせ。
髪があるうちにウィッグの試着をしたので、不自然さに不安が増したけど(笑)最終的には自然に仕上げてもらえました。
2013.6.25
ウィッグいったよ。
正直、より自然にしてもらえるのか、不安やでー。
えりあしういてたし。変にボリューム出てたしねぇ。
Kさん!(美容室の担当の人)たのむー!!
あなたしかいないのよ、頼みのつなは!たのんだよー!!
うし。信じましょう。
納得いかなんだらくいさがるぞ。
そのぐらいの気持ちでいくよ!
明日は、いよいよ抗がん剤デビューやで。
私は治る。それを信じる。
これからは、今まで以上に、ポジティブに信じる気持ちが必要なのです。
だから。治療に関しても、その他に関しても。
ネガティブなものは見ない。
それに限ります。
引用元:ももちんの日記(私物)
この翌日、初めての抗がん剤。
そのときの気持ちは次の記事をどうぞ。
初めての抗がん剤
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おすすめのウィッグと帽子
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アンジェリークのHP(ももちんがお世話になった美容室)
抗がん剤後〜ウィッグデビュー
抗がん剤3回目の投与を終えた頃(初回から3週間後)、いよいよ「脱毛」が始まった。
ごっそり一気に抜ける感じではなく、ブラシでとかすと髪の毛がたくさんついてくる感じ。
いよいよきたな。
脱毛始めからウィッグへ移行のタイミングは人それぞれ。
ギリギリまで自然に抜けるにまかせ、ギリギリまで帽子でしのぐか。
それとも、早い段階で丸坊主にしてカツラデビューするか。
ももちんは、髪が長いまま抜けていく方が精神的にきついだろうと考え、すぐに坊主にすることを決めた。
髪が抜け始めたときの日記。
帽子をかぶって外出していました。
2013.7.14(3回目PTX5日目)
今日は1日家にいた。
体調はふつう。
髪、抜け始めたっぽい。
まだごっそりっていうわけではなく、乾かしたりとかしたりすると抜けるって感じ。
ごっそり抜け始める日もくるのかな。
覚悟ですな。
明日、近所の駅に行ってみようかしら。ちとブラブラしに。
私ブラブラ好きだから。
でも、帽子かぶっていくかね。
早く、ウィッグつくってもらいたいものですね。
それまでは、帽子onlyで良いかな。うん。
明日予約とろうかなあ。
夫は元気かな。
ももは元気よ。
いろんな人に応援してもらって、ありがたい。
引用元:ももちんの日記(私物)
ウィッグデビュー
髪が抜け始めてから数日後、ヘアエピテーゼの美容院にいた。
まるで禊ぎの気持ちで、美容師さんのバリカンを感じていた。
坊主になった自分は、どっかの小さい男の子みたい(笑)
ウィッグのサイズ調整、ヘアスタイリングまでしっかりしてもらい、慣れない付け心地にちょっとドキドキしながら、美容院を出たことを憶えている。
道を歩きながら、周りにばれてるんじゃないか?って、とても不安だった。
夫が帰宅して、ももちんを見て一言。
ぜんぜんわかんないね!似合うじゃん!
この一言にすくわれ、ほっと胸をなでおろしたのでした。
まとめ
30代子なし主婦乳がん闘病記、抗がん剤と脱毛まとめ。
抗がん剤と脱毛
- 抗がん剤の副作用で最も怖かったのは脱毛
- お世話になったのはヘアエピテーゼの医療用ウィッグ
- 初抗がん剤後3週間でウィッグデビュー
ももちんが愛用していた医療用帽子とウィッグは、次の記事で詳しく紹介しているよ。
【体験談】抗がん剤脱毛した30代主婦がおすすめの帽子とウィッグ
ももちんは30代前半で抗がん剤による脱毛を体験したんだけど、初めに悩んだのが帽子とウィッグ。 結論からいうと、実際に使ってよかったと思うのは「タンドレ」の帽子と、「ヘアエピテーゼ」のウィッグ。 この記 ...
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アンジェリークのHP(ももちんがお世話になった美容室)
次回は、初めての抗がん剤と体調面での副作用、気持ちの変化について書くよ。
【第11話】30代乳がん闘病記。初めての抗がん剤の気持ちと一日の流れ
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闘病記一覧
- 【第12話】30代主婦乳がん闘病記。体に出てきた抗がん剤前半の副作用
- 【第11話】30代乳がん闘病記。初めての抗がん剤の気持ちと一日の流れ
- 【第10話】30代乳がん闘病記。抗がん剤脱毛の恐怖とウィッグデビュー
- 【第9話】30代主婦乳がん闘病記。休職と友人・SNSでのカミングアウト
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