30代子なし主婦ももちんの乳がん闘病記、始まります。
第1回目は、乳がん発覚のきっかけとなった出来事。
憂鬱な日常を送っていたももちんが、ある日しこりを発見したときの気持ち。
ももちんの乳がん闘病記って?
サイト主ももちんが2013年31歳で体験した、若年性乳がん回想録です。
告知時ステージⅡリンパ節転移あり。
術前化学療法〜乳房温存手術・リンパ節郭清〜放射線〜分子標的薬。
2019年4月ホルモン療法を終え、無治療になりました。
しこり発見
2013年5月のとある日。
いつも通りお風呂に入ってぼーっとして、入浴剤の入ったお湯を肩にかけていたら、ふと、右手が左のわきの下付近に触れた。
そこには、2~3センチくらいの、球体のしこり。
当時のももちんは、153cm、42kgの痩せ型。
しこりは皮膚のすぐ下で、かなりの存在感をはなっていた。
手触りは固く、動かない。痛みは全くない。
こんな大きなの、今までなんで気づかなかったのだろう?
不思議さがとまらない。
しこりを発見したことで、一瞬「まさか、乳がん?」と頭に浮かんだけど、そこには、不安とかはくっついてなかった。
当時のももちん、31歳。この年齢でふつうに健康で、そんなわけないし。
検診は受けていた
しこりを発見しながらも、「んなわけないよなぁ」って思った理由は、もう一つあった。
前の年の7月に、市の乳がんの定期検診(エコーのみ)を、しっかり受けていたから。
その時に異常はなかったし、あれからまだ10ヶ月しかたってない。
一年足らずで2cmにまでなる乳がんのしこりって、あると思う?
そのときネットの情報では、「乳がんのしこりは、7~8年かけてようやく1cmになるくらいの速度」と書いてあった。
調べた結果、「これは、線維腺腫というやつに違いない。こんなにしこりの成長が早いのは、乳がんではないはずだ。」と、勝手にあたりをつけてみた。
なんてとんちんかんな診断。。
みんなもしこりを見つけたら、思い込みに走らず、きちんと病院に行こうね。
夫の不安
しこりを発見した後、お風呂上がりに、夫に軽いノリで話してみた。
その口調は、明らかに真面目に心配モード。
ももちんは少しとまどった。
(大丈夫なんだから不安あおらないでよー、なんか心配になってきたじゃん)
・・・ま、多分繊維腺腫っていうのだと思うけどね。来週にでも、病院行ってみるよ。
しこり発見から一週間後、家の近くの乳腺外科のある病院に行った。
じわじわとユーウツな日常
怪しいしこりを見つけたら、あなたはどんな気持ちになるかな?
ももちんは、しこりを発見したとき、実はワクワクしていた。
これは、まず前提として、自分が乳がんであるはずがないという確信があったから(間違っていたけれど)。その上でのワクワクね。
そのときわいたのは、次のような気持ち。
もし、乳がんだったら、どうなるんだろう?人生変わってしまうんだろうな~。
家族心配するだろうな、やさしくいたわってもらえるな~。
バイトは辞めるのか?ゆっくりのんびりできるな~。
器でかくなるだろうし、経験として病気も悪くないな~。
まるで、たまに熱だして、学校やすんで親にやさしくしてもらえて幸せ味わう、ふだん超健康体の小学生(笑)ほんとそのくらいで考えてた。
仕事と妊活・・・実は逃げ出したかった
当時のももちんは、健康や体力には自信があった。
病院もめったに行かない。仕事は衣料品の大型店のアルバイト。ちゃかちゃか歩き回り、サービス残業もしてた。遅番の翌日のお休みに早起きをして、登山に行くこともあった。
思えば、ももちんは、子どものころからずーっと忙しかった。
学校行って、習い事やったり、部活やったり、、休みの日は遊んだり、バイトしたり、、
常に何かをしていることが当たり前だった。
大人になってからも、仕事にやりがいを求めるあまり、ブラックな環境に身を置いて、その充実感に酔いしれていた。
結婚して数年、なかなか子どもを授からずに、悩んでいた時期でもあったよ。
いよいよ本気の不妊治療に足を踏み入れてみようか、とも話していた。
そんな矢先の、しこり発見。
ワクワクしてしまったのは、こんな日常に、どこかで嫌気がさし、変えたいと思っていたから。
今は幸せだ。(健康で、結婚してて、安定してて、、)幸せだと思うべきだ。という建前もあったんだけど、
そんな今に、どう頑張っても満たされない本音が、こんなんじゃ嫌だ!この生き方を変えたい!と叫んでいたんだよね。
だから、そのきっかけをくれそうなこの機会、妄想でワクワクとして楽しんでいたわけ。
心の方程式
もうちょっと、この心のからくりについて話そうと思う。
しこりを発見したときわいてきたワクワクが示していた、思わぬ本音。
乳がんになれば、休める。やさしくしてもらえる。
この、○○になれば(が起これば)、△△できる。という方程式。あなたの中にはないかな?ももちんはよく採用してきた。
みたいな感じ。
これって、ぜーんぶ、○○すれば、△△を自分に許可できるけど、そうじゃない今は△△できない。っていうとりきめを、自分に「勝手に」課していただけ。
複雑怪奇。よくがんばっていた。
ここまで書いて、ももちんは、どれだけ社会的ポジション(人からどうみられるか)にこだわっていたかがわかる。
まとめ
ももちんの乳がん闘病記①まとめ
- ユーウツな日常
- しこり発見はある意味アトラクション
- 心のからくり
次回は初めての受診の日の様子と、告知までの気持ちを書いていくよ。
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30代子なし主婦ももちんの乳がん闘病記。 第2回目は、初めての受診と針生検、告知までの気持ち。 受診の日の様子 しこり発見から1週間。若干の不安を抱えながら、山梨のY病院の乳腺外科に行った。 大きな病 ...
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