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映画『犬ヶ島』架空の近未来”日本”を舞台に描かれる少年と犬の絆。

2018年5月30日

近未来の日本を舞台にしたストップモーションアニメ映画『犬ヶ島』を観てきたよ。

今回は映画『犬ヶ島』のみどころをお伝えするよ。ネタバレしてないので、映画を観に行くときの参考にしてね。

今回レビューする作品

『犬ヶ島』とは?

『犬ヶ島』(原題”Isle of Dogs”)は、アメリカで制作され2018年公開された映画。

静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる、ストップモーション・アニメーションの映画となっている。

第68回ベルリン国際映画祭のオープニング作品として上映され、銀熊賞 (監督賞)を受賞した。

ウェス・アンダーソン(監督/ストーリー/脚本/製作)

アメリカの映画監督、映画プロデューサー、脚本家、俳優。

1969年、アメリカ、テキサス州生まれ。

代表作(監督)

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内容紹介

出典:『犬ヶ島』日本オリジナル予告編/サーチライト・ピクチャーズYouTubeチャンネル

 

近未来の日本。ドッグ病が大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を”犬ヶ島”に追放する。

ある時、12歳の少年がたった一人で小型飛行機に乗り込み、その島に向かった。

愛犬で親友のスポッツを救うためにやって来た、市長の養子で孤児のアタリだ。

島で出会った勇敢で心優しい5匹の犬たちを新たな相棒とし、スポッツの探索を始めたアタリは、メガ崎の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいていくー。

出典:映画『犬ヶ島』チラシ

 

『犬ヶ島』感想

  1. 全体に感じる異国感
  2. 少年と犬たちの絆
  3. 犬たちの声に魅せられる

全体に感じる異国感

映画の舞台は20年後の日本なんだけど、外国人の描く日本はつくづく面白いと思う。日本人では絶対に描けない世界。

多分この映画、日本人が観るのと、外国人が観るのとじゃ、違う感想を持つと思うんだ。

架空の『JAPAN』の世界が自由に表現されているから、何とも言えないノスタルジックな感じと、現実とはリンクしないファンタジー感が感じられる。

日本人から見たら、この世界は実際の日本ではない、似ているけど完全な異国の世界。

 

近未来の日本像

映画の中の近未来の日本文化はとてもユニーク。

ドッグ病の治療薬を開発する機械や、ロボット犬などのハイテクっぷりがあると思ったら、上の写真のようなアナログの電話や、四角いテレビが登場。

高校生たちの学生運動はどこか昭和を思わせる。

太鼓や相撲などの伝統文化もしっかり描かれていて、本当にこれはいつの時代なのか?わからなくなる。

時代をあえて混在させた感じに、どんどんひきつけられていく。

 

やっぱり英語は下手

やっぱりそうだよねって思ったのが、日本人の英語の下手さを表現しているところ。

「ノット ペット!(ペットじゃない!)」とか、「シット!(おすわり!)」とか、文字通りカタカナ読みのセリフで、通じない、というところがおもしろい。

だけど、人間と犬の間では、ほんとのところ、言葉は関係ないんだよね。

ジェスチャーと「なんとなく」な感覚で、充分心が通じ合う。

 

アタリ少年のキャラクター

アタリ少年の声を担当しているコーユー・ランキンくんは、カナダ人の父と日本人の母のもとに生まれ、現在カナダ在住。

日本語も話すけど、日本人が話す日本語とちょっと違うんだよね。

そこがいい。

キャストを選ぶときに、生粋の日本人をつかうこともできたはずなのに、あえてこの独特な日本語を話すコーユー・ランキンくんを起用したということなんだよね。

”アタリ”という名前も、未来っぽくてなんかいい。見た目も目が薄い黄色だし、どこにでもいそうでどこにもいない感じ。

やっぱりここは実在の日本ではなく、架空の国、”JAPAN”なのだなぁ。

それと、犬ヶ島でのアタリ少年の服装、シルバーで未来的な感じなのに、足元が下駄なのはおもしろかった。

 

少年と犬たちの絆

アタリ少年は、全体を通して、基本的には犬たちとだけ行動を共にする。

同世代の友だちとか、家族とかと関わるシーンがないので、初めはなかなかアタリ少年の個性みたいなものが見えてこない。

愛犬スポッツを探しにたった一人で小型飛行機に乗ってやってくるという時点で、死すらも恐れない勇敢な心を持っているということはわかった。

犬たちとうちとけて、すべり台に乗ったり、芸をおぼえさせようと頑張るところでは、少年らしさが見られてほっとした。

それにしぶしぶ従うチーフの「やれやれ」感とか、少年を犬たちみんなで守ろうとするところとかは、成熟した犬たちと少年の関係に、心が温かくなった。

 

犬たちの声に魅せられる

ももちんは字幕版でみたんだけど、犬たちの声も、人間たちの声も、みんな俳優として活躍してる人ばかりなんだよね。

アタリ少年とともに行動する5匹の犬たちの声も、エドワード・ノートンとか、ビル・マーレイとか、ハリウッド映画にそれほど詳しくないももちんでも知ってる俳優さんたち。

それぞれのキャラクターにぴったり合っててさすがだなぁって思ったよ。

特にチーフが、不良犬の雰囲気が出てて好きになった。

 

スカーレット・ヨハンソン

映画で出てくる犬たちはほとんどオス犬なんだけど、紅一点みたいな感じで登場するのが、元ショー犬のナツメグ。

ナツメグの声をスカーレット・ヨハンソンが担当しているんだけど、めっちゃ魅力的な女性として演じてる。

スカーレット・ヨハンソンは、『her 世界でひとつの彼女』という映画でも、人工知能AIの声をやっていて、魅力的な女性を声だけで演じているんだ。

もちろんナツメグの見た目も何とも言えず素敵。ナツメグの人形の製作には6ヶ月かかったらしい。

こんなわんこがいたら、周りのオス犬たちみんなメロメロになるよなぁ、と思いながらみてたよ。

 

制作秘話

出典:『犬ヶ島』フューチャレット映像:Making Of Puppets/サーチライト・ピクチャーズYouTubeチャンネル

 

映画『犬ヶ島』はストップモーションアニメなので、CGとかは使われていない。

登場人物や犬たちは全て人形なんだけど、その数なんと1097体。500人以上の人間と500匹以上の犬を制作したらしい。

アタリ少年の髪や犬たちの毛は1本1本手作業で植えつけ。留学生トレーシーのそばかすも全部手作業でつけているらしい。

気が遠くなる作業だよね。

 

まとめ

映画『犬ヶ島』みどころまとめ。

  1. 全体に感じる異国感
  2. 少年と犬たちの絆
  3. 犬たちの声に魅せられる
  4. 制作秘話

細かすぎる仕事に、スタッフ陣とキャストの情熱をめっちゃ感じるストップモーションアニメ映画だよ。

 

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

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