東京・六本木ヒルズで開催中の「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」に行ってきた。
児童文学『不思議の国のアリス』が成立した背景はもちろん、映画・舞台・ファッションなど、時代・国境を超えて広がる「アリス」を堪能したよ。
2022年12月10日~2023年3月5日、大阪・あべのハルカス美術館へ巡回。
この記事でわかること
- 「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」の感想と楽しむポイント
- 展示を見る前に読もう!アリスの本
- 混雑状況・グッズ情報
「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」とは?
引用元:特別展アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―/fujitv-events
「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」は、児童文学として誕生した『不思議の国のアリス』が、アート・ファッション・映画など多様なジャンルに広がった「文化現象」に焦点をあてた大規模展。
英国ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)からスタートし、世界巡回中の展覧会。
特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ポイント
- 児童文学『不思議の国のアリス』が成立した背景。ルイス・キャロルが撮影した写真、手書きの構想やテニエルの原画。
- 映画の中の「アリス」を、初期のサイレント映画~2010年代ティム・バートン監督の作品まで一挙紹介。
- 20世紀初頭~急進的アーティストによって表現された「アリス」
- 日本展の元となるロンドン展の展示演出は、著名な舞台デザイナーのトム・パイパー。原作の世界観に没入できる没入型展示演出
『不思議の国のアリス』とは?
『不思議の国のアリス』(原題”Alice's Adventures in Wonderland”)は、1865年にイギリスの作家ルイス・キャロルによって発表された児童文学。
ルイス・キャロルが知人の娘に贈った手書きの本『地下の国のアリス』に加筆・修正を加えた物語。
1871年、続編として『鏡の国のアリス』(原題”Through the Looking-Glass, and What Alice Found There”)が刊行。
1886年、『不思議の国のアリス』の原型である『地下の国のアリス』(原題”Alice's Adventures under Ground”、文、挿絵ともにルイス・キャロル)の複製本が刊行。
1889年、『不思議の国のアリス』を幼児向けに脚色した『子供部屋のアリス』(原題”The Nursery "Alice"”)が刊行。
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』『子供部屋のアリス』いずれも初版の挿絵はジョン・テニエル。
日本では、1899年に『鏡の国のアリス』の翻訳作品(邦題『鏡世界』須磨子訳)が発表。
1908年に『不思議の国のアリス』の翻訳作品(邦題『アリス物語』長谷川天渓訳)が発表された。
参考:Wikipedia
『不思議の国のアリス』一言あらすじ
ある昼下がり、7歳の少女アリスがうたた寝中に見た、夢の物語。
不思議な白ウサギの後を追って巣穴に飛び込むと、そこには不思議な世界。
アリスは、姿が大きくなったり小さくなったりしながら、青虫やチェシャーネコのアドバイスを受け、冒険する。
三月ウサギと帽子屋との「おかしなお茶会」、トランプの国でのクロッケーなどを経て、ついには裁判で女王と対決する。
『鏡の国のアリス』一言あらすじ
『不思議の国のアリス』の冒険から半年後の11月。
7歳半のアリスが夢の中で体験する、鏡の向こうのチェスの世界の物語。
キングやクイーンなどの駒たちや、マザーグースの生き物たちと交流しながら、アリスはチェス盤の世界を進む。
最後には白のクイーンになり、夢から覚める。
言葉遊びなども織り交ぜながら、より緻密に物語が展開していく。
『不思議の国のアリス』感想
『不思議の国のアリス』本のあらすじと感想。理解不能な世界に迷う。
『不思議の国のアリス』はイギリスの作家ルイス・キャロルによる児童文学。 大人になって読んだんだけど、こんなに奇想天外でつかみどころのない物語、初めてだった。 だけど、確実にその不思議な世界観に引き込ま ...
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『鏡の国のアリス』感想
小説『鏡の国のアリス』あらすじと感想。不思議の国から半年後の夢。
『鏡の国のアリス』は、ルイス・キャロルの有名な小説『不思議の国のアリス』の続編。 不思議の国ではトランプの世界だったけど、今回アリスはチェスの世界に迷いこむ。 ちょっと成長したアリスと、さらに冴えわた ...
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ルイス・キャロル(作)
本名チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン。
イギリスの数学者・作家。
1832年生まれ。
母校オックスフォード大学で数学講師を26年間つとめる。
一方で、ルイス・キャロルのペンネームで詩や短編を書き、写真にも取り組む。
33歳で刊行した『不思議の国のアリス』がベストセラーとなる。
1898年死去。
参考:Wikipedia
代表作(小説)
ジョン・テニエル(絵)
イギリスの画家。
1820年生まれ。
絵画はほぼ独学で身につけ、風刺画や挿絵で活躍する。
1850年から約50年間にわたり雑誌『パンチ』で数多くの風刺漫画を手がける。
1914年死去。
参考:Wikipedia
【次回】あべのハルカス美術館(大阪)
場所:あべのハルカス美術館 https://www.aham.jp/
開催期間:2022年12月10日(土)〜2023年3月5日(日)
開館時間・休館日
開館時間:火~金 / 10:00~20:00 月土日祝 / 10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:2022年12月12日(月)、31日(土)、2023年1月1日(日)
チケット情報
当日(税込) | 前売り・団体(税込) | |
一般 | 1,800円 | 1,600円 |
大高生 | 1,400円 | 1,200円 |
中小生 | 500円 | 300円 |
※団体は15名以上。
※未就学児無料。
※障がい者手帳をお持ちの方は本人と付き添い1名半額(予約不要)。
アクセス
住所 〒545-6016 大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階
電話 06-4399-9050(10時~17時)
近鉄「大阪阿部野橋」駅 西改札
JR「天王寺」駅 中央改札
地下鉄御堂筋線「天王寺」駅 西改札
地下鉄谷町線「天王寺」駅 南西/南東改札
阪堺上町線「天王寺駅前」駅 よりすぐ
巡回情報
【次回】大阪会場
場所:あべのハルカス美術館 https://www.aham.jp/
開催期間:2022年12月10日(土)〜2023年3月5日(日)
「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」を見たきっかけ
ももちんが本の『不思議の国のアリス』を読んだのは大人になってから。
正直、物語の奇想天外っぷりにはついていけない面もあるんだけど、なんだか惹かれてしまうのがアリスの不思議で、結局何度も読み返している。
2019年のアリス展で、テニエルの原画や他のアーティストのアリスの表現を見て、とっても刺激を受けた。
今回も、いろんな側面のアリスを見てみたいなあと思い、行ってきました。
2019年アリス展感想
不思議の国のアリス展2020感想。新しいアリスに出逢うアート展
不思議の国のアリス展に行ってきた。 アリスといえばジョン・テニエルの挿絵が有名だけど、他にも様々なアーティストの「アリス」を見ることができたよ。 本の『不思議の国のアリス』を読んでいなくても、充分に楽 ...
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「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」感想
「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」ポイントは次の通り。
特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ポイント
- 撮影OK!原作の世界に入り込んだような演出
- ドジソンが「ルイス・キャロル」になるまで
- 映画になったアリス
- 20世紀のアーティストとアリス
- アリスの舞台とファッション
撮影OK!原作の世界に入り込んだような演出
アリス展2022では、章から章で雰囲気が変わるのではなく、会場全体が一つのアリスの物語の世界のような感じ。
その中にある原画やアートはかしこまって見るものではなく、距離が近く感じた。
あとで公式書籍『アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界』を見てみてわかったのは、書籍で展示作品の内容をすべてカバーしているわけではない。
その分、来場した人しか見られない作品をしっかり見て、写真に残して、体験として刻むことができるようになっている。
貴重なアート・原画を撮影できるのはなかなかないことなので、うれしい体験でした。
児童文学『不思議の国のアリス』の原点
今回の展示は「アリスに影響を受けた世界中の舞台、映画、アート」がメインテーマ。
だけど、まずは原点となる児童文学『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』について、豊富な原画や資料で知ることができる。
ドジソンが「ルイス・キャロル」になるまで
展示では、チャールズ・ラトヴィッジ・ドジソン(ルイス・キャロルの本名)の『不思議の国のアリス』ができる前までの人生が紹介されている。
ドジソンは、子供の時から言語の規則性に注目した「言葉遊び」が得意だったことが、12歳の頃の通知表の展示からわかった。
数学者でもあったドジソンには世の中に「規則」を見出す独自の目が備わっていて、それが当てはまらないものにいち早く気づいていたことも予想できる。
他にも絵を描くことが好きで、ドジソンに影響を与えた画家の作品なども見ることができました。
また、ここで圧巻だったのが、当時ドジソンが熱中していた写真コレクション。
後に『不思議の国のアリス』の主人公のモデルとなるアリス・リドゥルを含むリドゥル姉妹はもちろん、他のモデルでも、凝った設定での撮影や、富裕層の家族写真など。
その技術の高さはもちろん、吃音のあったドジソンが「写真」を通して社会との交流を円滑にしていたことがうかがえる。
ドジソンが生きていたヴィクトリア王朝の発明品の展示もあった。
ルイス・キャロルとジョン・テニエル
『不思議の国のアリス』は、ドジソンが当時勤めていたクライスト・チャーチ学寮の寮長の娘、リドゥル三姉妹に語ったお話が元になっている。
ドジソンは後にこのお話を、自らが文・絵まで手掛けた『地下の国のアリス』としてまとめ、それが『不思議の国のアリス』に発展した。
展示では、ドジソンによる貴重な「アリス」のスケッチを見ることができる。
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後にドジソンは、ルイス・キャロルというペンネームで『不思議の国のアリス』を発表する。
このとき挿絵を手掛けたのは、当時風刺画家として活躍していたジョン・テニエル。
キャロルとテニエルは話し合いを重ね、挿絵の配置やデザインまで綿密に決めていった。
展示では、テニエルによる「アリス」2作品の原画を見ることができる。
展示を見ていてわかったのは、テニエルもキャロルと同じくらい細部のこだわりが強い人だったこと。
そのこだわりの強さがわかるエピソードが、「初版本却下」事件。
初版本の印刷が終わり、あとは発売を待つだけの段階で、テニエルはその印刷の仕上がりに難色を示し、新しく刷り直すことになったそう。
展示ではその幻の初版本を見ることができた。
展示では、児童文学『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』のあらすじがパネルで紹介されている。
これだけで原作の世界を知るのは厳しいので、展示を見る前に本を読んでおくのがベスト。
世界に広がるアリス
教訓的な子供向けの本が多かったこの時代、『不思議の国のアリス』のような「言葉遊び」「ナーサリーライム(わらべうた)」を取り入れた「ナンセンス」なお話は、文化現象を起こした。
子供の時に「アリス」を読んで影響を受けた作家、アーティストは多く、世界中で翻訳されている。
日本でも多くの画家が「アリス」を描いているが、展示では、金子國義氏、酒井駒子氏、ヒグチユウコ氏の作品を見ることができた。
映画になったアリス
今回の展示の見どころの一つが、「アリス」の映像作品を一挙に見ることができること。
1900年代初頭のサイレント映画、1930年代の長編映画など、ポスターだけでなく、貴重な映像を1〜2分ほどのダイジェストで見ることができた。
他にもスペインでの実写映画や、日本制作のアニメ、ヤン・シュヴァンクマイエルの『アリス』など、いろんな「アリス」映像作品が一同に介していて、おもしろかった。
ディズニー制作の「アリス」
「アリス」の映画といえば、1951年公開のディズニーアニメ『ふしぎの国のアリス』と、2010年、2016年公開のティム・バートン監督の実写映画がよく知られている。
展示ではその貴重なセル画を見ることができたし、撮影禁止エリアではティム・バートン氏によるイメージスケッチも多数展示されていた。
展示を見たあとにアリスの映画を見たくなりました。
20世紀のアーティストとアリス
19世紀末に生まれた「アリス」は、100年以上たった現代まで文化現象として広がっている。
展示では、20世紀前半から起こった芸術運動「シュルレアリスム」のアーティストによる「アリス」作品がたくさんあった。
サルバドール・ダリの描く「アリス」では、なわとびをしている女の子がすべての絵に描かれていた。
なんかよくわかんないんだけど、そのよくわからなさがそもそも「アリス」だよね、と思ったら、前衛的な表現と「アリス」の相性の良さが感じられる。
1960年代〜1970年代のヒッピー化の中でのサイケデリックな「アリス」表現もおもしろかった。
なかでも記憶に残ったのは、1970年代に若者へのドラッグへの注意喚起のために作られた映像。
「アリス」をモチーフに作られているんだけど、映像がおしゃれすぎて、逆にドラッグを勧めることになる懸念が出て放送取りやめになったとか。
刺激強めの作品群から、アリスの毒が強い面を見ることができた。
アリスの舞台とファッション
「アリス」は演劇やバレエなどの舞台でも親しまれている。
展示では、バレエのロンドン公演で使われた衣装が圧巻だった。
公式書籍『アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界』を見ると、インパクト大のハートの女王の衣装を、舞台上で人が身につけている写真を見ることができる。
奇想天外な物語の世界が舞台でどう演じられるのか、いつか見てみたい。
ファッション分野に広がる「アリス」は多岐にわたっている。
「量子」の観点でデザインされたものは、着て歩くとらせん状の模様が波打つように動く。
写真家ティム・ウォーカーは、あえて黒人のモデルを起用して新しい「アリス」の世界を提示している。
他にも、ヴィヴィアン・ウエストウッドデザインの作品、日本のゴシック・ロリータの作品などがあった。
展示の感想おさらい
- 撮影OK!原作の世界に入り込んだような演出
- ドジソンが「ルイス・キャロル」になるまで
- 映画になったアリス
- 20世紀のアーティストとアリス
- アリスの舞台とファッション
展示を見る前に読みたい「アリス」の本
今回の展示では、映画・アート・ファッションなどの展示が多いので、小説『不思議の国のアリス』を読んでいなくても楽しめる。
だけど、前もって原点となった小説『不思議の国のアリス』を読んでおくと、展示の世界をもっと深められるよ。
次の記事で、いろいろな『不思議の国のアリス』を紹介しているので、参考にしてね。
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チケット・ショップ情報
ここからは、チケット・ショップ・美術館周辺の情報を紹介するよ。
混雑状況
ももちんは会期初日の土曜日、午前中に行った。
アリス展の列はそんなになくて、すんなり会場入りできた。
ただ、2022年7月現在、同じフロアで「水木しげるの妖怪百鬼夜行展」が開催中で、こっちのお客さんの列がすごかった。
列を間違えないように、スタッフに確認することをおすすめするよ。
ロッカーは100円硬貨が後で戻ってくるタイプの無料コインロッカーあり。
傘だても会場そばの52階にあります。
チケットは平日がお得!
今回の展示では、平日券が土日祝券より200円お得。
空きがあれば当日でも美術館内でチケット購入できるけど、確実に入場することができる「日時指定券」を購入しておくことをおすすめするよ。
密が気になる場合は、平日に行くのが断然おすすめ!
音声ガイドをアプリで聴ける
📣展覧会サポーター発表!
女優の上戸彩さんが #特別展アリス の展覧会サポーターに決定🎉本展では、展覧会の音声ガイドに初挑戦します🐇#上戸彩 pic.twitter.com/zC89njji59
— 特別展アリス─へんてこりん、へんてこりんな世界─ (@2022Alice_JPN) June 19, 2022
今回の展示の音声ガイドは、女優の上戸彩さんと、声優の細谷佳正さん。
音声ガイドって、通常は会場で機械をレンタルするけど、今回はアプリでも聴くことができるよ。
事前に「聴く美術」のアプリをダウンロードして、当日会場で聴くのがおすすめ。
アプリなら当日だけでなく、配信期間中いつでも聴くことができるよ。
ショップでオリジナルグッズを見よう
展示室内の特別ショップは、入場1回につき1回のみ会計可能。
しっかり吟味して会忘れのないようにしよう。
グッズは展覧会限定のものが中心に並んでいて、通路も広くそこまで密ではなかった。
公式書籍『アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界』
今回の展示に合わせて、公式書籍『アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界』が特別ショップで販売されている。
これは、ロンドンで開催されたAlice:Curiouser and Curiouser 展に合わせて刊行された書籍の日本語版。
今回の展示と近い流れで、児童文学『不思議の国のアリス』が成立した背景、映画、舞台、20世紀のアーティストによるアリスについてなどが解説・作品紹介されている。
掲載されている作品数は実際の展示より少なく、どちらかというと解説文に力を入れた読み物という感じ。
この書籍では、前半で画家・クリスチャーナ・S・ウィリアムズによる「不思議の国のアリス」の場面イラスト(表紙イラスト画家)が見開き30ページにわたり掲載されている。この絵の見ごたえがすごい。
ハードカバーでしっかりとした作り。
翻訳の監修は、日本でアリス作品の翻訳を何度も手掛けている高山宏。ただ、この書籍でアリス作品を読めるわけではない。
まとめ
「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界」見どころまとめ。
アリス展2022ポイント
- 原点となった『地下の国のアリス』資料
- ジョン・テニエルの下絵
- 世界中のアーティストによる「アリス」
- 絵だけにとどまらない「アリス」
ココがよかった
- 撮影OK!原作の世界に入り込んだような演出がよかった
- ドジソンが「ルイス・キャロル」になるまでの資料が豊富
- 映画になったアリス。ダイジェストで映像を見ることができた
- 20世紀のアーティストとアリス
- アリスの舞台とファッション
児童文学としての『不思議の国のアリス』が成立した背景はもちろん、映画・舞台・ファッションなど、時代・国境を超えて広がる「アリス」を堪能できる。
余裕があれば、展示を見る前に小説を読んでおくことをおすすめするよ。
アリスの記事
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