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出版120周年ピーターラビット™展2022感想。絵本の彩色画全点に感動

2022年3月27日

東京・世田谷美術館で開催中の「出版120周年 ピーターラビット™展」に行ってきた。

絵本『ピーターラビットのおはなし』の彩色画を全点見ることができる贅沢な企画展。

展示に行く前に絵本を読んでから行くと、味わいが深まるよ。

この記事でわかること

  • 「出版120周年 ピーターラビット™展」の感想
  • ピーターラビットの絵本

「出版120周年 ピーターラビット™展」とは?

「出版120周年 ピーターラビット™展」は、『ピーターラビットのおはなし』(原題”The tale of Peter Rabbit”)の初版刊行から120周年を記念して開催される展示。

出版120周年 ピーターラビット™展ポイントポイント

  • 『ピーターラビットのおはなし』彩色画全点を公開。日本語の絵本で掲載されなかった絵も含む
  • 『ピータラビットのおはなし』原点となった絵手紙の直筆オリジナルを日本初公開
  • ビアトリクス・ポター自らが監修したピーターラビット関連グッズ

「ピーターラビット™」とは?

『ピーターラビットのおはなし』初版[public domain]

「ピーターラビット」は、イギリスの絵本作家ビアトリクス・ポターが1902年に発表した絵本『ピーターラビットのおはなし』(原題”The Tale of Peter Rabbit”)の主人公のうさぎ。

『ピーターラビットのおはなし』を第1作目とする絵本シリーズは23作品刊行され、シリーズを総称して「ピーターラビット」シリーズと呼ばれている。

日本では1971年、『ピーターラビットのおはなし』『ベンジャミン バニーのおはなし』『フロプシーのこどもたち』が石井桃子の訳で福音館書店より正式に版権を得て刊行された。

2022年より、川上未映子の新訳絵本シリーズが早川書房より刊行されている。

キャラクターとしての「ピーターラビット」が登場するのはシリーズ23作品中6作品。

参考:『ピーターラビットの世界へ ビアトリクス・ポターのすべて』河野芳英著、河出書房新社、2016年、Wikipedia

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ビアトリクス・ポター

1912年頃のビアトリクス・ポター[public domain]

イギリスの絵本作家。

1866年、ロンドンの裕福な家庭に長女として生まれる。

学校には通わず家庭教師による教育を受け、動植物の観察と絵の才能を伸ばす。

1890年から挿絵で収入を得るようになり、1902年、かつて家庭教師の子どもにあてて描いた絵手紙を絵本『ピーターラビットのおはなし』として発表

以後30年にわたり、23作の絵本「ピーターラビット」シリーズを発表し、世界中で人気を博す。

一方で、イギリス湖水地方の自然保護活動に熱心に取り組む。

1943年死去。

参考:Wikipedia

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巡回情報

【終了】東京会場

場所:世田谷美術館   https://www.setagayaartmuseum.or.jp/

開催期間:2022年3月26日(土)〜6月19日(日)

【終了】大阪会場

場所:あべのハルカス美術館      https://www.aham.jp/

開催期間:2022年7月2日(土)〜9月4日(日)

【終了】静岡会場

場所:静岡市美術館   https://shizubi.jp/

開催期間:2022年9月15日(木)~11月6日(日)

「出版120周年 ピーターラビット™展」を見たきっかけ

ももちんが「ピーターラビット」に興味を持ったのは大人になってから。

2018年に「ピーターラビット」の実写版映画が公開されたとき、原作の絵本シリーズを読んでみたんだよね。

絵本シリーズでは、図鑑のように緻密で愛らしい動物の絵や、ほのぼのするだけじゃないストーリーの奥深さにハマりました。

その後ビアトリクス・ポターが『ピーターラビットのおはなし』を発表するまでの経緯も知って、ますます興味が湧いた。

今回の展示では、その貴重な資料を直接見ることができる貴重な機会を楽しみにしていました。

ピーターラビット展情報

「出版120周年 ピーターラビット™展」感想

120周年ピーターラビット™展入口の幕。

「出版120周年 ピーターラビット™展」ポイントは次のとおり。

出版120周年 ピーターラビット™展ポイント

  • 『ピーターラビットのおはなし』彩色画に感動
  • 「ピーターラビット」以前のウサギたち
  • 元になった絵手紙がオリジナルで見られる
  • ピーターラビットの仲間たち
  • 撮影ポイント

『ピーターラビットのおはなし』彩色画に感動

一番良かったのは、絵本『ピーターラビットのおはなし』の彩色画全点が展示されているコーナー。

日本語版の絵本には掲載されなかった挿絵も含め、全34点の彩色画をじっくり見ることができる。

これが、絵本とは違う新鮮な感動だった。

絵本ではおはなしを軸に、絵を補足にして読み進めていくけど、展示では逆。

絵が主役になっているので、1点ごとに込められているストーリーが直接伝わってくるんだよね。

34点みていくと、そのたびに見る方の気持ちも変わるから、まるで長編映画を見ているよう。

ももちん
こんなに重厚でしっかりしたお話だったんだ。。。

特に、木戸の網にピーターの上着が引っかかって、ピーターが涙を流す絵のところではぐっと来た。

絵1点1点の横にはお話の一部が紹介されているので、絵本を読んでいれば、思い出しながら絵を味わうことができる。

「ピーターラビット」以前のウサギたち

展示では、ポターが『ピーターラビットのおはなし』でデビューする前に描いていたスケッチ・カードの挿絵などを見ることができる。

ももちん

ポターはいろいろな動物のスケッチをしていたけど、展示ではあえて「ウサギ」の絵にしぼっている。

動物好きのポターは、自分が飼っていたウサギ「ベンジャミン・バウンサー」「ピーター・パイパー」をモデルにしてたくさんの絵を描いた。

ウサギの頭部だけを何度も描いたスケッチには、絵への情熱と動物への愛情がにじみ出ていてぐっとくる。

また、グリーティングカードや挿絵に描かれた「擬人化されたウサギたち」も秀逸。

動物の骨格などの知識や絵の技術、そういった土台のうえに描かれた絵には、説得力と愛らしさが感じられ、じっと見入ってしまう。

ももちん

『不思議の国のアリス』の白ウサギを見られてよかった。

元になった絵手紙がオリジナルで見られる

『ピーターラビットのおはなし』の原型は、ポターが元の家庭教師の息子にあてて書いた絵手紙であることはよく知られている。

展示では、なんとこの絵手紙のオリジナルを見ることができる。

8ページ仕立てで17点の線描画がインクで描かれていて、絵がシンプルなのに上手すぎる!!

これを受け取ったノエル・ムーア少年、どれだけうれしかっただろうな、、、と思いをはせました。

絵手紙から絵本になるまで

『ピーターラビットのおはなし』私家版の表紙。1901年[public domain]

展示では、絵手紙からベストセラーの絵本になるまでの過程をたどることができる。

絵手紙から絵本にするにあたり新しく描いたデッサン、ポターが自費で制作した「私家版」の絵本、

フレデリック・ウォーン社から刊行された初版本を一挙に見ることができるよ。

ピーターラビットの仲間たち

『ベンジャミン バニーのおはなし』初版[public domain]

今回の展示は『ピーターラビットおはなし』に特化して、その誕生・あらすじ・挿絵にいたるまで深掘りされている。

そのため、絵本シリーズの他の作品についての展示は少なかった

絵本シリーズの中で「ピーターラビット」というキャラクターが登場する作品は7作品。

その中の5作品の初版本が展示されていた。

『きつねのトッドのおはなし』(早川書房版。福音館書店版では『キツネどんのおはなし』)の見返しで、キャラクターが勢ぞろいしている絵を初めて見た。

撮影ポイント

展示室内には、いくつか撮影OKスポットがあったので紹介するよ。

map of beatrix potter's world

撮影ポイント①map of beatrix potter's world

展示室に入ってすぐにあったのは、”map of beatrix potter's world”のパネル

絵本「ピーターラビット」シリーズの舞台になっている街や森、農場が描かれている。

登場キャラクターの家や本人も描かれていてテンション上がる!

ももちん
展覧会特設ショップで早川書房版の絵本を全巻予約すると、このマップのポスターをもらえる。

木戸の下をくぐり抜けるピーターラビット

撮影ポイント②マグレガーさんの畑の木戸の下をくぐり抜けるピーターラビット

マグレガーさんの畑にしのびこむピーターラビット[public domain]この絵の後ろ姿かな?

『ピーターラビットのおはなし』関連の展示の前にあったのが、木戸の下をくぐり抜けるピーターラビット。

おしりがかわいい。。

ラディッシュを食べるピーターラビット

撮影ポイント③マグレガーさんの畑でラディッシュを食べるピーターラビット

ピーターラビット"The Tale of Peter Rabbit"[public domain]

ピーターラビットの有名な場面。

『ピーターラビットのおはなし』彩色画コーナーの中央にある撮影スポット。

実物で見ると、ピーターラビットが大きくてもふもふで触りたくなる・・・。

※手を触れるのは禁止です。

上着を着せてもらうピーターラビット

撮影ポイント④お母さんに上着を着せてもらうピーターラビット

お母さんに上着を着せてもらうピーターラビット[public domain]

彩色画の途中にあったのは、お母さんに上着を着せてもらうピーターラビット。

絵本とは違い、もみの木の下にいます。

特大バースデイケーキ

撮影ポイント⑤高さ180cmの特大バースデイケーキ

最後に登場したのは、この展覧会のために制作された「特大バースデイケーキ」。

『ピーターラビットのおはなし』出版120周年をお祝いしている。

ケーキの周りにはお皿やマグカップが展示されていて、まさにバースデイティーパーティーの感じでした。

展示の感想おさらい

  1. 『ピーターラビットのおはなし』彩色画に感動
  2. 「ピーターラビット」以前のウサギたち
  3. 元になった絵手紙がオリジナルで見られる
  4. ピーターラビットの仲間たち
  5. 撮影ポイント

チケット・ショップ情報

ここからは、チケット・ショップ・美術館周辺の情報を紹介するよ。

土日祝日は日時指定券を買おう

ももちんは展覧会初日(土曜日)に行った。事前に日時指定券をオンラインで購入したよ。

当日は入場できる時間になったら列に並んで、さほど待つこともなく入れた。

ももちん
会場の中はけっこう混んでて、並んで展示を見ながらゆっくり進んでいく感じ。

空きがあれば当日でも美術館内でチケット購入できるけど、土日祝日は確実に入場することができる「日時指定券」を購入しておくことをおすすめするよ。

密が気になる場合は、平日に行くのが断然おすすめ!

無料のロッカーは美術館のロビーに設置されている。100円玉を入れて、後で返却されるタイプです。

出版120周年 ピーターラビット™展 日時指定券案内サイト

音声ガイドが良いらしい!

音声ガイドの松下洸平さんとピーターラビットのパネル

Twitterを見てて好評だったのが、俳優の松下洸平さんの音声ガイド。

音声ガイドでは、『ピーターラビットのおはなし』の彩色画とともにお話の朗読をしてくれるみたい。

展示のみだと物語の一部しか紹介されていないので、朗読と一緒に絵を見たいなら音声ガイドおすすめ!

ショップでオリジナルグッズを見よう

展示室内にある特設ショップ

展示室外にある美術館のショップ

ショップは、展示室内の特設ショップと、展示室の外にある美術館のショップ、2か所。

展示の最後にある特設ショップは、めっちゃ混んでました。

グッズは充実していて、展覧会限定のものから書籍までそろっていたよ。

ももちん
ももちんは図録を購入したよ。

図録

120周年ピーターラビット™展図録

今回の展示が良いと思たら、図録は購入するのがおすすめ。

展示されている作品がすべて掲載されているのはもちろん、コラムやインタビューなどの図録限定コンテンツも充実している。

中でもすごいのは、『ピーターラビットのおはなし』の全文と彩色画を一緒に見られること。

見開きで左に絵、右にお話という構成で、しっかり対比させて見ることができる。

訳を手がけたのは展覧会の監修もつとめた河野芳英氏。

文章は大人が読みやすいように漢字をたくさん入れている。

砧公園内を散策しよう

散歩やひなたぼっこを楽しめる砧公園。

世田谷美術館そばにある軽食のお店。

世田谷美術館は砧公園の敷地内にある。

砧公園には広場やお散歩コースが充実していて、テイクアウトメニューを外で食べることもできる。

晴れた日には外も気持ち良いし、安くすむのでおすすめ。

美術館地下1階セタビカフェのテラス。公園に直接出入りもできる。

ももちんが行った日は雨だったので、地下1階のセタビカフェでホットドッグとコーヒーを頂きました。

レストラン ル・ジャルダン

美術館内にあるレストラン ル・ジャルダンでは、出版120周年 ピーターラビット™展とのコラボメニューが味わえる。

メニューは、ピーターラビットの世界観とイギリス代表料理をル・ジャルダン風に仕上げたもの。

ももちん
ちょっとお値段はるけど、食事までピーターラビットの世界観を味わいたいならおすすめ。
レストラン ル・ジャルダン
営業時間ランチタイム 11:00~14:00(ラストオーダー)
ティータイム 14:00~17:00(ラストオーダー)閉店18:00
ディナータイム 17:00~20:00(ラストオーダー)閉店22:00
※ディナータイムは完全予約制
定休日月曜日(祝休日は営業、翌平日が休業)
電話番号03-3415-6415
Webhttps://www.setagaya.co.jp/le_jardin/

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まとめ

出版120周年 ピーターラビット™展見どころまとめ。

展示は絵本『ピーターラビットのおはなし』に特化しているので、展示を見る前に絵本を読んでみると味わいが深まる。

展示と絵本との感じ方の違いも新鮮に感じられるはず。

ももちん
絵本は、1971年に刊行された福音館書店版と新訳の早川書房版があるよ。

早川書房

福音館書店

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「出版120周年 ピーターラビット™展」公式サイト

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

-イベント(児童文学・絵本), 『ピーターラビット』シリーズ
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