絵本

絵本『BROOCH(ブローチ)』美しい装丁に内田也哉子の文が光る

更新日:

渡邉良重・内田也哉子『BROOCH』2004年、リトルモア

『BROOCH』は、誕生日プレゼントに友だちからもらった絵本。

絵本そのものの美しさに、何度もページをめくってしまう。

今回は、『BROOCH』の魅力をお伝えするよ。

  1. イラストから出発した絵本づくり
  2. 誰もが経験する自分探しの物語
  3. 最後の心に残るメッセージ
  4. 英語版
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背景

『BROOCH』は、1999年リトルモアより初版が出版された絵本。

内田也哉子/文

エッセイスト、歌手、女優。

1976年東京生まれ。

日本、アメリカ、スイス、フランスなどで転々と学ぶ。

主な作品

主な作品(翻訳)

渡邉良重(わたなべ・よしえ)/絵

グラフィックデザイナー、イラストレーター。

1961年山口県生まれ。グラフィックデザイン会社DRAFTを経て、2012年、アートディレクターの植原亮輔氏と共にキギを設立。

独自の世界観で、グラフィック、テキスタイル、D‐BROSをはじめとしたプロダクトのデザイン、「CACUMA」での服のデザインなど幅広く活躍。

また、子供用の絵本アプリ「MERRY BOOK ROUND」の開発も手掛け、自身のイラストで3つの物語を2014年1月に公開。

主な作品(絵・デザイン)

内容紹介

いつの間にかなくしてしまったものを探す旅。

人気デザイナー渡邉良重が描く清楚で柔らかい絵に合わせて語られるのは、内田也哉子の洗練された言葉たち。

薄紙に印刷されたページは、透けて見える未来を映し出す。

内田也哉子、初の書下ろし物語。

特徴①イラストから出発した絵本づくり

『BROOCH』を初めに開いたとき、絵本というより、ひとつの芸術作品を手にしているような感覚になった。

まず、紙が普通の絵本にあるような厚紙ではなく薄紙。

ページをめくるたびに、次のページ、その次のページの絵が、透けて重なって見えるんだ。

1ページに印刷されている文も、とてもシンプルで短い。

だから、物語の展開を追うというより、絵そのものを楽しむという要素が大きい。

あとで、以下のような記事を見つけた。

どうやら『BROOCH』は、初めに絵があって、あとから物語をつけるという流れでつくったらしい。

『BROOCH』という絵本は、D-BROS(株式会社ドラフトの代表・宮田識によって設立された自社ブランド)で作ったカレンダーの絵に、内田也哉子さんが物語をつけてくれたもので、こういう作り方もあるのだなと。

お話を作るという方法ではないやり方でも、絵本を作っていけると思えた仕事でした。(中略)

『BROOCH』は仕組みから考えました。

透ける紙を使っているので、次のページの絵が見えている。

そういう仕組みの中で、どんなものを描いたら面白いかを考えていきます。

出典:KIGI渡邉良重インタビュー 絵とデザインの感覚とその源流を語るCINRA.NET

仕組みから考えられた絵本。何よりも絵が、読む人の好奇心をつないで引っ張っていってくれるんだよね。

特徴②誰もが経験する自分探しの物語

いつも『BROOCH』を開くときは、絵に魅せられていたももちん。

今回初めて、じっくりと文を読んでみて思ったのは、これは大人なら誰もが共感し、心に響くメッセージだということ。

起承転結のストーリーがあるのではなく、詩のような感覚。

大人になっていくと、体験する世界も広がっていく。

どんどんできることが多くなり、行きたいところも多くなる。

いろんなところに行っていろんなことをやっているうちに、いつしかわからなくなってしまうもの。

なにかを見失っている気がするけど、どこをどう探せばいいかわからない。

なにかがちがう気がするけど、何をどう変えればいいかわからない。

そんな感覚、ももちんには確かにあった。

このままじゃいけない気がする、漠然とそう思って、外側に何かわからないものをがむしゃらに探しに行く、そんなことを繰り返していた。

『BROOCH』には、そんな自分みたいな描写があって、共感した。

それも全然重たい言葉じゃなく、軽やかに、シンプルに書かれているので、すっと入ってくる。

この状態を、絵と文とともに味わう余裕が出てくるんだよね。

特徴③最後の心に残るメッセージ

物語の最後で、探し求めていたブローチを見つけるんだ。

ブローチが何なのか、詳しい説明とかはない。

だけど、ずっと探し求めていて、試行錯誤して、あきらめたり、悶えたりした、そのブローチが、ここにあったということ。

大切なものは、外側に探し求めても見つけることはできない。

探すのをやめたとき、内側に見つけることができる。

だけど、探し回るその過程も、泣いたり笑ったり、延々と続くサイクルもまるごとOK。

そんなことを感じさせてくれたお話だったな。

英語版

2006年には、英語版の『BROOCH』が出版されている。

外国人の友だちにプレゼントする以外にも、絵そのものによりコミットした楽しみ方をしたい人におすすめ。

至宝の名作としてロングセラーを続ける『BROOCH ブローチ』に英語版が誕生しました。

内田也哉子さんの美しくて切ないことばと、渡邊良重さんの繊細で柔らかな絵で綴られた『BROOCH ブローチ』に、ついに英語版が誕生します。

手にした誰もが息をのむ、薄紙に印刷された装幀の、ページがふるえるような精緻な造本はそのままに、原作者である内田也哉子さん自身が英訳を手がけ、日本語で紡がれた物語が英語に生まれ変わりました。

出典:リトルモア公式サイト

まとめ

『BROOCH』みどころまとめ。

  1. イラストから出発した絵本づくり
  2. 誰もが経験する自分探しの物語
  3. 最後の心に残るメッセージ
  4. 英語版

自分へのプレゼントにもぴったりの絵本だよ。

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