『BROOCH』は、誕生日プレゼントに友だちからもらった絵本。
絵本そのものの美しさに、何度もページをめくってしまう。
今回は、『BROOCH』の魅力をお伝えするよ。
この記事で紹介する本
この記事でわかること
- 絵本『BROOCH』の見どころ
- 絵本ができた経緯
絵本『BROOCH』とは?
『BROOCH』は、1999年リトルモアより初版が出版された絵本。
内田也哉子/文
エッセイスト、歌手、女優。1976年東京生まれ。
父は内田裕也、母は樹木希林。夫は本木雅弘。
日本、アメリカ、スイス、フランスなどで転々と学ぶ。
参考:Wikipedia
代表作(翻訳)
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渡邉良重(わたなべ・よしえ)/絵
グラフィックデザイナー、イラストレーター。
1961年山口県生まれ。グラフィックデザイン会社DRAFTを経て、2012年、アートディレクターの植原亮輔氏と共にキギを設立。
独自の世界観で、グラフィック、テキスタイル、D‐BROSをはじめとしたプロダクトのデザイン、「CACUMA」での服のデザインなど幅広く活躍。
また、子供用の絵本アプリ「MERRY BOOK ROUND」の開発も手掛け、自身のイラストで3つの物語を2014年1月に公開。
代表作(絵)
内容紹介
内田也哉子、初の書き下ろし物語
ページをめくるたび、胸がキュンとなる魔法の絵本
内田也哉子の独特な感性で表現される美しいことばと、人気デザイナー渡邉良重が描いた清楚で柔らかい絵。
ふたりの才能がひとつになって、永く読みつがれる、一冊の“絵物語”になりました。
薄紙に印刷されたページをめくるたび、透けて見える次のページへと物語が続きます。
引用元:リトルモア公式サイト
絵本『BROOCH』感想
『BROOCH』ポイント
イラストから出発した絵本づくり
『BROOCH』を初めに開いたとき、絵本というより、ひとつの芸術作品を手にしているような感覚になった。
まず、紙が普通の絵本にあるような厚紙ではなく薄紙。
ページをめくるたびに、次のページ、その次のページの絵が、透けて重なって見えるんだ。
1ページに印刷されている文も、とてもシンプルで短い。
だから、物語の展開を追うというより、絵そのものを楽しむという要素が大きい。
あとで、以下のような記事を見つけた。
どうやら『BROOCH』は、初めに絵があって、あとから物語をつけるという流れでつくったらしい。
『BROOCH』という絵本は、D-BROS(株式会社ドラフトの代表・宮田識によって設立された自社ブランド)で作ったカレンダーの絵に、内田也哉子さんが物語をつけてくれたもので、こういう作り方もあるのだなと。
お話を作るという方法ではないやり方でも、絵本を作っていけると思えた仕事でした。(中略)
『BROOCH』は仕組みから考えました。
透ける紙を使っているので、次のページの絵が見えている。
そういう仕組みの中で、どんなものを描いたら面白いかを考えていきます。
仕組みから考えられた絵本。何よりも絵が、読む人の好奇心をつないで引っ張っていってくれるんだよね。
誰もが経験する自分探しの物語
いつも『BROOCH』を開くときは、絵に魅せられていたももちん。
今回初めて、じっくりと文を読んでみて思ったのは、これは大人なら誰もが共感し、心に響くメッセージだということ。
起承転結のストーリーがあるのではなく、詩のような感覚。
大人になっていくと、体験する世界も広がっていく。
どんどんできることが多くなり、行きたいところも多くなる。
いろんなところに行っていろんなことをやっているうちに、いつしかわからなくなってしまうもの。
なにかを見失っている気がするけど、どこをどう探せばいいかわからない。
なにかがちがう気がするけど、何をどう変えればいいかわからない。
そんな感覚、ももちんには確かにあった。
このままじゃいけない気がする、漠然とそう思って、外側に何かわからないものをがむしゃらに探しに行く、そんなことを繰り返していた。
『BROOCH』には、そんな自分みたいな描写があって、共感した。
それも全然重たい言葉じゃなく、軽やかに、シンプルに書かれているので、すっと入ってくる。
この状態を、絵と文とともに味わう余裕が出てくるんだよね。
最後の心に残るメッセージ
物語の最後で、探し求めていたブローチを見つけるんだ。
ブローチが何なのか、詳しい説明とかはない。
だけど、ずっと探し求めていて、試行錯誤して、あきらめたり、悶えたりした、そのブローチが、ここにあったということ。
大切なものは、外側に探し求めても見つけることはできない。
探すのをやめたとき、内側に見つけることができる。
だけど、探し回るその過程も、泣いたり笑ったり、延々と続くサイクルもまるごとOK。
そんなことを感じさせてくれたお話だったな。
感想おさらい
英語版
【SHOP】銀座店では、絵本BROOCHを少量取り扱っております。
日本語版、英語版の2種類での販売です。
店頭にサンプルもございますので、ぜひお手にとってご覧ください。
絵:渡邉良重/文:内田也哉子 pic.twitter.com/t7Y5WzvVdG— D-BROS(ディーブロス) (@DBROS_info) 2018年7月10日
2006年には、英語版の『BROOCH』が出版されている。
外国人の友だちにプレゼントする以外にも、絵そのものによりコミットした楽しみ方をしたい人におすすめ。
至宝の名作としてロングセラーを続ける『BROOCH ブローチ』に英語版が誕生しました。
内田也哉子さんの美しくて切ないことばと、渡邊良重さんの繊細で柔らかな絵で綴られた『BROOCH ブローチ』に、ついに英語版が誕生します。
手にした誰もが息をのむ、薄紙に印刷された装幀の、ページがふるえるような精緻な造本はそのままに、原作者である内田也哉子さん自身が英訳を手がけ、日本語で紡がれた物語が英語に生まれ変わりました。
出典:リトルモア公式サイト
まとめ
『BROOCH』みどころまとめ。
自分へのプレゼントにもぴったりの絵本だよ。
内田也哉子が翻訳した絵本『たいせつなこと』については、こちらの記事をどうぞ。
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