映画 街歩きノート

幻のトラウマ映画『猫は生きている』感想。原作絵本に劣らぬ迫力!

更新日:

映画『猫は生きている』は戦争を題材とした人形劇映画。

このまえ新宿の平和祈念展示資料館に見に行ってきました。

初めて見た感想をお伝えするよ。

  1. 【2018夏】上映情報@平和祈念展示資料館
  2. 原作・早乙女勝元著の絵本『猫は生きている』に忠実
  3. 母親のわが子への愛
  4. 人形のリアルさ
スポンサーリンク

1.映画を観るきっかけ

1-1.絵本を読んでいた

出典:早乙女勝元(著)田島征三(絵)『猫は生きている』1973年、理論社

ももちんは初め、絵本を通じて『猫は生きている』と出逢った。

実家に昔からあったその絵本。子どものころは読んだことがなかった。

初めて読んだのは、つい数年前、実家に帰った時に、たまたま見つけたからなんだよね。

読んで、衝撃を受けたよ。

絵本『猫は生きている』について、詳しくはこちらの記事で紹介しています。

絵本『猫は生きている』レビュー記事はこちら。

1-2.映画を観てみたいけど、機会がない!

絵本のレビュー記事を書いたのは2018年5月なんだけど、その時に初めて、この『猫は生きている』の映画があることを知ったんだよね。

映画のレビューを読んでみると、だいたいが、「子どものころに上映会で観て、いまだに心に残っている)」というもの。

それと、人形劇映画という、特殊な方法で制作されたことも知った。

絵本を読んでストーリーを知っているだけに、これを人形劇映画にしたら、それを子どもの時に観たら、そうとうトラウマとして残るだろうなぁ、と想像できた。

大人になった今だからこそ、観てみたいなぁ、と思ったんだけど、どうやらDVD化や動画配信は一切されていないみたい。

かろうじて「VHS販売」を見つけたけど、高価なうえに、VHSを観れる機材がない。

だから、どこかの上映会がないか探していたんだよね。

※映画『猫は生きている』は、京都の映画配給会社、シネマ・ワークでVHS販売されているよ。

シネマ・ワーク公式サイト→→http://www.cinemawork.co.jp/

2.【2018夏】上映情報@平和祈念展示資料館

映画『猫は生きている』の上映会情報を探していたら、西新宿にある平和記念展示資料館の2018年夏休みイベントをみつけた。

ももちんが観に行ったのは7月19日(木)14:00~の回。

観客、ももちん含めわずか4人。

いくら平日といえど、この東京のど真ん中で、認知度の低さにびっくりした・・・。

2018年夏休み、残る上映日は、8月2日(木)・8月22日(水)の二日間。

11:00~、14:00~の一日二回上映。

無料で観ることができるので、興味がある人は行ってみてね。

平和祈念展示資料館・夏休み上映会情報→→http://www.heiwakinen.jp/summer2018/movie.html

2-1.平和祈念展示資料館(東京)について

平和祈念展示資料館は、戦争が終わってからも労苦(苦しくつらい)体験をされた、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の三つの労苦を扱う施設です。

出典:平和祈念展示資料館公式サイト

開館時間

9:30~17:30(入館は17:00まで)

休館日

  • 月曜日
    ※祝日または振替休日の場合はその翌日
    ※夏休み期間は除く
  • 年末年始(12月28日~1月4日)
  • 新宿住友ビル全館休館日

観覧料

無料

交通アクセス

〒163-0233 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル33階

  • 都営大江戸線「都庁前」駅より徒歩 約3分
  • 東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅より徒歩 約7分
  • JR線、小田急線、京王線「新宿」駅西口より徒歩 約10分

3.背景

ここからは、映画『猫は生きている』について書いていく。

映画『猫は生きている』は、映画センター全国連絡会議により制作され、1975年完成された。

早乙女勝元(原作)、島田開(監督)、いずみたく(音楽)。人形劇団京芸協力。俳優座、テアトルエコーの声の出演。

1973年理論社より出版された絵本『猫は生きている』(早乙女勝元/著、田島征三/絵)を原作としている。

早乙女勝元(原作)

早乙女 勝元(さおとめ・かつもと)は、日本の作家・児童文学作家。

東京の働く姿を描いた作品が多く、また反戦・平和をライフテーマとする。

早乙女勝元の略歴・主な作品

島田開(監督)

映画監督、映画プロデューサー。

主な作品

いずみたく(音楽)

作曲家。

1930年東京生まれ。仙台陸軍幼年学校に在学中、敗戦を迎える。

1950年(昭和25年)に舞台芸術学院演劇学科を卒業後、ダンプの運転手などをしながら芥川也寸志に師事し、作曲活動を始める。

歌謡曲、フォークソング、CMソング、アニメソング、ミュージカル、童謡、校歌、交響曲と幅広いジャンルの曲を作曲。多作で知られ、総作数は15,000曲にのぼるという。

1992年死去。

主な作品(作曲・編曲)

  • 『ゲゲゲの鬼太郎』(フジテレビ、『ゲゲゲの鬼太郎』主題歌)水木しげる作詞。1967年。
  • 『いい湯だな』ザ・ドリフターズ歌。永六輔作詞。1966年。
  • 『手のひらを太陽に』やなせたかし作詞。1963年。
    他多数

人形劇団京芸

1949年、京都で設立された人形劇団。2018年7月現在も活動を続ける。

京都を活動の拠点として、日本全国で上演する《人形劇公演》を大きな柱として活動。

人形劇団京芸公式サイト→→http://www.kyougei.com/index.php/

テアトルエコー

1956年、東京で設立された劇団。2018年7月現在も活動を続ける。

恵比寿に劇場を構え、喜劇を中心に上演している。

テアトルエコー公式サイト→→https://t-echo.co.jp/

4.あらすじ

戦時中、昌男の家の縁の下に一匹の猫が住みつき、「稲妻」と名付けました。

昌男は妹の光代と一緒にえさをやっていました。

そうこうしているうちに、ちいさなかわいい子猫がたくさん生まれました。

三月九日、北風のはげしい夜、空襲が始まり、稲妻たちは昌男たちと一緒に一面の火の中を逃げました。

おかあさんや妹とはぐれ、ひとりになった正男は猫たちを守ります。

5.映画を観た感想

『猫は生きている』のストーリーについての感想は絵本のレビュー記事に書いています。

原作絵本『猫は生きている』レビュー記事はこちら。

5-1.絵本の内容に忠実

ももちんは、先に絵本を読んでストーリーを知っていたから、自然と「絵本と映画の違い」に思いをはせて観ていた。

観ていて感じたのは、映画のストーリーは、原作の絵本に忠実に再現されているということ。

前半のささやかな平和のシーンは丁寧に描かれているし、後半の大空襲のシーンも目を覆いたくなるようなところもきちんと表現されている。

映画のみで描かれるオリジナルのシーンもところどころあった。

  • 稲妻の先輩ノラ猫が意味深なメッセージを残すところ。
  • 「将軍」という名の犬が出てくるところ。
  • 戦火の中を逃げ惑ううちに、稲妻と子猫たちが壁に隔てられて、頑張って一緒になるところ。
    などなど。

最後は稲妻と子どもたちが、はぐれた1匹と会えるところで終わるんだけど、チイ子のことについては触れないんだな、と思った。

さすがに、そこまでやると子ども向けには救いがないもんな、と思ってたら、エンディングの歌で、しっかり歌ってました。。

それが戦争のむごさ。美化したり、あいまいにしないことが大切なんだろうな、と思った。

5-2.母親のわが子への愛

映画を観て特に感じたのは、「母親の子どもへの愛」。

映画で登場するお母さんは、若くてきれいで、子どもたち想いのお母さん。

絵本から受ける印象(たくましくて強いイメージ)とちょっと違った。

愛するものを命がけで守ろうとする母親の姿に、心が打たれる。

光代を失った時のお母さんの叫びが、いまだに耳にこびりついて離れない。

そして、母親の愛の強さは、猫の稲妻も同じ。

戦火の中、すべての子どもたちを必死で守り抜こうとする。

人間も猫も関係なく、生きようとする気持ちは共通するものがある。

「美しい顔」の描写がない

絵本『猫は生きている』で印象的だったのは、お母さんは苦しかっただろうにもかかわらず、死に顔がとても美しかったということ。

これは、須田卓雄氏の記録「美しい顔」を参考に早乙女勝元が書いた場面で、実話がもとになっている。

映画では、この描写がなかったような気がする(見逃しただけかも)。

映画では表現するのが難しかったのかもしれない。

5-3.人形のリアルさ

それにしても、映画が始まったときは、「あ、人形だ」って思ったけれど、物語が進むにつれて、人形だなんて思わなくなる。

表情に変化はないはずなのに、表情が見える。

前半は、あんなに生き生きと笑っていた昌男と光代。

どうか、助かって!という思いむなしく、いなくなっていく・・・

子どもはもちろんだけど、中学生、高校生、大人まで、ずっしり何かを感じるような映画になっている。

5-4.ツイッター感想集

まとめ

映画『猫は生きている』みどころまとめ。

  1. 【2018夏】上映情報@平和祈念展示資料館
  2. 原作・早乙女勝元著の絵本『猫は生きている』に忠実
  3. 母親のわが子への愛
  4. 人形のリアルさ

なかなか観る機会がない映画なので、興味がある人は、チャンスを逃さないようにしよう。

ストーリーそのものの感想や、元になった「美しい顔」については、絵本のレビュー記事に書いています。

レビュー記事☆絵本『猫は生きている』~衝撃の結末に戦争を考えさせられる~

参考文献:『映画で平和を考える』上田精一、草の根出版会、2000年

PC記事下

スポンサーリンク


PC記事下

スポンサーリンク


-映画, 街歩きノート
-, , ,

Copyright© ももちんの書評情報 , 2018 All Rights Reserved Powered by STINGER.