『メアリー・ポピンズ』シリーズは、ディズニー映画化もされているイギリス児童文学の名作。
物語の中には、イギリスの子どもたちなら必ずと言っていいほどなじみ深い「マザー・グース」もたくさん登場する。
今回は、『メアリー・ポピンズ』シリーズで引用されているものの元ネタを紹介していくよ。
こんな方におすすめ
- 『メアリー・ポピンズ』シリーズに登場するキャラクターや歌がどんなものか気になる
- 『メアリー・ポピンズシリーズ』で引用を知って深く味わいたい
『メアリー・ポピンズ』とは?
『メアリー・ポピンズ』シリーズは、イギリスの女流作家P.L.トラヴァースによる児童文学。
1934年に発表した”Mary Poppins”以降、「メアリー・ポピンズ」関連作品は8作品刊行されている。
日本では、1954年、第一作目が林容吉の翻訳で『風にのってきたメアリー・ポピンズ』として岩波書店より刊行された。
本の感想
『風にのってきたメアリーポピンズ』感想。映画メリーポピンズ原作本
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参考にした資料
『メアリー・ポピンズ』シリーズで、特にたくさん引用されているのは、「マザー・グース」と「グリム童話」。
それぞれ先に紹介していくね。
マザー・グース
『マザー・グース』は、イギリス・アメリカを中心に親しまれている童謡のこと。
600から1000以上の種類があるといわれる『マザー・グース』は、英米人の教養の基礎となっている。
参考:Wikipedia
『メアリー・ポピンズ』シリーズに登場するマザー・グース一覧
- ”Hey Diddle Diddle”
- ”Cock Robin and Jenny Wren(コック・ロビンとジェニー・レン)”
- ”Who Killed Cock Robin(誰がこまどりを殺したの? )”
- ”Monday's Child(月曜日に生まれた子供は)”
- ”London Bridge Is Broken Down(ロンドン橋落ちた)”
- ”Oranges and Lemons(オレンジとレモン)”
- ”Pop goes the weasel(イタチが飛び出した)”
- ”Old King Cole(コール)老王”
- ”Pussy Cat, Pussy Cat(こねこ、こねこ)”
- ”Little Bo Peep(小さな羊飼い)”
- ”Sing a Song of Sixpence(6ペンスの唄)”
- ”Old Mother Goose(ガチョウのおばあさん)”
- ”A frog he would a-wooing go(カエルの求婚)”
- ”Three Blind Mice(3匹のめくらネズミ)”
- ”Humpty Dumpty(ハンプティ・ダンプティ)”
- "The Lion and the Unicorn(ライオンとユニコーン)"
- ”There was an Old Woman Who Lived in a Shoe(靴にお婆さんが住んでいた)”
- ”Georgie Porgie(ジョージ・ポージ)”
- ”Little Miss Muffet(マフェットちゃん)”
- "Punch and Judy(パンチとジュディ)"
- ”Goosey Goosey Gander(ガアガアガチョウ)”
- ”Here We Go Round the Mulberry Bush(桑の木の周りをまわろう)”
- ”Star Light Star Bright”
- ”Eeney Meeney Miney Moe(イーニー、ミーニー、マイニー、モウ)”
- ”Hickory Dickory Dock”(ヒッコリー・ディックリー・ドック)
- ”Tom, he was a piper’s son(トムは笛吹きのむすこ)”
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グリム童話
『グリム童話』は、19世紀初頭にドイツのグリム兄弟が収集した昔ばなし集のこと。
参考:Wikipedia
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』引用
ここからは、岩波少年文庫の4冊について、お話ごとに引用されている曲や物語を紹介していくよ。
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』では、「踊る牝牛」「鳥のおばさん」というお話でマザー・グースが引用されている。
「踊る牝牛」引用
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』では、「星が落ちてきて角にささって、踊りが止まらなくなった牝牛」についてのお話が語られる。
この「踊る牝牛」の元になっているのは、『マザー・グース』の”Hey Diddle Diddle”という童謡。
歌詞に”The cow jumped over the moon.(ウシが月を飛びこえた)”という一節がある。
「踊る牝牛」「月をとびこした牝牛」は『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』『公園のメアリー・ポピンズ』でも登場する。
参考:世界の民謡・童謡
マザー・グース”Hey Diddle Diddle”をYouTubeで聴いてみる
「鳥のおばさん」引用
「鳥のおばさん」は、セント・ポール寺院前でいつも鳥のえさを売っている女性についてのお話。
セント・ポール寺院を再建した人物、クリスタファー・レンの説明の際、「ジェニー・レン」を引き合いに出している。
ジェニー・レン
「ジェニー・レン」は、マザーグースの一つ”Cock Robin and Jenny Wren(コック・ロビンとジェニー・レン)”からの引用。
マザーグースにはコマドリのコックが登場する有名な歌が二つある。
ひとつは”Cock Robin and Jenny Wren”で、コマドリのコック・ロビンとミソサザイのジェニー・レンは結婚する。
もう一つが”Who Killed Cock Robin(誰がこまどりを殺したの? )”で、コマドリのコックの死からお葬式までが歌われている。
マザー・グース”Who Killed Cock Robin”をYouTubeで聴いてみる
「クリスマスの買い物」引用
「クリスマスの買い物」で、ジェインはふたごの弟妹のために「ロビンソン・クルーソー」の本を買う。
プレアデス星団の少女マイアは、星の兄弟アルキオネへのプレゼントに「スイスのロビンソン」を選ぶ。
ロビンソン・クルーソー
『ロビンソン・クルーソー』(原題”Robinson Crusoe”)は、イギリスの作家ダニエル・デフォー(1660-1731)の小説。
1719年に第1作が刊行された。
ロビンソンの誕生~船乗りになる~無人島に漂着、独力で生活を築いてゆく姿が描かれている。
参考:Wikipedia
スイスのロビンソン
『スイスのロビンソン』(英語題”Swiss Family Robinson”)は、スイスの作家ウィース(1743-1818)による児童文学。
ダニエル・デフォーの有名な『ロビンソン・クルーソー』を下敷きとした二次創作の物語。
参考:Wikipedia
『帰ってきたメアリー・ポピンズ』引用
『帰ってきたメアリー・ポピンズ』では、「わるい水曜日」「ネリー・ルビナ」というお話でマザーグースや物語が登場する。
「わるい水曜日」引用
「わるい水曜日」は、ジェインが割れたお皿の絵の中に入り込んで、こわい体験をするお話。
最初ジェインはいつになく不機嫌で、「水曜日の子どもは、なげきがいっぱい」とマイケルにからかわれる。
水曜の子どもは、なげきがいっぱい
「水曜日の子どもはなげきがいっぱい」の元になっているのは、『マザー・グース』の”Monday's Child(月曜日に生まれた子供は)”という童謡。
歌詞のなかで、「月曜日生まれの子供は器量よし 火曜日生まれの子供はたいそう気品があり 水曜日生まれの子供は悲哀でいっぱい」と歌われている。
マザー・グース”Monday's Child”をYouTubeで聴いてみる
「ネリー・ルビナ」引用
「ネリー・ルビナ」は、ノアの方舟のような家に住み、「会話」を売っているネリー・ルビナのお話。
お話の最初で、ジェインが読んでいた「ロビンソン・クルーソー」を閉じる。
ロビンソン・クルーソー
『ロビンソン・クルーソー』(原題”Robinson Crusoe”)は、イギリスの作家ダニエル・デフォー(1660-1731)の小説。
『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』引用
『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』では、「トイグリーさんの願いごと」「王さまを見たネコ」「末ながく幸福に」のお話のなかに、たくさんの引用がある。
マザー・グースが多く登場するので、どんな歌か知っておくと、より楽しめる。
「トイグリーさんの願いごと」引用
「トイグリーさんの願いごと」では、トイグリーさんがいろんなオルゴールを鳴らしてくれる。
その中にマイケルの好きな〈ロンドン橋が落ちる〉と、ジェインの好きな〈オレンジとレモン〉のオルゴールがあるんだよね。
〈ロンドン橋が落ちる〉
引用元:London Bridge Is Falling Down「ロンドン橋落ちた」(原題”London Bridge Is Broken Down”)は、イギリスに古くからあるマザー・グースの動揺で、現在では世界中で知られている。
参考:Wikipedia
マザー・グース”London Bridge Is Broken Down”をYouTubeで聴いてみる
〈オレンジとレモン〉
オレンジとレモン(原題”Oranges and Lemons”)は、マザー・グースの1つで、2人がアーチを作りその下を他の子供がくぐり抜ける遊び唄。
ロンドンの鐘がたくさん出てくる唄で、イギリスでは特に好んで歌われている。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Oranges and Lemons”をYouTubeで聴いてみる
サルとイタチの歌
マザーグースに”Pop goes the weasel(イタチが飛び出した)”という歌がある。
「トイグリーさんの願いごと」では、メアリー・ポピンズが乗ったオルゴールから、”Pop goes the weasel”が流れる。
参考:世界の民謡・童謡
マザー・グース”Pop goes the weasel”をYouTubeで聴いてみる
「王さまを見たネコ」引用
「王さまを見たネコ」では、『マザー・グース』をもとにした物語をメアリー・ポピンズが語り始める。
気むずかしい王さまがネコの助言により愉快な人物になる物語。
その中には、『マザー・グース』の他のキャラクターも登場する。
「王さまを見たネコ」は、『公園のメアリー・ポピンズ』でも「影」として登場する。(「ハロウィーン」)
王さま
コール老王(原題”Old King Cole”)は、マザー・グースの1つ。
「王さまを見たネコ」では王さまが「パイプとポンチ酒とヴァイオリン弾きを3人」を呼び寄せる。
マザー・グース「コール老王」の「すぐにパイプめして、お酒杯《さかずき》めしてね、そして胡弓《こきゅう》ひきを三人ほどおめしで。」(北原白秋『まざあ・ぐうす』)と通じる。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Old King Cole”をYouTubeで聴いてみる
お妃さまとネコ
”Pussy Cat, Pussy Cat(こねこ、こねこ)”はマザーグースの一つ。
「王さまを見たネコ」ではネコは初めお妃さまのもとに現れ、ネズミをつかまえる。
”Pussy Cat, Pussy Cat”では、子猫が女王のところに現れ、女王の玉座の下にいたネズミを驚かせる。
参考:Mother Goose Nursery Rhymes
マザー・グース”Pussy Cat, Pussy Cat”をYouTubeで聴いてみる
巨人退治のジャック
「巨人退治のジャック」は、イギリスの有名な童話『ジャックと豆の木』(原題”Jack and the Beanstalk”)からの引用。
「王さまを見たネコ」では、ジャックは王さまの庭師をつとめている。
参考:Wikipedia
ボウ・ピープ
「ボウ・ピープ」は、マザーグースの一つ”Little Bo Peep(小さな羊飼い)”からの引用。
「王さまを見たネコ」では、ボウ・ピープは王さまの家畜の世話をしている。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Little Bo Peep”をYouTubeで聴いてみる
二十と四羽のクロドリ
「二十と四羽のクロドリ」は、マザーグースの一つ”Sing a Song of Sixpence(6ペンスの唄)”からの引用。
「王さまを見たネコ」では王さまのパイには、すべて「二十と四羽のクロドリ」という。
”Sing a Song of Sixpence(6ペンスの唄)”にも近い歌詞がある。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Sing a Song of Sixpence”をYouTubeで聴いてみる
月をとびこした牝牛
『風にのってきたメアリー・ポピンズ』の「踊る牝牛」が、ここでも登場。
「月をとびこした牝牛」は、マザーグースの一つ”Hey Diddle Diddle”からの引用。
マザー・グース”Hey Diddle Diddle”をYouTubeで聴いてみる
金の卵をうむガチョウ
「金の卵をうむガチョウ」は、マザーグースの一つ”Old Mother Goose”からの引用。
歌詞に”His goose had laid him,An egg of pure gold.(ジャックのガチョウは生んでいた、金の卵を生んでいた )”という一節がある。
ネズミに求婚したカエル
「ネズミに求婚したカエル」は、マザーグースの一つ”A frog he would a-wooing go”からの引用。
”A frog he would a-wooing go”でカエルはネズミの娘のところへ行き、求婚する。
マザー・グース”A frog he would a-wooing go”をYouTubeで聴いてみる
「大理石の少年」引用
「大理石の少年」というお話では、公園にある大理石の像のネリウスが突然動き出す。
ネリウスはいつも、像の前のベンチに座った人が読む本をうしろから読んでいた。
読んだ本の中に『不思議の国のアリス』と『ロビンソン・クルーソー』があげられている。
〈不思議の国のアリス〉
『不思議の国のアリス』(原題”Alice's Adventures in Wonderland”)は、1865年、イギリスの数学者ルイス・キャロルが発表した児童文学。
幼い少女アリスが白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、冒険する様子を描いている。
参考:Wikipedia
『不思議の国のアリス』感想
『不思議の国のアリス』本のあらすじと感想。理解不能な世界に迷う。
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〈ロビンソン・クルーソー〉
『ロビンソン・クルーソー』(原題”Robinson Crusoe”)は、イギリスの作家ダニエル・デフォー(1660-1731)の小説。
「末ながく幸福に」引用
「末ながく幸福に」では、大みそかと新しい年の「すきま」に、『マザー・グース』『ロビンソン・クルーソー』『みどりいろの童話集』のキャラクターが現れる。
「すきま」の時間だけは、ふだん仲の悪いキャラクターたちも仲良くなる。
『ロビンソン・クルーソー』
『ロビンソン・クルーソー』(原題”Robinson Crusoe”)は、イギリスの作家ダニエル・デフォー(1660-1731)の小説。
ロビンソン・クルーソーは無人島に滞在中、捕虜の一人を助け出し、フライデーと名づけ召使いにする。
「末ながく幸福に」では、ロビンソン・クルーソーとフライデーが本から飛び出し、ジェインとマイケルとダンスを踊る。
『緑いろの童話集』
『みどりいろの童話集』(原題”Green Fairy Book”)は、スコットランドの作家・民俗学者アンドルー・ラング(1844-1912)が収集・編集した童話集。
12冊からなる『アンドルー・ラング世界童話集』のなかの1冊で、1892年に刊行された。
『みどりいろの童話集』では、『青い鳥』『三びきの子豚』など、42編の童話がおさめられている。
「末ながく幸福に」では、『ロビンソン・クルーソー』や『マザー・グース』と一緒に、この本が「みんなのよく知っている本」として描かれている。
三匹の目の見えないねずみ
引用元: Three Blind Mice melody「三匹の目の見えないねずみ」は、マザーグースの一つ”Three Blind Mice(3匹のめくらネズミ)”からの引用。
”Three Blind Mice”ではネズミたちはお百姓のおくさんから逃げるが、「末ながく幸福に」ではネズミたちがお百姓のおくさんに会いに行く。
参考:世界の民謡・童謡
マザー・グース”Three Blind Mice”をYouTubeで聴いてみる
コマドリのコック、ミソサザイのジェニー
二匹で登場する「コマドリのコック」「ミソサザイのジェニー」は、マザーグースの一つ”Cock Robin and Jenny Wren(コック・ロビンとジェニー・レン)”からの引用。
「コマドリのコック」「ミソサザイのジェニー」についてはこちら。(上に戻る)
マザー・グース”Who Killed Cock Robin”をYouTubeで聴いてみる
ハンプティ・ダンプティ
ハンプティ・ダンプティ(原題”Humpty Dumpty”)は、マザー・グースのひとつで、またその童謡に登場するキャラクター。
キャラクターは一般に擬人化された卵の姿で親しまれている。
”Humpty Dumpty”ではハンプティ・ダンプティは塀から落ちて壊れ、直せなくなるが、「末ながく幸福に」では王さまがハンプティ・ダンプティを直してくれる。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Humpty Dumpty”をYouTubeで聴いてみる
二十四羽のクロドリと王さま
「二十四羽のクロドリと王さま」は、マザーグースの一つ”Sing a Song of Sixpence(6ペンスの唄)”からの引用。
「末ながく幸福に」では王さまが「二十四羽のクロドリに歌ってもらうためにパイを開く」という。
”Sing a Song of Sixpence(6ペンスの唄)”にも近い歌詞がある。
『二十四羽のクロドリと王さま』についてはこちら。(上に戻る)
マザー・グース”Sing a Song of Sixpence”をYouTubeで聴いてみる
ライオンとユニコーン
ライオンとユニコーン(原題 "The Lion and the Unicorn")は、マザー・グースのひとつで、またその童謡に登場するキャラクターである。
"The Lion and the Unicorn"はライオンとユニコーンが王冠をかけて戦ってライオンが勝つが、「末ながく幸福に」ではライオンがユニコーンに王冠を差し出す。
参考:Wikipedia
マザー・グース”The Lion and the Unicorn”をYouTubeで聴いてみる
くつの家にすむおばあさん
くつの家にすむおばあさんは、マザーグース”There was an Old Woman Who Lived in a Shoe(靴にお婆さんが住んでいた)”の引用。
マザーグースでは、おばあさんはたくさんの子どもの世話にてんやわんやで、子どもたちに厳しくあたる。
「末ながく幸福に」では、子どもたちは大変いい子で、おばあさんは一度もムチを使わない。
参考:Wikipedia
マザー・グース”There was an Old Woman Who Lived in a Shoe”をYouTubeで聴いてみる
ジョージ・ポーギー
引用元: "Georgie Porgie"
「ジョージ・ポーギー」は、マザーグースの一つ”Georgie Porgie(ジョージ・ポージ)”からの引用。
"Georgie Porgie"ではジョージ・ポーギーが女の子にキスをして泣かせるが、「末ながく幸福に」では女の子たちがジョージ・ポーギーにキスしてもらいたがる。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Georgie Porgie”をYouTubeで聴いてみる
赤ずきん
『赤ずきん』は、ヨーロッパで古くから伝わる童話。
今日知られている『赤ずきん』の内容の多くはフランスの詩人シャルル・ペロー(1628-1703)によるものとされている。
「末ながく幸福に」では、赤ずきんがオオカミに抱きついている。
参考:Wikipedia
ミス・マフェット
「ミス・マフェット」は、マザーグースの一つ”Little Miss Muffet(マフェットちゃん)”からの引用。
”Little Miss Muffet”ではマフェットちゃんはクモから逃げるが、「末ながく幸福に」ではマフェットちゃんとクモは仲良く話し込んでいる。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Little Miss Muffet”をYouTubeで聴いてみる
眠り姫
『眠り姫(眠れる森の美女)』(原題”Sleeping Beauty”)は、ヨーロッパで古くから伝わる童話。
童話では眠り姫は王子様のキスで目覚めるが、「末ながく幸福に」では、鐘の音で自分で目覚める。
参考:Wikipedia
三匹のクマとゴールディロックス
「三匹のクマとゴールディロックス」は、イギリスの有名な童話『3びきのくま』(原題”the Three Bears”)からの引用。
童話では少女ゴールディロックスはクマを見て逃げかえるが、「末ながく幸福に」では、ゴールディロックスの周りをクマたちが回っている。
参考:Wikipedia
パンチとジュディ
パンチとジュディ(原題 "Punch and Judy")は、イギリスの人形劇とそのキャラクター、またマザー・グースのひとつでもある。
”Punch and Judy”ではパンチはジュディを殴るが、「末ながく幸福に」ではふたりは愛し合っている。
参考:Wikipedia
ジャックと巨人
「ジャックと巨人」は、イギリスの有名な童話『ジャックと豆の木』(原題”Jack and the Beanstalk”)からの引用。
童話では少年ジャックは巨人を退治するが、「末ながく幸福に」では、ジャックは巨人の肩に乗り、じゃれあっている。
ウサギとカメ
『ウサギとカメ』は、足の速いウサギと足の遅いカメが競走をし、最終的にはカメが勝利する話。
イソップ物語の一つとしても知られている。
「末ながく幸福に」では、ウサギとカメが一緒に踊っている。
参考:Wikipedia
ハートのクインとジャック
ハートのクインとジャックは、マザーグースの詩”The Queen of Hearts(ハートの女王)”に登場する。
”The Queen of Hearts”では、ハートの女王がつくったタルトをハートのジャック(召使い)が盗み、食べてしまう。
後にルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』にハートの女王とジャックを登場させ、ハートの女王の作ったタルトを盗んだという疑いで、ハートのジャックの裁判が行われる。
「末ながく幸福に」では、ハートのクインとジャックは抱きあっている。
参考:Wikipedia
『不思議の国のアリス』感想
『不思議の国のアリス』本のあらすじと感想。理解不能な世界に迷う。
『不思議の国のアリス』はイギリスの作家ルイス・キャロルによる児童文学。 大人になって読んだんだけど、こんなに奇想天外でつかみどころのない物語、初めてだった。 だけど、確実にその不思議な世界観に引き込ま ...
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美女と野獣
『美女と野獣』は、フランスで古くから伝わる童話で、美女と野獣が結婚する物語。
「末ながく幸福に」では、美女と野獣が手を取り合っている。
参考:Wikipedia
ガチョウのグーシー・ギャンダー
「ガチョウのグーシー・ギャンダー」は、マザーグースの一つ”Goosey Goosey Gander(ガアガアガチョウ)”からの引用。
「末ながく幸福に」では、ガチョウのグーシー・ギャンダーがジョンのおもちゃの青いアヒルとダンスを踊る。
参考:Wikipedia
マザー・グース”Goosey Goosey Gander”をYouTubeで聴いてみる
シンデレラ
『シンデレラ』(原題”Cinderella”)は、ヨーロッパで古くから伝わる童話。
「末ながく幸福に」では、シンデレラはジェインのサルのぬいぐるみピニーとダンスを踊る。
参考:Wikipedia
「別の扉」引用
「別の扉」では、メアリー・ポピンズ最後の日の朝に、マザーグースが引用されている。
〈クワの茂みをめぐって〉
〈クワの茂みをめぐって〉は、マザーグースの一つ”Here We Go Round the Mulberry Bush(桑の木の周りをまわろう)”からの引用。
手遊び、身体遊び歌の一つとして知られていて、”Here we go round the mulberry bush,On a cold and frosty morning. ”(桑の木の周りをまわろう 寒くて凍えそうな朝に)という歌詞がある。
「別の扉」ではあえてこの歌を引用し、寒くて冷たい風が吹く日だということを強調している。
参考:3ヶ月でほしい英語力を手に入れる独学英語勉強法 - 英語コーチング –
マザー・グース”Here We Go Round the Mulberry Bush”をYouTubeで聴いてみる
『公園のメアリー・ポピンズ』引用
『公園のメアリー・ポピンズ』では、「幸運の木曜日」「物語のなかの子どもたち」「公園のなかの公園」「ハロウィーン」のお話のなかに、たくさんの引用がある。
ここでも、『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』と同様、マザー・グースが多く登場する。
「幸運の木曜日」引用
「幸運の木曜日」では、マイケルが一ばん星に願いごとをすると、次の日にその通りになって、こわい思いをする。
ここでもマザーグースが引用されている。
一ばん星に願いごと
マザーグースの一つ”Star Light Star Bright”は、ジェインが一ばん星を見つけて、歌をうたって願いごとをする場面で引用されている。
マザー・グース”Star Light Star Bright”をYouTubeで聴いてみる
「物語のなかの子どもたち」引用
「物語のなかの子どもたち」では、公園でジェインとマイケルが〈銀いろの童話集〉という本を読んでいる。
「三人の王子さま」という物語を開いたとき、本のなかから本当に3人の王子さまと一角獣が現れる。
3人の王子たちは、「シンデレラ」「白雪姫」「バドロルブドル姫」「白ネコおばさん」「ちいさな二つ目おばさん」「ババ・ヤガー」「眠り姫」などが自分たちのおばさんだという。
白雪姫
「白雪姫」は、ドイツに古くから伝わる民話。グリム童話の一つとしても有名。
参考:Wikipedia
バドロルブドル姫
「バドロルブドル姫」は、『アラジンと魔法のランプ』というお話に登場する姫。
『アラジンと魔法のランプ』では、主人公アラジンと結婚する。
『アラジンと魔法のランプ』は、イスラムの説話集『アラビアン・ナイト』のなかでももっとも有名な物語の一つ。
参考:Wikipedia
白ネコおばさん
「白ネコおばさん」は、17世紀のフランスの児童文学作家、ドーノワ夫人の童話『白猫(原題”La Chatte Blanche”)』に登場する。
”La Chatte Blanche”では、美しい王女が姿を変えられて白猫になっている。
ちいさな二つ目おばさん
「ちいさな二つ目おばさん」は、グリム童話『一つ目、二つ目、三つ目(原題”One-Eye, Two-Eyes, and Three-Eyes”)』に登場する二つ目の娘のこと。
グリム童話では、最後に王子さまと結婚する。
参考:グリム童話
ババ・ヤガー
「ババ・ヤガー」は、ロシア民話に登場する妖精の老婆。
骨と皮だけにまで痩せこけた姿をしていて、民話に登場するとき敵役で、子供を誘拐して取って喰うパターンが多い。
参考:Wikipedia
〈銀いろの童話集〉
スコットランドの作家・民俗学者アンドルー・ラング(1844-1912)は、世界中の童話や民話を収集・編集し、12冊からなる『アンドルー・ラング世界童話集』を刊行した。
それぞれの本は、「あおいろの童話集」「あかいろの童話集」など、12色の色が題されている。
12冊のなかに「銀色」はない。
「物語のなかの子どもたち」のなかに登場する〈銀いろの童話集〉や、その中に入っている「三人の王子さま」という物語は、トラヴァースが『アンドルー・ラング世界童話集』を元に創作したものだと考えられる。
『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』の「末ながく幸福に」では、『みどりいろの童話集』が登場する。
参考:Wikipedia
「公園のなかの公園」引用
「公園のなかの公園」では、ジェインとマイケルは公園で、小さな箱庭のような公園をつくって遊んでいる。
いつのまにかジェインとマイケルは「公園のなかの公園」の中に入ってしまう。
そこで出会う人のは、「マザー・グース」でよく知っている名前を名乗る人たちだった。
ロビンソン・クルーソー
『ロビンソン・クルーソー』(原題”Robinson Crusoe”)は、イギリスの作家ダニエル・デフォー(1660-1731)の小説。
〈スイスのロビンソン〉
『スイスのロビンソン』(英語題”Swiss Family Robinson”)は、スイスの作家ウィース(1743-1818)による児童文学。
イーニー、ミーニー、マイニー、モウ
「イーニー、ミーニー、マイニー、モウ」(原題”Eeney Meeney Miney Moe”)は、イギリスの有名な数え歌の一つ。
「公園のなかの公園」では、気の優しいモウおじさんと、3人の息子イーニー、ミーニー、マイニーが登場する。
マザーグースでは「イーニー、ミーニー、マイニー、モウ インディアン(現在は虎)の足をつかまえた。さわぐようならはなしておやり、イーニー、ミーニー、マイニー、モウ」という歌詞がある。
「公園のなかの公園」では、イーニー、ミーニー、マイニーがインディアンをつかまえてはなしてやる場面がある。
参考:世界の民謡・童謡
マザー・グース”Eeney Meeney Miney Moe”をYouTubeで聴いてみる
ヒッコリーおばさんとディッコリとドック
「ヒッコリーおばさん」と「ディッコリとドック」は、マザーグースの一つ『ヒッコリー・ディッコリー・ドック(原題”Hickory Dickory Dock”)』からの引用。
「公園のなかの公園」では、ヒッコリおばさんが赤ちゃんのディッコリとドックを抱いている。
参考:世界の民謡・童謡
マザー・グース”Hickory Dickory Dock”をYouTubeで聴いてみる
「ハロウィーン」引用
「ハロウィーン」では、特別なハロウィーンの晩に、公園にいろんな人の「影」が集まり、パーティをしている。
そのなかには、子どもたちがよく知っている「マザーグース」のキャラクターの影もあった。
亡者の箱
「亡者の箱」は、イギリスの作家スティーブンソン(1850-1894)の小説『宝島(原題”Treasure Island”)』からの引用。
『宝島』では、次のような歌が出てくる。「死人箱島に流れ着いたは十五人 ヨー、ホッ、ホー、酒はラムがただ一本」(『宝島』スティーブンソン作、村上博基訳、光文社、2008年)
「ハロウィーン」では、元船乗りのブーム提督がこの歌に近い歌をうたう。
参考:Wikipedia
踊る牝牛
「ハロウィーン」で影として登場する「踊る牝牛」のお話は、『風にのったメアリー・ポピンズ』で読むことができる。
星が角にささって踊るのが止まらなくなり、月をとびこした牝牛の物語。
マザー・グース”Hey Diddle Diddle”からの引用。
マザー・グース”Hey Diddle Diddle”をYouTubeで聴いてみる
王さまを見たネコ
「ハロウィーン」で影として登場する「王さまを見たネコ」のお話は、『とびらをあけるメアリー・ポピンズ』で読むことができる。
気むずかしい王さまがネコの助言により愉快な人物になる物語。
コック・ロビン
「コマドリのコック」は、マザーグースの一つ”Who Killed Cock Robin(誰がこまどりを殺したの? )”からの引用。
”Who Killed Cock Robin”では、コマドリのコックの死からお葬式までが歌われている。
「ハロウィーン」では、コマドリのコックが「葬式」や「埋められた」などの話をする。
マザー・グース”Who Killed Cock Robin”をYouTubeで聴いてみる
コール王
コール老王(原題”Old King Cole”)は、マザー・グースの1つ。
「ハロウィーン」では王さまの影がパイプとコップをもって、三人のヴァイオリン弾きと一緒にいる。
マザー・グース「コール老王」の「すぐにパイプめして、お酒杯《さかずき》めしてね、そして胡弓《こきゅう》ひきを三人ほどおめしで。」(北原白秋『まざあ・ぐうす』)と通じる。
マザー・グース”Old King Cole”をYouTubeで聴いてみる
笛吹きの子のトム
「笛吹きの子のトム」は、マザーグースの一つ”Tom, he was a piper’s son(トムは笛吹きのむすこ)”からの引用。
”Tom, he was a piper’s son”では、トムが笛をならい、上手にふいて周りが躍りはじめる様子が描かれている。
「ハロウィーン」では、笛吹きの子トムの影がフルートを吹き、影たちが踊る。
参考:Singing Bell
マザー・グース”Tom, he was a piper’s son”をYouTubeで聴いてみる
ガチョウのグーシー・ギャンダー
「ガチョウのグーシー・ギャンダー」は、マザーグースの一つ”Goosey Goosey Gander(ガアガアガチョウ)”からの引用。
「ハロウィーン」では、ジェインとマイケルの影がガチョウのグーシー・ギャンダーの影を追いかける。
『ガチョウのグーシー・ギャンダー』についてはこちら。(上へ戻る)
マザー・グース”Goosey Goosey Gander”をYouTubeで聴いてみる
ボウ・ピープ
「ボウ・ピープ」は、マザーグースの一つ”Little Bo Peep(小さな羊飼い)”からの引用。
マザー・グースではボウ・ピープは羊に逃げられてばかりいる。
「ハロウィーン」では、ボウ・ピープの影が逃げた羊の影を見つけている。
マザー・グース”Little Bo Peep”をYouTubeで聴いてみる
三びきのクマ
『三びきのクマ』はイギリスの有名な童話。
「ハロウィーン」では、三びきのクマの影がボウ・ピープの影と一緒に踊る。
ウィッティントン
「ウィッティントン」は、14世紀の3期歴任ロンドン市長リチャード・ウィッティントンのこと。
「ウィッティントンと猫」という民話で、一台で巨万の富を築いた人物として描かれている。
「ハロウィーン」では、コリーおばさんが「孫の孫の孫のウッティントン」のことを話している。
参考:Wikipedia
まとめ
『メアリー・ポピンズ』シリーズ、作中で引用されているものまとめ。
調べてみたら予想以上にたくさん出てきてびっくり。
実際に曲を聞いてみると、当時のイギリスの子どもの文化などが知れて、『メアリー・ポピンズ』がもっと味わい深くなる。
YouTube動画を1曲1曲きくのも、なかなかめんどくさいんだけどね。
効率よくたくさんのマザーグースを聴きたいなら、CDよりもAmazon Music Unlimitedがおすすめだよ。
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