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絵本『BROOCH』感想。美しい装丁に内田也哉子の文が光る!

2018年5月26日

渡邉良重(絵)内田也哉子(文)『BROOCH』2004年、リトルモア

『BROOCH』は、誕生日プレゼントに友だちからもらった絵本。

絵本そのものの美しさに、何度もページをめくってしまう。

今回は、『BROOCH』の魅力をお伝えするよ。

この記事で紹介する本

この記事でわかること

  • 絵本『BROOCH』の見どころ
  • 絵本ができた経緯

絵本『BROOCH』とは?

『BROOCH』は、1999年リトルモアより初版が出版された絵本。

 

内田也哉子/文

エッセイスト、歌手、女優。1976年東京生まれ。

父は内田裕也、母は樹木希林。夫は本木雅弘。

日本、アメリカ、スイス、フランスなどで転々と学ぶ。

参考:Wikipedia

代表作(翻訳)

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渡邉良重(わたなべ・よしえ)/絵

グラフィックデザイナー、イラストレーター。

1961年山口県生まれ。グラフィックデザイン会社DRAFTを経て、2012年、アートディレクターの植原亮輔氏と共にキギを設立。

独自の世界観で、グラフィック、テキスタイル、D‐BROSをはじめとしたプロダクトのデザイン、「CACUMA」での服のデザインなど幅広く活躍。

また、子供用の絵本アプリ「MERRY BOOK ROUND」の開発も手掛け、自身のイラストで3つの物語を2014年1月に公開。

参考:クリエイションギャラリーG8公式サイト

代表作(絵)

 

内容紹介

内田也哉子、初の書き下ろし物語

ページをめくるたび、胸がキュンとなる魔法の絵本

内田也哉子の独特な感性で表現される美しいことばと、人気デザイナー渡邉良重が描いた清楚で柔らかい絵。

ふたりの才能がひとつになって、永く読みつがれる、一冊の“絵物語”になりました。

薄紙に印刷されたページをめくるたび、透けて見える次のページへと物語が続きます。

引用元:リトルモア公式サイト

 

絵本『BROOCH』感想

『BROOCH』ポイント

 

イラストから出発した絵本づくり

『BROOCH』を初めに開いたとき、絵本というより、ひとつの芸術作品を手にしているような感覚になった。

まず、紙が普通の絵本にあるような厚紙ではなく薄紙。

ページをめくるたびに、次のページ、その次のページの絵が、透けて重なって見えるんだ。

1ページに印刷されている文も、とてもシンプルで短い。

だから、物語の展開を追うというより、絵そのものを楽しむという要素が大きい。

あとで、以下のような記事を見つけた。

どうやら『BROOCH』は、初めに絵があって、あとから物語をつけるという流れでつくったらしい。

『BROOCH』という絵本は、D-BROS(株式会社ドラフトの代表・宮田識によって設立された自社ブランド)で作ったカレンダーの絵に、内田也哉子さんが物語をつけてくれたもので、こういう作り方もあるのだなと。

お話を作るという方法ではないやり方でも、絵本を作っていけると思えた仕事でした。(中略)

『BROOCH』は仕組みから考えました。

透ける紙を使っているので、次のページの絵が見えている。

そういう仕組みの中で、どんなものを描いたら面白いかを考えていきます。

出典:KIGI渡邉良重インタビュー 絵とデザインの感覚とその源流を語る/CINRA.NET

仕組みから考えられた絵本。何よりも絵が、読む人の好奇心をつないで引っ張っていってくれるんだよね。

 

誰もが経験する自分探しの物語

いつも『BROOCH』を開くときは、絵に魅せられていたももちん。

今回初めて、じっくりと文を読んでみて思ったのは、これは大人なら誰もが共感し、心に響くメッセージだということ。

起承転結のストーリーがあるのではなく、詩のような感覚。

大人になっていくと、体験する世界も広がっていく。

どんどんできることが多くなり、行きたいところも多くなる。

いろんなところに行っていろんなことをやっているうちに、いつしかわからなくなってしまうもの。

なにかを見失っている気がするけど、どこをどう探せばいいかわからない。

なにかがちがう気がするけど、何をどう変えればいいかわからない。

そんな感覚、ももちんには確かにあった。

このままじゃいけない気がする、漠然とそう思って、外側に何かわからないものをがむしゃらに探しに行く、そんなことを繰り返していた。

『BROOCH』には、そんな自分みたいな描写があって、共感した。

それも全然重たい言葉じゃなく、軽やかに、シンプルに書かれているので、すっと入ってくる。

この状態を、絵と文とともに味わう余裕が出てくるんだよね。

 

最後の心に残るメッセージ

物語の最後で、探し求めていたブローチを見つけるんだ。

ブローチが何なのか、詳しい説明とかはない。

だけど、ずっと探し求めていて、試行錯誤して、あきらめたり、悶えたりした、そのブローチが、ここにあったということ。

大切なものは、外側に探し求めても見つけることはできない。

探すのをやめたとき、内側に見つけることができる。

だけど、探し回るその過程も、泣いたり笑ったり、延々と続くサイクルもまるごとOK。

そんなことを感じさせてくれたお話だったな。

 

感想おさらい

 

英語版

2006年には、英語版の『BROOCH』が出版されている。

外国人の友だちにプレゼントする以外にも、絵そのものによりコミットした楽しみ方をしたい人におすすめ。

至宝の名作としてロングセラーを続ける『BROOCH ブローチ』に英語版が誕生しました。

内田也哉子さんの美しくて切ないことばと、渡邊良重さんの繊細で柔らかな絵で綴られた『BROOCH ブローチ』に、ついに英語版が誕生します。

手にした誰もが息をのむ、薄紙に印刷された装幀の、ページがふるえるような精緻な造本はそのままに、原作者である内田也哉子さん自身が英訳を手がけ、日本語で紡がれた物語が英語に生まれ変わりました。

出典:リトルモア公式サイト

 

まとめ

『BROOCH』みどころまとめ。

 

自分へのプレゼントにもぴったりの絵本だよ。

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内田也哉子が翻訳した絵本『たいせつなこと』については、こちらの記事をどうぞ。

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

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