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『クマのプーさん』18シリーズ比較。翻訳、イラスト、映画まとめ!

2019年2月19日

『クマのプーさん』は、イギリスの作家A.A.ミルンが生んだ、世界中で愛読されている児童文学。

現在さまざまな出版社から刊行されているので、特徴別にまとめてみた。

こんな方におすすめ

  • 『クマのプーさん』を読んでみたいけど、どれを選んだらいいか迷っている
  • 児童文庫、ハードカバー、電子書籍など、特徴で選びたい
  • プーさん関連映画も知りたい

『クマのプーさん』最新情報

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『クマのプーさん』新刊情報

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『クマのプーさん』とは?

左上『クマのプーさん』石井桃子訳、岩波書店、2000年
右上『プー横丁にたった家』石井桃子訳、岩波書店、2000年
左下『クリストファー・ロビンのうた』小田島雄志・小田島若子訳、河出書房新社、2018年
右下『クマのプーさんとぼく』小田島雄志・小田島若子訳、河出書房新社、2018年
いずれもA.A.ミルン作、E.H.シェパード絵

『クマのプーさん』(原題”Winnie-the-Pooh”)は、1926年に発表されたA・A・ミルンの児童文学。

1928年には同様の構成をもつ続編『プー横丁にたった家』(原題”The House At Pooh Corner”)も発表された。

『クマのプーさん』のシリーズはこの二つの物語集と、二つの詩集『クリストファー・ロビンのうた(原題”When We Were Very Young”)』(1924年)『クマのプーさんとぼく(原題”Now We Are Six”)』(1927年)の計4冊からなっている。

挿絵はいずれもE.H.シェパードが手がけている。

日本では1940年に『熊のプーさん』、1942年に『プー横丁にたった家』が石井桃子の翻訳で、岩波書店より刊行された。

参考:Wikipedia

世界一有名なクマ、プーさんが活躍する楽しいファンタジー。

幼い少年クリストファー・ロビンが、美しいイギリスの森を舞台に、プーやコブタ、ウサギ、ロバのイーヨーなど、仲よしの動物たちとゆかいな冒険をくりひろげます。

引用元:『クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年

A.A.ミルンとE.H.シェパードの紹介

クマのプーさん展2019感想。充実の展示!本を読んでなかったと後悔

東京・渋谷のBunkamuraで開催中の「クマのプーさん展」に行ってきた。 絵本や児童文学、クマ、イギリス、雑貨好きなら間違いなくハマる展示。 一つ惜しかったのは、肝心の『クマのプーさん』を読んでなか ...

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E.H.シェパードの絵を楽しみたい!

E.H.シェパードは、A.A.ミルンとともに話し合いを重ねながら挿絵を担当した人。

「クマのプーさん」シリーズが本になるにあたって、挿絵のみならずデザインやレイアウトにもたずさわった。

元祖『クマのプーさん』を読みたいなら、A.A.ミルンとE.H.シェパードの共作の「プーさん」に触れよう。

 

岩波少年文庫

左『クマのプーさん』
右『プー横丁にたった家』
いずれもA.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年

「岩波少年文庫」は、1950年創刊された。

1956年『クマのプーさん』、1958年『プー横丁にたった家』を刊行

創刊50年を迎えた2000年、本の左右の幅を7ミリ増し、ゆったりと読みやすい判型にリニューアルした。

「岩波少年文庫」公式ページ

 

石井桃子の翻訳

岩波書店は1940年、石井桃子の翻訳により、日本で最初に『クマのプーさん』を刊行した。

以降、A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳の「クマのプーさん」作品の出版に力を入れている。

石井桃子の翻訳は、古風な言葉づかいで独特の味がある。

E.H.シェパード絵と、石井桃子が訳したプーさんが、ぴったり合っている。

言い間違いがたくさん出てくるプーさんだけど、ぶっちゃけ、本当はどういいたいのかわからないくらい崩れてる日本語もいっぱいある。

だけど、読者に優しくない、確信犯のこの言葉づかいから、よりリアルにプーさんの世界が伝わってくる。

言葉づかいは、現代人にはちょっとわかりにくいところもある。(傘をコウモリと言ったり)

そういうのも含めて、味として繰り返し読み込みたくなる。

小学校中学年以上対象で、たいていの漢字にはふりがながふってある。

ひらがな表記も多いので、大人には少し読みづらいかもしれない

『クマのプーさん』253ページ。『プー横丁にたった家』272ページ。

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これをきいて、きみは、おなかのなかで笑ってしまった。「ばっかなクマのやつ!」

けれども、きみは、プーがだいすきなんだから、けっして口でそんなこといったりしやしないさ。

引用元:『クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2000年

 

岩波少年文庫ポイント

  • ベーシックな1冊
  • A.A.ミルンとE.H.シェパードの共作
  • 石井桃子の翻訳

 

二作を一冊で楽しめるハードカバー

『クマのプーさん プー横丁にたった家』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、1962年

1962年に刊行されたのは、『クマのプーさん』と『プー横丁にたった家』が1冊に収められたハードカバーの愛蔵版。

1956年にイギリスで刊行された”The World of Pooh”を原書としており、E.H.シェパードによる色鮮やかなカラーイラストが特徴。

E.H.シェパードの絵をカラーで楽しみたい人にはおすすめの1冊。

『クマのプーさん/プー横丁にたった家』402ページ。A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、1962年

 

装丁にこだわった80年記念愛蔵版

『クマのプーさん Anniversary Edition』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2006年

2006年に刊行されたのは、オリジナル創刊80周年を記念した「Anniversary Edition」

E.H.シェパードのカラーイラストはもちろんのこと、紙の材質や装丁にもこだわった、ハードカバーの愛蔵版。

美しく重厚感があるので、プレゼントにも最適。

『クマのプーさん Anniversary Edition』160ページ。『プー横丁にたった家 Anniversary Edition』191ページ。

 

ハードカバーポイント

  • A.A.ミルンとE.H.シェパードの共作
  • 石井桃子訳
  • カラーイラストで装丁もしっかりした愛蔵版

 

大人も読みやすい文庫

「クマのプーさん」は、文庫版でも刊行されている。

文庫版は漢字が多くふりがなが少ないので、大人がすらすら読みやすい

翻訳もそれぞれ違うし、イラストもE.H.シェパードではなく、日本で活躍している画家が手掛けている。

読み比べてみて、オリジナルの『クマのプーさん』との違いを発見してみるのもおもしろい。

 

角川文庫『クマのプー』

『クマのプー(角川文庫)』A.A.ミルン作、村上勉絵、森絵都訳、KADOKAWA、2017年

『プー通りの家(角川文庫)』A.A.ミルン作、村上勉絵、森絵都訳、KADOKAWA、2017年

角川文庫より2017年に刊行されたのは、直木賞作家の森絵都による新訳『クマのプー』と『プー通りの家』。

岩波少年文庫の石井桃子訳のあとに、この森絵都訳を読んだ。

・・・格段に、読みやすい。。

単純に大人向けに漢字多めというところもあるし、表現が現代語なので、すらすら止まらずに読める

森絵都自身が児童文学も書くので、キャラクターのツボを心得てて、かつわかりやすいんだよね。

挿絵を担当したのは、佐藤さとる「コロボックル」シリーズの挿絵でも有名な村上勉

森の動物たちの世界観がE.H.シェパードのとは全然違って、めっちゃファンタジックで、すごくいい

現代の日本人が親しみやすい、ナチュラルなプーさんと仲間たちでした。

電子書籍版では、村上勉の挿絵をカラーで楽しむことができるよ。

『クマのプー』240ページ。『プー通りの家』256ページ。

(おばかなクマぼう!)きみはひそかに笑いながらも、口には出しませんでした。

引用元:『クマのプー』A.A.ミルン作、森絵都訳、村上勉絵、KADOKAWA、2017年

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新潮文庫『ウィニー・ザ・プー』

左『ウィニー・ザー・プー』
右『プーの細道にたった家』
いずれもA.A.ミルン作、阿川佐和子訳、100%ORANGE絵、新潮社、2016年

新潮文庫より2016年に刊行された『ウィニー・ザ・プー』は、エッセイストでテレビにもよく出ている阿川佐和子による新訳

文庫本なので、やはり感じ多用・ふりがな少なめという点では、石井桃子訳より読みやすく、大人向け。

阿川佐和子訳は、読んでいて、全体的に甘さというか、柔らかさを感じた。

言葉づかいも、クリストファー・ロビンがプーを「ばかちん」と呼ぶところとか。(石井桃子訳は「バッカなクマのやつ!」)

冒頭で「ウィニー・ザ・プー」という名前の由来をクリストファー・ロビンが説明してるところは、石井桃子訳でも、森絵都訳でも省略されていた。

この部分を読んで、新潮文庫版は「クマのプー」ではなく、「ウィニー・ザ・プー」であるわけがわかった。

しかし、顔が有名な人だと、どうしても、読んでて訳してる人の顔がちらついてしまう。(TVタックルとか。)

なかなか物語に集中できない、というのが正直なところでした。

挿絵を手がけたのは、人気イラストレーターの100%ORANGE

こちらも、なんかちょっと物足りなかった。

単純に絵の数が少ないというのもあるし、場面を描いているというより、マスコット的な感じ

『ウィニー・ザ・プー』222ページ。『プーの細道にたった家』234ページ。

君は心の中で笑いました。「バカなクマちん」

でも君はその言葉を声には出しませんでした。なぜなら君はプーのことが大好きだったからね。

引用元:『ウィニー・ザ・プー』A.A.ミルン作、阿川佐和子訳、100%ORANGE絵、新潮社、2016年

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文庫版ポイント

  • 漢字多め、ふりがな少なめで大人が読みやすい
  • 現代の感覚に合わせた新訳
  • シェパードの絵ではなく、日本のイラストレーターの個性的な挿絵

 

A.A.ミルン×E.H.シェパードによる詩集

左『クリストファー・ロビンのうた』
右『クマのプーさんとぼく』
いずれもA.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、小田島雄志・小田島若子訳、河出書房新社、2018年

『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』の2冊を読んでみて、もっとプーさんやクリストファー・ロビンの世界に浸りたい!って思ったら、詩集を読んでみるのもおすすめ。

『クリストファー・ロビンのうた』(原題”When We Were Very Young”)『クマのプーさんとぼく』(原題”Now We Are Six”)は、A.A.ミルンによる詩集

2冊ともに、E.H.シェパードの挿絵がふんだんに盛り込まれ、「クマのプーさん」シリーズの世界をより深く味わえる。

この2冊の詩集は、日本では1978~1979年にかけて、小田島雄志・小田島若子訳で晶文社より刊行された。

現在は、河出書房新社より新装復刊されている。

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『クリストファー・ロビンのうた』

『クリストファー・ロビンのうた』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、小田島雄志・小田島若子訳、河出書房新社、2018年

『クリストファー・ロビンのうた』(1924年)は、プーさんシリーズの第1作目として知られている。

A.A.ミルンは、息子のクリストファー・ロビンが3歳になるころに子どもの詩を書き始めた。

その詩をまとめたのがこの詩集。

「クマのプーさん」の原型と言えるような「テディ・ベア」という詩もこの中にある

 

童謡としても親しまれていた!

引用元:When We Were Very Young LP- SIDE A/ lestatsluver666

こちらは、1957年にリリースされた”When We Were Very Young”の童謡集のレコード

A.A.ミルンが創作した詩がそのまま歌われている。

音楽がつくととても親しみやすい。

ジャケットには、プーさんに似たクマもいるね。

『クリストファー・ロビンのうた』132ページ。

 

『クマのプーさんとぼく』

『クマのプーさんとぼく』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、小田島雄志・小田島若子訳、河出書房新社、2018年

1926年刊行の『クマのプーさん』の大ヒットに続いて刊行されたのが、次の詩集『クマのプーさんとぼく』。(1927年)

『クリストファー・ロビンのうた』より少し成長した子どもたちが描かれた今作では、「クマのプーさん」もしっかり登場。

『クマのプーさんとぼく』152ページ。

 

詩集ポイント

  • より深くA.A.ミルンとE.H.シェパードの世界を味わえる
  • クリストファー・ロビンの気持ちになれる
  • 詩や童謡が好きな人向け

 

四作を一冊で!永久保存版

『クマのプーさん全集―おはなしと詩』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、1997年

A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵の4冊が1冊に収められたのが、1997年に岩波書店から刊行された『クマのプーさん全集―おはなしと詩』

この本のスペシャルなところは、「クマのプーさん」の物語を、E.H.シェパードのカラー挿絵で、余すところなく楽しめるところ。

岩波少年文庫と河出書房新社で1冊ずつそろえても、このカラー挿絵は見ることができないんだよね。

とても重たいので、家に1冊おいて楽しむ用。

『クマのプーさん全集―おはなしと詩』432ページ。

 

全集ポイント

  • A.A.ミルンとE.H.シェパードの共作をあますところなく楽しめる
  • E.H.シェパードのカラーイラスト

 

絵本・児童書

E.H.シェパードのカラーの絵をじっくり味わいたいなら、絵本がおすすめ。

岩波書店からは、『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』から、選りすぐったお話を、1冊ずつ絵本にしたものが刊行されている。

 

選りすぐりの三話を一冊の絵本で

『絵本 クマのプーさん』A.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、1968年

『絵本 クマのプーさん』(原題”The Pooh Story Book”)は、1965年に刊行された大型絵本。

日本では1968年に刊行された。

E.H.シェパードが描いたプーさんの挿絵は、『クマのプーさん』初版の1926年のときはモノクロだった。

その後、カラーや描き直し、描き下ろしの挿絵のバリエーションも増えていった。

『絵本 クマのプーさん』は、新たに描き直されたカラーイラスト

岩波少年文庫と絵を見比べてみるのもおもしろそう。

『クマのプーさん』『プー横丁にたった家』から、次の3つのお話を選んで収めた楽しい絵本。

  • 「プー横丁にイーヨーの家がたつお話」(『プー横丁にたった家』より)
  • 「コブタが、ぜんぜん、水にかこまれるお話」(『クマのプーさん』より)
  • 「プーが、あたらしい遊戯を発明して、イーヨーが仲間にはいるお話」(『プー横丁にたった家』より)

78ページ。

 

「クマのプーさんえほん」全15冊

左『プーのはちみつとり』
中央『プーあなにつまる・ふしぎなあしあと』
右『プーのゾゾがり』
いずれもA.A.ミルン(著)、E.H.シェパード(絵)、石井桃子(訳)、岩波書店、1982年

1982年から、岩波書店より刊行された『クマのプーさんえほん』は、全15冊のシリーズ絵本。

E.H.シェパードのカラーイラストが豊富。

  1. プーのはちみつとり(『クマのプーさん』より)
  2. プーあなにつまる・ふしぎなあしあと(『クマのプーさん』より)
  3. プーのゾゾがり(『クマのプーさん』より)
  4. イーヨーのたんじょうび(『クマのプーさん』より)
  5. カンガとルー 森にくる(『クマのプーさん』より)
  6. プーのほっきょくたんけん(『クマのプーさん』より)
  7. コブタと大こうずい(『クマのプーさん』より)
  8. プーのたのしいパーティー(『クマのプーさん』より)
  9. イーヨーのあたらしいうち(『プー横丁にたった家』より)
  10. トラーのあさごはん(『プー横丁にたった家』より)
  11. トラー木にのぼる(『プー横丁にたった家』より)
  12. プーあそびをはつめいする(『プー横丁にたった家』より)
  13. ウサギまいごになる(『プー横丁にたった家』より)
  14. コブタのおてがら(『プー横丁にたった家』より)
  15. フクロのひっこし(『プー横丁にたった家』より)

1冊ごとに1話完結でお値段もお手頃なので、好きなお話だけ読んでみることもできる。

子どもが初めて読むのにも最適。

一部品切れあり。

 

「はじめてのプーさん」全3冊

左から『プーのはちみつとり (はじめてのプーさん)』『プー あそびをはつめいする (はじめてのプーさん)』『イーヨーのあたらしいうち (はじめてのプーさん)』
いずれもA.A.ミルン作、E.H.シェパード絵、石井桃子訳、岩波書店、2016年

2016年に岩波書店より刊行されたのは、「クマのプーさんえほん」シリーズより3冊をリニューアルした「はじめてのプーさん」シリーズ。

次の3話を新しい装丁の絵本で読むことができる。

  • プーのはちみつとり
  • イーヨーのあたらしいうち
  • プーあそびをはつめいする

最晩年のE.H.シェパードによる彩色原画を挿絵に採用している。

 

【2022年11月刊行】小学館世界J文学館

『小学館世界J文学館』浅田 次郎,角野 栄子,金原瑞人,さくま ゆみこ,沼野 充義(編集)、小学館、2022年

 

引用元:小学館世界J文学館 「新しい「名作全集」の扉が開きます」編/小学館公式チャンネル

2022年11月に刊行された『小学館世界J文学館』は、1冊の本(紙の書籍)を買うことで125冊の世界名作を電子書籍として読める、新しいタイプの全集。

紙の書籍は各作品をイラストやあらすじで紹介していて、名作ガイドブックのような役割。

気になる作品はページ内のQRコードを読み込むことで、スマートフォン、タブレットなどの端末で読むことができる。

現代の子どもたちが読みやすい新訳を採用し、イラストも第一線で活躍している画家が手がけている。

『クマのプーさん』は、児童文学作家でもある石井睦美の訳。

イラストはあたたかみのある作風の印象的なきくちちきが手掛ける。

小学校中学年以上が対象。

「小学館世界J文学館」公式ページ

1話のみ電子書籍

全集

 

「100年後も読まれる名作」シリーズ(KADOKAWA)

『100年後も読まれる名作(6) くまのプーさん』A.A.ミルン作、柏葉幸子訳、patty絵、KADOKAWA、2017年

KADOKAWAの「100年後も読まれる名作シリーズ」は、『物語ガイドまんが』『カラー絵+ポスター』『読書感想文の書きかた』を盛り込んだ小学生向けのシリーズ。

角川つばさ文庫『飛ぶ教室』の挿絵も手がけるpattyのオールカラーイラストは、アニメっぽくて活字が苦手でもとっつきやすい。

柏葉幸子による編集と翻訳で、物語のおもしろいところだけを集めているので、さくさく読める。

『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者、坪田信貴が教える『読書感想文の書きかた』がついているところがおもしろい。

148ページ。電子書籍版あり。小学校低中学年向け。KADOKAWA、2017年

KADOKAWA「100年後も読まれる名作シリーズ」公式ページ

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patty絵『飛ぶ教室』紹介

小説『飛ぶ教室』12作品比較。文庫や児童文庫、挿絵など特徴まとめ

『飛ぶ教室』は、ドイツの作家エーリヒ・ケストナーが生んだ、世界中で愛読されている児童文学。 現在さまざまな出版社から刊行されているので、特徴別にまとめてみた。 こんな方におすすめ 『飛ぶ教室』を読んで ...

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『毎日読める!小学生のための 日本と世界の名作200』

『毎日読める! 小学生のための 日本と世界の名作200』齋藤孝(監修)西東社、2020年

『毎日読める! 小学生のための 日本と世界の名作200』では、日本と世界の名作200作品を、1話5分程度で読めるよう短くして掲載している。監修は教育学者でメディアにもよく出ている齋藤孝。

小学生の1年の登校日数とほぼ同じ200話を掲載することで、毎日の読書の習慣がつくようになっている。

ページの構成は先に紹介した『1話5分!12歳までに読みたい名作100』と似ているが、本書ではお話の最後に「読むヒント」としてお話のポイントをまとめている。

『クマのプーさん』は「低学年向け」で紹介されている。

漢字にはふりがなつきなので低学年〜高学年まで対応。

「あらすじだけを知りたい!」「次に読む作品を選ぶための情報がほしい」というときにおすすめ。

 

絵本・児童書ポイント

  • イラストがたくさんある
  • 解説やコラムつきのものもある
  • 字が大きい

 

遺族が認めた正当な続編

A.A.ミルンとE.H.シェパードの黄金コンビがこの世を去った後、プーさんを愛する現代の作家たちが書いた続編が刊行されているので、紹介するよ。

 

『プーさんの森にかえる』

2009年に刊行されたのは、「クマのプーさん」の正式な続編とされる『プーさんの森にかえる』(原題”Return to The Hundred Acre Wood”)。

日本では2010年、こだまともこ訳で小学館より刊行された。

正当な続編とはいっても、もちろん作者はA.A.ミルンとE.H.シェパードではない。

現在作家として活躍するディヴィッド・ベネディクタスによる物語

『プー横丁にたった家』で、クリストファー・ロビンが森からいなくなってから80年後の舞台に描かれている。

児童向けの単行本とはいっても、字は小さめで感じも多く、大人もすんなり読める。

マーク・バージェスの絵は、E.H.シェパードの画風を踏襲しており、オールカラー

翻訳は青い鳥文庫の『クリスマス・キャロル』の翻訳もてがけるこだまともこ。

271ページ。

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『世界一のクマのお話 クマのプー』

『クマのプー 世界一のクマのお話』A.A.ミルン原案、E.H.シェパードデザイン、 マーク・バージェス 絵、ポール・ブライト他文、森絵都訳、KADOKAWA、2016年

2016年、『クマのプーさん』刊行90周年の年に刊行されたのが、『世界一のクマのお話 クマのプー』

こちらも正当な続編とされている。

イギリスで活躍する4人の児童文学作家が書き下ろす、春夏秋冬の4つの物語。

オールカラーの絵を手がけたのは、『プーさんの森にかえる』につづきマーク・バージェス。

翻訳は、角川文庫で『クマのプー』『プー通りの家』の翻訳を手掛けた森絵都

208ページ。電子書籍版あり。A.A.ミルン原案、E.H.シェパード企画・原案・デザイン、ポール・ブライト/ブライアン・シブリー/ジーン・ウィリス/ケイト・ソーンダズ著、KADOKAWA

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『クマのプーさんのむかしむかし すべてがはじまるまえのお話』

『クマのプーさんのむかしむかし すべてがはじまるまえのお話』ジェーン・リオーダン文、マーク・バージェス 絵、尾﨑愛子訳、文化出版局、2022年

2022年に文化出版局より刊行されたのは、『クマのプーさん』の物語よりも前にあったことを描いた『クマのプーさんのむかしむかし すべてがはじまるまえのお話』。

プーがクリストファー・ロビンの元にくる前のお話を中心に10編が収録されている。

プーの物語『Winnie-the-Pooh Goes to London』(未邦訳)のジェーン・リオーダンが文を手がけ、公式続編で続けて絵を手がけているマーク・バージェスが今作も担当している。

127ページ。

 

続編ポイント

  • プーさんたちのその後を読める
  • プーさんを読んで育った児童文学作家たちが書くプーさんを読める

 

映画・アニメ

児童文学として誕生した『クマのプーさん』だけど、現在は映画やアニメなど、いろんな形で親しまれているよね。

代表的な映画やアニメを紹介するね。

 

ディズニーアニメ『くまのプーさん』

引用元:「くまのプーさん/完全保存版 MovieNEX」予告/ディズニー公式サイト 

「プーさん」といえば、ディズニーアニメの『くまのプーさん』を思いうかべる人は多い。

ももちんも、子どものころにもっていたぬいぐるみはディズニーのプーさんだった。

ディズニーは、はじめに「くまのプーさん」のアニメを発表したのは1966年の短編映画『プーさんとはちみつ』だった。

つづいて1968年に『プーさんと大あらし』1974年に『プーさんとティガー』が発表された。

今回紹介している『くまのプーさん/完全保存版』は、この3作を収録したもの。

これ以降もディズニーはたくさんの「くまのプーさん」のアニメ映画を制作しているが、原作とは全く関係のないオリジナルストーリーのものも多い。

ポイント

ディズニーアニメ『クマのプーさん 完全保存版』は、本の世界をアニメや歌で楽しみたいときにおすすめ!

映画『クマのプーさん 完全保存版』ディズニー公式サイト

 

映画『プーと大人になった僕』

引用元: 「プーと大人になった僕」MovieNEX 予告編/ディズニー公式サイト 

 

映画『プーと大人になった僕』(原題”Christopher Robin”)は、2018年にアメリカで後悔されたファンタジー映画。

原作は、A.A.ミルンの児童文学『クマのプーさん』と、ディズニーアニメシリーズ『くまのプーさん』をミックスしている。

親友のクマのプーや仲間たちと別れて長い年月が経ち、大人になったクリストファー・ロビンが主人公。

仕事人間となっていたクリストファー・ロビンは、プーと再会し、大切なことを思い出しはじめる。

ポイント

映画『プーと大人になった僕』は、『クマのプーさん』の世界をリアルなキャラクターや美しい映像で楽しみたいときにおすすめ!

映画『プーと大人になった僕』ディズニー公式サイト

 

映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』

引用元: 『グッバイ・クリストファー・ロビン』プロモーション映像/20世紀フォックス ホーム エンターテイメント

映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』(原題”Goodbye Christopher Robin”)は、2017年に公開されたA.A.ミルンの伝記映画。

原作は、生前のクリストファー・ロビンが唯一執筆を許可した作家、アン・スウェイトによる伝記。

第一次世界大戦により心に深い傷を負ったミルンと妻・ダフネ、後に生まれるクリストファー・ロビンとナニーのオリーブが織りなす物語。

『クマのプーさん』誕生の経緯と、成功の影で家族が味わった矛盾する思いが描かれている。

A.A.ミルンが大人気だった「クマのプーさん」シリーズを4作で打ち切ることにした経緯や、ミルンとクリストファーの親子関係についてもわかる。

日本では劇場公開はされていないが、ブルーレイ&DVDの発売や動画配信されている。

動画配信

原作本

もっと詳しく

ポイント

映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』は、A.A.ミルンやクリストファー・ロビンの人生、『クマのプーさん』誕生秘話を知りたいときにおすすめ!

映画『グッバイ・クリストファー・ロビン』公式サイト

 

まとめ

『クマのプーさん』関連作品まとめ。

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原作シリーズ

文庫名翻訳挿絵

岩波少年文庫2冊
石井桃子E.H.シェパード

『クマのプーさん/プー横丁にたった家』
石井桃子E.H.シェパード

80年記念愛蔵版
石井桃子E.H.シェパード

『クリストファー・ロビンのうた』
『クマのプーさんとぼく』
小田島雄志
小田島若子
E.H.シェパード

『クマのプーさん全集―おはなしと詩』
石井桃子
小田島雄志
小田島若子
E.H.シェパード

 

文庫

文庫名翻訳挿絵

『クマのプー』
『プー通りの家』

角川文庫
森絵都村上勉

『ウィニー・ザ・プー』
『プーの細道にたった家』
新潮社
阿川佐和子100%ORANGE

 

絵本・児童書

作品名翻訳挿絵

『絵本 クマのプーさん』
石井桃子E.H.シェパード

「クマのプーさんえほん」
石井桃子E.H.シェパード

「はじめてのプーさん」
石井桃子E.H.シェパード

100年後も読まれる名作
柏葉幸子patty

 

続編

作品名翻訳挿絵

『プーさんの森にかえる』
ディヴィッド・ベネディクタスこだまともこマーク・バージェス

『世界一のクマのお話 クマのプー』
ポール・ブライト他森絵都マーク・バージェス

『クマのプーさんのむかしむかし すべてがはじまるまえのお話』
ジェーン・リオーダン尾﨑愛子マーク・バージェス

 

映画

作品名監督主演

アニメ『くまのプーさん』
ウルフガング・ライザーマン
ジョン・ラウンズベリー

『プーと大人になった僕』
マーク・フォースターユアン・マクレガー
(クリストファー・ロビン)

『グッバイ・クリストファー・ロビン』
サイモン・カーティスドーナル・グリーソン
(A.A.ミルン)

 

まずは岩波少年文庫や新潮文庫、角川文庫でプーさんの物語の世界を味わってみてね。

 

 

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

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