19世紀後半から20世紀前半にかけて出版されたアメリカの児童文学書を紹介する本です。若草物語から始まってトム・ソーヤー、大草原の小さな家、小鹿物語やラスカル、シートン、あしながおじさん、赤毛のアンやセドリック・・・全部で24作品程がヤンキー文学、開拓者、孤児の文学の三つにまとめられて紹介されていきます。
それぞれ、作者の生きた時代背景や環境から掘り起こして作品の意義や魅力が語られますが、凄いのがその合間に散りばめられている関連するトピックスです。宗教や人種問題、移民の国であるアメリカの歴史や独特の視点、文明の進歩に伴って現れる人々の生活や考え方の変化のアレコレがこれでもか！と詰め込まれていて、作品への理解と共に、アメリカという国自体への理解が深まります。
基本的にあの時代の事が書かれている訳ですが、宗教や人種の問題などは現代に通じる部分も多く、単なる本の紹介本を超えて、理解し難い部分も少なくないあの国を知る一助にもなる本ですね。
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