200年も昔の本なのにしかも450頁の大部の本なのに、芹澤恵氏の翻訳は文章が柔らかくて
ひといきに読むことができました。
この本が出版されたときはまだ電燈が発明される前だから、皆うすぐらいランプの光の
なかで読んだんですね。さぞ薄気味悪かったことと思います。現代の私たち、刺激の多い
映画とかテレビとかさまざまなエンターテイメントに慣れたものには少し冗長でかったるく
感じるかもしれませんが、当時の読者には衝撃的な内容だったと思います。
私はこの小説の起承転結をつぎにように分けて読みましたが、それぞれフレーバー(味)が
微妙に異なってとても19歳の女性の処女作品とは思えませんでした。
(1)起 天才科学者フランケンシュタインが醜い怪物を作るまで。冒険怪奇小説の味。
(2)承 科学者の幼い弟が殺され、犯人の捜査が行われる部分。推理小説、法廷小説の味。
(3)転 科学者と怪物の邂逅。弟殺しの犯人が怪物であることがわかる。
怪物にその妻をつくることを約束。この部分は教養小説、哲学小説の味。
(4)結 怪物との約束を破ったため、科学者は各地を転々とし、親友、妻、父を失う。
紀行小説かつ復讐物語の味。
面白いのは「転」のところの怪物の独白。怪物は自ら学び、こころやさしい、真善美を理解する
存在として描かれています。「若きウェルテルの悩み」、「プルターク英雄伝」、「失楽園」
なども読破してなかなかの教養をすでに身に着けています。でも見た目の醜さゆえに人間に
疎外され孤独で、科学者に妻を作ってくれと要求するのです。ほだされて一度ОKした科学者は
そのためスコットランドに向かいますが、結局思いとどまり、怪物から手ひどい反撃を受けます。
この本が出版された1818年。イギリスでは産業革命の真っただ中で、製鉄所、水力紡績機、
蒸気機関、蒸気船、鉄道がつぎつぎとあらわれ、人類の「叡智」に皆が自信をもっていた時代。
人間が自然をねじ伏せて、人類の幸福や発展のために役立たせようというのがその時代精神でした。
その風潮にこの小説は疑問を投げかけます。科学者フランケンシュタインは自然の摂理に
反して人造人間をつくり、そのためひどいしっぺ返しを受けます。
この物語から200年たって、私たちは当時よりも自然と共生する考え方(エコロジー思想)を
身に着けたと思っています。でも最近の地球の天候の荒れ方を見ると、これも自然からの
しっぺ返しではないか。そんなことを読後にちょっと考えました。
死ぬ間際に科学者フランケンシュタインも言っています。
・・人間として許された以上の存在になろうという大それた野心を抱くよりも、
生まれた町が全世界だと信じて暮らしている者のほうが、はるかに幸せだと
いうことを理解してほしいのです。・・・
Kindle 価格: | ¥703 (税込) |
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フランケンシュタイン(新潮文庫) Kindle版
醜さゆえの孤独、創造主への憎しみ――。
科学者によって創られた“怪物"の苦悩。
伝説の名著をスリルたっぷりの新訳で。
創造主よ、わたしを土塊(つちくれ)から人の姿に創ってくれと
頼んだことがあったか?わたしを暗黒から起こしてくれと
願ったことがあったか ――『失楽園』
若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物"はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆえの孤独にあえぎ、彼を憎んだ“怪物"に追い詰められることになろうとは知る由もなかった――。
天才女性作家が遺した伝説の名著。
本文より
わたしとしては、四肢は均整が取れた状態に、容貌も美しく造ってきたつもりです。そう、美しくです!その結果が――なんと、これか?その黄味がかった皮膚では、皮膚のしたにある筋肉や動脈のうごめきをほとんど隠すことができません。確かに、髪は黒くつややかに伸び、歯は真珠のように真っ白ですが、そんな麗しさも、潤んだ薄茶色の眼をいっそうおぞましく際立たせるばかりです。その眼が嵌め込まれた眼窩も同じような薄茶色、顔色もしなびたようにくすみ、真一文字に引き結ばれた唇は血色が悪く、黒みがかっているようにさえ見えます。……(第一巻第五章)
メアリー・シェリー Shelley, Mary(1797-1851)
イギリスの小説家。無神論者でアナキズムの先駆者であるウィリアム・ゴドウィンを父に、女性解放を唱えフェミニズムの創始者と呼ばれるメアリー・ウルストンクラフトを母に、ロンドンで生れる。1816年、詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーと結婚。1816年から書き始めていた『フランケンシュタイン』を1818年匿名で刊行。本作品によって、SFの創始者と呼ばれることもある。ほかの作品に『最後の人間』などがある。
芹澤恵
成蹊大学文学部卒業。英米文学翻訳家。訳書に、『密林の夢』(パチェット)、『愛しのクレメンタイン』(クラヴァン)、『フロスト気質(かたぎ)』(ウィングフィールド)、『裁きの街』(ピータースン)、『クラッシャーズ墜落事故調査班』(ヘインズ)、『1ドルの価値/賢者の贈り物他21編』(O・ヘンリー)などがある。
科学者によって創られた“怪物"の苦悩。
伝説の名著をスリルたっぷりの新訳で。
創造主よ、わたしを土塊(つちくれ)から人の姿に創ってくれと
頼んだことがあったか?わたしを暗黒から起こしてくれと
願ったことがあったか ――『失楽園』
若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物"はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆえの孤独にあえぎ、彼を憎んだ“怪物"に追い詰められることになろうとは知る由もなかった――。
天才女性作家が遺した伝説の名著。
本文より
わたしとしては、四肢は均整が取れた状態に、容貌も美しく造ってきたつもりです。そう、美しくです!その結果が――なんと、これか?その黄味がかった皮膚では、皮膚のしたにある筋肉や動脈のうごめきをほとんど隠すことができません。確かに、髪は黒くつややかに伸び、歯は真珠のように真っ白ですが、そんな麗しさも、潤んだ薄茶色の眼をいっそうおぞましく際立たせるばかりです。その眼が嵌め込まれた眼窩も同じような薄茶色、顔色もしなびたようにくすみ、真一文字に引き結ばれた唇は血色が悪く、黒みがかっているようにさえ見えます。……(第一巻第五章)
メアリー・シェリー Shelley, Mary(1797-1851)
イギリスの小説家。無神論者でアナキズムの先駆者であるウィリアム・ゴドウィンを父に、女性解放を唱えフェミニズムの創始者と呼ばれるメアリー・ウルストンクラフトを母に、ロンドンで生れる。1816年、詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーと結婚。1816年から書き始めていた『フランケンシュタイン』を1818年匿名で刊行。本作品によって、SFの創始者と呼ばれることもある。ほかの作品に『最後の人間』などがある。
芹澤恵
成蹊大学文学部卒業。英米文学翻訳家。訳書に、『密林の夢』(パチェット)、『愛しのクレメンタイン』(クラヴァン)、『フロスト気質(かたぎ)』(ウィングフィールド)、『裁きの街』(ピータースン)、『クラッシャーズ墜落事故調査班』(ヘインズ)、『1ドルの価値/賢者の贈り物他21編』(O・ヘンリー)などがある。
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2015/1/1
- ファイルサイズ1185 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B00YBLVWB0
- 出版社 : 新潮社 (2015/1/1)
- 発売日 : 2015/1/1
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1185 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 344ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 97,459位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 923位英米文学研究
- - 2,297位評論・文学研究 (Kindleストア)
- - 2,755位新潮文庫
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年1月22日に日本でレビュー済み
レポート
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47人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2023年1月2日に日本でレビュー済み
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有名なフランケンシュタイン、おもしろいです。
2019年5月30日に日本でレビュー済み
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"そのときです、窓の鎧戸の隙間から射し込む月明かりのおぼろな黄色い光のなか、わたしはあの者を見たのですーわたしが創造したあの哀れな怪物を。"執筆当時10代だった著者が1818年に匿名で出版した本書は映像化の中で内容が変容してしまった現在だからこそ、一度しっかり読んでみたい。
個人的には、出版から200年が経過し、また著者の波乱の人生を描いた映画【メアリーの総て】が公開中であることから、せっかくなんでと、これを機会に一度はちゃんと読んでおきたいと本書を手にとったわけですが。"学生にして創造主"の【フランケンシュタイン】創られた"名もすらない孤独な【怪物】。そして"海洋冒険家"の【ウォルトン】の3人視点で語られる巧みな構成にまず唸らされました。
そして何より、現在だとすっかり【フランケンシュタイン】と誤って名前を認識されてしまっている【怪物】が『若きウェルテルの悩み』や『失楽園』を貪り読む読書家であり、その饒舌な"俺の話を聞け"(byクレイジーケンバンド的な語りにも(どうしてもファーストコンタクトが"フンガー"の『怪物くん』イメージだったので)驚かされました。
映画【メアリーの総て】を観賞した(する)誰かへ、また最初期のSF小説を読んでみたい誰かにオススメ。
個人的には、出版から200年が経過し、また著者の波乱の人生を描いた映画【メアリーの総て】が公開中であることから、せっかくなんでと、これを機会に一度はちゃんと読んでおきたいと本書を手にとったわけですが。"学生にして創造主"の【フランケンシュタイン】創られた"名もすらない孤独な【怪物】。そして"海洋冒険家"の【ウォルトン】の3人視点で語られる巧みな構成にまず唸らされました。
そして何より、現在だとすっかり【フランケンシュタイン】と誤って名前を認識されてしまっている【怪物】が『若きウェルテルの悩み』や『失楽園』を貪り読む読書家であり、その饒舌な"俺の話を聞け"(byクレイジーケンバンド的な語りにも(どうしてもファーストコンタクトが"フンガー"の『怪物くん』イメージだったので)驚かされました。
映画【メアリーの総て】を観賞した(する)誰かへ、また最初期のSF小説を読んでみたい誰かにオススメ。
2018年9月29日に日本でレビュー済み
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きっかけはメアリー・ウルストンクラフトの娘が本小説の作者と知って、そこから興味が湧いてきたので手に取ってみた。恐怖映画のエンタメくらいに思っていたので、これほど文学的に描かれているとは驚きだった。フランケンシュタインの真実も知らずに人生が過ぎていたら、かなり損だったと思えるくらい読んで良かったと思っている。翻訳も読みやすかった。
ただフランケンシュタイン博士は、家族と友人を非常に信頼し大切にしているが、その対極に怪物を置くことの善と悪の二項対立が強烈な印象で、混沌を好む人には飽きそうな感じである。しかしその分かり易い分、幅広い年代層に受け容れられる内容だと思う。
外見、排除、孤独など、本作には現代の共生などというテーマとも関連付けられるが、この物語に書かれている心情を深く洞察しなければ、共生など上辺だけの言葉になるだろう。侮らないでぜひ読んでみたら良いと思う。
ただフランケンシュタイン博士は、家族と友人を非常に信頼し大切にしているが、その対極に怪物を置くことの善と悪の二項対立が強烈な印象で、混沌を好む人には飽きそうな感じである。しかしその分かり易い分、幅広い年代層に受け容れられる内容だと思う。
外見、排除、孤独など、本作には現代の共生などというテーマとも関連付けられるが、この物語に書かれている心情を深く洞察しなければ、共生など上辺だけの言葉になるだろう。侮らないでぜひ読んでみたら良いと思う。
2015年3月24日に日本でレビュー済み
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この本を読もうとしたきっかけは、100分DE名著で取り上げられていて、
そこで講師以外の番組の出演者も私も「そうとは知らなかった」と言う新しい発見があったからだ。
講師以外の番組の出演者および自分自身にとっての新し発見とは以下である。
(1)映画のフランケンシュタインは知っていても原作は読んではいない。(このようなことは珍しくないことだが)
(2)フランケンシュタインとは人造人間を作った科学者の名前であって、
一般的にフランケンシュタインと呼ばれている人造人間は原作では「怪物」としか呼ばれていない。
(3)人造人間のフランケンシュタイン(「怪物」のこと)は怖い外観をもっていることは原作でも同じだが、
原作では人造人間としての人格が、その怪物としての外観との葛藤の形で詳しく(中心テーマとして)書かれている。
(4)科学への批判が見られる。
(5)1831年出版?
なるほど、これでは原作を読まなくてはいけないな! と誰しも思うであろう。
さっそく読んでみた感想。全体としては星三つの評価としたい。
面白くないのは第一章(本書は3章構成でなっている)だ。理由は回りくどい文学少女的な文体で、
特に手紙の形式をとっている文体は「修辞法」というものなのか、辟易させられた。
なお、当方は普段は小説ましてや文学はほとんど読まない人間だ。なぜ読まないかというと、文学によって、
人間性の向上や、より良い世の中が醸成されるとは思っていないからだ。これは今はそのような時代であると
考えているからかもしれない。しかし、100分DE名著の内容は、そんな私をして、ひょっとすると、
文学のもつ可能性を再認識させてくれるのではないかと期待させてくれたのだ。
しかし、その期待感は星三つで終了。
第二章は怪物が感じたり行ったことの語りであり面白い。しかし、なぜか、第一章とは文体ががらっと変わっている。
自分にとっては読みやすい文体である。翻訳とは言え、文体が第一章と第二章とでこんなに違うのはなぜ?と思う。
第三章は当然、結末と予想されるので、どうなるのか期待を寄せたが、結局、フランケンシュタイン博士は、
自身が怪物を生み出したことへの落とし前をつけずに亡くなってしまい不満が残る。この落とし前をつけない点は
怪物を創造してからずっと一貫しており、これは落とし前をつけたら、そこで話が終わってしまうからだと自分を
納得させて読み進めたが。
星三つとはいえ、怪物の葛藤(人間社会の拒絶と自己存在との相克)は面白いテーマであり、普遍性をもっていて
重要なテーマだと思う。本書の怪物とは違うが、人造人間が自己のアイデンティティーに悩む問題はブレードランナー
でも取りあげられていたと思う。重要なテーマを見出した点で星一つを追加したい気もするが、構成が良く練られていないと
思えるのが残念なところだ。しかし、本テーマに関心のある方には是非読んでみみてほしい。
そこで講師以外の番組の出演者も私も「そうとは知らなかった」と言う新しい発見があったからだ。
講師以外の番組の出演者および自分自身にとっての新し発見とは以下である。
(1)映画のフランケンシュタインは知っていても原作は読んではいない。(このようなことは珍しくないことだが)
(2)フランケンシュタインとは人造人間を作った科学者の名前であって、
一般的にフランケンシュタインと呼ばれている人造人間は原作では「怪物」としか呼ばれていない。
(3)人造人間のフランケンシュタイン(「怪物」のこと)は怖い外観をもっていることは原作でも同じだが、
原作では人造人間としての人格が、その怪物としての外観との葛藤の形で詳しく(中心テーマとして)書かれている。
(4)科学への批判が見られる。
(5)1831年出版?
なるほど、これでは原作を読まなくてはいけないな! と誰しも思うであろう。
さっそく読んでみた感想。全体としては星三つの評価としたい。
面白くないのは第一章(本書は3章構成でなっている)だ。理由は回りくどい文学少女的な文体で、
特に手紙の形式をとっている文体は「修辞法」というものなのか、辟易させられた。
なお、当方は普段は小説ましてや文学はほとんど読まない人間だ。なぜ読まないかというと、文学によって、
人間性の向上や、より良い世の中が醸成されるとは思っていないからだ。これは今はそのような時代であると
考えているからかもしれない。しかし、100分DE名著の内容は、そんな私をして、ひょっとすると、
文学のもつ可能性を再認識させてくれるのではないかと期待させてくれたのだ。
しかし、その期待感は星三つで終了。
第二章は怪物が感じたり行ったことの語りであり面白い。しかし、なぜか、第一章とは文体ががらっと変わっている。
自分にとっては読みやすい文体である。翻訳とは言え、文体が第一章と第二章とでこんなに違うのはなぜ?と思う。
第三章は当然、結末と予想されるので、どうなるのか期待を寄せたが、結局、フランケンシュタイン博士は、
自身が怪物を生み出したことへの落とし前をつけずに亡くなってしまい不満が残る。この落とし前をつけない点は
怪物を創造してからずっと一貫しており、これは落とし前をつけたら、そこで話が終わってしまうからだと自分を
納得させて読み進めたが。
星三つとはいえ、怪物の葛藤(人間社会の拒絶と自己存在との相克)は面白いテーマであり、普遍性をもっていて
重要なテーマだと思う。本書の怪物とは違うが、人造人間が自己のアイデンティティーに悩む問題はブレードランナー
でも取りあげられていたと思う。重要なテーマを見出した点で星一つを追加したい気もするが、構成が良く練られていないと
思えるのが残念なところだ。しかし、本テーマに関心のある方には是非読んでみみてほしい。
2018年11月23日に日本でレビュー済み
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傑作。
怪物がビクターに最後に語るシーンは激しく心を揺さぶります。
怪物がビクターに最後に語るシーンは激しく心を揺さぶります。
2021年5月17日に日本でレビュー済み
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話の展開がゆっくりなので、ゆっくり読むのが苦手な人には向かないですが、文章の一つ一つが完成豊かな表現の仕方をされているので、文章を味わって読みたい人や、表現の勉強として読んだりするには身になる作品です。
2019年1月15日に日本でレビュー済み
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昔から長く残っている作品に外れはないと思う。傑作。