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絵本『たいせつなこと』感想。疲れた人にしみる美しい絵とメッセージ

2018年5月25日

マーガレット・ワイズ・ブラウン『たいせつなこと』うちだややこ訳、2001年、フレーベル館

『たいせつなこと』は、アメリカの絵本作家マーガレット・ワイズ・ブラウンの絵本。

大人にもおすすめの絵本なので、魅力をお伝えするよ。

この記事で紹介する本

この記事でわかること

  • 絵本『たいせつなこと』のみどころ
  • マーガレットワイズブラウン、内田也哉子の他の絵本

絵本『たいせつなこと』とは?

『たいせつなこと』(原題”The Important Book”)は、1949年アメリカで出版された絵本。

日本では、2001年、内田也哉子の翻訳により、フレーベル館より出版された。

マーガレット・ワイズ・ブラウン/作

アメリカの絵本・児童文学作家で児童書の編集者。

絵を引き立てるシンプルで美しい文を絵本画家に提供し、多くの絵本作品を残した。

1910年ニューヨーク州生まれ。

子どもの本の編集者を経て、絵本作家になる。

100冊以上の作品を発表し、1952年に没した後も、世代を超えたたくさんの子どもたちに絵本を読む楽しさ、喜びを伝えてきた。

ブラウンの本の多くは、初版から何十年もあとになって挿絵も新たに再出版されている。もちろん、初版時の挿絵のままに出版され続けている本はさらに多い。

1952年死去。

引用元:Wikipedia

代表作(絵本)

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レナード・ワイスガード/絵

アメリカの作家、イラストレーター。

1916年コネティカット州生まれ。

マーガレット・ワイズ・ブラウンとのコンビで知られ、1947年に『ちいさな島(原題”The Little Island”)』でコールデコット賞を受賞。

300冊以上の児童書の挿絵を手がけ、日本でも親しまれてきた。

2000年没。

代表作(絵)

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内田也哉子/訳

1976年生まれ。

エッセイスト、翻訳家、女優。

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内容紹介

アメリカで最も愛される絵本作家のひとり、マーガレット・ワイズ・ブラウンと、コルデコット賞受賞画家のレナード・ワイズガードのコンビがおくる1冊。

日常で目にうつる、何気ないものたちを新鮮なまなざしで見つめる。

原書の出版から半世紀以上の時を経て、内田也哉子のみずみずしい新訳により、日本でも出版されることとなった。

 

絵本『たいせつなこと』感想

  1. 1ページずつが主役
  2. たいせつなことは自分で決める
  3. 自分が自分であることとは?

1ページずつが主役

『たいせつなこと』という絵本がほかの絵本と違うのは、見開き1ページずつが、それぞれ主役級の存在感とみずみずしさを放っているという事。

ほとんどの物語にある起承転結というものがあまり感じられず、小さな詩集、画集を見ているような感覚になるんだ。

絵本は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を書いて、レナード・ワイスガードが絵を描いた。

文と絵を分けて絵本を作るスタイルは、マーガレット・ワイズ・ブラウンの特徴だ。

二人の才能が合わさってつくられた、極上の詩画集。

さて、1ページごとに出てくるのは、コオロギ、グラス、スプーン、ひなぎく、雨、草、雪、りんご、風、空、靴。

いつもそこにあって、ふだんは目にとめないようなわき役たち。

だけど、いつもそこにあって、もしなくなったら世界がおかしくなってしまうような大切な役割を果たしている。

ももちんは、大人になってからスプーンになんて注目したことがなかった。毎日使っているのに。

このページで主役になったスプーンは、しゃんと輝いて、なんだかうれしそうにも見える。

 

たいせつなことは自分で決める

コオロギ、グラス、スプーン、ひなぎく、雨、草、雪、りんご、風、空、靴は、それぞれのページで丁寧に詩と絵で紹介されている。

そのどれもに共通するのは、「それぞれが持つ役割にはいろいろな役割があるけれど、それ自身にとって大切なのは一つのこと」ということなんだ。

たとえば、スプーンの例でみていこう。

スプーンは、食べるときにつかう。手で握れる。口の中にちゃんとおさまる。くぼんでいて、いろんなものをすくう。

これだけの役割があるけれど、スプーンにとって一番大切なことは「上手に食べられる」ということなんだよね。

この大切なことは、実は、使うがわが決めているんじゃなくて、物それ自身が自分の大切なことを決めているんだ。

だから毎回「コオロギにとって たいせつなのは」「グラスにとって たいせつなのは」というように、「〇〇にとって」と必ずついているんだよね。

ちなみに、グラスにとっての大切なことって何だと思う?

ももちんは、上手に飲めることかなぁって思ってたけど、ちがうんだ。

「グラスに とって たいせつなのは むこうがわが すけてみえること」なんだって!

こうやって、自分がそれぞれのものに対して思ってることと、もの自身がおもってることの照らし合わせができるのがおもしろい!

 

自分が自分であることとは?

身の回りのいろいろなものを紹介した最後。

この物語では、読んでいる「あなた」へ向けて、大切なメッセージがあるんだ。

人間の自分たちには、さまざまな役割があるよね。

主婦、娘、親、妻、アルバイト・・・いろんな役割があるけれど、自分にとってほんとうに大切なものは、その役割の中には見つけられない。

大切なのは、自分が自分自身であるという事なんだよね。

それをしっかりわかっていられるなら、逆にどんな役割だって軽く演じられるんだ。

この絵本を読むことで、子どもたちも、そして社会で生き抜いてきた大人たちも、もう一度、自分に問いかけるきっかけができるよ。

「自分にとって大切なことってなんだろう?」

 

関連作品

今作で自身初となる翻訳を担当した内田也哉子。

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まとめ

『たいせつなこと』みどころまとめ。

  1. 1ページずつが主役
  2. たいせつなことは自分で決める
  3. 自分が自分であることとは?

この絵本を読むことで、子どもたちも、そして社会で生き抜いてきた大人たちも、もう一度、「たいせつなこと」を自分に問いかけるきっかけができるよ。

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  • この記事を書いた人

ももちん

夫と猫たちと山梨在住。海外の児童文学・絵本好き。 紙書籍派だけど、電子書籍も使い中。 今日はどんな本読もうかな。

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